裏谷急沢遡行
- GPS
- 07:20
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 940m
- 下り
- 929m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
裏谷急沢遡行記録
作成者:丸山
■日程 2018/11/17(土)
■山域 妙義
■天候 晴れ
■メンバー、オーダー(4人、敬称略)
遡行時:SL鶴田(40/B1)、迫野(35/M2)、朝倉(36/M1) 、CL丸山(35/M2)
下山時:鶴田、丸山、朝倉、迫野
※オーダーは一時的な変更あり
■総評
水は超少ないし、滝は書いてあるより小さいし、ナメは随分汚いし、と期待外れの
沢だった上、沢下降開始点へのアプローチが厳しく沢下降を断念、結局、沢を十分
楽しむことはできなかった。しかし、山頂や下山路からの景色は良く、高度感のあ
る岩稜歩きも楽しめて、山行全体としては満足した。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1655331.html
■時間(括弧内は予定時間)
8:52 (8:20) 出発
11:27-11:50(11:10) 柱状節理の大滝
13:21(12:40) 詰め終わり
13:22-13:30(12:50-13:00) 谷急山
13:48-14:02 引き返し地点
14:21 谷急山
16:07 (16:00) 帰着
■行動記録(敬称略)
※遡行図を作成した。滝の落差等はその遡行図に基づく。
・裏谷急沢入渓まで
迫野の遅刻、道の渋滞等で到着が遅れ、出発の準備もそこそこ時間がかかって30分
強遅れて出発。県道脇の駐車スペースからすぐに入山川に降りて川を下り、裏谷急
沢出合に着く。ここで写真を撮ろうとすると、丸山がカメラ忘れに気付く。急いで
車に取りに戻って、4分ほどロス。漸く裏谷急沢に入ろうとするが、確かに本当に
水が少ない、というか伏流している。
・2段8m滝(東京起点120の2段8+4m)手前まで
最初の5m滝で鶴田や迫野は水線を登ろうとして苦労していたが、その間に丸山は右
から巻き気味に登る。妙義らしく、初っ端から岩が脆い。結局水線は登れず、全員
右から巻き気味に登った。その先の小滝群は特に問題にならず、2段12m(下4m,上
8m)(東京起点120の3段大滝)に至る。下段は容易に登って、上段を見る。「その
空の下で」の弘田さんはこの滝を直登しているが、易しくは無さそうなので、易し
そうに見えた左岸巻きを選択。しかし想像以上に悪い巻きで、朝倉には何度もお助
け紐を出し、随分時間がかかった。滝を直登するかメインロープを出して巻いた方
が速かったかもしれない。迫野・鶴田は大きく巻いて次の4m滝もまとめて巻いた。
丸山・朝倉はこの4m滝を登ったが、これは傾斜が緩く容易。
・2段8m滝
すぐに2段12mとされる滝だが、見たところ3m+5m程度である。下段は朝倉以外は落
ち口へ登ったが、IV程度で面白い。朝倉は右岸を巻いたが、あまり良くなかったら
しい。上段はかぶっていて登れそうにないので、全員右岸から巻いたが、落ち口へ
トラバースするところで最近崩落があったようで、やや面倒だった。
・柱状節理の大滝まで
2段4m滝を容易に越えて少しすると、5m滝から連瀑帯となる。この最初の5m滝は丸
山は右壁(IV-)、ほか3人は左壁(III+)を登った。朝倉は迫野からのお助け紐使用。
この連瀑帯中で、東京起点120には左岸を巻く滝があるように書かれているが、そ
んなものはなく、階段状を快適に登った。連瀑帯を終えて落ち葉の積もった汚いナ
メを登っていくと、柱状節理の大滝が迫ってくる。
・柱状節理の大滝
大滝の手前に階段状の前衛滝があるが、これは容易(II+)。これを越えると大滝の
真下に至るが、どう見ても20mはなく、10m程度である。とはいえ上部は立ってい
て、確かに弘田さんのようにA0かA1でもしないと登れそうにない。よって巻くこと
にし、左岸の階段状岸壁を快適に登った(III-)。朝倉は迫野からのお助け紐使
用。一部ホールドの乏しいところがあり、丸山がお助けスリングを設置した。滝は
思ったよりしょぼかったが割と巻きが楽しめたので良かった。
・詰めまで
大滝から上はナメが延々と続くとされるが、落ち葉が積もっていて汚いし歩きにく
い。丸山の先導で朝倉はこれを右岸から巻いた。上部で唯一の滝(3m)は、直登でき
るが岩が脆く登りにくい。朝倉にはお助け紐を出した。この先も落ち葉だらけの谷
