武奈ヶ岳(堂満岳〜金糞峠〜コヤマノ岳へ行くルート)
- GPS
- 08:44
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,318m
- 下り
- 1,045m
コースタイム
13:00細川越-13:30広谷-13:40イブルキノコバ-14:00八雲ヶ原14:20-16:15大山口-17:00イン谷口
天候 | 曇りのち晴れ 気温20度 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは比良管理事務所前にあり。 山行計画はヤマレコで作成して提出。 エスケープは疲労度を見て八雲ヶ原に戻るようにする。 ロガーは途中で電池切れました。 予備電池はありましたが下山まであとわずかだったのでそのまま下りました。 堂満岳から金糞峠に向かう道と武奈ヶ岳から細川越に行く途中が滑りやすい。 下山後は比良とぴあで入浴可。 |
写真
感想
梅雨明けでもスッキリしません。
先週、先々週に引き続き、またもや比良!
前回、心折れて歩けなかった堂満岳を歩いてみたくて。
そして、先週、金糞峠の下の沢で聞かれた「武奈最短ルート」を歩いてみたくて。
そして、武奈ヶ岳の北稜を歩いてみたくて、眺望がないのは覚悟の上。
比良歩きまくり月間です!!
7:25。登山届けを比良管理事務所のポストに入れて先ずはノタノホリに向かって進む。
かなりのジャングル状態で雨上がりなのでやはり滑りやすい。
ヒルの心配は先週、話を聞いたので全く心配していないが虫はとても多い。
8:00。ノタノホリは「どんな堀」かと思っていたらなんとも雰囲気のある池?沼?だった。
立ち止まって休憩アンド撮影をしていたらもの凄い量の蚊、ハエ、などなどから歓迎を受けたのでお暇した。
堂満東稜道を歩き続ける。高原地図によると700m付近に印がある。レスキューポイントだろうか。そこまで1時間。
かなり蒸し暑く、自分の体力が低下している事に改めて気がつく。
先週は「泊まり装備」だったが今日は「標準装備」10kgは無いくらいだろう。これでしんどかったらどこにも行けへん…
やっぱりマラソントレーニングを再開しようと心に決める。
一人歩いているといろいろ考えてしまう。心にあるのはやはり御池岳である。
御池岳に行った事もない、山2年生のぼくには何もできない、ただ祈るしかない。
山の素晴らしさ、怖さ、体力、装備、知識、正解、不正解、タイミング…
レスキューポイントを過ぎると勾配がきつくなる、堂満岳にとりつく直登である。
9:47。眺望はないことはわかっていても残念な山頂。
風も少なく、トンボとブヨとハエの大歓迎を受ける。
「どうも今日はゆっくり休ませてくれるところがないな…」
しばらくするとガスの中から白い岩壁があらわれた。
「おお〜巨人かとおもった〜〜」ガスの中から出てきたのでちょっとびっくり。
そこはやせた道なので滑落には注意の場所だろう。
元気をくれたのはその後、目の前の木に小鳥が交替でやってきてさえずる。
「こういうのが山のいいところやねんな」一人こころでつぶやいてみる。
金糞峠に向かう滑りやすいザレ場でトレランの二人組とすれ違う。
10:33。金糞峠につくとほっと一安心。やはり知っている山でも初ルートは緊張するものである。
一休みしていると、また軽装のカップル。これもトレランのようだ。
人の多いところではいいが、人の少ないところで何かあればその軽装は大丈夫なのかな?
