【第三次多摩武蔵縦走作戦】川苔山(川乗山)〜日向沢ノ峰〜有間山〜大持山〜子持山〜武甲山〜琴平丘陵【丁69.7】
- GPS
- 12:16
- 距離
- 38.1km
- 登り
- 2,624m
- 下り
- 2,717m
コースタイム
- 山行
- 12:04
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 12:16
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:西武秩父線横瀬駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:若干泥濘。大持・子持付近の岩場。 登山ポスト:駅など 下山後温泉:武甲温泉 その他:水源地区なので水場あり。 |
写真
感想
多摩・武蔵区域でなかなか行けなかった武甲山についに到達。
これで心置きなく北方及び奥秩父、アルプス方面へ作戦展開できる。
しかし、その前に十数卍度の気休めハイキングでもしよう。
【多摩武蔵縦走作戦とは】
奥多摩から武甲山を目指して縦に歩いてみようという試み。
平成23年12月より第一次から第三次作戦まで敢行。
自分にとって近くて遠い山、それが武甲山である。簡単に行ける場所にあるのになかなか行けない。多摩・武蔵地区で最後まで訪れることのないまま残っている山となってしまった(他にも天目山、倉戸山等、頂に届いていない山があるが、メジャーな山に限定すると武甲山が the last one である。)。
昨年末の第一次ハイク及び先月末の第二次ハイク或いはそれ以前の武甲山へ向けたトライアルは内容は充実して楽しいものであったが結局最終目的地に達することは無かった。秩父を訪れるたびに、「武甲山は格好良いなあ。登りたいなあ」と垂涎していたのである(どうか直接のぼりゃあいいじゃんなどと無粋なことは言わないでいただきたい。)。
というわけで、大型連休後半にもう一度トライすることとした。
早朝第二次と同じ電車に乗る。青梅で乗り換えなくてもよいので楽だ。前回と同様暑くなることが見込まれたため、水分は大目に持っていく。また、前日まで雨だったこともあり、水場も期待できた。
7時少し前に鳩ノ巣駅を出発。標識以外に本仁田山に直接行ける道は無いものかと思い少し探してみたが、やはり標識どおりに進むこととした。それが無難というものである。住宅街の中をぐんぐんと上っていくと突き当たりに標識があり、そこからが登山道となる。昨年の春も歩いた(春の目覚め演習)のだが、よく覚えておらず、手前の民家敷地内に入ってしまった。
薄暗い森の中の道を歩いて行くと一旦林道に出る。昨年訪れた際には重機等が置かれ、先の道を探すのに苦労したが、工事が結構進んだようで、わかりやすくなっている。その進んだ先に本仁田山方面と川乗山方面への分岐があるのだが、今回のメインターゲットが武甲山であることを考えると、本仁田山は大きくそれて行く事になるので、出発時もたついたこともあり今回はパスすることにした。残念だが、結果的には正しい判断だった。本仁田山には別件で天目山と合わせて何かやることとしよう。
川乗山方面の道に入るとすぐに工事のための迂回路が設けられている。その道が逆方向なので心配になるのだが、信じて降りていけば、ちゃんと正しい方向へ進むことになる。以降は沢を渡渉する箇所が何箇所かあるが、しばらくの間は比較的歩きやすい道となる。気をつけるべきは、沢の辺りで、この道でよいのかしら?と思うところが若干あることくらいか。一年前に来ていても全く覚えていない。かえって毎回新鮮でよいのかも知れないが。
そして、件の水場である。わざわざ標識まで用意してあるが、前回も人工的なものは見受けられず、沢から直接水を汲んだ。今度こそ見つけてやろうと降りていくも、落ち葉がこんもりと積もって最近誰かが足を踏み入れたような形跡が全く無い。水場は無いという共通認識でもできているのだろうか。降りていくときれいな沢が流れており、確かに「水場」はある。だが、我々の捜し求めているのは人が設けた管みたいなものなのだが、ある程度探したが、時間もそんなにかけていられないので諦めて前回と同じく沢から直接水汲み。今のところ腹に変調は来たしていない。次回はこの水場をもっと重点的に探してみよう。
