愛宕山から竜ヶ岳 何度川に落ちるのか・・・
- GPS
- 10:00
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,250m
- 下り
- 1,176m
コースタイム
10:15愛宕神社 - 10:45愛宕山頂三角点 - 11:36竜ヶ岳山頂(昼食)12:30 -
14:14首無地蔵 - 15:15月輪寺分岐 - 15:50清滝
天候 | 歩き出しは小雨模様。 すぐに止むと、雲も徐々に切れて午後は晴れました。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
下山時は清滝からバスで嵐山駅まで戻りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
清滝から愛宕神社までは問題なし。 愛宕から竜ヶ岳に向かうルートは徐々に踏み跡が不明瞭になったり案内がなかったりします。 ルートを判別する手段は持っておくべきでしょう。 下山するとそこは嵐山、一大観光地です。 現在温泉はありませんが、近い将来入浴施設が出来るらしいとニュースでやっていました。 |
写真
感想
愛宕山に登るのは初めてではありません。
33年前の大晦日、高校の悪友と3人で初日の出を見ようと言い出して、手当たり次第に見当をつけたのが愛宕山でした。
(バイクでとは考えずに歩いて登るのが健全でしょう!)
持ち物はテントを持つのが一人、私は防寒用の毛布を百貨店の紙袋に入れて手にぶら下げて歩いていました。
テントを持った一人以外はどこから見ても山とは無縁な格好をして体力だけを武器に雪の愛宕山でトランプをしながら一晩過ごし、見事にご来光を迎えることが出来たのです。
記憶に残るのはけっこうきつく感じた登山道の勾配です。
嵐山から清滝までの町を歩いて抜けるのも魅力がありそうで楽しみです。
何よりこの週の天気予報はずっと曇りか雨。
雨の似合う場所といえば私の中では京都です。
街中もいいけど山とセットでとなると今回はここで決まりです。
いつもの恒例の忘れ物を入念にチェックして、小雨の中自宅を出ます。
40キロ足らずの道のりで、6時前には嵐山に到着し、駅前のコインパーキングに車を入れました。
予報では雨は止んでくるようですが、今降っている以上ウェアを着なきゃ仕方ないですね。
車を出て渡月橋に向かって歩き出すと、桂川の水量がかなり多いのが目に付きます。
茶色くにごった濁流が流れているのをみていやな予感が走ります。
今日のルートにも渡渉はあったような・・・
嵐山の繁華街を歩くのは何年振りでしょうか。
早朝で人の気配はありませんが、立ち並ぶ店の雰囲気が昔とは大違いです!
一人で誰もいない通りを独占しながらお洒落な店を眺めて歩いています。
そんな竹下通りのような中にとつぜんお寺が出てくる景色にも違和感を感じない不思議な感覚があります。
人が寄ってたかって町を作っていくのですが、自然と人の暮らし、古今の雑多なものがこれだけごった煮状態で素敵な町を作っています。
今風のデコレートされた町も捨てたもんじゃないですね!
町を抜けて清滝に向かって峠を越えるのが「清滝トンネル」
子供のときから幽霊話の絶えないところで有名です。
長さは約500m、片側交互通行の狭いトンネルです。
証明は点々と点る裸電球のような暗いもの。
おまけに曲がっているために外の光は入ってきません。
私は怖がりですが、幽霊=怖いものという図式が理解できていないんです。
幽霊が同じ場所にいつもいるのも信じられません。
幽霊として存在しているのならあれこれ忙しい身だと思うんです。
人間一人を脅かすために一日トンネルにいるって、そんな退屈な!
人間にいろんな性格があるように幽霊にもいろんなのがいて当たり前とおもいませんか?
いつか話し好きの幽霊と会話が出来ればとは思っています。
ここで見られればと思っていたのですがやはりお留守でした。
参拝道を登りながら、昔からこの道を登ってきた人たちのことを想像します。
茶屋跡がたくさんあることを見ても半端ではない人の数だったに違いないし、わいわい言いながら客引きにも逢いながら登っていたんだろうと考えると、なんだか現代の「お参り」とは違う世界が見えてきます。
落語の「愛宕山」ゆかりの建物跡もあり、もう一度あの落語を聴いてみたい気分になりました。
時々木々の間に広がる京都の街を見下ろしながら山上の愛宕神社に到着します。
(三角点のある山頂は別にあります。)
まだ人も多くない時間のようですが、神前のことで居住まいだけは正して建物と向かい合います。
(いつものように頭は下げませんが・・・)
ゆっくりと深い呼吸をしたくなるような空気感に浸りながら神社を出ると、さあここから稜線歩きです。
高低差はあまりない尾根を快適に歩きます。
花の種類は多くないのですが、いつものように木の芽、草の芽に目を引かれながらのんびり歩いています。
この季節のことで湿度は当たり前に高いのですが、流れる汗を不快と感じない今日の気分です。
尾根を吹きぬける風の涼しさは素晴しく、梅雨のこの時期につくいろんな形容詞がどれも当てはまらない極上のハイキングですよ!
