◆北海道遠征羅臼岳・動植物の雲上楽園に知床の神髄を見た!
- GPS
- 07:14
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,461m
- 下り
- 1,469m
コースタイム
- 山行
- 6:34
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:07
07:04 ヒグマキケン地帯(蟻)
07:30 オホーツク展望台
07:29 650m岩峰
07:45 弥三吉水
07:51 極楽平
08:09 仙人坂
08:24 銀冷水
08:39 大沢入口
09:23 羅臼平
09:48 岩清水
10:20 羅臼岳山頂 気温25度 10:51発
11:57 大沢入口
13:40 登山口(木下小屋前)
所要時間7時間14分 累積標高差±1512m 移動距離14.25km
天候 | 晴れときどき曇り(予報は曇り) |
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過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
http://www.sunflower.co.jp/ferry/index.shtml 北の道ナビ 北海道道路情報総合サイト 出発地と目的地を選んで距離・時間の計算 都市や観光地を指定して検索可能。車で行くなら便利。 http://northern-road.jp/navi/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口・駐車場・ポスト・トイレ ○ホテル地の涯の駐車場の先にある空き地 未舗装、傾斜あり、見た目10台程度。 ホテル前にある舗装駐車場は、ホテル宿泊者用と思われます。登山者は未舗装のところへ。 満杯で置けなければ、途中の路肩スペースに順次止めていくことになるでしょう。 ○木下小屋前 未舗装、5台程度、休日はここに置くのは難しいかと。 木下小屋は、ホテル地の涯の直ぐ裏手にあるので、どちらに置いてもあまり差はなく。歩3分くらいの差。 ポストは登山口である木下小屋の近くに設置。 ◆トイレ ○ホテル地の涯駐車場脇 小屋型のバイオトイレと、小屋型非水洗トイレが設置。 いずれも、アンモニアレーダーに激烈反応あり。今までに経験した中で、五本の指に入るほどの刺激臭。 手を洗うことは不可能。紙は用意した方がよろしいかも。 ○木下小屋前 公衆トイレ風の非水洗トイレ。未利用のため詳細不明。 ◆危険箇所等 ○キムンカムイ(ヒグマ)の極密度生息地域です。 登山道上で、ばったり遭遇しても人間など意に介さず、悠然としているらしいです。 鈴もラジオも話し声も人が複数いても気にしない固体もいるとか。登山者の多く入山する日に登ることを強くお勧めします。 ○登り始めて直ぐの場所に蟻の巣が密集している箇所があり、そこはヒグマがよく食事に訪れる場所だそうで。特に遭遇率高し。 ○大沢には雪渓は4箇所あり、最初はたいしたことはありませんが、徐々に傾斜が増していきます。 アイゼンなしでも登れなくもないですが、下山を考えますと最低でも軽アイゼンくらいは必要かと思います。 プラスしてダブルストックなら、なお安全かと。 雪渓上には新しい感じの大きなフンがありましたので、ご注意ください。 ○羅臼平はハイマツ帯が広がる視界の良い場所ですが、そのため、ヒグマを目撃することが多い場所だそうで。 ○以下、登山口にあった注意書き ・緯度が高いので、本州の3000m峰と同等の厳しさ ・北に位置するので、日没も早い ・昼夜と登山口と山頂では気温差が激しく、9月でも雪が降ることがある ・食べ物の投げ捨てや餌を与える行為は、後に続く登山者をヒグマに襲わせるための無責任な行為。 ・山はあっても、命はひとつ。危険を判断できず、引き返す勇気も無く、慢心と過信に満ちた者は考え直すこと。 ・ヒグマに遭遇した場合は、静かにゆっくりとヒグマから離れ、来た道を引き返すこと。 ・熊撃退スプレーの携行を強くお勧めします。 ・スプレーは、木下小屋か自然センターで有料でレンタルしています。 概ねこのようなことが書いてありました。多少、ニュアンスは違いますが。 ◆温泉 ○岩尾別温泉ホテル地の涯 三段の湯・滝見の湯 無料 24時間利用可能 混浴 脱衣所無し 北海道斜里郡斜里町岩尾別温泉 0152-24-2331 http://www6.ocn.ne.jp/~iwaobetu/ ※ホテル内にある内湯と露天は¥800 11:30-18:00 ◆味覚 ○ウトロ漁協婦人部食堂 0152-24-3191 8:30-16:30 P4台 うに丼¥2300 http://www.zengyoren.or.jp/zengyofuren/osusume/s_hokkaido2.html ◆バッチ 木下小屋にて販売。小屋オリジナル(¥500)、他1種(¥400) 未確認ですが知床自然センターにもあるらしい。 |
写真
感想
