岩手山「不動平より上は初体験の風速40m/s気温ー2℃」
- GPS
- 05:29
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 1,423m
- 下り
- 1,422m
コースタイム
- 山行
- 5:07
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 5:25
天候 | てんくらの前日の予報では登山指数C、標高2000mの気温ー2℃、風速40m/sと記載されていて目を疑ったが、風速40m/s以上になるとリュックは背中から浮きバタバタ揺れまくり、メガネは凍結、ほっぺたはブルブル、立ってられない。 いやー凄かった! |
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過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
金沢〜青森に移動 浅虫温泉。 10月6日 晴れ(山頂はガス) 八甲田山登山。 酸ヶ湯温泉。 10月7日 曇り 岩木山登山。 秋田に移動。 八幡平登山。(ガス) 後生掛温泉。 10月8日 雨 乳頭温泉鶴の湯。 岩手に移動 中尊寺金色堂。 10月9日 岩手山登山。 宮沢賢治記念館。 花巻温泉。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
柳沢コース: 標高差1400m 登山指数Aであれば特に危険箇所なし。 |
その他周辺情報 | 花巻温泉郷 悠の湯 風の季 日帰り入浴 300円 立派なホテルなのに日帰り入浴料300円は安すぎ。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
カメラ
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感想
日本百名山単独登頂 85座目は命からがら岩手山に登ってきました。
前日8日のてんくら予報では登山指数C、標高2000mで気温ー2℃、風速40m/s予報と発表されていたので目を疑った。
8日に登る予定だったのを雨で1日順延してるし、明日天候が回復するのは分かっているが、更にもう1日順延すると週末にまた台風が襲来するので、今度は早池峰山に登れなくなってしまう。
だから今日登るしかない。
幸い雨は降らなそうなので、そこだけが救い。
風が何より体温を奪うので頭部、耳、指先、体幹部を保温するため、服装はメリノのTシャツとパンツ、冬用ジップアップ、防寒手袋、バラクラバ、毛帽子とストームクルーザー上下とし、リュックには通常の装備の他、熱い紅茶を入れた山専ボトルとダウン上下、エスケープビビイ、ホッカイロを入れた。
お陰で7合目までは真夏の登山のように数メートル登る毎に汗を拭きながら登った。
7合目から上は積雪があり、トレースから自分の前に先行者が1名いることは分かっていたが、お鉢と不動平の中間点付近ですれ違った若者は何とトレランの服装。
上は薄いウィンドブレーカー、下はタイツとトレランシューズ。それで暴風の中頂上までいってきたというのだから命知らずというかなんというか。
「山頂、風が物凄いっすよ。気をつけて下さい」と声をかけてもらったが、あれだけの風の中をこの装備で登ってきたとは「よくぞご無事で!」と言ってあげたかった。
お鉢に出た途端、風が強さを増した。20〜30m/sくらいだろうと舐めてかかってスタスタ歩いていたら突然3m程お鉢側に流され、もう少しで白いガスで満たされて底が見えない火口に落ちるところだった。
これは今まで経験したことのない風だ。40m/s以上はあるぞと、直ぐにしゃがんで風をやり過ごそうとしたのだが、レインウェアのフードは顔の横でバタバタ暴れるわ、リュックが背中から浮き上がってバタバタ踊りまくるわ、メガネは真っ白に凍りついて見えなくなるわ、息は苦しいわでここまで来たのに撤退かと頭をよぎったが、ここまできたら這ってでも行くぞと匍匐前進したら意外と前に進めた。
それでも約10m間隔で建てられたお地蔵様が目印と風避けになってくれたからでお地蔵様がいなかったらとても前には進めなかった。
雨や雪が降ってる訳じゃないが風が凄すぎて前が見えない。視界20m弱。2つ前のお地蔵さんが微かに見える程度。
とにかく風の様子を見て、といっても普通なら風も呼吸して弱まる時があるものだが、待てど暮らせど風が弱まる気配がない。お地蔵さんの陰で取り敢えず自分の呼吸が整うのを待って休みながら前進した。
しばらく行くと樹氷のように真っ白になった標柱が建っていて「山頂まで200m」の文字が微かに見えたので、そこからはストックを最短の長さ(50cm-60cm)にしてピッケルがわりに使ってしゃがみながら前進したら、ようやく山頂に辿り着くことが出来た。
八合目避難小屋まで下りてきたら、管理人さんが出迎えてくれて、おまけに写真まで撮って頂きました。中で休んで行くようおっしゃっていただいたのだけど、扉を開けると中は土足厳禁だったので入るのは遠慮しときました。ありがとうございました!
厳冬期、唐松岳でハードシェル上下、ヘルメット、電動ファン付ゴーグル、冬靴に12本爪アイゼンにピッケルの完全武装でブリザードも経験しているが、ここまで凄い風は初めての経験でした。
山に登らない人生では一生縁のない、山に登る人生であっても滅多に体験出来ない最高の経験でした。
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