初の那須岳・強風の洗礼
- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 394m
- 下り
- 1,503m
コースタイム
09:53 那須ロープウェイ頂上駅
10:35 茶臼岳山頂
10:20 峰の茶屋跡避難小屋(12:00までランチ)
13:30 煙草屋旅館
2日目
07:10 煙草屋旅館発
08:40 三斗小屋跡
11:40 深山ダム
14:00 深山ダム入口BS
天候 | 5月4日(金) 黒磯駅【くもり】 那須ロープウェイ乗り口【雨→晴れ間】 茶臼岳〜峰の茶屋跡避難小屋【ガス】 避難小屋〜煙草屋旅館【雨】 5月5日(土) 煙草屋旅館【くもり&強風】 深山湖【くもりのち晴れ】 那須塩原駅【晴れ】 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
帰り:深山ダム入口バス停→那須塩原駅(煙草屋旅館のおじさんの車) 東野交通:http://toya108.jp/index.php |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ロープウェイ頂上駅〜茶臼岳 ずっとガレ場です。ペンキでルートの表示あり。 ・茶臼岳〜峰の茶屋跡 ガス時の道迷い、峰の茶屋跡の強風に注意。 ・峰の茶屋跡〜三斗小屋温泉 ザレ場のトラバースあり。 残雪あり。 雪解け水による増水あり。 ・三斗小屋〜深山ダム 危険箇所ありません。 煙草屋旅館:http://www.tabakoyaryokan.com/ |
写真
感想
北アルプスで遭難された方々のご冥福をお祈りいたします。
「山の熟練者の意見を聞く」
「冷静な判断」
「山の天候は急変する」
「無理はしない」
「無事に帰ってこそ山登り」
先立っての夏山のような毛無山から一変して残雪の那須岳は
様々の経験をさせてくれました。
那須岳また、行きます!
「登山強化週間」は無事終了。
masataroさん おつかれさまでした。
【1日目】
<黒磯駅〜那須ロープウェイ>
駅にて曇りだった天気は標高を上げて行くバスの中で本降りに。
那須ロープウェイ乗り場に着いた頃に多少は弱まっていたものの、風も出ていました。
とりあえず山頂駅まで上がって様子を見ることにしたのですが…
<茶臼岳>
山頂駅の気温6℃、雨orみぞれ。
この日の天気がそれほど良くないのは事前に分かっていたので、宿泊予定の煙草屋
旅館へたどり着くのが一番の目標。
所要時間は3時間と見ていたので、時間に余裕があることからしばらく天候の様子を
見ることにします。
すると…10分ほど待ってやっと晴れ間が。
このタイミングを見計らって茶臼岳へ向けて登山開始です。
晴れているときの下界の眺めは素晴らしいものでした。
しかしながら、現在地は晴れているものの、向かう眼前の茶臼岳はガスに覆われて
全く見えません。
その様子は、まるで今回の山行を暗示しているかのように不気味な雰囲気でした。
茶臼岳へはずっとガレ場の登りが続きます。
途中からは完全にガスの中へ突入。
そして30分もすると鳥居と祠がでてきました。
茶臼岳到着〜
あたりは真っ白、火口の位置すら分かりませんが、ペンキの後を追って旧火口を一周。
晴れているときにぜひまた来たいものです。
<峰の茶屋跡>
茶臼岳からのガレ場の下りが続きます。
実は峰の茶屋跡は強風で有名な峠だそうな。
確かに、峰の茶屋跡に着くころにはかなりの強風に襲われました。
そして辺りはあいかわらずのガス。
避難小屋に避難して、早めのランチとしました。
<避難小屋〜煙草屋旅館>
ランチを終えて出発。
外は雨が降りだし、稜線に吹く風は飛ばされるほどではないですが、猛烈に強くなって
いました。
三斗小屋方面(煙草屋旅館)に向かってザレ場を慎重にトラバースしていきます。
辺りはダケカンバの森に変わり、残雪が登場。
アイゼンは不要ですが、踏み抜きや転倒に注意です。
那須岳避難小屋あたりまで下ると風は弱くなったのですが、結局、雨は止みませんでした。
ちなみに今の時期、雪解け水がそこかしこから流れ出ており、登山道も沢のように
なっていました。
残雪と雪解け水に通行を邪魔されたこともあり、多少時間を要しましたが、無事に
煙草屋旅館へ到着したのでした。
【2日目】
判断を迫られた2日目。