さーて。雄阿寒岳のお次は羅臼岳です。
気合を入れて今回の北海道遠征に望んだにもかかわらず、前日の天気予報は曇り。
困ったなぁ。納沙布岬から知床へと向かう途中、ずっと考えていた。
実は天気のことよりも、どこで車中泊をするか。
登山口であるホテル地の涯まで行ってしまうと、駐車場の様子がどのような感じなのか、
また、トイレがある・・・ということしか分からず、どのようなトイレか判明しなかったので、知床峠にて車中泊することにしました。
道の駅ラウスあたりから、左折して知床峠方面へ。徐々に標高が上がってきますと、濃い霧が出てくる。
そして、道のど真ん中にゴミが落ちているのかと思ったら、キタキツネがうずくまって寝ていた。
さすがに、接近したら起き上がったが、いつも、あのようなところで寝ているのだろうか。
まあ、元々彼らの住んでいる場所に、人間が勝手な道を作ったというだけのことか。
さすがに夜なので知床峠まで至るまでの間に、他の車を見かけませんでした。
有名観光地なだけあってか、きれいそうな小屋型トイレもある。ここに決めた。
静寂に包まれた知床峠駐車場にて車中泊の準備をしていると、かなりの濃霧のさなか、セダンが何台か峠を走り抜けていった。
こんな夜中でも、知床峠を通っていく車がいるんですね。さすがに、車から降りて散策したり、トイレに寄っていく車はいなかったようですけど。
翌朝。前日の曇りの予報とは裏腹に、どうにも外が明るい。陽光を感じる。
まさかと思って、外を見ますと、太陽が。そして、眼前に羅臼岳の巨大なシルエットが。
これは!! 飛び起きて一眼レフを持ち出して撮影開始。知床峠から眼下には雲海が。
北方四島はその雲の下にあるらしい。薄く羅臼岳にかかっていた雲が徐々に、晴れていく。
広がる青空に興奮しながらも、食事を済ませて、ホテル地の涯まで自慢の軽自動車が出発進行。
峠を少し下ると、ガスの中に突っ込んでしまいましたが、羅臼岳を知床峠の標高以上まで登れば、ガスが晴れるのが分かったので、気分は軽い。
ホテル地の涯に着いてみますと、既にホテル前の駐車場も登山者用駐車場らしき、未舗装部分も車で一杯でした。
どう考えても木下小屋前に止められるとは思えなかったので、少し戻って路肩に駐車。
このホテル前の駐車場にもヒグマは出没するそうですので、ご注意。駐車場内をヒグマが歩いている写真が掲示されていました。
ここにあるトイレは凄かったです。バイオトイレと非水洗トイレがあるのですが、
今までに経験した中では、五指に入る強烈アンモニア臭を体感できました。
最初、バイオトイレに入ろうとしたのですが、あまりにもあまりなので、直ぐに出てしまいました。
その後、暫く鼻から匂いがとれず。
次に入った非水洗トイレは、バイオトイレほどではなかったのですが、こちらも強烈でした。
この付近でのトイレは、木下小屋前のを利用したほうがよろしいかもしれません。
さて、羅臼岳はヒグマです。とにかく、密集生息地域ですので、熊鈴は爆音の出るもの、ラジオは携行したほうがよろしいようです。
登り始めて直ぐに出てくる、登山道上に蟻塚のある箇所は、日中、ヒグマがよく蟻を食べにくるらしくて、遭遇率が高いそうです。
羅臼岳全域が生息域ですので、ここを過ぎたからといって安心はできないのですけど。
この日は登山者も比較的多く、全くヒグマを見かけることはありませんでした。
良く見かけるのは、雪渓上と羅臼平付近だそうです。
長い樹林帯を抜けると、大沢入口に到着。ここから四箇所の雪渓を通過します。
軽アイゼンとダブルストックがあれば、楽に通行できると思います。
この辺りから、多種多様な高山植物が目に付きだします。そして、リスやら鳥類やらも。
雪渓上には、ヒグマのものと思われる新しい感じの・・・がありましたので、ご注意ください。
ハイマツ帯の広がる羅臼平まで着ますと、見晴らしがよろしくなります。
見晴らしがよろしいということは、それだけヒグマを見つけやすくなるということで、ここでの目撃が多いそうです。
私は見つけたら怖いので、あまりキョロキョロせずに山頂を目指しました。
羅臼平から山頂までは高山植物の宝庫です。まさに、雲上の楽園といったところでしょうか。
山頂付近は、巨岩が転がっています。ルートは晴れていれば問題ありませんが、ガスが出ている時は、薄いペイントを見落とさないようにご注意。
山頂付近まで来るとガスが出てきて、知床半島方向は見えなくなってしまいましたが、知床峠や斜里岳方向は良く見えていました。眼下には、秘湖・羅臼湖が。
羅臼岳山頂からは、糸クズみたいな知床観光道路が見えます。蟻よりも小さな黒いツブが、音を出して動いているのが見えました。
山頂からは、人工物の一切ない光景を期待しただけに、あの観光道路は余計でした。通っておいて言うのもなんですけど。
下山後。ホテル地の涯の外にある無料露天風呂に入る。かすかな硫黄臭で無色。
三段の湯は、湯船がその名のとおり、三段に分かれています。湯温はぬるめ。
その先にある滝見の湯は、小さいながらも適温でした。泉質は同じようです。
