仙塩尾根南部/鳥倉〜塩見岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田
- GPS
- 67:10
- 距離
- 36.0km
- 登り
- 3,490m
- 下り
- 4,428m
コースタイム
- 山行
- 3:34
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 3:38
- 山行
- 11:48
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 12:48
- 山行
- 12:33
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 13:13
天候 | 4日とも晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
塩見岳の西側(三伏峠側)、三峰岳西側(熊の平側)、三峰岳〜間ノ岳、西農鳥岳〜農鳥岳の各区間で岩稜帯の通過に注意。 |
その他周辺情報 | 奈良田バス停手前に「奈良田の里温泉」あり(大人550円、朝9時〜営業・水曜定休) |
写真
装備
MYアイテム |
Yasuharu
重量:-kg
|
---|
感想
(この記録は、2011年の北沢峠〜仙丈ケ岳〜両俣小屋の記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-125843.html
および、2012年の両俣小屋〜三峰岳〜間ノ岳〜北岳〜広河原の記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-219647.html
とあわせてごらんください)
3連休です!
ついでなので、さらに1日付けて4連休にすることにしました。
なぜそんな贅沢なことをするかというと、一昨年の夏に敗退したカムエク
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-915940.html
のリベンジで北海道に渡ろうと考えていたのです。
しかし、連休中の日高地方は天気予報がはかばかしくなく、急遽予定を変更することに。
それじゃあ久々に日本アルプスにでも行くか!
アルプスとなると、北にしようか南にするかで迷いましたが、せっかくの4連休なので、ちょうど3泊4日のプランがあった南に決定。
(私は行きたい山の計画を複数抱えており、日帰り・1泊2日・2泊3日などの日数ごとに管理しているのです)
かくして、6年前に北半分の仙丈ケ岳〜三峰岳を歩いた仙塩尾根の、今回は南半分にあたる塩見岳〜三峰岳を踏破してつなげることになりました。
おまけで間ノ岳と農鳥岳も付けるぜ!(おまけとか言うと怒られそうですが)
さて、まずは連休初日、飯田線の伊那大島駅に向かいます。
手前の駒ヶ根駅で、よくもまあこんなにという数の登山者がわらわらと下車していきました。きっとみんな木曽駒に登るんでしょう。
一方、伊那大島で降りたのは私を含めて十数名。この差はいったい何なんだ! 人気度は木曽駒>塩見なのか?
駅から乗ったバスで鳥倉登山口に到着。
登山者カードのポストがあったので、登り支度を整えながら用紙に記入して投函すると、後ろで見ていた2人組の若者が「この登山者カードって何ですか」と聞いてきました。
これは万が一のときに役立つもので…と教えてあげると「それは大事だ!絶対書かなきゃ」と言ってカードを手に取っていましたが、塩見岳に登るような人が登山者カードを知らないとはいったい?
すでに支度を終えて登りはじめていた人たちの後ろを追いかけるように出発。
久々にテント3泊もする行程なので荷物が重く、さっぱりペースが上がりません。
登山口の看板に「三伏峠まで約3時間」とありましたが、4時間かかってようやく峠に到着。
ちなみに先ほどの2人組に途中で追いついた時に、少し話を聞いてみたら、何とこれが初めての山登りなのだそうです。
三伏峠小屋で友達がアルバイトしている関係で、呼ばれてやってきたそうなのですが、初めての山が塩見岳ってすごいなあ!
三伏峠小屋のテン場はもうすでにほぼ満杯でしたが、何とかギリギリ張れるスペースを見つけることができました。
バスの時間の関係でスタートが14時半だったので、必然的にゴールも遅い時間になってしまいます。
もう少し早い時間にもう1本バスがあれば、テン場があふれる前に到着できそうなのですが、ダイヤ的に難しいのでしょうか。
まあ、増発しても乗客がいなかったら意味がないですからね。木曽駒>塩見ですしね(まだ言う)
翌朝5時半に三伏峠を出発、まずは塩見岳を目指します。
三伏山を過ぎて本谷山を越えたあたりまではまずまず楽勝でしたが、そこから先が長かった!
ひーこら言いながらも何とか塩見小屋にたどり着き、一息入れるついでに売店で手ぬぐいを買ったりもして、何だかんだで30分も滞在してしまいました。
十分休んだところで、小屋からいよいよ山頂へアタックをかけますが、下りてくる登山者を見るとヘルメットをかぶっている人が多いですね。
そういえば、三伏峠から来た人たちの中にもヘルメットをザックに付けている人が結構いました。
ヘルメット浸透してきてるなあ。私もテン泊4日間の大荷物でなければ持参していたかもしれませんが。
そんな呑気なことを考えていると、やがて岩稜帯に突入。
オーバーハングしている岩にザックの上がつっかえたりして、なかなか手こずりましたが、どうにか切り抜けて、山頂に到着。
少し雲があるものの展望はまあまあで、他の登山者たちもご機嫌のようです。
西峰と東峰の両方を無事に制して、熊の平へ向けて再スタート。
ここからはいよいよ今回の主目的、仙塩尾根の南半分です。
3050mの山頂から一気に高度を下げていきますが、この急傾斜では登ってくるのは大変そうですね。
まあ、反対側(塩見小屋側)と違って危険な岩稜帯はない分、楽ではあるかもしれません。
2700mくらいまで下ってきましたが、まだ森林限界の上の道が続いています。
仙塩尾根の北側では、このくらいの標高だと木々の中に入ってしまって展望がなくなってしまいましたが、こっち側は気分がいいなあ!
