千呂露川1857m峰北西面直登沢
- GPS
- 16:52
- 距離
- 22.4km
- 登り
- 1,711m
- 下り
- 1,831m
コースタイム
- 山行
- 14:28
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:28
12日(日)3:30起床4:55→13:30(1857m峰)13:45→15:30(ポンチロロ川)→18:07(千呂露川)→19:23(c810m二股)C2 (行動時間:14時間30分)
13日(月)5:50起床7:37→8:40(北電取水ダム)→9:31(二股沢出会 登山口)
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
〇記録等補足
・2日目の行動中にGPSの電池交換を忘れてしまい、一部区間の軌跡が途絶えています。あしからず。
・写真コメント中に記載した標高は、カシミールが予測したものなので、およその標高ということをご承知おきください。
〇事始め
・当初は、ヤオロマップ左沢を下流部から入渓する2泊3日の計画で山行案内したが、入山時と下山後の林道アプローチが長いこと、悪天候等で1泊2日の山行にせざるを得なくなった場合に転戦しやすい山域にした方がベターだろうということで、千呂露川林道からアプローチできる沢を探し、1857m峰北西面直登沢とサブプランの二股沢四の沢を組んだ。
・台風が次から次へと発生する今夏、7月下旬に発生した台風12号は前例のない進路(東→西)を辿ったこともあり、8月頭に発生した台風13号の動きが気になった。幸い北海道に悪さすることなく、太平洋に抜けていった。
・天気の心配がなくなったので、1857m峰北西面直登沢を2泊3日でゆっくり楽しむこととした。直登沢出会いをC1、ポンチロロ川に降りてから適当な所をC2とする計画にした。
・C1で惇さんから直登沢出会いにテントや宿泊装備を置き、日帰り装備で一周しようという提案がされた。
・経験や実力はあるものの、もう若くない我ら(平均年齢60才)に体力とスピードはない。日帰りで周遊できるか疑問符がついたので、最初は賛同しなかったが、焚火の前で飲むお酒がやれるかなという思いにさせたのだった。
〇行動概要
・出会いを出て、まもなくすると、F1(c840m付近)。直登すればかなりのシャワーを浴びる。早朝で気温が上がっていない中でのシャワーは嫌だと少し戻って右岸を巻く。約30分藪を漕ぎ、懸垂で沢に降りた。この時、120cmの緑のテープスリングをどこかに残置してしまった。
・F2(c1050m付近)は、左岸側を直登し、最後は滝の落ち口に向かって登りシャワー。途中ハーケンとアングルでランニングを2本取った。
・c1100m付近の滝は、滝の中央(中間)部から右上しようとしたが、逆層ヌメヌメでピンを一本打たなきゃ登る勇気がわかず、水に打たれるだけ打たれて、敗退。この滝に打たれて体が冷え切った。左岸から簡単に巻けた。
・1週前に遡行した低温の中でのずぶ濡れ電気の沢で軽く風邪を引いたようで鼻水と呼吸器系が調子悪かった。先の滝で体が冷え切って頭痛もしてきた。風邪をぶり返してしまった感がある。こんなに簡単に巻けるのなら、最初から巻けばよかった。
・地形図に記載されている滝マークの手前ガケマークの入口付近の滝を巻いて、次の滝が見えた時、私も惇さんも次の滝も登れないように思え、巻こうとした。靖さんが、「登るんじゃないの?巻いてばかりいちゃ、時間ばかり食ってピークにつかないよ。」との意見で沢に戻ることにした。沢に戻らずそのまま巻いていたらどうなったことか。考えたくもない。「滝は直下から見て登れるか登れないかを判断する」が我が師匠のおしえだった。そいういえばピラトコミの沢のときも同じことがあったな。あの時はイバさんの言葉に助けられたなぁ。
・c1540m付近の二股は右股を行く。次に出てきた二股は、コンパスの示す方向ではなく、水量の多い左股を進むと、ピーク直下の岩峰帯に出てしまった。
