日留賀岳ー遠かった男鹿岳・大佐飛山(敗退)
- GPS
- 33:19
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 2,303m
- 下り
- 2,067m
コースタイム
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 8:15
- 山行
- 12:52
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 14:04
水平距離、累積標高(+、-)
1日目:14.6km、+2,107m、-900m
2日目:18.5km、+1,201m、-2,188m
天候 | 1日目:曇り後暴風 2日目:雪と暴風のち時々晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
(復路)(神に助られ)横川から自家用車で栃木・小山駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
反省の多い山行でしたが、自行程での気づき事項を中心に列記します。 <元湯温泉口BS〜日留ヶ岳> ・元湯温泉口BSから川渡りのショートカットをトライするが2つ目の橋の先で崩壊。仕方なくUターン。ここで20分ロス。これが今回の山行の始まりだった。 ・小山亭のまさに軒先を歩かせてもらい鳥居から登山道が始まる。 ・しばらくは急登もなく歩きやすい。 ・鉄塔からしばらくは車道(ダート)歩き。 ・その先で山道になり、1300m付近から雪道となる。 ・ルートを外すと膝上までの踏み抜きもあるが日留賀岳の南陵はそれほど酷い踏み抜きは無い。 ・結構な斜度を登ると台地に出るが、山頂はその先20分程。 ・日留ヶ岳手前から暗雲が立ち込め、山頂手前からガスとなり、山頂は写真以上に暴風だった。 <日留賀岳〜観察小屋> ・日留賀岳から視界50mだが北へ向かう。 ・細尾根が続き、横殴りの暴風(体感15m)にあおられないよう注意して下る。 ・懸案の細尾根下りは風でバランス崩しやすいので、お尻ズリズリで下る。 ・塩那道路(跡)まで思いのほか下る感じ。 ・塩那道路に出て一安心と思ったら、ここから観察小屋迄は車道歩きだが、雪がうず高く積もっているのでアップダウンが半端ない。 ・日留賀岳の強風で持病の右目ドライアイとなり左目だけで歩くから時間がかかる。目薬は凍ってしまい1滴も出ないためポケットで温める。 <観察小屋> ・ドアが開放されておりありがたく一泊させてもらう。 ・銀マットなど常備され現在も観察(?)に使われている模様。 ・今宵は我々2名で快適だったが、寒波のせいで思いのほか寒く何度も目覚める。 ・温めた目薬を差したので、朝は少し見えるようになった。 <観察小屋〜瓢箪峠> ・車道は雪で斜めって怪しいため稜線を歩くと、鹿又岳に到着。 ・その先一旦車道に降りる(尾根通しでもよかった)。車道には雪が堆積して斜めっているが、観察小屋南ほど荒れてはいない。 ・ドライアイが再発し右目はモザイクというか16駒のジグソーパズル状態で色合いしか分からず。こうなったら目薬イマイチ効かない。 <瓢箪峠〜大佐飛山(敗退)> ・観察小屋から瓢箪峠まで2時間を要したため、相談の結果、男鹿岳をパスし大佐飛山から東に下るルートとする。 ・瓢箪峠の小屋でワカン装着。車道を200mほど歩き写真#37のところから尾根を下る。 ・その先で激下りになるので、右の緩斜面を下るがどうも様子がおかしい。GPSを見ると尾根違いの様子。仕方なく標高100mを登り返す。 ・尾根の分岐点まで戻るがやはりここを下る気にはなれないので、少し戻ってトラバースすることに。 ところがトラバース中にGPSを見ると左に来過ぎているようなので、右手の尾根に再トラバース。踏み跡発見も、それは自分らの足跡だった。(ガックリ) ・仕方なく再度トラバースで戻る。私は途中で予想外の尻セードになり、急登で目指す尾根にショートカット。 ・そこから大佐飛山への鞍部は稜線伝いで問題ない。 ・大佐飛山の西側は風下で吹き溜まりなのか踏み抜き地獄で登るのにとても時間がかかる。固い斜面になるとワカンを外し、踏み抜きで登れないと再度ワカン装着したり。 ・結局、無名峰手前で敗退決定。昨晩の観察小屋まで戻ってもう1泊する覚悟を決める。 <瓢箪峠> ・峠の小屋手前で、大左飛山登り始めに抜かされた単独男性と再会。 ・小屋で休憩しながら話していると、観察小屋でもう一泊するくらいなら、横川に降りて自分の車に乗って行ってもよいよ、と言ってくださいました。 ・神かスーパーマンか、いずれにせよ後光が差して光り輝いてらっしゃいました。何せ、無為な1泊を覚悟しただけに助けられた思いでした。 <瓢箪峠〜横川> ・少し下るとブルドザー道があるというので付いていかせて頂きました。 ・自分は右目が昨日の日留ヶ岳から強風でドライアイになりほぼ見えていないのでスピードが出せず遅れがち。 ・日暮れから小一時間ヘッ電歩きで横川の駐車場。 ・そこから電車時間みながら小山駅まで乗せて行って頂いた。お名前も聞けず、山は互助とのことでお礼もさせて頂けませんでしたが、この場を借りて深くお礼申し上げます。 |
その他周辺情報 | 温泉は時間無くパス。 |
写真
感想
残雪期を狙っての山行でしたが、折り悪くマイナス40℃の寒気団で山頂稜線は暴風と降雪。
目標とした男鹿岳、大左飛山にもたどり着けず、最後地元の神に助けられ、反省の多い山行となりました。
山行記録アップに躊躇しましたが、こんな山行もあったのかと参考になればとの思いから敗退レコですがアップします。
初日、日留賀岳までは予想通り1,300mから雪道で最後は雪庇歩きと激登りで日留ヶ岳山頂に到着。
山頂はガスで視界50mほど。ホワイトアウトだと行く先不明でしたが、50mあれば大丈夫でした。
とはいえ、塩那道路まで思いのほか下ります。
細尾根の激下りが連続するので、ピッケルを持参しましたが、この日は結局出番無し。細尾根で暴風にあおられないよう慎重に下ります。ストックが有用。
2か所ほど細尾根の激下りがありお尻ズリズリ作戦で下ります。ここは登りに使いたくないと思いました。
塩那道路(廃)に出てからも想定以上に積もった雪が壁のようになってて時間がかかります。
結局この日は観察小屋で1泊させてもらうことに。
夜半も寒波で寒く、−7℃シュラフにダウンジャケットや着るもの全て着用しても寒すぎて夜半何度も目覚めました。
さて翌朝。
瓢箪峠まで2時間とかかり過ぎで男鹿岳はパスすることにします。
大左飛山から東へのルートを急ぎますが、大左飛山鞍部への下りがとても分かりづらくミスコースの上、大左飛山西斜面の踏み抜き地獄により、同行者が低体温性気味になったというので撤退決定。瓢箪峠のスペースハウスは屋根が2か所壊れてテント無しでは泊まれないので、観察小屋へ戻って仕方なくもう一泊を覚悟しました。
瓢箪峠へ戻る尾根にも四苦八苦。緩い方の尾根にトラバースしたりで時間がかかります。と、瓢箪峠手前で、さっき大左飛山の登りで抜かされた単独男性に再会。
スペースハウス内で、観察小屋でもう1泊覚悟、と言っていると、「横川に下れば自分の車で最寄りまで送ってあげるよ!」と神様に後光が差して見えました。
新雪で踏み跡が消されていますが、早朝からここを登って来たとおっしゃる神男性についていきます。ブルドーザ道は比較的歩きやすいのですが、所処崩壊して迂回すること多数。ここはルートを知らないと来れないな、と思いました。
19時過ぎに男性の駐車場到着。
最後1時間近く林道とはいえ真っ暗ななかヘッ電歩きでした。
瓢箪峠で神=スーパーマンに助けられた山行でした。
もう一泊のところ助けて頂いた小山在住の男性に、この場を借りて深くお礼申し上げます・
<後記>
何かと学習すべき点の多い山行でしたが、同行者が低体温性の遭難になりかけたりちょっと危なげな山行でした。これを反省にしつつ、熟慮の上腕を上げていずれリベンジしたいと思います。
箱根の山を歩いたことで、何度かグループで歩いたsakiちゃんから最近は単独ばかりなのでとのことで、いきますか〜、と気楽に誘ってしまいました。自分一人だと突っ込んでたと思いますが過酷な状況に巻き込んでしまい申し訳なかったです。
雪不足で雪山もっと歩きたいな…と思っていたところShuMaeさんからお誘いを受け、
興味ある山域でしかも伝説の廃道「塩那スカイライン(塩那道路)」を歩ける機会!