途中、稜線を外れて草原のような場所を通る区間もあり、なかなか変化もあって楽しいルートです。
しかし北荒川岳からはついに森林限界の下になり、木々の中を進んでいくことに。
しかもここからがまた長かった!
北荒川岳手前の道標に「熊の平まで180分」との表示がありましたが、途中でハイドレの中身がなくなってしまいペースダウンしたこともあって、結局前日同様に4時間かかりました。
熊の平小屋に到着し受付を済ませると、テントを張るのも後回しに水場に突進してガブ飲み。
それにしても、熊の平小屋は静かで落ち着いたいいところでした。
雰囲気としては両俣小屋に似ている気がします。
ただ両俣よりも格段にアクセスが難しいし、また来る機会があるかどうかは何とも…というところです。
3日目。
今日も今日とて、間ノ岳・農鳥岳を越えていく長丁場です。
ですが、まずは三峰岳までの区間を歩いて仙塩尾根を完歩するという目的達成が最重要課題。
稜線に出て、三国平の農鳥小屋方面分岐を横目に、三峰岳を目指します。
前日の塩見岳のような岩稜帯を越え、6年ぶりとなる三峰岳山頂に到達。
これで仙丈ヶ岳から塩見岳までを歩き通したことになります。
感慨深いところですが、今日の行程まだまだ先は長いので、あまり長居せずに、次のピークである間ノ岳へ。
ここから先は6年前も歩いている区間なのですが、あれ?こんなに岩場だらけだったっけ? わりとお気楽な稜線漫歩といった道だった記憶しかないけどな?
というわけでこの区間もそこそこ手こずりながら間ノ岳にたどり着くと、そこは360度の展望でした。
前回来たときはガスがかかりかけていて、真上に青空は辛うじて見えていたものの、目線の高さはだいぶ白かったので、それに比べると天と地ほどの差です。
間ノ岳山頂には山田孝之似のお兄さんがひとり休んでいて、「贅沢な場所ですね」と話しかけてきました。
「日本の主要な山がほとんどここから見えますね」。
何でも、昨日北岳山荘までテントを担いで登ってきて、今日は肩の小屋まで戻る前にこっちへ来たとのことです。
聞くと、私同様に以前にも間ノ岳に来たことがあったものの、その時はやはり一面ガスで何も見えなかったそうで。
いやー、お互い今回は良かったですね!
山田孝之さん、私がこれから農鳥岳方面へ行くという話をすると「僕も行ってみようかな」と言って、農鳥小屋へ下りる道をしばら一緒に歩いていましたが、結局、間ノ岳へ再び登り返すのが大変だということで、途中で引き返すことにしたようです。
お互いに「それでは気をつけて!」と挨拶し、それぞれに先へ進みます。
昨日3050mの塩見岳から2700mまで一気に下げたのと同じように、今日も3190mの間ノ岳から2800mの農鳥小屋までまっすぐ下降。
危険な岩場なども特に出てこず、歩きやすくて助かります。
農鳥小屋に到着し、水場で給水しようと思っていたので、小屋前の看板に「下り5分」とあるのを確認して下りていきます。
ところが5分どころか10分経っても水場らしい場所は見えてこず、これ以上時間を使うわけにいかない!と諦めて小屋にUターン。
ちぇっ!20分くらい無駄にしちゃった。
小屋に戻ると、ちょうど農鳥小屋の名物親父こと小屋番の深沢氏が外に出てきていました。
水が汲めなかった代わりに、氏からペットボトル飲料を1本購入(期限切れのため300円)。
ペットボトルを受け取って身支度する間、氏は「連休だからといってわざわざ混雑している時に来るやつばかりだ」「日程を1日ずらせばもっと快適に登れるのにな」「みんな心の余裕がないんだよ」といった毒舌を小屋従業員の方に対して吐いていました。
第一印象では想像していたより好々爺ではありましたが、やはり名物親父は健在のようです。
それはさておき先へ進みます。
西農鳥岳にはすんなり着けたものの、そこから農鳥岳までの間にはまたもや岩稜帯が待ち構えていましたが、何とか頑張って農鳥の山頂に到達。
山名板は懐かしのだんご三兄弟でした。
さっき通ってきた間ノ岳の山名板も、6年前はだんご三兄弟だったのですが、今回新しいものに変わっていたので、ここでだんごを見ることができて良かった。
ここが今回山行の最後のピークということで、名残惜しいですが、もうだいぶいい時間になりつつあったので山頂を出発。
あとはもう下るだけだ!