水場を登り返して、数分歩けば分岐に至り、そこから200m程で川乗山の頂である。標高1400m弱にして雲取等縦に並ぶ奥多摩の山容が眼前に広がり、その方角から心地よい風が吹いてきて頗る快適である。谷の方からは沢の水音が響いて来、この川乗山から県境付近の稜線は展望・風・沢音・緑・光とあらゆるものを享受しつつ歩ける最高の山域だと思う。しかも、その割に人が少ないというのがまた良い。先ほど掲げた5項目に静寂を追加しよう。私が山頂に到達した頃には男性1名のみ。その後は私一人。時間が下ればまた違うのかもしれないが。
これからは風がよく通って、気温は結構上がったのかもしれないが、それほど暑く感じなかった。これが第二次との大きな違いだ。1000m以下だと空気が沈滞するのかしら。これからの季節、渓谷とかに行くのでなければ、1000m以下だときついかもしれないなと思う。
心地よい風を受けつつ行く手に蕎麦粒山等都県境の山々、左手に遠く富士山を眺めながら日向沢の峰までの稜線を歩く。起伏は激しいが午前中なのでまだ大丈夫。10時くらいだが、何人か中高年ハイカーとすれ違う。棒ノ嶺或いは有間峠からきたのであろう。「今日は富士山がよく見えますねえ」、「川乗山まであとどのくらいですか」等々言葉を交わす。遠く若干白んでいるとはいえ、青空に白い富士を見出せば自然と顔もほころぶ。また都県境の山歩きを、今度は天目山の頂も含めて、したくなってくる。
日向沢の峰を過ぎて有間山方面へ向かう。それまでの開けた感じの道から若干狭く、明らかに通る人が少なそうな道となる。だが、途中、鉄塔の辺り等では奥武蔵、都県境の山々をよく見渡すことができる。
有間峠直前で林道に出ると、あちこちで土砂崩れが発生しており、峠から先、有間渓谷・名栗湖へ下る道は通行止めとなっていた。それでも山道に入ると大雨の影響など全く無いような感じである。
有間山最高峰のタタラノ頭には意外と人がいた(5,6人程度)。
壮年男性から日向沢の峰からどのくらいかかったか聞かれたので、自分の脚でかかった時間と、逆に日向沢の峰へ向かう場合の推定所要時間を伝える。有間山に早く着いてしまい、これからどうしようかなあと思っていたのだろう。結構乗り気な感じであった。
が、橋小屋の頭で軽食休憩をとっていると、その男性が「先ほどはどうも」と戻って来た。日向沢の峰に到達できたとしても、棒ノ嶺〜白谷沢経由で下ることについて時間やルートのイメージが掴めなかったのだろう(恐らく地図等不携帯と思われる)。イメージの湧かない道に猪突猛進しないのは賢明である。未知の領域に無闇に足を踏み入れるよりは今まで歩いてきた道を戻る方が安全なのは明らかだ。日向沢の峰近くは急坂で、棒ノ嶺までの道も起伏があったりするからね。
時間に余裕があると見て、山腹が刈り払われて開けているしょうじくぼや滝入ノ頭はゆっくりと進む。ある程度の起伏はあるがさほど苦にもならないのは展望が良いせいか。
或いは鳥首峠周辺からがハードだったからかもしれない。鳥首峠へは危険なほどの急降下である。その後は急登に次ぐ急登。目の前に頂が見えるのに一旦200mくらい下らないといけないというのがなんとも。第一次ではこの起伏にやられた。
しかし、大持山まで来れば心も体も落ち着く。山行者も再び増えてきて賑やかなものだ。所々大きな岩が露出して通るのが厄介な箇所があるが、別段滑落等の心配は無い。子持山へ至り、シラジクボへ一旦下り、その後一気に武甲山を登り返すことをイメージしながら一息つく。しかし、こちらも人が一杯いたので実際に休息したのはシラジクボである。
遂に来たなあと思う。武甲山への最後の急な登りも「やっと来られた」という思いから足も速くなり、所要時間45分とあったところ半分くらいで登ったのではなかろうか。登りきるとやはり奥武蔵の雄であるだけあって結構人がいる。しかし、山頂付近に広い空間があるのでストレスは無い。