昨晩から風は強さを増し、収まることはありません。
天気はパッとしないくもり。
本来の予定としては、三本槍岳往復と朝日岳に登って、那須ロープウェイ方面に下
山する予定でしたが…
早朝、私たちの出発前に煙草屋旅館に情報が入ります。その内容はというと
1. ロープウェイは強風により運行中止
2. 稜線の風は風速40m/s、気温0℃
という厳しいものでした。
さらに、煙草屋旅館で働くおじさんからは
「今日の天候では三本槍岳は無理だよ。遭難しちゃうよ。」
と忠告を頂くことに。
ひょっとしたら行けるのでは…という甘い思いもすべて打ち砕かれ、今回は三本槍
岳・朝日岳をあきらめて下山を決意しました。
ただ、下山といっても、稜線(峰の茶屋跡)に出ないと那須ロープウェイ方面へは
下れません。
「峰の茶屋跡は注意した方がいいよ」
とのおじさんのアドバイスを受けて峰の茶屋跡へ向かおうとしたのですが…
歩き出して数十メートル、轟音とともに強風が私たちに向けて吹きつけてきたのです。
と同時に頭をよぎる恐怖。
「風速40m/sは無理だ」
と思った私は、峰の茶屋跡、つまり那須ロープウェイ方面へ向かうことを断念した
ほうがいいことをclioneさんに提案。
このまま進んでは、限りなく危険な道のりになるに違いありません。
では、どこへ下山するのか?
再び煙草屋旅館へ戻ってアドバイスをいただいたおじさんに相談。
結果、沼原方面へ下って、西方面の深山湖へ出ればタクシーを呼べるとのことで、
このルートを即決して下山したのでした。
3時間ほど歩いて無事に深山湖へ。
そこには山の上とは違う、暖かい空気と晴れた青空が広がっていました。
時間が違うので同一の判断はできませんが、こんなにも違うものなのかと痛感。
初めての那須岳でしたが、今回は那須岳に見事にフラれてしまったようです。
【つづき】
じつはつづきがありまして(笑)
早めの下山で時間があった私たち、タクシーの電話番号を知らなかったこともあっ
て深山湖でタクシーを呼ぶことなく歩き続けました。
そして5kmほど歩いて369号線のバス通りまで着いたのですが、そのとき見覚えのある
「おじさん」が車から私たちに声をかけてきたのです。
なんと、煙草屋旅館でアドバイスを受けたおじさんではないですか!
煙草屋旅館から自宅へ帰る途中で私たちを見つけたようなのですが、おじさんのご
好意で那須塩原駅まで送ってもらうことになりました。
なんてラッキーなのでしょう!
運命すら感じます。
駅までの車中ではいろいろな話を伺うことができました。
まずは今日、山頂に向かった人たちも早々に引き返してきたこと。
素直に撤退を決断した私たちの判断は正しかったようです。
あとは、北アルプス遭難事故のこと、おじさんが那須で山岳救助をしていたこと、
身体が浮くくらいの暴風を経験したこと、山は雪が融けるまでの時期が危ないことなど。
今回の収穫の一番はこの煙草屋旅館のおじさんに出会えたことでしょうか。
決して一か八かの勝負はしない私たちですが、おじさんのアドバイスが後押しをし
てくれたことも事実です。
とにかく山は無事に帰らないといけません。
天気がダメだったら、また来たらいいだけのことのです。
また必ず訪問することをお伝えして、那須塩原駅でお別れしました。
本当にいい人に出会えました。
「また絶対来ようね!」
clioneさんと約束をして電車に乗り込んだのでした。
おわり
コメント
この記録に関連する登山ルート
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適宜な、正しい判断、恐れ入ります。
わたし、clioneさんファンなので今後ともよろしくお願いいたします。
何よりでした。
楽しく拝見しました
素敵な写真が満載ですね〜
「青空が・・」最高です(^^♪
113
JPさん、こんにちは〜
今回は仕方なしですね。
私自身、山には人一倍臆病ですから。
いつもイケイケのclioneさんを制するのが私の役目です。
ファンの方を悲しませる真似は絶対しませんよ
113さん、コメントありがとうございます。
写真をお褒めいただき光栄です
青空が見えるのと見えないのとでは、精神的な部分でかなり差が出ますね。
青空だと「よし、行くぞ!」と前向きになれますから。
気が向きましたら、またお越しください
