町石道〜小辺路〜中辺路、世界文化遺産の道をテン泊で歩く
- GPS
- 124:25
- 距離
- 123km
- 登り
- 7,577m
- 下り
- 7,570m
コースタイム
- 山行
- 13:25
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 14:03
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 8:35
- 山行
- 9:01
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 9:08
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 7:07
- 山行
- 9:28
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 9:30
天候 | 4/29:曇りのち雨、4/30:曇り朝晩雨、、5/1:曇り午後より雨、5/2:快晴、5/3:晴れ時々曇り、5/4:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
到着:熊野交通大門坂BS 大門坂→那智駅:340円、那智駅→権現前:530円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
伯母子岳山頂からの迂回路、雨天時は滑りやすい。 他は指導標等充実しています。 |
その他周辺情報 | 高野山:一町石近くにファミリーマート、高野山大学東門そばの吉田屋では肉系のお弁当を売ってます。 十津川温泉:共同浴場”憩の湯” 300円 紀伊勝浦〜新宮間は熊野交通バスが30分間隔で運行。経由地が数パターンありますが、熊野速玉大社最寄りのバス停「権現前」はすべて通ります。 |
写真
感想
史上最長の十連休、アルプスは無理だし、九州・四国はあえて行くほどの距離でもないし。と、浮かんだのが熊野古道の小辺路。
年末に宿を探したけれど、道中どこも取れなかったのでテン泊で行くことにして、近所のお山でトレーニング。
どうせならと町石道と中辺路の熊野本宮〜那智大社も歩くプランにしました。
4月29日(月曜)
出発前日の28日に広島から九度山へ列車で移動して前泊。
宿のご主人のご厚意により29日は4時過ぎに出発することができました。新聞配達のバイクの音が街に響く中、てくてく歩いていきます。
道の駅くどやまの広場を見ればテント泊の方が一人。「この手があったか!」と思いましたが、幕営可能なんでしょうか。
慈尊院の山門をくぐり、石段を登った先にある丹生官省符神社で道中の安全を祈願し、いざ町石道へ。
道は柿の果樹園をゆるゆる登り、やがて杉林の中へ。登高差900m弱を20kmかけて歩く道ですので傾斜は緩やか。食料が詰まったザックは重いのですが、息が上がることもなく快調に登っていきます。前日に買っておいたよもぎ大福3個他をエネルギーにして11時過ぎに金剛峯寺に到着。ここで関東からの山友と合流です。
ここから熊野古道・小辺路へ入りますが、その前に腹ごしらえ。一本入った通りにあるお肉屋さんのお弁当を店頭でいただいて出発です。このコース、メジャーなのは午前中に高野山を出発して伯母子岳で一泊ですが、12時に高野山を出る状況では難しい。けれど空は雨模様ですんでできるだけ進んでおきたい・・・というところで、萱小屋を目指すことにします。大滝集落への下りとスカイラインの舗装路歩きでげんなりし、気合で水ヶ峰を超えた辺りでとうとう雨が降り始めました。大股でちょっと長めの休憩と給水をして急登を休み休み歩いて萱小屋跡へ。雨脚はそれほどではありませんが風が強くなってきました。ここには小さな避難小屋があり、この天候なら小屋泊としたいとこころです。運良く2人分のスペースがあり泊まることにしました。
群馬から来たという先客が薪ストーブに火を入れてくれたおかげで快適に過ごすことができました。夜半の天気は荒れ模様、小屋泊まりにしてよかった。
4月30日(火曜)
雨はまだ降っていますが、風も収まってきており雨雲レーダーの画像を見れば回復しそうなので伯母子岳へ向けて出発。伯母子峠を通る道は崩落して通れないとのことなので、伯母子岳山頂を通るコースを選択。この迂回路は完全な登山道で、おまけに山頂からの迂回路はこの雨で滑りやすくかなり膝にきました。当然ながら、伯母子岳山頂からの眺めは全くありませんでした。
この辺りから山友との距離が徐々に離れていきます。山友は当日中に果無まで行きたいということなんで、上西家跡での休憩後、先に行ってもらいました。水ヶ元茶屋そばの水場で喉を潤し、石畳の下りでスリップしないように気をつけて三田谷へ下りました。この日は三浦峠で幕営の予定ですので、三浦の湧水で翌朝までの水を確保し、ここから3kmで700mほどの高度を稼ぐ急な登りが続きます。吉村家跡の奇っ怪な枝ぶりの杉に驚き、三十丁の水場で喉を潤し、峠手前の崩壊地脇のトラバースに注意しながら峠に到着。この日はテント&タープが自分を含めて5張でした。晩ごはんは新メニューの胡麻味噌担々麺。夜になると再び雨がテントを濡らしました。
5月1日(水曜)
雨こそ止んだもののガスがかかった状態です。フライを乾かすことができないので濡れたまま収納袋に入れますが、意外と重い!消費した食料以上に重いようです。