・ピーク直下の岩峰帯は抜けることができないのかなと思っていたが、岩峰帯のキワをすり抜けるように喬木やハイマツをつないで登ることができ、それほど労することなく稜線に出ることができた。
・稜線に出てからは岩峰の上を行くのではなく、北側を回り込むようにして1857峰のピークに立ちことができた。
・ピークからはポンチロロ川の上流部を目指し、東側の斜面を下った。最初はハイマツの海、次に灌木を漕いで、笹系の草が出た来るまで一苦労。ポンチロロ川まで近いようで遠かった。
〇まとめ
・新版の山谷情報しか持ち合わせていなかったが、当たりの沢だった。特にC1100~1400mまで断続的に続く1枚岩の滝群は素晴らしかった。
・思っていた以上にハイマツの藪漕ぎがあり、マツヤニで一張羅が悲しいことに。やっぱ、日高の沢に良いものは着てはいけない。
・下山後にWさんの記録を読んでみたところ「北のはずれの無名峰に知る人ぞ知る銘渓あり」とのタイトルがつけられており、納得。さらに「明るいスラブはルベツネ山北面直登沢の雰囲気に似ているが、傾斜はそれほどきつくなく、怖さはない。規模の面でも遠く及ばないが、日帰りで来られる沢でこの雰囲気を味わえるのはお得感がある。」とコメントされており、さらに納得。Wさんの山行記録は以下のサイト。
https://www.whochan.com/diary.cgi/2318#Diary-0000002318-02
・この沢の滝は逆層ヌメヌメが多かった。C1100~1400mまで断続的に続く1枚岩の滝群は水が流れていない乾いているところの方がフリクションが効いて安心感があった。
・新版山谷の行動時間はc810m二股から5時間とされているが、我らは1.7倍の行動時間。これが我らの現実で今の体力と実力。今後は山谷の行動時間の1.5倍の時間で行動計画を立てることにしよう。
・一枚岩の滝群を登りながら、c810m二股まで戻ることができるのか、密かにドキドキしながらの行動だった。フォーストビバークは避けたく、ピークからは休みらしい休みを取らずに歩き続け、最後の30分はヘッドランプの世界になったが、c810m二股に戻ることができた。
・ゆったりと2泊3日の沢旅のつもりだったが、二日目はヘビーな行動となってしまった。フル装備で登っていたら、ピーク直下で幕営だったように思う。
・c810m二股をベースとした日帰りアタックは悪くないとして、そうするならツェルトを装備すべきだった。
・ポンチロロ川には幕営適地はなかったので、幕営するなら千呂露川まで下ったほうがよいだろう。
・直登沢と千呂露川に糸を垂れてみたが、まったく当たりがなかった。北電取水ダムが魚止めになっているんだなと思っていたが、Wさんは千呂露川c1080m二股でオヒョロコマを釣っていた。
・赤鬼沢のMさんは、初霜が降りる頃に日帰りで遡行していた。これまた畏るべし。Mさんの山行記録は以下のサイト。
http://akaonisawa.blog.fc2.com/blog-entry-30.html#more
コメント
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記録懐かしく読ませて頂きました。
私も日帰りはもう出来ません(笑)、しません。
2回目の1857を計画していました。それは出合いで一泊して日帰り装備でアタックです。(中止になりました)
もう日帰りで行く力が無くなり自分でも情けないのですが、年齢に応じた山行形態を取れば良いだけです。
最後の力をふりしぼり日高を楽しみたいと思います。
PS レコにも記録載せていますのでこちらでもよろしくお願いします。
こんにちは。コメントありがとうございます。年を追うごとに精神面が弱くなっていくことを感じていますが、精進してできるだけ多く日高の沢を遡行したいと思います。今後ともよろしくお願いします。
惇さんが撮影した写真を追加し、説明文を微修正しました。
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