鉢伏山
- GPS
- 13:37
- 距離
- 21.2km
- 登り
- 1,715m
- 下り
- 1,711m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り遅くに雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道含め全コース雪上、午前は固雪で急斜面はスキーアイゼンかアイゼン必要。 午後は融けて標高1000m以下は重雪。 1300mピークの細尾根通過がやや難所。 |
写真
感想
富山県富山市の鉢伏山(1782m)は、富山市街地からも一応見えるのだが、その奥にある鋭鋒鍬崎山が目立つのに、名前通りになだらかな山頂のこちらは分かりにくく、知っている人も少ない。夏には有峰林道小口川線のフロヤ谷登山口から標準タイム3時間位で登れるが、小口川線は7-10月しか通れない。冬季は県道立山線側から尾根伝いに延々と歩く、標高差約1500m、往復20kmを超すロングコースとなる。
鉢伏山には一昨年の4月初めに、スノーシューで往復しているが、もうこんな長い道はしばらく歩きたくないと思った。がしかし、今季山スキーを手に入れ、きっとあの時より楽に登れると期待してまた行ってみることにしたのだが...
富山地鉄有峰口駅から南側、県道43号が和田川を渡る橋の西側から始まる林道に入り、対岸に亀谷の温泉街を見ながら和田川左岸を進む。2,3箇所小さな雪崩の押し出しがあるが大したことはない。1km弱で支流カンバ谷を渡って林道が二手に分かれ、右手はカンバ谷を上っていく。一昨年はカンバ谷林道を終点近くまで進んでから山腹に取り付いたが、今回は林道分岐から直ぐ東の、緩い尾根に取り付く。直ぐに送電線鉄塔に出会い、その後さらに2本送電線をくぐる。次第に尾根筋がはっきりして来て、傾斜も強くなっていく。
今日の雪は割と固く、一度雨になってその後凍りついた感じだ。最初はラッセルの苦労がなくて楽だと思ったが、急斜面で斜登行の時にスキーが食い込まず難しくなる。標高700から900mの区間が特に急傾斜で、少しでも緩いルートを探し、時には後戻りしたりしてかなりペースが落ちた。途中でクトー(スキーアイゼン)を装着して大分良くなったが、スキーは食い込まないのにクトーの刃ががっしり効くほど雪が固くなくて、直登行では雪面を切りながら後ずさりしたり、斜登行でもクトーの所だけ崩れてずれて行ったりする。
946mの標高点を過ぎると緩傾斜の尾根道で一旦楽になり、見晴らしも良くなって鳥ヶ尾山に至る。1300mピークは東面が崖で、西面から回り込むがこちらもかなりの急傾斜である。一ヵ所どうにもスキーを履いては登れず、ツボ足で登ることにする。ところが、スキーでは殆ど沈まないのに、ツボ足では膝以上、時には足全部が埋まる雪で、高々20mほど登るのにずいぶん汗をかいた。その後しばらく緩斜面で難しいところはなく、立山、鍬崎山等を眺めながらの気持ち良い稜線漫歩である。しかし緩いだけに標高はなかなか稼げない。ともかく道が長い。
いつの間にか、1538mではもう午後1時、それまで穏やかに晴れ渡っていたが、次第に雲が広がり、風も吹いてきた、1653mに登っている時には耐風姿勢が要るほどの時もあった。これ以上強くなったらそれを口実に敗退しようかとも一瞬思ったが、次のピークはもう山頂だ、行くしかない。
幸い風はそれ以上に強くはならず、視界は大分悪くなったが、広々とした鉢伏山山頂に到達した。薬師岳の雄大な姿が楽しみだったがそれはもう見えなかった。でも午前中一杯は景色を楽しめたし、まあ良いか。さて帰りも相当長いので、早々に下りにかかる。
山頂から1538mピーク手前の鞍部までは快適な滑降であっと言う間。それからが、数々のピーク毎に登り返しで結構時間を使う。1538mのあたりはひたすら平坦で、緩く登り緩く下るを繰り返す。それを抜けると1300mピーク手前まで快調な滑降。1300mピークは地形図では丸っこくて巻けるように思うが、東側は雪庇から崖状になり、西側へ回り込んでみると急傾斜になって結局ピークを踏む。1202mピークはツボ足で登り返し、行きにツボ足で苦労した区間は横滑りで難なく通過。鳥ヶ尾山は巻いてトレースを付けては来たが、帰りが快調になるほどには上手くつけらず、ピークを越えるのとどっちが早かったかよく分からない。鳥ヶ尾山の西の肩になる小ピークのあたりで、片方のストックのバスケットを落としてしまったのに気付き、ストック穴の大きさで見つかるかと思い戻って探してみたが、大分前だったようで10分ほど費やして諦めた。
947mのピークを頑張って登り返すと、急傾斜地帯となる。ここは結構尾根の分岐が多いので、まずは自分のトレースを忠実に辿ろうとするが、固雪でかすかにしかつかなかった所は見失い、GPSで確認しながら下りて行く。気温は午前中より大分上がり、+5℃以上あるだろう、雪は緩んだので滑落の危険は少ないが、今度は重くて曲がりにくく、樹木が密な所もある。送電線まで漸く下りて来たが、植林帯に入るとかなり暗くなって来て、ついにはヘッドランプを使う。ほどなく林道にはでたが、すっかり暗くなって、朝の出発時と同じく亀谷の灯りを対岸にみながら出発地点に戻って来た。
結局前回のスノーシュー往復に比べて、登りで2時間ほど余計に使い、下りもあまり違わなかった。今日の雪質では登りでのスキーのメリットがなく、斜登行で実際の歩行距離が伸び、再急傾斜で滞った分遅くなり、下り斜面は速いが、登り返しで損してしまったようだ。やっぱり鉢伏山は遠かった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する