記録ID: 211267
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ハイキング
白馬・鹿島槍・五竜
[彩を纏う貴婦人]蓮華岳(扇沢からのピストン)
2012年07月29日(日) [日帰り]
- GPS
- 13:00
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,634m
- 下り
- 1,624m
コースタイム
2:30 扇沢(登山口)
3:50 大沢小屋
4:52 針ノ木雪渓入口 5:05 ※アイゼン装着
7:00 針ノ木峠 7:30
8:20 (退却)
8:30 針ノ木小屋 9:50
11:22 蓮華岳 12:22
12:55 針ノ木小屋 13:13
13:30 針ノ木雪渓出口 13:35 ※アイゼン装着
14:00 針ノ木雪渓入口 14:10
14:31 大沢小屋
15:30 扇沢(登山口)
3:50 大沢小屋
4:52 針ノ木雪渓入口 5:05 ※アイゼン装着
7:00 針ノ木峠 7:30
8:20 (退却)
8:30 針ノ木小屋 9:50
11:22 蓮華岳 12:22
12:55 針ノ木小屋 13:13
13:30 針ノ木雪渓出口 13:35 ※アイゼン装着
14:00 針ノ木雪渓入口 14:10
14:31 大沢小屋
15:30 扇沢(登山口)
天候 | 雲は多めだが概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
一般道:扇沢ターミナル(登山口)まで県道306号(白馬大町線)、県道45号(扇沢大町線)を利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口について◆ ・扇沢ターミナルには有料駐車場(第1段および第2段は24時間まで1,000円/台、第3段および第4段は36時間まで1,000円/台)と無料駐車場がそれぞれ350台分あります http://kuroyonkanko.k-amenix.co.jp/contents/enjoy/sensawa.html ・トイレ(水洗/24時間利用可)は扇沢ターミナルの駅舎内にあります ・針ノ木岳方面への登山口は車道終点のゲート手前にあります ・登山ポストは登山口にあります(用紙あり) ◆登山道について◆ 梅雨明け以降、酷暑の日が続いています。 どこか涼しい場所はと考えた結果、雪渓に行ってみよう!ということで、日本三大雪渓のひとつ、針ノ木雪渓へ。 酷暑&山とくれば当然のごとく夕方のゲリラ豪雨が予想されるため、今日も早出します。 出発は2時30分。草木も眠る丑三つ時です。 ちょっと早すぎました。 あとでそれを後悔することになるとは、このときはつゆ知らず… 登山口からしばらくは作業用の車道(一般車通行不可)を何回か横切ります。 「針ノ木岳登山口」のお馴染みの黄色い標柱以降、ようやく本格的な登山道へ。 途中で涸れた沢をいくつか渡りますが、案内板やマーキングを頼りに登山道を探します。 実は暗くてマーキングを見落とし、沢を登ってしまったところがありました。 間違いだと気付いて、すぐに引き返して本来の登山道に復帰しましたが(汗 出発から約1時間20分後に大沢小屋に到着。 まだ真っ暗で静まり返っています。 入口にレンタル用のアイゼンがぶら下がっています。 小屋の脇には、小さな祠とその隣に百瀬慎太郎のレリーフが、彼がよく口ずさんだといわれるフレーズ「山を想へば人恋し、人を想へば山恋し」とともに飾られています。 沢沿いの小刻みにアップダウンを繰り返す樹林帯の道を抜けると、突然視界が開け、いよいよ針ノ木雪渓の入口に到着。 寒いです。 なんと雪面は凍っていて、ところどころツルツルに固まっています。 下界は酷暑に喘いでいるというのに、信じられません。 それだけ雪のボリュームが大きいということですね。 ただただ圧倒されるばかりです。 ここで軽アイゼンを装着し、ストックのキャップを外して登り始めます。 アイゼンの歯がサクサクと雪を噛んで歩きやすいのですが、勾配は結構急ですので、足の裏全体で踏みしめながらゆっくり確実に歩を進めます。 ちなみに、日中は雪が緩んでトレースはきれいさっぱり無くなってしまうようです。 沢の上はスノーブリッジ状になって雪が薄くなっており、ところどころ穴が空いているところもありますので、特に朝の早い時間帯は状況の見極めが肝要かと思われます。 マーキングもありますが、過信は禁物です。 融雪によって雪面の様相は刻一刻と変化しますので、最新の状況は小屋等にお聞き取りの上、必ずご自分で現場を確認してから通行されることとをお勧めします。 