【東吾妻作戦】一切経山〜家形山〜烏帽子山〜昭元山〜東吾妻山〜吾妻小富士【丙44.4】
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- GPS
- 10:28
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 1,453m
- 下り
- 1,456m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:29
天候 | 快晴→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
歩きやすいのは浄土平周辺の一切経山と姥ヶ原まで。 それより奥の西吾妻従走路は笹薮と泥濘と水溜りの悪路。 東吾妻山への道はややマシ。 |
その他周辺情報 | 土湯温泉(浄土平〜高湯温泉側の不動沢橋間は今夏の大雨により崩壊のため通行止) |
写真
感想
今夏は大雨に酷暑、とても出かける気にもならず、家でのんべんだらりんと過ごす。
11日から12日にかけて『北アルプスドローン縦走〜立山・剱岳〜』、『にっぽん百名山スペシャル〜白馬岳・金峰山・鳥海山〜』、『富士登山徹底ガイド(再放送)』を立て続けに見て心動かされたが、週末の天気穏やかならず、このままでは8月の山行は無しだなと腐っていた。
しかし、何と言うことでしょう!週末の天気予想が一転して晴れに。しかも土日ともに好天だ。今まで山行できなかった分、連日山行で取り返しだ。
どの地域も晴天が見込まれたため、アルプス山行も十分あり得たが、それよりも優先したかったのは福島の山。思えば、近年は福島の高い山を巡っていない。高い山でそそる山はまだまだあると言うのに。
アクセスは遠いが、連日山行を断行すべく、そそくさと山行計画をまとめ、仕事も早上がりして福島へ向かう。
【山行前夜】
磐梯吾妻スカイラインは昔は有料道路だったが今は無料化されており、時間規制も無いので夜間でもアプローチできる。夜景を見に来ていたのか、何台もの車と擦れ違う。確かに夜空は澄み渡り、天の川がはっきり見える。物心ついて以来、天の川を見た覚えは無かったが、見たことはなくても星が帯状になっており、すぐにそれとわかった。そして寒い。標高1600mの山上では最低気温も7℃くらいまで下がる。寝ることには寝たが、あまり深くは寝られなかった。
【予期せぬ苦戦、それでも満足】
吾妻連峰東側のイメージは観光地。それは磐梯吾妻スカイラインが走っていることと無縁では無い。私も10年ほど前、吾妻小富士を他の観光客と歩いたことがある。
それがまた、吾妻から足が遠のいていた理由でもある。
しかし、吾妻連峰を山行地域と定めたからには、しっかりと歩ききるということだ。
夜通し、時折車体が揺れるほどの強風が吹き、山行地域を変えようかと思ったほどだが、旭日を受けて真っ赤に染まる一切経山を見て、気を引き締めなおし、山行開始。
一切経山までは岩がごろついているものの、ほぼ難無く歩ける。ここまでなら観光気分で来られることもあろう。西側の雲が多いのが気になるが、東側は中通りの平地と、その奥に煌く太平洋。山頂に空気に感謝する塔があるが、なるほど、これは澄んだ空気の賜物だ。
要注意なのは、それから先。五色沼への下りからして早くも笹薮が道を塞いでいたが、当初は「東北のメジャーでないルートはこんなものだ」と気にも留めていなかった。しかし、雨が降ったわけでもないのに笹薮は濡れそぼっており、藪を漕ぐということは、その露をかぶって歩くということ。また、道の所々が水溜りや泥濘になっており、大丈夫だろうと思って足を着いた所でも靴が埋もれ、靴が泥まみれになる。
それだけならまだ良かったが、下り局面での濃い笹薮は危険の極み。何しろ、足元が見えないところで、足を置こうとする所に地面が無いのだ。その辺りは特に慎重に歩を進めたのだが、それでも1回足が空を切って、段差の下に勢いよく足を着く。そこが水溜りになっており、バッシャンと音がして足が濡れた。小さい段差だから良かったが、大きな段差もあるので本当に気をつけなければならない。そんな道なので、足元に注意が行くのだが、木の枝が下がっている所では、それに頭をぶつける。足も頭もやられて満身創痍だ。よく転倒などしなかったものだと思う。
西吾妻縦走路という看板が所々にあるのだが、百名山の道にしては道が悪過ぎる。東吾妻から西吾妻までは距離があるので、もしかしたら、ほとんどの人は磐梯側から登るのかもしれない。
東大巓分岐に至り、木道を見て藪漕ぎからついに解放されたと思ったのも束の間、再度藪中歩きとなる。一切経山からこの分岐に至るまでも藪が薄くなるたびに道が良くなることを期待してはがっかりすることの繰り返しだったが、これにはいささか参った。しかも、今回は水溜りどころか、山水が流れ込んで沢化した道歩きだ。こういう場合、窪地でなく土手となっている所を歩いたりするものだが、土手の方も藪が繁っていて足が置けないので水の中を歩かざるを得ない箇所がある。
細い沢は段々と集まり収束して大きな沢になる。その頃には道と沢の分離が進み、若干ではあるが歩きやすくなる。谷地平から姥ヶ原への道は、道が良くなるとともに心が平静を取り戻す道程でもあった。
山行の〆は東吾妻山。やはり吾妻連峰と言うからには吾妻の名を冠する山を歩かないと。しかし、取り付きに到るまで出会った山行者は、一切経山までに1名(ただのカメラマンかも)、東大巓分岐から谷地平間で2名、姥ヶ原で1名のみ。
本当に百名山なのか、西吾妻の方がメジャーなんだろうかと、これまた細く、藪がかかった道を登り始めたところ、にわかに人の声がして陸続と山行者が降りてくる。以降は山頂でも道上でも他の山行者を見ざるは無しだ。
東吾妻山と吾妻小富士を歩く頃には上空の大部を雲が覆い、灰色の感じになってはしまったが、磐梯山や蔵王、福島盆地等々見るべきものは見え、最後の最後まで楽しむことができた。
【総括】
今回、吾妻東部を歩いてみて感銘を受けたのは、やはり湿原と清冽な沢水。百名山の山域なので、もっと人がわんさかいるのかと思っていたが、奥の谷地平まで行くと静かな湿原散策を楽しめそうだということ。今回歩いた際にも色とりどりの花々が咲いているのを目にしたが、季節折々の高原植物を楽しみに再訪、再再訪したいとも思う。そんな山旅だった。
一方、西吾妻山従走路については、今後西吾妻へは山形県側から東大巓、中大巓、西大巓と合わせて歩くことを考えているが、土壌の水捌けが悪いようで、しかも道が森や藪に覆われているのでなおさら水が引かない状況であることから、晴れが数日続いた後に歩くのが快適だということを心に留めておきたい。
〜おしまい〜
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