空沼岳・札幌岳 《北海道百名山》
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- GPS
- 10:58
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,367m
- 下り
- 1,282m
コースタイム
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 10:57
天候 | 雨のち曇り一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
∨平峡温泉の奥、冷水橋袂の登山口駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
空沼岳登山道は明瞭 空沼岳〜札幌岳間7劼老竕 札幌岳冷水沢コースは明瞭 |
その他周辺情報 | 豊平峡温泉\1,000 |
写真
感想
東京から昨夜渡道した友人と車2台を活用し空沼岳から札幌岳へ縦走を目指した。豊平峡温泉の奥、豊平峡ダムへの道のゲートの手前、冷水橋の袂にある登山口駐車場に着いた。登山者が一人出発準備をしていた。友人は10分遅れて到着し、車を1台デポし真駒内川上流の空沼岳登山口に向かった。途中強い雨が降ったが登山口に着く頃には殆ど気にならない程度だった。
崩れた林道の跡を少し歩くと嘗ての登山口があり、林道の崩壊で登山口が後退したようだが国立公園の看板や登山届のポストはそのままで記帳して傾いた橋で真駒内川を渡り登山道へと入って行った。真駒内川と万計沢川間の森の中をなだらかに登って行った。万計沼(ばんけいぬま)までは一度渡涉があり万計沢川の左岸に移った。軈て滝が見えてきた。2段に分かれた滝でなかなか見物だが名前は付いていないようだ。滝の上に出ると万計沼で万計沢川はこの沼を源流としている。
万計沼は静かで波も立たず鏡のような水面に空や森が映り素晴らしい。上空を見ると青空が覗き出している。天気は回復傾向のようで雨具の上依は脱いで行こう。沼の畔に避難小屋の万計山荘と北海道大学の空沼小屋があり、万計山荘に4名の宿泊者がいた。
なだらかな登山道が続き30分程行くと真簾沼(まみすぬま)に達した。沼の周りに岩を敷き詰めたような感じが万計沼とは違った風情を示していた。少し傾斜が増して来ると空沼岳直下で岸壁を乗り越えるようにして稜線に達した。札幌岳への分岐を見送り南東に進み空沼岳(1,251m)山頂に到った。晴れて来るかと期待したが雲は相変わらず多い。その中で羊蹄山(1,898m)だけが全姿を晒し素晴らしい。南には恵庭岳(1,320m)、北の方には烏帽子岳(1,110m)と手稲山(1,023m)も確認できた。雲で見えないが南東200m程下に空沼があるが「からぬま」と読む。山の名前は「そらぬまだけ」でややこしい。展望を楽しみ休憩しているとあっという間にガスが上がってきて羊蹄山も見えなくなってしまった。
来た道を引き返し札幌岳分岐から西に踏み出した。札幌岳の豊滝分岐迄の間は登山地図には赤実線の登山道が記されているが全く整備もされずかなり藪が凄い状態なっているらしい。覚悟を決めて突入するとしっかりした踏み跡があり古い刈り払いの跡も見られたので、楽観したのも束の間、笹が猛威を奮い襲いかかってきた。背丈を越す笹をかき分けるのに体力を要し、道自体が稜線ではなく一段下がったところに付いているので笹付の斜め道で歩き辛い。下手に笹に乗っかると転落の危険があり、足の置き場に苦労する。不用意に笹を踏んでズルッと滑り足が挟まって身動きができなくなることも再三だった。
現在地も地図では確認できずこういう処ではGPSが威力を発揮した。笹原越しに真簾沼が俯瞰できる場所があり、この眺めは藪漕ぎ縦走の賜物と喜びを感じた。最初の目標点はヒョウタン沼で右手に干上がった窪みを見つけたので此処かと思ったが此れは無名の沼だった。本当のヒョウタン沼は干上がるような沼ではなくしっかり水を湛えていた。天気は回復傾向と思っていたが再び雨が降りだした。しかし雨は束の間で直ぐに止んだがガスが覆ったまま見通しは利かなくなってしまった。空沼岳からヒョウタン沼までは3.4辧丁度中間地点で登山地図のコースタイムから1時間15分と見積もっていたが何と2時間22分も掛かった。ヒョウタン沼の標識は掲げられていたが気の休まる休憩ポイントではなく水分補給だけで先へと進んだ。
標高1,036mの鞍部迄下りP1157の北東の肩を乗越そうと僅かに付けられている赤テープの方向に進んで行くと踏み跡らしきものが無くなってしまい完全な藪の斜面となり進退極まった。赤テープ迄戻り方向を勘案しても他に道はなく、GPSで確認してもルートを踏み外している訳ではない。完全にデッドロックに陥った。「遭難」の二文字が脳裏に浮かび、藪の薄そうな所を這い上がり迂回した。猛烈な笹藪を突っ切ると明瞭な登山道に飛び出すことができ遭難を免れた。この間55分間のロスだった。
少しマシな道が暫く続いたが難路に変わりはない。軈て豊滝からの登山道が合流し漸く一般道となった。とはいえ札幌岳東面の急斜面で標高差200mを登る。疲れきった体には酷な試練だった。ヒョウタン沼から札幌岳はコースタイム1時間25分と見込んでいたがルートファインディングのロス55分も含めて3時間12分を要してしまった。札幌岳(1,293m)山頂は1等三角点「札幌岳」があり展望が良く気持ちよさそうな山頂だが、ガスが覆い何も見えなかった。時間は押しているが体力回復に20分程休憩を取り、息を整えた。またパラついたがすぐに止んだ。ガスが一瞬飛んで山が見えたが空沼岳ではなく狭薄山(1,296m)のようだった。
冷水沢コースは、比較的なだらかに下って北尾根の途中から西に方向を変えて支尾根の急斜面を下る。両側から谷が迫って来て冷水小屋に達した。ニスの匂いの残る北海道学園の管理する小屋で水場もあり申し込めば泊まれるようだ。此処からは冷水沢川左岸の登山道で暫く行くと右岸に橋で渡った。傾斜が緩み谷が開けてくると林道が交差した。地形図ではこの先は点線道になっている。2度冷水沢を渉り、冷水橋の袂の登山口に辿り着いた。想像通りもう朝の車はなく友人の車だけが待っていた。
雨は殆ど問題なかったが藪漕ぎで雨具が活躍した。時間が大幅に押してしまい札幌での約束があるが此のまま帰る訳に行かないので国道230号線からの入口近くにある豊平峡温泉に立ち寄ってサッと汗を流した。入浴料\1,000は20数年前と同じ値段だと友人が云っていた。いい温泉なのでゆっくりしたかったが時間のないのが残念だった。真駒内川登山口まで戻り車を回収して解散した。
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