嫦娥岳―鋸岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 24.5km
- 登り
- 2,641m
- 下り
- 2,632m
コースタイム
六合石室4:53―甲斐駒ケ岳6:08-6:21―六合石室7:15-7:33―鋸岳第2高点9:33-9:51―第1高点10:47-11:00―横岳峠12:47-13:03―角兵衛沢出合14:35―戸台16:08
天候 | 15日くもりのち雨 16日快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
嫦娥岳の登り、嫦娥岳―熊穴沢の頭(第3尾根) は危険あり、くれぐれも自己責任で。 横岳峠からの寝木小屋沢ルート は今ならピンクリボンたくさんあるので迷いにくいですが、リボンあるが踏み跡は薄いので(あるいは無いに等しい所あり)注意が必要です。 |
写真
感想
20歳の頃、ちょっと山好きの3人組(つまり訓練されていない人達)で登ったコースを思い出して行きたくなった。
当初14〜15日の予定を、天気の様子から1日延ばして実行する。
《戸台〜熊穴沢出合》
戸台駐車場では、角兵衛から六合泊りという方とごあいさつ。4:52出発。戸台川を進むと、第1回渡渉点に水が無い。伏流しているとはいえ、こんな少ないことがあるんだ。珍しく白岩とその上の堰堤を右岸から越える。この上の堰堤はいつも左岸のコンクリートの段をよじ上っていたけど、これは右岸が〇ですね。対岸の角兵衛沢ではちょうど3人様が出発する所。熊穴沢出合で川を渡って運動靴から登山靴に履き替える。
《熊穴沢〜嫦娥岳》
出合6:45-6:58.熊穴沢は一昨年歩いているが、一泊の荷物だとちょっと重い。1時間歩いて右の斜面に取り付く位置を探る。この選定が今回の最大のポイントといって良い。ちなみに過去の記憶も記録も定かで無い。8:12-8:23現地と地図を見てここ!と判断して右に入っていく。苔むした石を踏んで登っていく。正面に岩場が見えるので、右へ右へと登っていく、8:43早くも尾根状の所に出てしまう。過去の記憶では尾根ではなくひたすら急斜面にへばりついていた覚えがあるので、思い通りにはいかなかったようだ。それならそれなりに進んで行くしかない。急登を続け、岩を右に捲くとやや平らな場所に出たので休憩9:08-9:20。足元からすっぱり切れており、大岩壁の上らしい。少し登ると赤いガムテープに「↓→」矢印表示9:22。下り時に右折しろという表示と理解した。心強い目印だ。
さらに登ると正面に大岩壁。いよいよ、お出ましだな。お二人の山行記録を思い出すと「右に捲く」である。この記録のルートを当てにしていなかったのだが、それなりに何度も見ていたので記憶にあって良かった。そうでなかったら、ビビる岩壁だ。荷物を置いて偵察する。岩壁の下を延々と右に行く。カモシカが良く歩いているのだろう、なかなか良い道になっている。終点に赤ガムテープ「←尾根を登る」これもナイスな記載だ。荷物をとりに往復する。(第1回偵察9:25-9:36)
直登するとまた正面に岩壁だ。確かこれも右折のはずだ。(第2回偵察9:47-10:09)同じように岩壁下を右へ右へ。岩壁おわったら直登すれば良いようだ。ところが荷物に戻る時に、あれっ? 荷物が無い、というか場所が違うようだ。やや焦る。途中の岩の段を間違えたようで、もう一段下のようだ。荷物を取り、最後と思われる登りにかかる。いくつかの赤テープに導かれ、徐々に傾斜も緩くなり、頂上に到着した。頂上には赤テープで2年前の日付と山名表示あり。
《嫦娥岳〜熊穴沢の頭》
食事もとり稜線をめざす。記憶では、途中1ヶ所だけ難所があるが、あとは問題ないはずだ。岩やヤブ・倒木が時として出るが、特に問題無く登っていく。そして問題の地点に着いた12:12。岩の間に溝があり、ここを登るしかない。こんな大変な所だったかなぁ。普通なら撤退する所だが、過去に通ったことがあるということが頼り。まず飯を食い、そして観察。良い所に支点となる太い木も見えるので、ロープをたらそうと空身で登る。ちょっと落ちても奈落の底に落ちるような所ではないのが幸い。20mロープでやや余裕のある高さ、何とか登り返す。もう1回同じような所。ここは支点が細いコメツガしかないのがやや不安だったが、しっかり耐えてくれた。安全地帯にはいあがって安堵する12:56。