ちょっと心配してみる。体力があれば問題ないが、そうでなくなった場合は…考えすぎかな…
そして、10人ほどの団体さんと出会う。堂満岳の方へいくそうだ。
今度は聞かれた「何で一人で登るんですか?」
たしかに、自分がやっていることも褒められたことではないか…
ここでバテテいたら八雲で本でも読もうと思っていたが
意外と元気が出てきたのでプラン続行決定。
先週、金糞峠の下の沢で訪ねられた「武奈最短ルート」を歩いてみる。
2012年版の高原地図にはあるそうだがネットを調べてもレコが全くでなかったそうだ。
実は武奈が岳デビューの時にココを誤って歩いたことがあった。
もちろん地形図、コンパス、高度計は持っていたのでちゃんと武奈山頂まではいったが間違えた感があり
結果オーライ的な感じだったので、今日は選んで歩く。
10:47。看板がある分岐地点。ここから進路を北にとる。なかなかの急登である。歩荷トレにはいいルートだ。
印象的な石や木もたくさんある。何よりかなり細かくテープが張ってある。
テープ頼みはよくないが遭難防止に最善の努力をされているのが伺える。
11:40。コヤマノ岳に到着。ここからは慣れた道。
12:05。武奈ヶ岳山頂に到着。今日も真っ白だ。大勢の人とトンボとハエでにぎわっている。
スタートが予定より遅れたがここで1時間ほどのんびりする予定だったのでここで時間短縮したら
下山時刻はほぼ予定通りになるだろう。チラシ寿司を食べ終えたころ一人会議も終了する。
ここからも歩いたことのないルート。北稜から細川越を経て広谷へ向かう。
北稜は木々トンネルのように覆っていて粘土質でとても滑りやすいルートである。
慎重に進むが何度か転びそうになる。大袈裟だが軽アイゼンが欲しいなって思った。
13:00細川越。思ったよりも早く着いた。気温も20度と快適で青空も見えてきた。
細川越を過ぎて広谷に向かう。ここは湿地帯のようで丸太の木で道が作られている。
すこし開けた場所や、苔に包まれた森、沢の流れと太陽の光がキラキラしていて
山の良さが凝縮されたようなタイミングだった。
「これが今日一やな」山に来ている理由に改めて気づく瞬間だった。
13:30。広谷。何度か渡渉があり、13:40。イブルキノコバ。
ここまできたら帰ってきた気持ちになる不思議。
14:00。八雲ヶ原に到着。
6人組と2人組が先客にいた。あきほさんはもう帰られたようだ。
テーブルで温かいコーヒーでも飲もうとザックを降ろすと、先客の6人組が「あっちかな?こっちかな?」
どうやら行く先を探しているように見えるので、声をかけてみた。
せ:「どこに行かれるのですか?」
Aさん:「武奈ヶ岳に行くんですけど…」
せ:「あっちの方ですね、地図、持ってはります?」
そこで出たきたのが雑誌のページか何かのコピーの地図。高原地図でも2万5000でもない。
これはまずいな・・・
「じゃあぼくのこの2万5000の地図差し上げるのでコンパスは持ってます?」
そこで出てきたのが「丸いコンパス」。上の蓋は磁北線には合わせられるようにクルクル動くが
ベースプレートでもないし土台が透明でもない。使い方はあるのだろうが、ぼくには使えない…
「参ったな〜、初心者で比良が初めてならコヤマノ分岐付近は迷うかも…」
事実、ガリバー村から9時に入ってきて、迷いながら今し方、八雲についたそうだ。
話を聞けば、今から武奈ヶ岳山頂に行き、坊村に下りて17:30の最終バスに乗る予定だそうだ。
・・・状況整理。
・武奈は初めて。
・地図、コンパスは使えない。
・コヤマノ付近はガスガス。
・八雲ヶ原〜武奈〜坊村、コースタイムで3時間、現在14時。
・最終バスが17:30。
・コースタイムどおりで行き、迷わなければギリいけるが間に合わなければバスがなくなる。
・もし少しでも迷ったら→ヘッデンは持っていない。
・・・あかん、あかん、その計画は絶対におすすめできない!!!
不安材料が多すぎる!