と言う事で行って参りました。
山を始める前から愛読していた廃道系ブログにこの記事が載っており、
当時は歴史解説も含めわくわくしながら読んでいていつか行けたらいいなと思っていたものです。
今回は聖地巡礼が出来ると楽しみにしておりました。
が
天気図等から予測されるのは土日共に悪天候な上
「遭難案件」「絶対に行ってはいけないライン」である-40度を超える大寒波
晴れて風も弱い日を待とうという思いもありましたが、
来週も再来週も2日連続の休みが無くその頃には雪解けで薮が出るわ雪崩れるわでこの山域のシーズンオフな気がします。
今しかない気がする。
最近はコンディションの良い晴れた日ばっかり行ってたから、
今回は雪山修行と言う事で割り切ろう。
と言う頭では「行っちゃダメ」と分かっていたのに、
「何とかなるかも」「雪山の経験値にしたい」と言う甘い考えが今回の大惨事を招いた結果になりました。
何の為に講習会まで行って天気の勉強をしてきたのかと自分に呆れてしまいました。
人より天気の事が分かる立場なので情けなかったです。
栃木の山の神様には大変感謝をしております、ありがとうございました。
今回の反省を糧に今一度山歩きを見つめなおそうと思います。
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たまに見せる青空と吹雪が織り成す幻想的な風景は悪天候ならではの情景で、
行って良かったなと思いました。
稜線の西と東で晴れと曇りがハッキリ別れていて風のや雲の発達具合や流れが目で見て分かりました。
東北の山はアルプスや八ヶ岳とは一味違った壮大なスケールの厳しさがあるなと思いました。
大佐飛山(の隣の無名峰)の登り斜面がずぶずぶだったのはこの時期多い西北西からの風で雪がびっしりつくからで、
風向き当日の降雪状況等からそのようなコンディションである事を計算出来なくてはならないのだと勉強になりました。
今回ワカンデビューで歩き方を教わりその浮力が新鮮で楽しかったですが、
もう少し難易度の低い山でワカンデビューしておくべきだったと大いに反省しました。
事前情報通り観察小屋はアメニティが充実しており銀マットをお借りしました。
毎年秋冬の本沢温泉テン泊での鉄板コンビを流用した、
銀マット+エアマット+シュラフ+エスケープビビィで底冷え知らず快適でした。
ペットボトルの水を出しておいたら凍っていてびっくりでした…小屋の中なのに。
※質問箱にも投稿させて頂きましたが、
鹿又岳山頂(この時撮った写真にはピッケルが写っていた)から瓢箪峠方面へ、
尾根から塩那道路へ降り(ぷち薮下り)道路沿いにスペースハウスへ行くまでの間で、
オクトスのピッケル(黒いブレードカバーにオレンジのゴムっぽい石突カバー)を落としてしまいました。
思い入れのあるピッケルですのでお心当たりのある方はご一報して頂ければ幸いです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ShuMaeさん
ご無沙汰しております。
(以前、女峰山の唐沢小屋でお会いしたものです)
いつも、華麗なる山行脱帽です。
同じ日程でお隣の大佐飛山の山行しておりました。
ShuMaeさんが予定通りで歩いていたら、お会いできていたかもしれませんね。それを思うと残念な感じに思います。しかし、無事の生還よかったですね。さすがです。経験値の高さがなせるものと推察します。
予想外の寒波に私どもも翻弄されました。
しかし、危ない感じですが、素晴らしいレコです。参考にさせて頂きます。
来年は男鹿岳を狙おうと思っております。
omatsuさん、こんばんは
メッセージありがとうございます
え?あの上にいらしたんですか <大左飛山
なんとまたニアミス 残念。
いや〜、そんなことないんですよ、グズグズの雪と自分の不甲斐なさに反省至極な打ちひしがれた山行でした。そういってもらえるだけでもありがたいです
女峰山の宴会はつい先日のようによく覚えてますよ。
その後ニアミス続きかも、なので次は三度目の正直 といきたいものです
私もこの山域はリベンジせねば、と思ってます
初コメです(^。^)
omatsuさんのレコも拝読させていただきました(^。^)
小山市在住の者です。
苦しい時の神頼みならぬ、天使の出現で良かったですね(^。^)
あの週末は天気が悪く山は大荒れの様でした。
私も小山市在住なんですが、数年前の金峰山での話。
山梨側から登った我々は下山後車で山梨側へ、。
すると登山者(中年のカップル❓)が舗装路を山梨側へ下って( ̄▽ ̄)
カミさんとこんな下に駐車場あったかな?