あとは危険は無いはずだ。調子よく進んでいたが、最後はヤブにつかまった。ハイマツに乗り、落ち、シャクナゲをかきわけ、コメツガ・カラマツの幼樹の間はザックを外して通り抜け・・・・。立ち休みでハァハァしている時間が長くなる。それでも進まなくては着かんもんでね、歩みを進める。アッ!前方に人が見える。あとで聞くと朝戸台で会った方だったが、気がつかれなかったようだ。大声出しても意味無いしね、そこからもまだひと苦労。14:30ようやく登山道に出た。(熊穴沢の頭はもう少し西のようだ)
《熊穴沢の頭〜六合石室》
疲れた体には、急な下り登りは堪えたが、何といっても登山道ですから。やがて雨が降ってきて体が冷えてきたが、とにかく前進あるのみ。六合石室に着きました15:24。
小屋にはおふたり、じきに黒戸尾根を越えてきたおふたりが到着し、単独者5名の泊りとなった。お盆だから一杯だったらツエルトを張らなければいけないかとも思っていたので、この雨の中では助かった。さらに後に到着した青年はテントを張ると言って出ていった。
水場の案内くらいどこかに表示して欲しいな。かつての記憶は全く無いし、自分ひとりだったらわからなかった。同宿者からガイドブックで教えてもらい、たどりつくことができた。往復30分くらい、遠かった。渇水時はさらにくだるのかな。
夕方には雨もやみ、好転の兆しあり。
《六合石室〜甲斐駒往復》
朝は皆さんとともに4時ころ起きる。幸い快晴だ。
ラーメンを食いながらも、今日の計画を悩む。
予定では1日目のうちに甲斐駒を往復し、2日目は北のはずれの編笠山を往復するつもりだったが、昨日の天気・時間遅れ・疲れで予定がくるったので、甲斐駒をとるか、編笠をとるかである。
編笠:行ったことがない。家からも良く見える。ヤブこぎが楽しそう。⇔ヤブこぎは昨日堪能した。おとなりの山梨県である。
甲斐駒:高い。ヤマレコの赤線をつなげることができる⇔何回も行っている。
最終的には甲斐駒が勝って、一番先に小屋を出た4:53。右からの風が冷たく、ハイマツ・シャクナゲで膝下が濡れる。5:05日の出。6:08甲斐駒ケ岳着。鳳凰三山の上に富士山、悪沢・赤石などを見ることができ、こちらに来て良かったと考えよう。
昨日来、戸台・六合と一緒だった彼が後から到着するのを待って下山。
《六合石室〜鋸岳〜横岳峠》
荷造りをして7:33出発。何度も通っている所ではあるが、昨日の疲れもあるし、気を引き締めていこう。小さな急登・急降に疲れないように気をつけていく。第2高点では、第1高点の人が見える。こちらに向かってくるぞ、そうすると鹿窓あたりで行き違うとすると注意が必要だな。(結局こちらへは来なかったようだ) 鹿窓・小ギャップとあまり鎖を頼りにしたくなかったが、また腕力で登ってしまった。
第1高点では青年がひとり。聞けば戸台6時半発で4時間ほどで登って来たという。そんな早く歩けるんだ、と驚く。
三角点ピークで、編笠山への分岐を確認して横岳峠への急坂を下りる。
《横岳峠〜戸台》
昨年の経験では、目印が少ないこと、特に沢から離れて左折する箇所がわかるかどうかがポイントである。すると、峠から新しいピンクリボンが続いているではないか。これなら迷うことはなさそうだ。ただ踏み跡は定かで無い所も多く、けもの道・通りやすい所にリボンがついているという感じの所が多い。去年の記憶と違うなぁと思うことも多く、記憶があてにならないもんだと感じる。暑い河原歩きで戸台に到着した。
※これは反省の記録です。あの岩場で行き詰ったら、引き返すことができたかどうか。第3尾根を下りたD氏は、いくつも枝分かれしていく尾根に苦労したというし、嫦娥岳を往復したY氏は、下山用に大量の目印をつけたが、それでも迷うことがあったという。今回は運良く抜けられましたが、引き返すことも前提にするなど、もっと慎重に行動すべきであると思っています。皆様も安全な登山を。
※横岳峠からの道は、昔から寝木小屋沢ルートと言われています。地形図の「寝木小屋沢」表示は誤って一本西の沢に書かれていると思うのですが、どなたか答えられますでしょうか。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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尾根末端ではない場所からも取り付き可能なのですね。また、嫦娥岳上部の危険個所についても大いに参考になりました。
編笠山は嫦娥岳とい比較すればグレードが数段落ちるので、yama-takeさんなら楽勝かと思います。