山の計画は一つでも不安材料があればそれはダメと聞いたことがある。
「武奈は行けるかもしれないが、もし行けなかったら遭難に繋がりかねないので
行けてもバスに遅れるかもしれないし、
ぼくと一緒にダケ道っていう違うルートで下りて比良駅に戻ればどうかな?」
折角の計画を邪魔するようだがそう提案してみた。
快く了承してくださった。
ぼくがコーヒーを飲む間、池で一休みしてもらっていた。
するともう一組の親子がやってこられた。
テーブルで少し、話をした。お父さんと娘さんで最近娘さんが山を始めて
今回ガリバー旅行村から入ってまたガリバーに戻るそうだ。
コーヒーを飲み終え14:20に八雲ヶ原を後にした。
6人の道連れができた。
いろんな話をしながら下りてきた。
準備不足に関しては相当、反省しておられるようだった。
山が好きな仲間同士で楽しそうだった。
16:15。大山口に着いた。
トイレの前でしっかり休憩して比良駅までがんばってもらうしかない。
車に乗って帰る道すがら考えた。
武奈〜坊村、17:30・・・
ちゃんと説明できてたら行けたかもしれないな…
でもな〜、見す見す遭難はさせたくない…
今日の武奈の山頂はガスガスやから眺望もないし。
これで良かったのかな・・・
正解はわからない。
また今度比良に来る時は山頂まで一緒に歩きましょうと話しをして別れた。
山2年生の若輩ものだが少しは役に立てればいいかなとも思った。
山好きな人に白山まで見える素敵な武奈ヶ岳の山頂を次は見てもらいたい。
翌日、月曜の朝、比良で遭難のニュースをテレビでみた。
ガリバー村へのルートだった。
あの親子ではないらしいが、同じルート。ショックだった。
御池岳はご無事だった。
何度かコメントをいただいていた方なので本当に良かった。
山をやらない人は「遭難」をバカみたいに思うかもしれないが
誰も「遭難」など望んで山には入っていない。
そしてほとんどの人が無事に下りてこられるのも事実。
山をやる人は誰もが自然が好きで、歩くことが好きで、
いろんな目的を持って山に入るはずだ。
「山ブーム」で山の良さを華やかしく伝えるのもいいと思うが
山の「怖さ」や「マナー」も同時に伝えていくべきだと思う。
ぼくもいつご迷惑をかけるかもわからないから偉そうな事はいえないが
そうならないように今までどおり常にいい準備をして好きな山に入ろうと思う。
一人で歩くといろいろ考えてしまう、これも山のいいところか。
senrakuyaさん、こんばんわ。
山での事故はちょっとした不注意等で起こり得ますが、何気ない行動を省みてリスクを低減させる事は出来そうです。
比良の死亡事故はついさっき知りまして驚いてますが、一昨日から鈴鹿の遭難が気になってました。
子供が熱を出していたので捜索には参加出来ませんでしたが、無事発見の報告を聞き嬉しかったです。
あと42枚目はギンリョウソウ、49枚目はコナスビですね。
76枚目は似た花が多く判りません、チダケサシかトリアシショウマ辺りでないかと?
コメントありがとうございます。
>山での事故はちょっとした不注意等で起こり得ますが、何気ない行動を省みてリスクを低減させる事は出来そうです。
本当にその通りだと思います。それは交通事故でもなんでも日常の生活の中でも同じだとも思っています。
鈴鹿は本当に、本当に良かったと思ってたのと同時に
比良の一件でした。本当に辛いですね。
花ありがとうございます!
久しぶりに単独の機会がありそうなchurabanaです。
>一人会議
>何気ない行動を省みてリスクを低減させる事
まずは、なれたところでセンサーが鈍ってないか感度チェックからですね。
八雲でのアドバイス、ナイスです
あら?単独ですか?
息子や初心者の人と歩く機会が多いですが、センサーの感度が高すぎて疲れる時もないことはないですw
一人で歩くと楽しい会話や感動の共有はありませんが「ここ!」って場所で何分も立ち止まることができる「わがまま」が醍醐味です。
ただ気を抜きすぎてセンサーの感度が低くなるのが単独行の落とし穴なんですかね…
>八雲のアドバイス
ナイスだったのか?おせっかいだったのか?
正解はわかりません…
縦横無尽に比良を満喫されてますねぇ
八雲に引越しするような勢いですね
ところで、比良のニュースを一緒に見ていた人が、そんな危険な場所なのかと疑問に感じてました。
山に入ったことの無い人は、ちゃんとした「道」があるものと思ってますし、低い山なので危険度も低いと捉えています。
持論ですが事故、怪我の原因は人災です。
山が危険な場所というのは確かなことですが、その場所が例えば対角に安全と思われる街中でも、そのリスクは同等でしょう。
この所比良や琵琶湖、大津と何かと滋賀県は物騒です
ほんまに八雲に引越ししたいくらいですね!