源泉掛流しで、無料。しかも混浴。でも貸切。脱衣所がないので、女性が入ることは滅多にないでしょう。
その後。事前に調べていたウトロ漁協婦人部食堂で、うに丼(¥2300)を食べる。
良い雰囲気で。有名な店のようで、サイン色紙がいくつかありました。
羅臼岳に登ったことで、「知床」がどういうところなのか、存分に分かりました。
下山後には、いくつかの目玉観光地巡りも考えていたのですが、もうそれら観光地のことなど、どうでもよくなりました。
といいつつ、オシンコシンの滝だけ寄ってしまう。これが百名瀑? 羅臼岳に登った後では、感じるものはありませんでした。
以下、知床峠のトイレの掲示物にて考えたこと。
自然の奥深くに入り込んで、野生動物に餌を与えないことやゴミを捨てないことなどは、登山者にとっては当たり前のことですが、観光目当てにとっては、常識ではないのがいるようです。
ゴミを捨てたり野生動物に餌を与えれば、人間の食べ物の味を覚えた固体が、人間や車に近寄ってくるようになるのは当然なわけで。
走っている車に近寄ってきてぶつかって事故。ヒグマが人間から食べ物を得ようとして近寄ってきたら、どうなるか。
禁止行為を犯したがための野生動物との不幸な結果が、その犯した個人にのみ帰属するのであれば一向にかまわないが、山の規律を守った人が迷惑を被るのは許しがたい。
ヒトを襲った例はないだとか。ここのヒグマについて言われていることは、人間の都合で解釈した一般的なこと。
意思のある動物の行動に絶対などありえるはずがない。
自分の行為の結果まで思いが至らず、山のルールも知らず、他人の命までも死の危険にさらすようなのが、観光道路が出来たことで容易かつ安易、不用意に自然界の奥深くにまで侵入してくる。
知床峠のトイレ内に掲示された「ゴミを捨ててはいけません、野生動物にエサを与えてはいけません」と書かれた注意書きを見ながら、思うことが無数にありました。
同じトイレの壁には、管理者に断り無くマジックペン書きされた幾何学的な図形や文字が見られます。
誰が書いたのか、その絵文字を見るにつけ思うに、わざわざサインペンをトイレに持ち込むようなのをここから排除しない限り、この観光道路を早期に潰す必要があると考える。
さもないと、いずれ羅臼岳に登る誰かが不幸な結果になるのではないかと心配になった。
熊撃退スプレーについて思うこと。
確かコレは、数メートルの至近距離から熊の鼻先めがけて噴射しないと意味がないものだったような。
果たして、巨大なヒグマが突然、眼前に現れた時、冷静にスプレーを取り出して、手も震えず、風向きも考慮しながら、その鼻先めがけて噴射できるのだろうか。
子供を守ろうとして命がけで向かってくる母熊の突進を止められる効果があるのかどうか。
突然のヒグマとの遭遇にもパニックにならず、スプレーの特性を熟知した人でなければ、撃退スプレーなど持っていても意味のないものではないかと思います。
ま、遭わないようにすることが、第一ですかね。
本日の車走行距離88キロ。
moglessさん、こんばんは。
北海道遠征、楽しみに待ってました
なんだかすごいところですね。
ヒグマにキタキツネ、恐ろしいです
自然の力の迫力が違う、とmoglessさんのレコを読んでいて感じました。
と同時に美しさもまた格別なのだろうとも思いました。
観光道路、山頂からの景色の中にヤツがいると、いつもため息が出てしまいます
知床のように自然度の高いところでは、それが美しさだけでなく命をも奪うことになるかもなんですね。
誰でも来れるって、怖いです。
岩尾別温泉、すごいですね しかも無料って 入ってみたいなあ〜。
moglessさんのレコを読んでいて、夏休みの登山計画が固まってきました。
刺激をいただきまして、ありがとうございました
遠征の記録は、まだ続きます。今日も丸一日かけて、某山の記録を製作しておりました。
間もなく、公開できるかと思います。
羅臼岳は怖いところでした。今まで登った山の中では、最も熊に遭遇するのではないかという心配がありました。
そのようなわけで、人の多そうな時期を狙っての登山となりました。
それでも、見かけた登山者は全部で30人もいなかったと思います。
この長大なコースで30人くらいということは、ほとんど人に会わないに等しいということで、怖かったです。
ヒグマも怖いですけど、キタキツネはエキノコックスが怖いです。
知床では猛烈に自然を感じることができましたが、山頂から、知床縦断道路が見えたのには、うんざりでした。
しかも、ぶぉぉ、ぶぉぉ、なんてな音まで聞こえてくる始末。
あんなアスファルトなど、ひっぺがして自然に返してしまえばいいのさ、と考えたりもしました。
岩尾別温泉は、けっこうハードです。
ホテル地の涯の駐車場から直ぐの場所にありますので、羅臼岳登山後に汗を流すのにはもってこいだと思います。
北海道は良いですよぉ。何度でも行きたいですね。今すぐにでも行きたいです。
まだ登っていない山も入りたい温泉も無数にありますし。
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