小ギャップの鎖場は、あの取り付け位置の悪さには困ります。まさに腕力で登り下りする羽目になってしまいます。鎖があるだけでも大変ありがたいのですが、もうちょっと設置ルートを検討してもらった方が安全に登り下りできるのですが。
gekiyabuさんの「右に捲く」を覚えていたので、自信をもって進むことができました。本当にありがとうございました。
あらためてgekiyabuさんの記録を拝見しますと、写真41・42・49は私のレポートの写真と酷似していますし、写真34・40・44も私の未公開写真の中にあります。
また旅人さんの「5mの濡れ岩の危険個所」は、私の危険個所に一致するようです。(写真と地図位置より)
お二人の足跡と共有できて感激です。
いつも頭を使う山を楽しんでいるんですね。
記録を読ませてもらうだけで、地図の上で楽しませてもらってます。このルートも楽しんでます。
私の好きな等高線の人の記録も好きで参考にしています。自分では出かけられない山を地図で楽しむのも楽しくて永野敏夫著・南アルプス・深南部を取り寄せて読み始めました。地図読み苦手な私は相棒に頼りぱなしで、あきれられてます。鉄平も藪は苦手^^やさしい山に出かけます^^
最近のyama-takeさんには驚かされてます。ちょっとエネルギー分けて欲しいくらいです。
自分も嫦娥岳は気になるリストに入ってますが、まずは鋸縦走ですね。今年こそ行ってみたいです。
山でワクワクはしたいですけど、あんまりドキドキしないようお互い気を付けましょう。
普段の歩くスタイルは、常に手に地図を持って、小さな尾根の合流などをチェックしています。楽に歩けるような登山道だと、やっぱり地図も見ずに歩いてしまうから地図が可哀想ですね。頭を使っている訳ではありませんよ。
お二人の南駒・将棊頭の記録から・・・・長尾根を行こうかなと地図を見ると、その東の尾根に興味をもってしまう変態ぶり。それから年1回の田切岳詣はどうしようか、木曽側から空木をからめるか越百をからめるか、などと考えます。コメントありがとうございました。
DIYと言います、同じルートを検討しているものです。
山頂から稜線へ抜ける記録は初めてみました。
非常に参考になります。
2点教えてください。(いずれも稜線手前の壁)
1)直登以外回り込むのはありえない状態でしょうか?
2)ザイルを出したのは、懸垂用のみでしょうか?
(途中の支点確保はまったくできない?)
ちょっと時間が経っていますが、教えていただけると助かります。
1)ルート選択の余地は無いと思います。
2)ザックを背負ったままでは困難だったので、空身で登り立木を支点にロープを垂らして登り返した訳です。核心部は高さ3mが2ヶ所くらい。岩登りをやっている人なら問題ないと思います。(なお「途中の支点確保」という意味もわからないくらい、ロープワークは無知な者です)
・・・こうした書き方は難しいですね。あらかじめ研究されているDIYさんなら問題ないですが、あまり簡単と思われてもいけませんしね。
記録を楽しみにお待ちしています。
やはり他のルートの余地は無さそうですね。
「途中の支点」わかりにくくすみません。
ザイルは墜落時のビレイ用だったのか、懸垂用のみだったのでしょうか、という質問です。
ビレイなし、だったようですね。
記録は、、、この夏 行ければいいな〜、、、
と、まだ考えている状態です
ありがとうございました。
地形図の寝木小屋沢の記載の位置が間違っていると言われる根拠はなんですか?寝木小屋沢は、横岳峠の一本西の沢であって、なにか問題があるのでしょうか?
寝木小屋沢コースは、ご承知のとおり古くからの登山道です。往来に使われている沢には名前が無くて、その西の沢に名前がある方が不自然。だから地図標記が間違っていると考えるのが、ごく自然ではないか、それだけのことです。手持ちのガイドブック等を見ましたが、2勝1敗でした。それほど気にして書かれた風には見えませんがね。
googleで検索したところ、このような情報がありました。(無断転載します)http://koujouchou2.naturum.ne.jp/d2012-09-24.html
どうやら国土地理院が、根拠があって表記を西に移動したのかどうか、ということですね。
伊那谷の地図では、有名な移動がありますね、風穴山の、、、。これは、現在の位置になるまでに、三度ほど移動したのではないでしょうか。安曇野の雨引山と唐沢山のように、左右間違えて表記した単純な表記ミスもありますね。
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