どうせやったら比良を知り尽くすのもいいかなって思っています( ̄一* ̄)b
確かに初心者と一緒に比良に入ると「道ないやん?!」とよく驚かれます。(踏み跡あるんですけどね^^)
低山のリスクは道に迷いやすいということが上げられます。
「低いから安全」はおっしゃられるように大間違いですね。
ぼくは一人山歩きを初めてすぐに山岳会に所属しておられる山暦30年の方と知り合いになって何度か一緒に歩かせていただき、実体験の危険だったことや、こんなリスクがある、こんないいところがある、必要なものなど教えていただきました。
それに自分のテイストを安全優先で加えて今の歩き方になっています。
街では携帯と財布があれば何とかなりますが山には山の必要なものがあります。
そしてそれを使いこなせるかもぼくの山の楽しみの一つです。
そして、その時、場所、天候に応じたリスクコントロールがうまくできる、またはできたというのも楽しみ方の一つですね。
おそらく交通事故よりも山の事故の方が少ないはず。
単純に数の問題ではいえませんけど…
山より街の方が怖いときもあります。
偉大な自然からこれからもいっぱい学びたいですね。
>中学生…山から学んでおけば、辛い大津の事件はなかったかもなんて思ったりもしました。
>びわ湖…あそこは漁師も危険やと言ってたそうです。
読んでいてすごく良かった記録、ありがとうございました。
先日、堂満から下ったのですが、あの道を登るって凄いなーと思いました。あと、やせ尾根の危険箇所。裏を迂回できる安全なルートがありました。最初は気づかなかったのですが、少し回りに目を向けると見つけられました。
そして、山頂にいけなかった、6人組の方。引き止めて正解だったと思います。また気候の良い時にいけますもんね。山は逃げないということですよね。
コメントありがとうございます。
勉強になるなんてとんでもないです。
山2年生なりの意見、感想です(;^_^A
やせ尾根の危険箇所>あれはやはり迂回路でしたか!
しっかり確認しておけばよかったです。まだまだですね…今度、確認に歩いてみてレコあげます!
ありがとうございました!
6人組さん>計画を頓挫させたみたいで少し後ろ髪ひかれています…天気のいい時にお詫びも含めて一緒に山頂までいければと思います。
比良山系の事故・・・senrakuyaさんの感想を途中まで読んでいて、2人グループはもしや事故に遭われた方では??と思ってしまいました。引きとめて皆さんで帰られるとは本当にすごいです。説得ができる力量をお持ちでとても羨ましいです。その方たちもそのまま行っておられると危なかったかもしれませんね
事故の方の無事を祈っていましたが・・・あそこの七遍返しの滝は1年前、2年前も滑落事故で死亡されています。
山歩きを楽しむと同時に自然の中での危険予知や予防などきちんとしなければいけないなぁと改めて思いました。
ありがとうございました。
二人組の親子さんは後に無事に下りたとメールをいただきました。タイミングがあえば一緒に登りましょうとなりました。ヤマレコにも登録されたようです。
説得なんてとんでもないです(^▽^;)
提案を快く了承してくださっただけです。
事故はどんなものでも悲しいものです。
虫除けネット>使用感はなかなか良かったのですが翌日から首の周りがかぶれています( ̄□||||!!
いっちゃん安いやつを買ったからでしょうか…
ご心配かけました。yuconです。武奈ヶ岳の山行の最中も私の身を案じて祈念頂きありがとうございます。
今このコメントを自ら書ける喜びをかみしめ、みな様に救いあげていただいた「命」を決して無駄にすることなく再び燃やして行きたい所存でございます。
by yucon 川雄司
お帰りなさい!!!!
本当にご無事でよかったです!!!!!
僕自身、無力で何もお役に立てなかったことが情けない限りです。
そして、こうしてわざわざ直接のコメントありがとうございます!!!!!
今回は息子さんが一番のファインプレーだったかもしれないです。立派な息子さんをお持ちですね。
そして、落ち着いたら山で会いましょう!!!
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