1時間ほど登ると夏道に復帰。 針ノ木沢から支流の蓮華沢に入ると傾斜が一層増します。 ザレた斜面につづら折りに付けられた道は材木で補強されていますが、とても滑りやすいです。 落石を起こさないように注意が必要です。 登り切ったコルの部分が針ノ木峠で、針ノ木小屋はここに建っています。 針ノ木岳と蓮華岳、五色ヶ原や平の渡し方面への分岐があり、交通の要衝となっています。 朝食を済ませ、一路針ノ木岳へ進路を取ります。 宿泊された方々が行き交い、とても華やかな雰囲気です。 土曜日は好天のおかげで、ここ針ノ木小屋や種池山荘、新越山荘など扇沢周辺の山小屋はどこも賑わったようです。 登り始めて30分程経ったところで、体調の異変に気が付きました。 足が前に進まず、動悸や息切れが治まりません。 おまけに嘔吐感が間断なく襲ってきます。 しまいにはまっすぐ立っていられなくなり、道端に座り込みました。 テント場を抜けて、山頂手前のピークのトラバースをちょうど半分程進んだ辺りです。 しばらく休んで息を整えると体が楽になりましたので、とりあえず針ノ木小屋まで戻ることにしました。 小屋のベンチで落ち着くと、今度は強烈な眠気が。 こういうときは逆らわず寝るに限ります。 相変わらず人が多いので、他の方々のご迷惑にならないようにベンチの隅で壁に寄り掛かって座り寝を決め込みました 満員電車の中でどんな姿勢でも眠れるようになっていましたので、案外都会暮らしも役に立つことがあるんですね。 たっぷり1時間半ほども休んだでしょうか。だいぶスッキリしました。 睡眠不足と水分不足によって、軽い高山病を発症していたようです。 時刻はまだ10時前。 日没までにはまだまだ時間がありますので、蓮華岳に行ってみることにしました。 もちろん、少しでも不調を覚えたら即座に下山するという条件付きです。 相変わらず食欲はありませんが、アミノバイタル(ドリンク)を補給し、登り始めます。 自分より明らかに年長と思しき方々に何人も追い越されましたが、ローペースを守ります。 ピークは指呼の先にありますので、ゆっくりと歩を進めます。 ところが、ピークの先に本当のピークが現れました。 よくあるパターンです。 でも、焦りませんからね、今日は。 不思議なことに、ゆっくり歩くと色々なものが見えてくるんです。 岩陰に楚々とたたずむお花。 流れて次々に形を変える雲。 気が遠くなるほど長い歴史を刻んだ岩。 山をめぐる生々流転。 それだけではありません。 周囲の人々との関わりや、これからのこと、世の中で起こっていることをどう考えるのか。 はからずも、そんな自分の内面に向き合うことになりました。 自分は今日、なぜこの山を選んだのか。 今までの山行で、なぜその山を選んだのか。 巡り合った山々は、その時々の自分を映す鏡だったのかもしれません。 コースタイムを大幅にオーバーしましたが、山頂に到着。 ガスがかかっていて遠望はききませんが、七倉岳や船窪岳が眼前に迫ります。 北葛岳から七倉岳に至る道もはっきりと見えました。 「蓮華の大下り」、ぜひ行ってみたいところです。 富山県方面はガスに隠れて見えませんが、薬師岳の金作谷カールや剱岳の長次郎谷などが時折姿を見せてくれました。 北の方角には針ノ木岳やスバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳、岩小屋沢岳が屏風のように連なっています。 富山と長野の県境を成すこの稜線もいつか歩いてみたいですね。 山頂ではたっぷり1時間は過ごしたでしょうか。 名残はつきませんが、下山することにします。 はからずも得た、このかけがえのないひとときを惜しみながら。 小休憩の後、針ノ木小屋を後にします。 当初の予定では休憩地のひとつに過ぎませんでしたが、今回の山行では大変お世話になりました。 これまでは人の少ない山ばかり選んでいましたが、今回は人のありがたみをしみじみと感じることができました。 この場をお借りして改めて感謝を申し上げます。 ありがとうございました。 あんなに辛かったザレ場をあっけなく下ると、幻想的な風景が広がっていました。 雪渓の上をヴェールのように霧が覆っています。 夏の熱せられた空気と冷たい雪渓の温度差によって発生したようです。 このおかげで標高の低い地点まで涼しい中を歩くことができました。 扇沢に到着すると酷暑が待っていました。 ついさっきのことなのに、山の上の涼しさがまるで夢のように思い出されます。 初めての高山病の経験に戸惑いながらも、なんとか無事に下山することができました。 下山後は、いつもの薬師の湯へ。 http://www2.plala.or.jp/yakushino-yu/ |