上り下りのきつさをあまり感じずに竜ヶ岳に到着しました。
少し早い昼食にします。
以前にrei715さんと同行したときに教えてもらった「まったり昼食TIME」
今日は1時間かけてみました!
おにぎり2個にシジミ汁、スパゲティカルボナーラ、カプチーノと日本人とイタリア人の夫婦の食卓のようなまとまりのなさです!
些細な失敗といえば、スパゲティにお湯を入れるラインを間違えてカルボナーラがスープスパになったくらいです・・・ 上出来上出来(^^)/
実際には「まったり」とは程遠い時間を過ごして気分一新立ち上がります。
ここからはかなりの急斜面を下って沢を渡り、沢沿いをまた登って首無地蔵の分岐がポイントです。
こちらからも愛宕参りをする人がいるとはとても思えないような、地形図をにらみながらルーファイも必要なルートです。
沢に下り切ると、朝に頭をよぎった不安が現実になっていました。
増水していて渡渉ポイントがない・・・
また靴を脱いでズボンをたくし上げて、なれたパターンです!
何度かあったその先の渡渉ポイントは何とか無事に通り、沢の源流の湿原らしき風景の中に入ってきました。
保護している団体があるようで、きちっと植生を守る手が入っています。
まだ育成途中であろうという湿原を急いで通り過ぎる気にはなれず、のんびり歩いて次の渡渉地点にやってきました。
水かさの増えた沢はかなりの勢いで流れています。
飛び越えるには無理な幅で、水面の下の石を踏む必要がありそうです・・・
沢をにらんで足の置き場所の見当をつけ、右足を下ろした途端に滑った右足は左に飛び、身体は見事に右に倒れこんでいました。
深い沢でもなく手をついて上半身は濡れることもなかったのですが、腰から下は水の中に横たわったような姿勢です。
今回は目撃者がなかったのが救い(?)でしたが、このずぶ濡れではバスにも乗れないんじゃないかと情けない気分で水から出てそのまま歩き出しました。
さすがに靴の中も水が入っています。
さて、水を浴びて汗も引いたところで(笑)先へ進もうと地形図を見直します。
さっきから漠然と不安に思っていたのが通ってきた山小屋を過ぎてから歩きすぎていること。
沢を辿ってはいるのですが、よくよく地形図をにらんでいると、ルートは沢の本流から外れて狭いところを通っています。
(道の点線はこの辺りではあまり判別できません)
そこのポイントまで戻り、無事にルートに復帰すると間もなく首無地蔵のポイントに着いたのです。
無事に一日を過ごして平穏に帰宅するイメージだったのがメインイベントが待っていましたよ・・・
ここからの下山道は目の前のV字の谷を下りていきます。
普段よりも水量が多いであろう沢を隣に見ながら下りますが、道の表面も水が流れています。
岩がむき出しのところでは滑らないよう気をつけながら歩くのでペースが上がりません。
そのためにやたら長く感じた坂道が終わり、林道をこれもかなり長く歩いて清滝に戻ってきました。
いつものように大ボケのおまけの付いた今回の山行ですが、久々に目一杯体を使えた充実した一日でした。
びしょびしょだった衣類は清滝まで歩く間に全て乾いていましたよ!
さすが化繊です(笑)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
「雨の嵐山」って長渕剛のデビューシングル曲なんですよ。
余談ですが ・・・
ところでmonsieur さん、なかなかワイルドな過去をお持ちじゃないですか。若いって素晴らしいです。寝ずに遊べますからね〜〜
雨後の山野草は水も滴るなんとかじゃないですけど
綺麗ですね。希少だと思ってたユウレイダケも結構あるもんなんですね。
今回のマッタリランチは成功?でしょう!