masataroさん、clioneさんお疲れ様でした
ずいぶんとまぁ、遠征されたんですね
それはそうと連休を利用しての折角の遠征であっても引き返す勇気も必要ですね
ご無事で何よりでした
masatoroさん、clioneさん、お疲れさまでした。
僕も5日に那須岳に行きましたが、到底登れるような風ではなく、早々に引き返しました。さっさと湯本の鹿の湯に入っただけで帰って来てしまいました(交通費も馬鹿になりません・・)
4日は、青空も見えていたのですね。
今度は僕も三斗小屋温泉に宿泊して、再チャレンジします。
timothyさん、こんばんは。
那須塩原はそんなに遠くないですよ〜
新幹線もありますし
無理をする気は毛頭ないので、即下山を決意しましたが、さすがに西回りはちょっと遠かったですね
ちなみに私たちは東北本線での移動でした
bluefinさん、はじめまして
bluefinさんのレコ拝見してました!
途中で断念したとのことで、私たちが下山を決断したのも間違いでなかったと思った次第です。
三斗小屋温泉はいい場所ですよ〜
昔ながらの雰囲気が素敵でした
お互い、次回は晴れた日に登れますように!
「山登り強化週間」お疲れ様でした。
前回の日差しの厳しさとは打って変わって、今回は強風と雨の厳しい山行きだったんですね
事故なく無事に下山できて本当によかったです!
天候が悪くなった時には無理せず「次の機会にまた来よう!」というくらいの気持ちで、山にのぞむことが大切なんですね。
私も「無理をせず、無事に帰る」ということを第一に、これからも山歩きを続けたいと思います。
neko-tamaさん、こんばんは!
残念ながら、今回は那須岳にフラれてしまったようです。
山にはそれぞれ気象的な性格があります。
標高だけでは危険度は計れないのですよね。
特に初めて登る山なら、深追いは禁物。
何回も通って、その山の性格を見抜くことが大事でしょう。
何度も行くことで、道迷いの可能性も減りますから。
このレコがneko-tamaさんの今後にお役に立てたら幸いです
私、結構無鉄砲なんですよね
masataroさんに任せておけば大丈夫です。
彼はいつも冷静です。
今回も別ルートで下山なんて全然考えていませんでしたから…
無事で帰ってこれたのもmasataroさんのおかげかもしれません。
ricalo夫妻も大変だったようで…。
この異常気象は何なんでしょうね
コメントありがとうございます。
遠く福岡の方なんですね
お花の写真ステキです
今回は遠征の那須でしたが、関東の山も見に来てください
今後ともよろしくお願いします
そうなんですよ
那須、近かったです
私たちがのんびりしているからなのかもしれませんが、
鈍行で往復してましたから
遠征の場合は宿を予約して行くので、
賭けみたいなところがあります。
今回は賭けに負けた…だけど収穫もたくさんありました。
まぁ〜また行きます
必ずリベンジします
今回は大変でした
正直、陵線に出てからの状況はわからなかったので、
もしかしたら晴れているかも…と少しの期待があったのですよ。。。イケイケなんで
宿を出発する際に色々な情報が入ってきて、masataroさんの判断で下山したのですが、
bluefinさんのレコは拝見して、
「やっぱり行かなくとよかった 」と思った次第です。
那須岳を熟知している山小屋情報は有効です。
煙草屋の露天風呂もサイコーですので是非行ってください。
これからも楽しい山行を♪
帽子痛かったですね
今回の山の天気の変わりようはいい経験になりました。
下界の天気予報とは大違い。
masataroさんは「山頂より無事に帰宅」を重んじています。
私は「せっかくだから行こうよ…」これがいけない
少しでも不安要素(気象・体調・気分)があれば下山がいいです。
登山中だけでなく、下山後も楽しいお山がいいですもんね
ではまた〜
masataroさん、clione博士、おはようございます。
GW後半は大きな事故が起こってますね。
痛ましいです。
お2人も山の天候に翻弄されましたね。
でも、無事の下山がどんなことより優先ですからね。
ルート変更、ナイスな判断だと思います。
4日は、私は雷でした。鳴り出したので速攻で下山
して一番酷いときは一般道に居たのですが、恐ろし
かったです。
また、トライですね。
masatoroさん、clioneさん、こんにちは!
