毛無山(天守山地)
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- GPS
- 10:46
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 2,024m
- 下り
- 2,475m
コースタイム
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 10:41
天候 | 曇り一時小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
下山時は下部温泉駅から身延線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
湧水峠への道は一部崩壊箇所ある 毛無山西尾根は殆ど人が入らず倒木、枯れ枝、石ころ歩き辛い 下に行くほどルートファインディング大変 |
その他周辺情報 | 下部温泉あるが時間遅く立ち寄れず |
写真
感想
サンライズ出雲号で富士に着き富士宮駅からタクシーで猪之頭の陣場の滝に向かった。タクシー料金は5,440円と一人では一寸痛い金額だが致し方ない。駐車場から五斗目木川沿いの遊歩道に入るとすぐの処に“陣馬の滝”がある。本流のメインの滝の他に湧き水と思しき流れが何本も落ちていた。滝の傍では地元のお婆ちゃんが掃除をしていたのでご挨拶をして駐車場に戻った。
五斗目木川を渡り車の走りそうにない車道を進んで山梨県に抜ける湯之奥猪之頭林道に入った。山間部となり曲がりくねって進むと西の谷に「←湧水峠」の表示を見つけた。登山地図で確認すると稜線上の峠で目論んでいた熊森山よりもだいぶん南になるが歩く予定の熊森山東稜線も共に登山地図にも地形図にも描かれていない道だ。此方は標識があると云うことは道があると云うことだろうと思いこのルートを取ることにした。
東電の田代幹線No.112の標識もあったので送電巡視路かと思ったが巡視路らしくなく結構荒れた道だった。南にトラバースするように進み、ジグザグに高度を上げた。崩壊箇所が1箇所あり鉄橋が崩れていた。1時間で稜線に到ると其処が湧水峠だった。新鮮な湧水が得られるのかと期待したが水はなかった。此処からは平成19年11月に天使ヶ岳、熊森山、五宗山、三石山の周回縦走のときに歩いたが殆ど記憶は甦らない。
稜線の登山道は静岡・山梨の県境尾根で登山地図には赤点線道で「熟達者と同行のこと」と記されていた。P1411、P1448の二つのコブがありアップダウンが続いた。40分の歩行で熊森山(1575m)に到った。この東尾根を登って来る予定だったが全く道形はないようで湧水峠経由で正解だったようだ。樹林帯で展望は得られず5分間休憩を取って処女ルートへと踏み出した。
一瞬日が射し天候回復かと思われたが天候回復はまだまだで熊森山を下り出すと小雨が降り出しザックカバーを着けて進んだ。1,575mまで登ったのに210mも下降して猪之頭峠(1,363m)に到った。直下は湯之奥猪之頭トンネルで山に入る前に歩いて来た林道が走っている。峠からは雪見岳への登り返しで240m登らねばならない。長い登りでくたくたになって雪見岳(1,605m)山頂に到った。山頂付近は倒木が激しく歩き辛かった。ここも展望のない山頂で疲労回復のため20分程休憩した。
次の目標は金山だが一旦100m下って登り返しとなる。金山(1,596m)山頂は金属板の標識が転がっているだけだった。地蔵峠(1,510m’)は静岡側の麓集落と山梨の湯之奥集落を結ぶ峠でしっかりした登山道が越えていた。双体石仏があり嘗ては旅人の安全を見守っていたのだろう。平成13年5月に雨ヶ岳から縦走して来た時は此処から湯之奥集落に下り下部温泉まで湯之奥猪之頭林道を延々と歩いた。此処から北は嘗て歩いた道、少し登ると第二地蔵峠があり、湯之奥側に下る短絡路が分岐した。この辺りは地形図に“甲斐金山遺跡中山金山”と記され、平成9年9月国指定史跡となったようだ。武田信玄の頃に採掘が始まり徳川氏に引き継がれ17世紀頃まで金が採掘されていたようだ。