写真
感想
◆危機管理の重要性を改めて認識◆
確かに、今までの過酷なスケジュールを考えるといつ高山病に罹ってもおかしくはありませんでした。
まとまった休みが取るのが難しいため日帰りがメインの日程の中で、あまりにも多くの行程を詰め込み過ぎていました。
気候や地形、動植物への対処と同じくらい、自身の体調管理は重要です。
思い起こしてみれば、今回の山行はそれを痛感するいい契機になったようです。
このような情けない記録を残すことには、当初は抵抗を感じました。
しかし、今回の経験について少しでも他の方々のご参考になる部分があればと思い、恥を忍んで敢えて公開することにしました。
どんなご批判も、真摯に受け止める覚悟でおります。
他ならぬ自分自身への戒めの意味も込めています。
これからはハードさを追求するばかりでなく、「満足」と「楽しさ」が両立するような山行を心がけていきたいと思います。
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lynx1218さん、こんばんは。
先日は、コメントいただき、ありがとうございました。
同じ日、扇沢を挟んだ反対側の地で、私も同じような状況に陥っていました
種池山荘で1時間ちょっと昼寝をし、何とか回復しましたが、かなり反省の多い山行となってしまいました。
同じような事をしてしまったせいか、lynx1218さんのお気持ち、非常に良く分かります
(私も、恥を忍んで、レコをアップしました)
山の嗜好が近い者どうし、今後も、お互い、安全に、楽しく、満足できる山行をしていきましょう!
今回、行こうとしていたルート、いつかリベンジしたいですね
cirrusさん、こんばんは。
こちらこそ、コメントをいただきありがとうございます♪
まさか、こんな形でニアミスを果たすとは思いませんでしたね。
失礼かもしれませんが、cirrusさんのような「超人」でもこんなことになるなんて、なんだか今まで以上に親近感が高まったような気がします
でも、お互いこの程度で済んだのはラッキーだったのではないでしょうか。
重篤になる前に反省することが出来たのですから(楽観的過ぎるかしら?)
リベンジ、ぜひともしたいですね!
遠からじお会い出来ますこと、楽しみにしております。
そうそう、「試練と憧れ」の尾根もお気を付けて
lynx1218さん、こんばんは。
知名度が全く無い、tailwindと申します。
cirrusさんと余りに似た状況なので、思わずコメしてみました。
お二人とはヤマレコデビュー時期が同じ頃なので、
勝手に同期などと思っています
しかし、強者二人が討ち死にとは
驚きです。
余程体調が悪かったのでしょうね。
あそこの周回は本当に良いですよ!
lynx1218さんが周回をしていたなら・・・
多分、三人の中では金メダルだと思います
日帰りだと、体への負荷が大きいですよね。
時間の制約で仕方なくの山行形態かと思います。
リベンジのレコ!楽しみにしています
こんばんは。
今回はとても貴重な経験をされましたね。
lynx1218さんにとってはショックな出来事?だったでしょうか。
大切なことを学んだ意義ある山行だったと思いますが。
これで今後の山行スタイルが変わるのでしょうか。
tailwindさん、こんばんは。
いつもご訪問いただき、ありがとうございます♪
知名度が無いなんて、何をおっしゃいますか!
復帰のレコにあんなに注目が集まっているじゃないですか
ブランクを感じさせない健脚ぶり、流石山岳県のご出身ですね
さて、今回はcirrusさんと見事にシンクロしてしまいました。
何だか漫画みたいで、面白いので辛さも忘れてしまいました。
cirrusさんとも再起を誓い合いましたので、引き続きお付き合いいただければと思います。
同期の桜ということで
これからもよろしくお願いします!
siriusさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
今回の一件はお恥ずかしい限りです。
ご心配おかけして申し訳ありません。
確かに体調不良そのものよりも、大好きな山に居るのに思うように体が動かないことの方が辛かったです
でも、同じ轍は踏みませんよ。
ペース配分やエネルギー補給などで工夫の余地はありそうですので、もう少し研究してみます。
このままだとツルギに顔向け出来ませんし。
それにしても、今年の夏は暑過ぎます。
もう少し涼しくなるのを待った方がいいのかもしれませんね
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