大門沢下降点で鐘を盛大に鳴らしてから下降開始しますが、しかしその下降がやはりきつかった!
よくこんなところに道を通したものだ…と思うほどの急な下りが延々と続き、どんどん体力が削られていきます。
もちろん自分自身の疲労や荷物の重さもありますが、標準コースタイムでは下降点から大門沢小屋まで2時間程度となっているところ、実に4時間近くかけて小屋にたどり着きました。
前々日の三伏峠、前日の熊の平に続き、3日連続で18時を回ってからの小屋到着となり、受付の際「もう後ろから他の人来ませんよね?」と聞かれてしまいました(恥)。
さすがに来ないと思いますが…と答えましたが、自分より後から来る人がいたら大変だ!
最終日である翌日は奈良田まで下るだけだから楽勝…と言いたいところですが、ここまでの自分のパフォーマンスを考えると安心はできません。
小屋から奈良田までの標準コースタイムは3時間となっているものの、念には念を入れて4時間前後と見積もっておきます。
奈良田からのバスが9時50分発のため、余裕を見て5時には出発することにしました。
もし早く到着したら、奈良田の温泉に入ってから帰ればいいし。
ところが翌4日目の朝、3時までには起きるつもりだったのに、目が覚めて時計を見たら3時40分過ぎ!
他のテントがみんな静かなので寝坊してしまった!
あわてて朝食の準備をしながら、同時進行で荷物をまとめ撤収準備にかかります。
結果、何とか5時半前に小屋を出発することができましたが、みんなそんなゆっくりで大丈夫なんだろうか?
昨日は疲労の溜まった体で下降点から1000m以上も下げてきましたが、今朝は歩きはじめなのでまだまだ元気です。
とは言うものの、小屋からの下りもなかなか大変。
木の梯子を渡して橋にしている上を通って沢の対岸に渡る箇所がいくつかあるのですが、最初の橋が曲者でした。
途中までは何とか渡りましたが、対岸まであと少しのところでバランスを崩し、あえなく橋から転落!
幸い流れはそこまで深くなく、下半身とザックの下3分の1程度が濡れた程度で済みました。
寝袋や防寒具などはドライバッグやジップロックに入れており、他には濡れて困るものも特になかったため問題ありませんでしたが、恰好悪かったなあー(恥)。
その後も、目印を見落としたか、ルートを外れて本来の道ではないところへ入っていってしまったということもありました。
んー?この道でいいのかな、何だか怪しいな?と思っていると、ふと横を見たら斜面上の木の枝からピンクテープがぶら下がっている!
やっぱり違ってたー!と、斜面を登り本来の道に入り直して事なきを得ましたが、まったく油断できません。
その先にはのんびり歩ける区間も一部にあったものの、前日のような急傾斜の区間も多く、一筋縄ではいきません。
最初に出てくる吊橋を渡って発電所の取水施設に出るまで、実に気の抜けないルートでした。
そういえば途中で下から登ってきたテン泊装備の人とすれ違ったのですが、下るのもこんなに大変なルートなのに、登ってくるなんてまったく超人だ!
取水施設からは工事現場を経由してすぐに林道に出ました。
下界に戻ってきたぞー!と喜びたいところですが、やはりと言うか、この時点ですでに8時半になっており、バスの時間まであと1時間少々という状況のため、喜んでいるほどの余裕はありません。
舗装路に入ったこともあり、バスに間に合うようペースを上げて進みます。
おかげで道端の登山者休憩所や、その先の奈良田第一発電所など、面白そうなものもじっくり見ることなくすっ飛ばし、一目散に奈良田バス停へ。
中央新幹線の工事関係車両と思われる大型トラックがバンバン行き交う中、9時半にバス停に到着し、どうにかこうにか山行終了。
バスに乗り込み、下部温泉駅でJRに乗り換えて、今回も無事に帰宅しました。
いやー、しかし今回は本当にしんどかった!
久々のテン泊でザックは重いし、そのせいでペースは上がらないし、おかげで2日目・3日目は1日12時間以上も歩くことになって、なかなかの苦行でした。
(この記録を投稿する前にプレビューで見てみたら、歩くペースが「ゆっくり」と表示されていて軽くショック!)
そもそも計画そのものに少々無理があったともいえますが、でも衣食住を全部背負って日本アルプス縦走なんていつまで出来るか分からないし、今回実行できて良かったというのも確かです。
天気も良かったしな!
次の山行も天気良いといいなあ!(←結局懲りてない)
はじめまして
yasuharuさんの最終日すれ違ったものです
いや〜奈良田の登りがキツイのは知ってましたが
テン泊装備がこんなにも重いとは
たぶんすれ違ったころはどこで引き返そうか迷っていた所だったかもしれません w
登りも下りも大変な大門沢
お疲れさまでした
はじめまして。コメントありがとうございます。
あのルートを登るなんて、いや本当に尊敬です。お疲れ様でした。
記録読ませていただきましたが、白峰三山+塩見とは贅沢な内容ですね。しかも雷鳥も見れたなんてうらやましい!日頃の行いの差でしょうかね(苦笑)
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