次の丸山までは370m余りの標高差で急斜面が続く、傾斜が落ち着き西に流れる尾根に乗り上るとなだらかになり丸山(1,884m’)山頂に到った。展望はなく山頂標識もなく木に巻かれた赤テープにマジックで山名が書かれただけだった。標高は1,890mとあったがカシミールの標高1,884mを採用した。
なだらかに登って行くと朝霧高原への下山路が右に分岐した。10m程先に“北アルプス展望台”と表記のある大岩があった。岩の上に登ると白峰南嶺から安倍奥の山々が望めるようだが雲が掛かり身延山(1,183m)位しか同定できなかった。方向的に果たして北アルプスまで見えるのだろうか。なだらかに300m程歩くと毛無山(1,945m)山頂に到着した。日本二百名山であり山梨百名山にも選定され1等三角点「毛無山」が設置されている堂々とした山だが“毛無”ではなく樹林帯で富士山方向だけが開かれていいた。
総体山名としての毛無山は標高1,964mが最高点で大見岳と呼ばれている。ザックをデポして大見岳に足を伸ばした。途中に展望地があり富士山や歩いて来た天守山地の稜線が見通せ熊森山の西にある五宗山(1,634m)が見え、その後方には安倍奥の下十枚山(1,732m)、十枚山(1,719m)が望めた。
10分程で大見岳に達し、樹林の一番高い処に鉄看板があり「毛無山」と「大見岳」の字が切抜かれていた。毛無山に戻って休憩し、毛無山北西尾根に乗り出した。地形図に点線道が描かれているが指導標もなくコンパスを頼りに進んで行った。道形は微かにあるようだが人が歩いていないのは歴然で倒木や枯れ枝の散乱が五月蠅い。今日はかなりバテてしまったようだ。大ガレの頭への100mの登り返しが堪える。山頂手前で振り返ると毛無山の頂と五宗山(1,634m)が見えていた。大ガレの頭(1,904m)山頂に到ると杭にマジックで山名が書いてあるだけで展望は得られなかった。
地形図の点線道は北に続いているが西南西方向には道は描かれていない。踏み跡は殆ど無くなった。赤テープも殆ど無く完全にマニアの世界になった。西側のガレの源頭に立つと次のピーク五老峰が望めた。瘦せ尾根には岩場もあり足元に気を付け乍ら1,561mの鞍部まで下降した。50m登り返して五老峰(1,619m)山頂に到ると3等三角点「五郎坊」があり大ガレの頭と同様、杭に山名が書かれていただけだった。この辺りまで来ると踏み跡も有ったり無かったりで傾斜がきつくなってきた。
標高1,550mの尾根の分かれ目は要注意! 北に降らなければならないが樹林帯で地形が見えない。正しい尾根に入ったことをGPSで確認し進んで行くと傾斜が増して痩せた部分にロープが掛かっていた。道もないのに誰が? と安心したのかこの直後に北西に向かう筈が南西に進むというミスを犯してしまった。急斜面でトラバースは不可能で100m近くをヘロヘロになって登り返す羽目に陥った。疲れている処に25分のロスで気が萎えそうになった。下草はないが急傾斜、倒木、枯れ枝、石ころ下りとは云え歩行が捗らない。
城壁のような岩の壁の上に到り左に回り込んで下った。標高750m位から鹿除けネットが現れネット沿いに進むと南にずれ出したので気を揉んでいると出入口が設けられ赤テープで□に印がつけられていた。此れは扉を開けて進めと云うことだと判断して進んで行くが下草が蔓延り道も不確かで彷徨うように2回ネットを越えると漸く林道に飛び出した。やれやれ一安心、五老峰までは略予定通り歩いて来たが1時間30分の予定が2時間余り掛かってしまった。時刻は既に17:15、暗くなる前に街に下りたいものだ。
疲れてはいたが早足で歩き、林道入口に達したときは薄暗くなっていたがギリギリ日のあるうちに下山できた。林道の入口にはゲートがあり「管理者 詼招鄲の咫廚箸△蟯覿判衢の林道のようで一般車両の他歩行も禁止されていた。朝歩いた湯之奥猪之頭林道に繋がる道に出て下部温泉駅に辿り着いた。17年前地蔵峠から下山し駅前の丸一食堂で夕食を食べたはまだあるかと楽しみにしていたが健在で立ち寄りたかったが列車は14分後で涙を飲んだ。
【登山データ】歩行22.0 10時間49分 延登高2,067m 延下降2,528m 8座登頂
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