Uターンして尋ねると、なんと長野側へ降りてるつもり⁉と( ̄▽ ̄)
16:00時近くで、このままでは大変と長野側へ、あの悪路で名高い道路を、、。
台風の影響で未舗装の道路は大きな石や亀裂が、岩場の登山道を下るが如く。
何度も車の底を擦りながら、、。
最後は勿論名前も告げずにお別れし上信越道で遅い帰宅となりました( ̄▽ ̄)
小山市在住の山好きは親切な人が多い❓
teheさん、こんばんは
メッセージありがとうございます
いや〜、ほんと先週は大荒れでしたね
寒波で寒いのは覚悟だったのですが、大左飛山西面の踏み抜き地獄には参りました それに右目ドライアイ。完全に追加1泊を覚悟してただけに、神様!天使様!仏様 でした
teheさんも神様のご経験おありとは しかも何ですか金峰山を長野側と山梨側間違えて下りても気づいていないとはまたたツワモノ?ですね 大弛峠、長野側は荒れていると聞きました。かなりの迂回を車のお腹擦りながらされたんですね。かなりな神様、ありがたや〜
私も焼岳の新中の湯ルートで、下山中に女性3人を追い越したんですが、その先で休憩中にお1人が走って来られ、私の車で高速バス乗り場に駆けつけセーフってこともありました。山はお互い様とはいえ、”終わってる”状態の者からすると後光の差す神様ですよね。
ホント小山市の方々の暖かさに助けられ山行でした
teheさん、こんばんは。
初めましてsaki15と申します。
コメントありがとうございますm(_ _)m
残雪具合と2連休の日程が暫く無い事からの焦りから、
悪天候悪条件を分かっていた上で推してしまった事を大変反省しております。
お見苦しいレコで申し訳ないです。
金峰山でそんな事があったのですね
あの長野側の悪路を車でとは 凄いです
栃木県の方々のご厚意には本当に感謝ですm(_ _)m
私もそのような姿を目指して行きたいと思います。
ShuMaeさん、おはようございます、saki15さん、はじめまして!!(≧▽≦)
遅コメになってしまいましたがど〜〜〜してもコメントしたくてコメントさせていただきたくてスミマセン!!💦実はこの日留賀岳、大佐飛、男鹿岳を私も狙っていましたが、今年は雪が少なそうで藪がもう出ているだろうか、と断念していたのでそんな中にお二人のレコがアップされて大興奮でした!!
かなり厳しい天候でのアタックで苦難の縦走だったようですが、レコの少ないこのルートにリアルな情報、すっごく参考になります!!大感謝です(≧▽≦)ShuMaeさんのドライアイはその後大丈夫でしょうか!?💦
まだ、藪は大丈夫そうでしたね!!雪の回廊、日留賀岳からの美しい稜線そして那須スカイライン!!なんと美しい景色いでしょう!!私が思い描きあこがれていた景色です✨
このルートで悩ましいのがアクセスですが、バス利用は発想になかったのでさすが!って思いました✨当初の予定では下山は大佐飛から黒滝山の方でしょうか?どのように車を回収される予定だったのか、よろしければお教えくださいませ〜〜✨
chi-sukeさん、こんにちは。
いえいえ遅コメでもなにでも頂けると嬉しいですヨ。
この山域は残雪期を中心に毎年何人かヤマレコにアップされていますが、今年は3月頭の記録しかなく、私も藪が出始めているかな?と行くまで思ってました。
ところがどっこい、今年は雪が少なかった割には雪解けは遅く、去年より残ってる感じかなと思いました。
先週末来寒いので来週でも(一部藪が出てくるかもしれませんが)まだ大丈夫な気がします。2日目の神様は3週連続でこの山域に来てるそうですが、雪が締まってどんどん歩きやすくなってるとおっしゃっていました。
私らは2日目は失速レコでお恥ずかしい限りですが、何かの参考になれば幸いです。
晴れると大絶景なので、快速chi-sukeさん是非快晴を狙ってトライしてみてください
ドライアイは数年前の病気の後遺症で、風が強いと出やすいですね。目薬して一晩で復活はますヨ、ありがとうございます😊
アクセスは往復とも都内から公共交通機関での計画で、大左飛山から黒滝山・百村山越えて板室温泉までを計画していました。
(山行計画)
https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-735192.html
車の場合、回収はバス3つとJR乗り継げば不可能ではない(?)ようですが、乗り継ぎは未確認です。↓ご参考まで。これするなら往復とも電車・バスかな。
板室温泉⇒(ゝ貪賁逎丱后泡JR黒磯駅⇒(JR)⇒JR西那須野駅⇒(JRバス)⇒塩原温泉BS⇒(ゆ〜バス)⇒元湯温泉口BS
https://www.kantobus.co.jp/route/pdf/kuroiso.pdf
http://www.jrbuskanto.co.jp/bus_etc/cntimep01.cfm?pa=1&pb=1&pc=j0360111&pd=0&st=1
https://www.city.nasushiobara.lg.jp/12/01/5354.html
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