小谷温泉〜天狗原山〜焼山〜笹倉温泉(58代春合宿・頚城三部作ep掘
- GPS
- 78:38
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 1,796m
- 下り
- 2,218m
コースタイム
3/21 6:05 1670m(C1)−10:20 天狗原山−11:42 金山−13:28 2106m−15:28 富士見峠(C2)
3/22 6:45 富士見峠(C2)−8:30 焼山−10:15 富士見峠−11:56 賽の河原−13:12 1340m(C3)
3/23 6:48 1340m(C3)−7:51 1730m−9:10 1340m−12:14 笹倉温泉
天候 | 3/20 雪時々曇、3/21 晴、3/22 曇のち雪、3/23 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2007年03月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
3/20
4:10 起床。30 分にはタクシーが来るので、ダッシュで朝ごはんを食べる。タクシーの運ちゃんは朝早いのにとても良い人。
5:36 ビーコンチェックをして行動開始。登山口の小谷温泉は数日前に崖崩れで通行不能という話だったが、歩いてなら越えることができた。栃の木亭まではシートラで行く。団パイでわかんがあったので非常に板をつけづらかった。乾雪がしんしんと降る中、30 分ほどで栃ノ木亭着。そこからは前々日に入山された、山スキーメーリスで有名な某先生のトレースを辿っていく。途中一ヶ所、雪崩の危険地帯があったので、一人ずつ通過し、尾根への取りつきポイントへ。某先生の記録では、ラッセルが深くて1640m地点で折り返したとのこと。いったい全装だとどこまでいけるのか・・・。
深雪に一年がドハマりしながらも、なんとか深雪の急坂を登り切り主尾根へ。尾根に取り付いてからも、軽くラッセルをしながら進む。尾根上は吹き溜まりができていて歩きづらく、所々右に巻きながら進んで行く。変則的な雪の積もり方もあり、とても複雑な地形である。にもかかわらず一年の読図は結構できている。
ラッセルもあり、一時間で約100mアップのペースで登っていく。複雑な尾根を進むのに、かなり時間をとられてしまった。本日はC1予定地に着くことは難しいと判断し、14:14 標高1670m付近に幕営する。
3/21
4:00 起床。今回は人数が多いので食当と平行してAコーチの方々にテルモス分の水を作っていただく。外に出るとやたらと寒い。そういえば今期でこんなに寒い日はない気がする。しかし、雪は降っておらずピーカンである。
ラッセルしながら尾根を登っていくが、急坂の深雪をキックターンで刻みながら登る場所で、小松がいきなりハマっている。地形図で一センチ(二百五十メートル)進むのに一時間かかってしまった。
小松がハマっている間に下見組と弱層テスト組にわかれて調査。下見組の春田さん、酒井、穂高は空身でラッセルして戻ってくる。弱層テスト組の私と長谷川の結果は、新雪30cm の下が肩の力でスッパリ取れるというもの。傾斜もそんなに無く、樹林帯なのでそのまま行動を続ける。1949mのポコからルーファイしやすかったが、積雪が多いため大変苦戦し、果敢なラッセル隊を先頭に着実に進んでいく。巨木帯の切れ間からは、妙高山の眺めが素晴らしい。
10:20 汗を流しながら雪原をラッセルで進み、遂に天狗原山頂着。ドピーカンで、これから目指す円錐形の焼山や、鋭い雨飾がきれいに見えている。深雪に塗れながら、一年も思い思いの写真を撮っている。
しばらく山頂でのんびりした後、シールをつけたまま北側のコルへと滑降。シールを付けたままなので、あまり滑れない。コルから金山への登りは地形図で見ると緩い斜面に見えたが、実際はラッセルで進まず、かなり辛いものであった。
