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記録ID: 1576424
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
飯豊山

飯豊山<高校1年の夏山合宿>

1978年08月09日(水) ~ 1978年08月13日(日)
 - 拍手
はやぶさ半 その他16人
GPS
104:00
距離
44.9km
登り
3,947m
下り
4,005m

コースタイム

1日目
山行
2:50
休憩
0:52
合計
3:42
12:25
31
12:56
13:30
39
14:09
14:20
22
下十五里の下
14:42
14:40
33
中十五里
15:13
15:20
45
上十五里
16:05
横峰小屋
2日目
山行
5:16
休憩
2:08
合計
7:24
5:30
25
横峰小屋
5:55
6:00
78
地蔵山
7:18
7:30
65
8:35
9:13
22
9:35
10:30
42
11:12
11:15
20
11:35
11:50
64
3日目
山行
5:14
休憩
2:46
合計
8:00
6:00
6:18
42
7:00
7:45
60
御西小屋
8:45
9:00
50
天狗の庭
9:50
10:00
60
亮平の池
11:00
12:08
17
12:25
12:35
25
13:00
13:00
10
13:10
4日目
山行
7:54
休憩
2:46
合計
10:40
5:40
42
6:22
6:25
10
6:35
7:30
45
8:15
8:25
38
9:03
9:15
17
9:32
9:45
15
10:00
10:15
15
10:30
10:30
73
11:43
11:53
80
13:13
13:50
24
14:14
14:25
115
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
すでに40年前の情報につき省略
コース状況/
危険箇所等
すでに40年前の情報につき省略
報告書
2018年09月04日 23:05撮影 by  VKY-L29, HUAWEI
9/4 23:05
報告書
2018年09月05日 20:15撮影 by  VKY-L29, HUAWEI
9/5 20:15
2018年09月05日 20:17撮影 by  VKY-L29, HUAWEI
9/5 20:17

感想

高校一年の夏合宿、重いキスリングを背負って雄大な飯豊山を歩いた。
衝撃的な山行だった。

夏休みに行う合宿は一大行事である。4泊5日で飯豊山に向かった。キスリングは食料や燃料で経験したことが無い重さになっていた。果たしてばてないでついていけるか心配だった。

川入りという部落から御沢小屋に向かいそこから木の根坂と言う恐ろしく辛い登りとなる。計画書を作るときに高低図なるものを作るのだが、そこの登りの急さ、長さは私たちに不安を抱かせるに十分なものだった。おまけに先輩からもかなりの脅しを掛けられていたからたまったものではない。
確かにいきなり急な坂であった。しかもただの坂ではない、雨水に登山道は深く抉られ人一人しか通れなくなっていた。段差も1メートル以上になっているっ部分もあってその度悲鳴をあげながらそこを越えていった。40分程度づつ休憩を取りながら進んでいくが思ったようには高度は上がらずいつまで続くのか、終わりが無いのではないかと思うほどだった。
それでも何時かは終わるものだ。小屋の広場にいつしか到着しそこにテント設営した。しかし1年生はそれで終わりではなかった。水を汲んで食事の準備だ。疲れている暇はなかった。

2日目は剣が峰という岩尾根を越えいよいよ高山帯に入った。切合わせと言う場所からは湿原、雪田も現れはじめとても気分が良くなった。高山植物がとてもきれいだったが実は疲れのためそれらの素晴らしい眺めを堪能することは出来なかった。その日のテント場は御西岳の近くの小屋の広場だった。標高2000メートル近くのなだらかな尾根上であった。そこにつく前から濃いガスが出てきて雷が鳴りはじめた。とても怖かった。山では雷は上から横からそして下からやって来る。尾根上であるから来てくださいと言わんばかりである。すぐにテント設営し潜り込んだが、それでも飯の準備はしなくてはいけない。今日は雪渓の方に下っていって凍りつく程冷たい水を汲んできた。

3日目最高峰の大日岳までピストン行動をした後、ガスで視界が遮られた飯豊主稜線を黙々と歩いて門内小屋まで行った。そこのテント場は尾根上の窪地にあるため風もなくとても快適な場所であった。ガスもだんだん少なくなり、時間も多少早かったため初めて余裕が生まれた。そして尾根上のガスが切れたときブロッケン現象を見ることが出来た。雄大な尾根の向こうに広がるガスの中に自分の影が動いていた。自分がこの大自然の中でいかに小さいものなのかが実感できた。自分が小さいというより、この自然があまりに大きかったというのが正解なのだろうが。
そんな中私がカビだらけになった菓子パンを食べるのをためらっていたら先輩が食べてしまった。山男は根性あるなと思った。

その後は天候が回復し4日目は咽の渇きに苦労した。水が少なかったため先生に制限されほとんど飲むことが出来なかった。登山道の脇に生えている笹の葉についた水滴をなめるようにすすった。そして最後も急な下りが待っていた。最初に登った暗くじめじめした木の根坂とは違い明るくそしてとても乾いた急な坂だった。とにかく下るだけだった。下りは楽だと思っていたのにその下りを経験してから考えが変わった。ひざが笑うと言うのを実感した。そのうち1年の金子がお風呂、お風呂と言いながら倒れた。もう荷物を背負って下るだけの体力と気力が無くなっていた。
それでも我慢していれば何時かは終わるものだ。前に進んでさえいれば。そして念願のお風呂に入ることが出来た。
飯豊山荘からの帰りに飯豊山の雄大な姿の一部が見え隠れした。帰ってしまうのがとても惜しかった。あんなに辛かったのにもっと居たいと思った。

今まで山を登っていて”私の登りたい山”に無くてはいけないものがいくつかある。それは森林限界、雪渓、滝、湿原、高山植物の咲く平原、岩場、狭い頂上、そしてその山自体の奥深さである。飯豊山とはそれらをすべて持ち合わせた素晴らしい山である。

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コメント

はじめまして
記録読ませていただきました。

こちらにも
衝撃的だったであろう山行の感動が伝わってきました
ありがとうございました。

ちなみに全然関係ない話ですが
hayabusaHanさんは僕の高校の先輩でした。
これからも山行を参考にさせていただきたいと思います
シモフリ山には絶対に行ってみたいです!
2018/9/9 17:58
Re: はじめまして
iide_sanさん、こんにちは
コメントありがとうございます。

おお、同窓生でしたか。
私は落ちこぼれだったので、堂々と言えるもんじゃないですが・・・
これからもよろしくお願いします。
ラクダ山もよろしくお願いします。
2018/9/9 19:30
プロフィール画像
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