まずは西中集落へ向けて出発。かつての水田跡と言われる、苔むした石垣を眺めながら下っていくと矢倉観音堂に到着、撮影して一息着いていたら、麓の方から何かしら転げ落ちる音が。悲鳴は聞こえなかったんで、雨で緩んだせいで、倒木か石がずれ落ちたんでしょう。2時間ほどで西中のバス停に到着し、自販機のサイダーでリフレッシュ。バスを待たずに十津川温泉まで歩きます。途中の集落で励まされながら一生懸命歩き、バスよりも早く昴の里に着きました。ここで十津川温泉へちょっと寄り道。300円というリーズナブルな共同湯で脚をいたわったあと、ドライブインでお昼ごはんとします。連休中ということもあってメニューは釜飯の一種類のみ。外を見れば、また雨かよ・・・。
さて、気を取り直して行程前半のハイライト、果無集落への急坂を登っていきます。鹿よけのゲートを通って集落に入れば、ちょうど田植えをしている最中でした。暮らすのは大変だろうとお話を伺えば、「クルマがあれば大変じゃないよ。」とのこと、「空気も水も美味しいし、クルマで1時間も走れば新宮に出られるしね。」「ガスはどうされてますか?」と聞けば、「あ、ウチはIHよ。」「え〜っ!オール電化ですか。」外見は古民家ですが進んでます。この連休はやはり通る方が多いとのことで、昨日は18時過ぎに登っていく女性2人組がいて叱ったとか。
観音堂で幕営すると伝えると、「水もあるし大丈夫やね。」「そういやぁ、観音堂で日曜のお昼にお祭りやったんよ。餅まきとか。」古の伝統が続く道ですね。
体を冷やすような雨ではないのですが、雨脚が徐々に強くなってきました。幕営場所が確保できるか不安になりながら登っていくと、観音堂には先客が1名のみ。ただ、平地には水が浮いていて、どこに張ろうか悩みます。夕方には雨は小降りになり、明日は好天になって欲しいなぁ。晩ごはんはトマト入りの酸辣湯麺。
5月2日(木曜)
九度山を出発して初めて朝日を拝みました。今日はいよいよ熊野本宮に着きます。無印バウムと珈琲で朝食として、ちょっと遅めの出発となりました。果無峠手前の展望地では、昨日見た田んぼが鏡のように青空を映しています。北側の峰々のうちの一つが伯母子岳のハズですが、標高の近い山が連なっていてどれかわかりませんでした。
濡れたテントは相変わらず重く、下りでは膝への負荷が増えます。おまけに靴下とかも濡れているので、足裏の皮膚がふやけないようにペースを落として八木尾へ下っていきました。道中、石標や茶屋跡を撮りながら進んでいるのですが、ここで機材にトラブル発生!なんとレンズの内側が曇ってしまいました。どうやら昨日湿度100%で撮影したので、水蒸気がレンズ内に入り、気温が上がって曇りを生じたようです。ズームリングを繰り返し回してレンズ内の空気を入れ替えること約1時間、なんとか危機を脱しました。
八木尾からは熊野川の流れを左に見て舗装路をてくてく。30分弱で”道の駅奥熊野古道ほんぐう”に到着。ここで大休止&食料調達です。調達した食料は、さんま寿司とめはり寿司にロールパン、この連休中食堂はお休みで、イートインスペース?になっていました。ソフトクリームでクールダウンしていたら、観音堂で幕営していたNさんが追いついて、少し早めのお昼をご一緒に。
ここから先は中辺路になりますが、一気に道の状態がよくなります。加えて観光客もいっぱいに。11時半前に本宮に着きましたがびっくりするほどの混雑です。手水で清め、30分ほど並んで参拝し、大齋原を見てから、今宵の幕営地である渡瀬キャンプ場へ。13時過ぎにチェックインし、荷物を出してテント、シュラフと衣類を乾かします。晩ごはんは近くの食堂で・・・と考えていましたが、見当たらなかったのでキャンプ場近くのミニスーパーで買った惣菜類で済ませました。明日は雲取越だ。
5月3日(金曜)
4時前に目覚めて空を見れば夏の星座が。朝露に濡れたテントを畳み、5時過ぎに出発しました。気温が上る前に標高を稼いでおこうという作戦です。1時間弱で請川に着き、ここから小雲取越へ。小辺路に比べると格段に道の状態がよく、4時間ほどで小和瀬の渡し場跡に到着。靴を乾かしながら小休憩。更に小口の南方商店で練乳氷を見つけてレジへ。レジ横には自家製の生節が並んでいて、晩ごはんには十分日持ちするとのことで、醤油をまぶしてもらいました。熊野では昔からよく食べられている郷土の味とのことです。
行程最後の山越えになる大雲取越ですが、越前峠までの道中、”山と高原地図”にある休憩所の水場が使えず、昼下がりに登る胴切坂がとてもキツかった。地蔵茶屋跡で得た水が美味しかったこと。
地蔵茶屋の水、”飲用不可”の表示がありますが、ちょうどトイレ他の掃除をされていた地元の方に聞いたところ、沢の水を引いているからだろう。とのことでした。上には集落もないですし、心配なら煮沸すれば問題ないかと思います。
那智高原まで行こうかと考えましたが、胴切坂で疲れたので今宵はここで幕営。明日のフィナーレに向けてデジカメの電池を交換したら、10カットほど撮ったところで残量警告が。
充電してきたはずだったのに…。撮影を続けるにはかなり知恵を絞る必要がありそうです。晩ごはんはホタテ&イカ天入り焼きそばと生節。
熊野那智大社への参拝、熊野本宮のように並びたくはないので早起きすることにします。
5月4日(土曜)
3時過ぎに起床し、パスタ入りクリームシチューとパンで朝ごはん。4時半過ぎに出発し、那智大社へ向けて飛ばし気味に歩を進めます。那智高原で着替え、石段を下っていくとやがて水音が聞こえ、視界が広がると青岸渡寺の脇に出ます。九度山を出て6日目、やっと熊野那智大社に着きました。朝7:30ということもあって境内は空いてました。更に飛竜神社へ向かい、那智大滝を眺め、大門坂を下ったところで山行は終了です。せっかくなので、バスを乗り継いて熊野速玉大社にも参拝し、充実の連休を終えました。
いやぁ、アップダウンのある120km超の山道、意外と歩けるもんですねぇ。
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