御嶽山 〜台風後の大雲海を求めて〜 [長野県 木曽町]
- GPS
- 07:20
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 1,605m
- 下り
- 538m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 7:13
- 山行
- 2:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:50
天候 | 13日→晴れ 14日→雨風強い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
石室山荘前後のガレ場に注意 避難小屋泊まり中、スマホの不調でGPSが途切れてしまった |
写真
感想
近年希に見る強い台風が前日に東海地方沿岸から伊豆半島に上陸し、関東平野を斜めに通過していわきに抜けるも、なおも三陸沖を北上して東北太平洋側を襲いました。
この台風で最も影響が少なかった地域と言うのは岐阜県の東濃、そして木曽街道沿いなのだ。
それは分かってたので、始めは恵那山を登るつもりだったが、車中泊先の中津川の国道19号沿いのローソンで6時に起きて寝坊となったために、急遽御嶽山に決めたのだ。
台風通過後の雲海が凄いのは八ヶ岳で経験してるので確信がある。
国道19号からの登山道はやはり6合目中ノ湯
からになる。
このスタート地点で既に1800mあるのは凄いことだ。
まずはコメツガの林を淡々と登る。
台風の雨のせいで階段の段ごとに水溜まり以上の水溜まりがあるので避けるように登らなければならなかった。
七合目の行者小屋を通過し、相変わらずのコメツガ林を登り続ける。
やがてコメツガ林を抜けるとダケカンバの紅葉が目を光らせ、ハイマツが現れ森林限界に達してすぐに八号目の女人堂に着く。
ここに展望台があり、そこからの景色は期待通りの大雲海が波打っていた。
目の前の中央アルプスは勿論、その奥の甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳、北を向けば乗鞍岳の奥に穂高連峰と槍ヶ岳が雲海から突き出てた。
何年ぶりかの大雲海に興奮を抑えきるのは無理な話だ。
そういえばこんな名山の割には人があまりいないのは、ロープウェイが運休だったからしい。
そういった事も、この日で良かったって思える。
ここからは森林限界を登っていくので、大雲海を見ながらの夢のような登山となる。
段々と岩が目立つようになり、九合目の石室山荘が見えてきた辺りはガレ場の急坂でキツかった。
石室山荘は山荘の中に道が突き抜けてるので必ず入ることとなる。
小休止している際に、隣にいたおっちゃんがうどんを啜っている音と共に『あ〜旨い』と、こんな誘惑に負けそうになるが、飯はやはり山頂に行ってからの方が良いので先に進む。
相変わらずのガレ場を頑張って登りきったら山頂大地の尾根に出て、剣ヶ峰はもう目の前だ。
二の池を見ながら登っていくもここは標高3000m、流石に酸素が薄いので息が切れる。
剣ヶ峰までの階段付近には噴火後に作られたシェルターがあり、山荘跡地や階段の手摺が壊れてるなどなど噴火の凄まじさが物語っている。
剣ヶ峰山頂からは360℃の大展望が待っていた。
遠く伊勢湾、中央アルプスに南アルプス越しの富士山、八ヶ岳に北アルプスと雲海上から島のように出てるのが堪らない。
しかも10月の3000mのくせに少し暑かった。
風もなく最高の恵みをもらった。
恵那山が見えるけど、あの山にしなくて良かったってつくづく思った。
さて、下山しようにも二の池が気になるので行ってみる。
この池は日本で1番の高所にある池だ。
硫黄のにおいが漂う中、雲上散歩は堪らない。
二の池の小屋を過ぎ、更に下ってまた登ると避難小屋があった。
食料もまだ余分に持ってきているし、小屋の中には毛布もあったので、最悪ここに泊まれば良かろうと思い先に進む。
登りきると、魔利支天山に行けるみたいなので、トラバースしてる登山道じゃなく本当の岩尾根の上を空中散歩する。
魔利支天山に着くと、さっきいた剣ヶ峰が堂々たる姿を見せ、西を向くと素晴らしい雲海越しに三ノ峰、別山、白山と浮かび上がっていた。
ここで、とあるカップルに出会い、なんと同じ滋賀県民だということで気が合い同行することになった。
五の池山荘でシフォンケーキが食べれるということで、五の池まで下る。
まるでオシャレなレストランみたいな五の池小屋で食べる雲上のシフォンケーキは、まさに天国の味だった。
カップルは16時半までに二の池小屋にいかなくてはならないみたいだったので、俺の本気ペースで登り返して16時過ぎに俺の宿(避難小屋)に着いたので、あとは大丈夫ということでおやすみを告げて別れた。
この小屋、扉がなく外の寒さがダイレクトに入ってくる過酷なもので、毛布が三枚あるが埃を被っていて小汚ない。
しかし、わがままは言わないしそういった毛布があることに有り難みを感じる。
風が出てきたが、西風なので入り口の逆方向だったのが救いだ。
とりあえず早めに寝よう。
夜中は強風の音と寒さであまり眠れなかった。
翌朝は強風の中での雨と、夏の越後山地縦走の時と同じシチュエーションだ。
しかもスマホの調子が悪くなってGPSが途切れてしまい下山の帰路が残らない。
ま、登りに歩いているルートなので線が消えることないから良いだろう。
カッパを着ながら寝たので、着替えとかは一切なく、そこだけは非常に楽だった。
ガスの強風の中冷たい雨が降りしきる、前日とは正反対の天気で気が滅入る。
そんな中、サイノ河原でとある鳴き声がする。
ひょっとしてと思ったら、やはり居ました雷鳥です。
初めてのご対面で嬉しかった。
ハトみたいで可愛いやつなんだな。
雷鳥と別れたら二の池分岐まで登りきり、あとは下る一方だが、なんせ雨が強くて室堂小屋前後のガレ場が怖かった。
ガレさえ越えれば後は淡々と下るも、登ってくるひとが沢山居ること。
雨で期待はできないと分かっていても登ってくるんだな。
行場小屋に着くと、前日に同行したカップルが追いついてきた。
なんか俺に会いたかったみたいで嬉しかった。
駐車場まで下りきったと同時に大雨になっておしまい。
山行中で急遽予定変更して避難小屋泊まりになったが、それは食料と寒さを凌ぐものがあったからやったのでまだマシなのだ。
どっちか片方無かったらやらなかっただろう。
そのお陰で雷鳥に会えたし、後から聞いた話によればあと4日で入山禁止だったらしい。
なんだかんだで俺は運のいい奴みたいだ。
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