南アルプス深南部 寸又峡温泉〜兵越峠縦走
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- GPS
- --:--
- 距離
- 51.4km
- 登り
- 3,776m
- 下り
- 4,030m
コースタイム
- 山行
- 2:12
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:12
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 9:45
- 山行
- 6:08
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:31
天候 | 10日:晴れ 11日:晴れ 12日:曇りのち雪 13日:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰りは兵越峠から水窪市街まで歩き、遠鉄バス→遠州鉄道と乗り継いで浜松に帰宅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ルート状況】 ・寸又峡温泉〜千頭ダム[130分] 林道歩き。夜のうちに歩いた。明かりが無いトンネルがたくさんあるので、日中歩く場合でもヘッドランプ必須。 ・千頭ダム〜日向林道[32分] 千頭ダムの脇から急斜面を登って行く。今回は登りだが、下りの場合はルート取りが難しそう。 ・日向林道〜諸沢山取り付き[74分] 日向林道には4~5箇所ほど崩落個所があり注意が必要。林道の基礎は残っていて、斜面から押し出しがあるパターンで、ガレ場のトラバースとなる。足元が寸又峡川まで切れている所もあり、緊張させられる。寸又峡橋さえ越えれば林道は荒れているものの難所はもう無い。途中に何本か沢があって、水を補給できる。 ・諸沢山取り付き〜諸沢山[192分] 南側の900mピークと諸沢山へ延びる尾根の鞍部から、少し寸又峡橋側へ戻った所から尾根に取り付く。出だしは登山道沿いになぜかネットがある。ほぼ登り一辺倒。 ・諸沢山〜合地山己[250分] 3時間程度で行けると見ていたが、予想よりも大幅に時間がかかった。この区間は直線距離が長いため、標高差でコースタイムを見積もると大外れする。難所と呼べる箇所こそ無いが、地図には出ないアップダウンやヤセ尾根・倒木帯などが続きなかなかペースが上がらない。それだけに人間の痕跡もごくわずかに、原始の森を楽しめる区間。ここは藪山好きには全力でオススメしたい! ・合地山己〜喫[80分] 合地山は中ノ尾根山側から順に帰己なので、諸沢山から行くと最初に己が出てくる。中ノ尾根山からピストンをかける人が多いためか、これまでよりもややテープが多くなり、踏み跡も濃くなる気がする。 ・合地山喫〜中ノ尾根山[227分] 途中から笹薮が出てくるが、藪漕ぎに苦労する程ではなかった。この区間も3時間程度と見ていたが、最後がラッセルになり時間がかかった。 ・中ノ尾根山〜三俣山[56分] 中ノ尾根山山頂からの下り初めは尾根が広く、ガスで視界が悪い時などは注意が必要。左手には西俣沢のガレが大きく、その縁を歩いていく感じになるが、案外歩きやすい。途中の2251mピークにはドームと書かれた山頂標識があった。 ・三俣山〜白倉山[119分] 暗いうちに歩き始めたこともあり、2200mから尾根が広がるところで少し迷った。それ以降は傾斜が落ち、テープ・踏み跡もちらちら出てきて、順調だった。 ・白倉山〜平森山[37分] 明るくて広い笹薮の尾根で、歩いていて気持ちがいい。テープ類が増えてどんどんルートが分かりやすくなる感じがした。 ・平森山〜朝日山[81分] ここも広い尾根が続く。かつては藪がすごかったという記録も見るが、今ではほとんど無い。朝日山の周辺は特に尾根が広く、山頂が見つかるか不安になるほどだった。 ・朝日山〜兵越峠[145分] 1474mピークへの下りは結構な急斜面だった。1436mピークからの下りも尾根から露骨に逸れるので、赤テープを疑ってしまったが、地図をよく見れば納得した。最後の1317mピークへの登りも少々悪い。アップダウンも多く、大変に感じる区間だった。最後は兵越峠から延びる林道に出て一安心した。 ・兵越峠〜水窪市街[213分] ひたすら152号線(車道)を歩いた。今回の縦走で一番しんどかった… 【幕営地】 ・千頭ダム周辺の林道や河原 ・千頭ダム〜日向林道の間にも平坦地あり ・日向林道にも幕営できるが、落石注意 ・諸沢山山頂 ・合地山,,己(積雪期) ・中ノ尾根山周辺 ドームは狭く、三俣山山頂は傾いていて意外に幕営には適さないと思う。三俣山は少し鶏冠山の方へ歩くと良い所があった記憶がある。 ・白倉山〜朝日山の辺りは全体的に幕営適地が多い。10分も歩けば良い所が見つかるだろう。 【危険個所】 日向林道の崩壊箇所。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ワカン
ピッケル
スコップ
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
シェラフ
|
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感想
合地山に登ろうと思ったときに、中ノ尾根山からピストンをかけるという方法にどうしても納得できなかった。目指すピークよりも高い所へ一度登ってから、再度下る。これが山行計画としていかにも不自然で、また合地山に対してひどく失礼に思えた。
そんな小さなこだわりから、このルートを思い立った。この長大な尾根は、日向林道から諸沢山・合地山と連ね、最後は中ノ尾根山へと突き上げる。池口岳の地形図には深南部の山々が所狭しと並んでいるが、その中にあっても目を引く立派な尾根であると思う。
そういう訳で前々から気になっていた尾根だが、甘くはなかった。2年前の11月に挑戦するも、季節外れの大雪に苦しめられた挙句、ヘッドランプを落として敗退。散々だったため詳細は省くが、自分の読図技術の未熟さ、気象判断の甘さ、そして何よりあまりにも雑な登山だった、と深く反省したことを覚えている。しかし、日没に怯え、地図とコンパスを持って藪の中を右往左往した苦い思い出も、時間が経つと印象が変わった。目を皿のようにして地形を読み、必死でルートの痕跡を追っていたあの時間こそ、自分が一番「自然の中にいた」瞬間ではないか。その緊張感こそが藪山の面白さではないか。その思いは今でも変わっておらず、藪山にはあえて一人で入ることが多くなった。
とにかく自分にとっては因縁があって、魅力的で、感謝していて…思い入れの強い尾根だった。
結果はといえば、2日目の出発の時に合地山己にピッケルを置き忘れるという大ポカがあったものの、天気にも恵まれて概ね順調だった。(ピッケルは出発後10分くらいで気付いて回収した。)本格的に歩く登山が半年ぶりくらいで体力の劣化は感じたものの、リベンジは出来たのでとりあえず良しとしようと思う。合地山己にテントを張って、歯を磨きながら過ごした夕暮れはなかなか良い時間だった。
これからも時々は歩きたい尾根だが、日向林道の状況は悪化する一方だ。2年前よりも崩落個所は確実に増えていた。日向林道が通行不能になればこの尾根に気軽に取り付くことは出来なくなり、訪れる人はさらに減るだろう。しかし、なぜか自分はそれを嬉しく思ってしまう(笑)
正直、南アルプス深南部の主脈や気になる尾根はいよいよ歩き尽くしてしまった感じも今はしている。次の目標を探して、また地形図を眺めてみようと思う。
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