御嶽神社にようやく参詣できたことの喜びを伝えた後、第2展望台続いて第1展望台から秩父の町並みと秩父を取り囲む山々を望む。今日は朝からずーっと晴天でありがたかった。今までも秩父盆地を蓑山や丸山から眺めたことがあるが、明らかに視点が違う。より広く、より大きく眺め、見渡すことができる。この素晴らしい山にはいつまでも秩父を見守っていただきたいものである。よもや山が全部切り崩されてしまうということは無いものと信じている。
武甲山からは裏参道から浦山口方面へ下る。途中水場があったりするが、最初はほぼ樹林帯の中をぐんぐん下ることとなる。水場が近いからか、はたまた日が当たらないからか、軽くぬかるんでいる。おかげで下山道はだんだんと軽く団子状態になりつつあった。それを打開したのが、先日の雨を集めて勢いよく滝水が流れ込み沢が川と化す開けた場所である。滝の勢いに降りてきた者が皆、そのほとりで休息し、或いは水遊びに興じる。その後しばらくは、この気持ちの良い渓谷歩きだ。このように素晴らしい所があるとは、いつも表の堂々たる山容を見ているだけでは予想だにできなかった。こんなことならもっと早く訪れてもよかった。まあ、何度か訪れようとはしたが。最初、空の青、最後、水の青。真に申し分ない山行だった。
橋立堂まで出て、後は一般道歩きの予定であったが、歩いていると、そういえば琴平丘陵というのがあったな、と思い出す。しかし、もう十分歩いたし、いやいや、秩父市街地に入って羊山から横瀬に行くより琴平丘陵の方が近い、そうはいってもルート覚えてるかなあ、等々思いをめぐらせていたが、武甲山を眺めながら歩いていると、だんだんとこのままではいかんという気持ちになってくる。
交差点の「影森駅前」という標識を見たとき、ビビビッと来て90度旋回、再び山に接近する。「行ける!」とでも思ったのだろうか。
「思いつきのルート変更はやめよう」
琴平丘陵の入口、琴平神社へは昭和電工株式会社の敷地内から入る。前回琴平丘陵を歩いたときにパスしていたのでちょうどよかった。琴平神社にご挨拶して、さらに奥の方へ進む。残念ながら岩井堂にはかすらなかったが、以前歩いたときに見かけた仏像や東屋を認めることができた。それにしても、かなり日が傾いて薄暗くなっている一方で道は木の根が張っていたり、急になっていたりと本当の山道だ。
よくよく考えれば、日没まであと1時間だ。ちょっとまずったかなーと思いつつも、旧武甲山登山口まで行ければ、そこで暗くなっても大丈夫と歩を進める。
確かに旧武甲山登山口から先は、単に街灯の無い林道といった感じである。だが、まだ気を緩めるわけには行かない。しばらく歩くと、また道が林の中に入っていく。もうひと踏ん張りと突入すれば、すぐに羊山公園・横瀬方面分岐に至った。羊山公園方面に進めば空の開けた公園から横瀬方面、横瀬方面は再度樹林の中、ハイキングコースを歩くこととなる。
もう日没まで十数分である。どうしようかなと思ったが、横瀬へ至るハイキングコースはそれほど長くなく、勝手も知っているので、近道の横瀬の里ハイキングコースを選ぶ。薄暗い中、日没が先か人里に出るのが先かと神経を張り詰めていたたが、幸い日没前に民家の前に出ることができた。
人里に出てしまえばもう安心。あとは早く風呂に入りたい一心で武甲温泉を目指す。イベントがあったのか到着時はものすごく混んでいたようだったが、硫黄泉を十分堪能する。だんだんと製塩するほどに暑くなってくると、やはり締めに温泉というのは欠かせなくなってくるだろう。
今回もまた、運良く山行を終えることができた。また、武甲山との出会いは大変に素晴らしいものであった。
山では滑らなかったが、温泉内の濡れている箇所で滑ってこける。勝って兜の緒を締めよ。家に帰るまでが遠足だ。
〜おしまい〜
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