11:42 金山山頂到着。北側には水平線が広がり、焼山もかなり近くに見える。これなら早めに富士見峠に着くかもと予測したが、なかなか思い通りには行かない。まずは金山からシールを外しての滑降であったが、アイスバーンで一年が何人かずり落ちたりして、結構時間がかかる。さらに、滑降できる部分もすぐに終わり、残りの緩い下りの尾根は、樹氷群と吹きだまりでシール歩行でなければ進むことができない。再びシールを貼り直し、近いようで遠い焼山を目指して進む。
裏金山は左からトラバースで巻くが、カリカリの斜面だったのでスキーアイゼンを装着して、谷底に落ちないように慎重に進む。ゆっくりではあるが、一歩一歩焼山に近づいていく。
15:28 富士見峠着。行動時間は長かったが、なんとか今日中に着くことができた。急いで整地・設営。
3/22
5:00 起床。今日の行程は、まずは焼山ピストンからなので、テントは撤収せずにシール歩行で焼山斜面下を目指す。そして斜面が急になる部分でスキーを脱ぎ、そこからはアイゼンとピッケルで焼山を目指して登っていく。斜面はそこそこ急であるが、そこまでカチカチではないので、特に危険と言う訳でもなく、着々と高度を上げる。
火口付近の稜線に出ると急に突風が吹きつける。稜線は岩が露出しており、急傾斜をトラバースする場面もあったが、しっかりとピッケルを喰い込ませながら慎重に通過。風と岩と雪の調和が非日本的な山岳美を見せる。酒井も感動することしきりである。
そして、最後は『紺碧の空』を歌いながら遂に焼山山頂着。しかし強風のため、式典は行わず、記念撮影だけして下山することにする。山頂での滞在時間は短いものであったが、妙高山、火打山をはじめとする頚城山塊を一望することができ、とても幻想的で感慨深いものであった。下りは急傾斜の岩場の部分を滑落に気を付けながら降りるため、登りよりも神経を使う。
富士見峠に戻り、ベースの撤収を行う。そして、そこから焼山のトラバースを開始する。雪質は重めで、軽くラッセルが必要なぐらいスキーが埋まる。たまに硫黄の臭いがし、焼山が火山だということが実感できる。弱層テストの結果、概ね安全であったが雪崩危険地帯は早めに通過する。
11:11 賽の河原を渡る際に、少し高度を下げすぎたのか、溶岩流跡に入りそうである。しかし上も急斜面で簡単に越せそうにない。仕方がないので、一人ずつ沢状地形に侵入していく。木葉落としで下降すると雪崩が起きてしまいそうなので、カニ歩きで真下に降りる。最後の賽の河原を渡った時点で、ようやく他人のトレースを発見。そこからシール・スキーアイゼンを外し、12:10 滑降開始。2000m付近は傾斜が急で雪も重いが、滑られないほどではない。苦戦しながらもやがて快適な斜面となる。しかし雪が重い!傾斜が緩すぎるとスキーが滑らないぐらい重い。
13:12 適当な場所を探し、1340m付近に幕場を張る。
3/23
ピストン個装で登り返す。天気はピーカン。前夜降り積もった積雪があり、軽くラッセルしながら進んでいく。一人ずつ歌い終える度に、ところてん方式でトップを交代していく。
7:51 標高1730m付近でちょうど一本分の時間であり、地形的にもここから急傾斜が始まるため、ここを折返し地点とし、焼山をバックに式典を行う。そこから焼山北面大地を滑降し、絶景の中の滑りを存分に味わっていく。一年の滑りも随分上達している。
9:10 幕場を撤収して下山する。滑降するだけであるが、少し地図を読み間違えて、若干東よりに進んでしまった。トップは少し登り返して、再びアマナ平へと滑降する。ここで今合宿初の登山者である、二人組みのスキーヤーに出会う。ここから先のトレース、ありがとうございます!踏みならされたトレース上を行けば結構滑るかと思ったが、残念なことにあまり滑らない。途中で登り返しに苦労したりしながら、なんとか九十九折りの上までたどり着いた。今日はかなり暑かった為か、いたるところでブロック雪崩が起きている。今日焼山アタックじゃなくてよかったなと微かに思った。
12:14 笹倉温泉着。着いた瞬間、達成感より安心感のほうが強かった。久しぶりに下山後に温泉に入ってゆっくりする。ここからタクシーで移動し、糸魚川で打ち上げをして無事春合宿が終了。
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