その1時間に新たな発見はありましたかぁ
愛宕さんは、実家のご近所さんで、お札をいただきにいく慣習がありまして、子どものころ、世話役さんと親父と3人でお参りした記憶があります。
おくどさんの神様、火の神様ですよね。
あのときは、力水からずいぶん遠くに感じました。
黒門からもまだかよっていうぐらい歩きましたね。
2度と行きたくないしんどい山という思い出ですが、
実は、いまは歩いてみたい山です。
滝を探しに行こうと思ってます。
山行計画を見ていたのですが、お天気が心配で停滞してしまいました。
素晴らしい発想ですね!!
僕も怖がりで、暗いトンネルは苦手です
が、monsieurさん的発想で少しは克服できそうです(笑)
話好きの幽霊さんとお話、今ならできますよ!?
今、monsieurさんの隣で一緒にヤマレコ見てますから・・・。
はい、またまたくだらんことを、失礼しましたっ
すっかり沢屋さん!?
持ち物リストにサンダル、追加して下さいね
神社側の言い分はもっともでしょうねー。
趣味の山歩きと、信仰の為の山歩きは似て非なるもの。
本来、畏敬の念を持たない者は山に入ることが許されないはず。
趣味だけの山歩きには欠けているものが多すぎる気がします。
monsieurさんは、よく川に落ちるイメージがあるのですが
水と戯れるのもまた楽しからずや?
まあ、ケガさえ無ければ楽しい思いでですね
「雨の嵐山」って、ずいぶんピンポイントのご当地ソングじゃないですか
しかも長渕剛
若い頃、なにか他人と違うことをやりたいな、なんていつも考えていて、思いつくと一人でやってみては悦に入っていた少年でした
「普通そんなことせんやろ 」と言われるのが嬉しかったりしたものです
人と争うことが出来ない性格で、誰かの迷惑にはならないように気をつけながら迷惑をかけていましたよ
まったりランチは、う〜ん・・・掛けた時間の割りにせわしなかったですよ
完全に食べ終わってからさらに30分でも取ればなお良かったかもしれません。
これも新しい経験ではあります。
火の神様なんですね
今回登って知りました。
全国に800もある愛宕神社の総本山でした。
今は跡地しか残っていませんが、茶店が軒を連ねていた昔には人の往来も多く、そのお札を取りに行く人たちの列も賑やかだったろうと想像すると楽しいです。
伊勢や熊野と並んで、当時の一大レジャーだったんでしょうね
nobuchiさん、こんにちは!
自分が死んだ後の世界はできればあって欲しいし、霊としてでも存在を続けられればいいなと思っています。
ただTVでやってるのはだめです。
切り口が馬鹿馬鹿しくて・・・
いろんな人間がいるように、幽霊にもいろんな性格があると思いませんか?
・人を笑わせたい幽霊
・TV出演OKの幽霊
・フレンドリーな幽霊
・・・いくらでもいそうですが、怖い幽霊しかいないのはなぜだろう?
これも馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、この疑問の答えは見つけていません。
畏敬の念・・・畏れ、敬う どうだろう
信仰の対象ならば必要な心理ですよね。
私が山に対して持っておきたい心は・・・
・きれいなものをきれいだと思う感性は常に持ちたい。
・自然(山)が繰り返す営みの、また長い年月の一場面に自分が遭遇していることを大切に思いたい。
・自然は舐めてかかるものではないとわかっておきたい。
でも、畏れ敬う心とは少し違うように感じます。
自然にも神様仏様にも、敬い奉る気持ちは私に欠けているところです。
私がよく川に落ちるイメージが?・・・その通りで腹も立たないです
私が何かに気を取られたときに他人よりも完全に無防備になるんだと解ってきました。
TVを視ていてCMにまで集中して何も聞こえていないのをよくからかわれたものです。
・・・この性格を直そうと思っていないのが問題なんでしょうね
と、言いつつ愛宕山は一度登ったきり
でも京都の人間にとって愛宕はなんとなく特別な山です
山と言うより火の神様ってイメージがかなり強く、結構どこの家庭でも台所に愛宕のお守りが
愛宕山は登山と言うよりはお参りに行く山ってイメージのほうが市民には強いかもしれません。
あたごさんに行ってきたわ、なんてのが日常生活で良く耳にしたりします。
utaotoさん、ありがとうございます
お参りに歩く人とハイキングで歩く人・・・
目的も違えば気の持ちようも違うわけですね
神社に限らず宗教関連の施設に立ち入るときは心を鎮めて入らせてもらいます。
そこを護る人たちの行為や気持ちは尊重されるべきと考えています。
神様でも仏様でも信心する心が集まって作り上げるものは素晴らしいものが多いです。
信仰心の欠けている私ですがそういった事物には謙虚に向き合っているつもりでいます。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する