筋が続き、いつしか三俣に至る。悩んだが、左俣に少し入ってから左俣と中俣の間
の尾根に乗り、急斜面をひたすら登っていく。イガ栗が多く落ちていてうっかり手
をつくと痛い。40分程度の詰めをこなすと、登山道(谷急山北稜)に出た。
・撤退決断まで
詰め終われば、もう谷急山山頂はすぐそこ。山頂からは、ほぼ360°の素晴らしい
眺望が楽しめ、表妙義の岩稜もよく見えて興味が増す。さて微妙な時間ではある
が、出発時刻が遅れた以外はペースが遅いわけではないので、沢下降もできそうだ
と判断し、大黒乗越へ向かう。エアリアの「主稜合流点」までは破線路であって、
残置ロープ等もあって歩きやすいが、主稜合流点から南へ入ると、本格的なV尾根
となって、踏み跡も薄い。とはいえ大した難所はないので進み続けたが、傾斜の急
な岩稜が現れたため、ここの下降は時間・メンバー的に困難と判断し、撤退を決
断。ここは高度感があって眺めのいい場所なので暫く休憩とし、丸山は靴を履き替
えた。
・下山
谷急山への登り返しはやや面倒だったが、それほど急でもないのでスムーズにこな
して、下山開始。最初は樹林帯の下りだが、途中からナイフリッジ状の尾根にな
り、高度感があって景色も素晴らしく、また一方的に下るだけなので、沢の下山路
としては非常に良い。有名な柱状節理も左に見えてきて、確かに奇異な景観であ
る。尾根の下部ではまた幅が広くなり、どこが道なのか分からなくなるが、鶴田に
GPSの使用法も教えつつ、適当に下っていくと、入山川の堰堤の上に出た。入山川
を渡渉し、適当に斜面を登ると県道に出て、少し歩くと車に戻った。
■備考
・ヤマビルなし。多い山域だが、流石にもう活動していないらしい。
・裏谷急沢は、水が少なく殆ど濡れない沢。ただし岩が非常に脆い。落葉後に行く
と、ホールドやスタンスが見えずに難易度が上がる。落葉前の紅葉の時期に行くの
が良さそう。
・ぬめったナメがあるのでフェルトソールの方がいいかもしれない。
・谷急山北陵は、上部は高度感のある痩せ尾根で、下部は広くて踏み跡不明瞭な尾
根。バリエーションルート慣れしている人向け。景色は良く、おすすめできる。
・谷急山北陵で、初老の男性と抜きつ抜かれつした。
・下降予定だった「八沢」の読みは不明。
■感想
・紅葉はほぼ終わっていて残念だった。
・3日ほど前まで雨予報だったが、予報が変わって晴れ、良かった。
・思ったよりしょぼい沢だった。水は超少ないし、滝は書いてあるより小さいし、
ナメは随分汚いし… でも、山頂や周辺の尾根、下山路の景色や高度感は素晴らし
く、妙義は沢よりも尾根のほうが面白いのではないかと思ってしまうほどだった。
今後は妙義の尾根歩きに主軸を置いた山行も考えてみたい。(→12/9星穴岳)
・妙義は群馬県の南の方にあるので結構近いかと思っていたが、随分西なので、距
離的には谷川岳と大して変わらず、割と遠かった。交通費も結構かかるのがネッ
ク。
・結局沢下降せずにエスケープしたが、きちんと諦めてからエスケープしたので、
悔いが残らず良かった。
■CLコメント
・鶴田は、初沢だった大持沢・小持沢のときに比べて格段に歩き慣れ、ちょっとし
た悪場でも結構なペースで、安定感をもって進めるようになった。40期女子で最も
多く山に行っているとはいえ、たった半年間でここまで成長したのは凄いと思う
し、後輩の成長を感じられて嬉しい。先頭を歩くときに常に後ろを気にすること、
また、最初に登攀するときにはちゃんとオブザベーションすることを意識すれば、
もっと安心して先頭を任せられる。今後お茶大代表として、またCLとして活躍して
くれることを期待している。
・朝倉は今回遅れがちだったので、登攀力・度胸・体力をつける必要があると感じ
た。もっと頻繁に山歩き・クライミングジム等へ行くこと勧める。現状では、秋の
米子沢へ行くのはちょっと不安を感じた。
・迫野は、からだがなまらないように気をつけましょう。多少なまっているような
気がした。
・集合場所と、そこへの行き方はちゃんと確認しておきましょう。
・他に使う人がいないなら、できるだけ上等な共装を使いましょう。
・出発準備に時間がかからないように荷物は整理しておきましょう。
■反省
・滝の巻きが見た感じ以上に悪かった。もっと難易度を見誤らないようにしたい。
■沢の評価
随時更新中。
https://drive.google.com/open?id=0B7TlBNjdUv9kRnExcGNnbERhdk0
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