那須遠征お疲れ様でした。
あそこの風はやばいですよね。
本当、少しのポイントで全然違いますものね。
>私自身、山には人一倍臆病ですから。
>いつもイケイケのclioneさんを制するのが私の役目です。
全く同感です
fall家と同じですね〜。 女は強い
うちもイケイケのかみさんを説得し危険回避するのが
私の役ですよ
臆病〜ビビリ〜くらいが山では良いのではないでしょうか
(自分を励ましている )
でもそんな臆病な(高所恐怖症など)私でも
今年はそれを押しても行かなければならない
憧れの聖地が
あのハシゴ・・・考えただけで今から膝ガクガク
fall
millionさん、こんばんは。
天候が悪ければ登らない。
この基本は私の中では揺るぎません
翻弄といえば翻弄ですが、そんなに嫌な気はしていませんよ。
山に歓迎されるのを待つのみです。
今回は煙草屋のおじさんにもかなりお世話になりました。
次に行くときには手土産のひとつでも持っていかないといけませんね〜
fallさん、こんばんは
峰の茶屋跡の強風は恐るべしですね。
私たちは体験する前に逃亡でしたが
fall家も同じですか
女は度胸、男は臆病
いいんです。ビビりで
山が怖い場所であることを知っていることが大事なのです。
憧れの聖地 へ行かれるのですね!
あまり無理をなさらずに…
撤退する勇気、大事ですよ
3連ちゃんごくろうさまでした
相変わらず歩いてますね…プロ
自然の驚異を感じるGW後半。
本当に痛ましい事故が起きてしまいました。
今回はmasataroさんの判断に任せて正解でした。
頼もしい相方です
雷も怖いですよね…
自然に対する危険回避の知識も必要かと思いました。
fallさん ハシゴの聖地も気力・体力・天候万全で臨んでくださいね
本当にお願いします。
本当は心配症なのですよ…
ただ勢いがついちゃうと止まらない
今回は強風の稜線が見えないこともあって、
「行けるんじゃないかなぁ?」と思っていたのですよ。
とんでもなかった
山岳救助隊をされていた煙草屋のおじさんの体験談。
朴訥と話されていましたが、白馬の遭難は人ごとではなかったと思います。
また、お会いしてお礼しに行かないと
こんばんは、masataroさん、clioneさん
ガスと猛烈な風の中お疲れ様でした。
台風クラスの暴風は想像の範疇を越えてますね!
稜線が0℃で40m/sですかぁ。。身体は吹き飛ばされそうだし、体感温度はそうとうなものでしょうし。。
msataroさんの判断、撤退は正解ですね
当方も5日の朝は暴風が納まったかな?と判断して出発しましたが、
もし判断を誤ってたらとんでもない事になっていたかもしれません コワ!
旅館のおじさんの有難い好意もありので、
またリベンジの時を楽しみにしております。
ところで、clioneさんは山菜博士でもあるのですね
もしかしたら、さらにキノコ博士であったりもするのでしょうか??
ukkysuzさん、こんばんは
そうですね〜
早々に撤退でしたが、今後のために少しは風速40m/s を経験しておくべきでしたかねぇ。(冗談です )
撤退を皆さんが賛同してくれるので、これでよかったのだと思っています。
全く悔いはありません
次こそは青空の下、絶景の那須岳を歩いてみたいですね!
北アルプスが見える標高1200mの山の中に
10年ほど暮らしていた(山登りは全くしていませんでした… )ので、
山菜は少し詳しいかもしれません。
山菜は「毒の草をしっかり覚えましょう!」
きのこは「確実に食べれるきのこを採りましょう」
きのこは本当にむずかしいです
似ているものがいっぱいありすぎて
日焼けした腕の皮もむけはじめ(きたねェ〜)
いい経験をしたGWも終わったなぁ〜と思う今日この頃です…
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