【奥美濃】倉見(927m)東倉見(867m)
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- GPS
- 08:40
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,301m
- 下り
- 1,302m
コースタイム
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 8:40
地図とにらめっこして、倉見と東倉見をつなぐ面白いプランを思いつきました。国道157号が天神堂(てじんどう)を過ぎて長島の集落に入るポイント、根尾西谷川の左岸に破線路があります。破線はしばらく北上し、地形図上の404で北西尾根に少し振ってから消えていきます。
その尾根をたどって倉見に立とう、と考えました。その後、東倉見まで周遊し、北西尾根を使って黒津川の出合に着地するラインを引いてみました。
予想される最大の関門は、最後の最後、黒津川が流入する根尾西谷川の渡渉です。現地には発電所の取水口があります。下山尾根は、その上流側に落ちているので、下流域と比べ、それほど渡渉の難易度は高くないと考えました。
しかし、今回は雨の直後です。ひざ丈を越える渡渉も予想されます。というわけで愛用の地下足袋もザックに詰めることにしました。
もうひとつの気がかりは、狙う尾根が植林くさくないか、でした。ストリート・ビューを開きました。マウスで三桁国道を流し、周囲を見渡してみます。なるほど、二次林まじりの使えそうな尾根です。
<登山後のあれこれ>
記録中に登場する作業員の方(Hさん?)にお聞きした重要な情報を何点か。東倉見道路は、かつての主要路だった。現在の国道を作る際、根尾西谷川の右岸、左岸どちらに道をつけるか話し合いが行われました。その結果、日当たりが良い方に、ということになり、現在の国道が出来上がりました。
Hさん?は地元の方。それ以外にも、なるほど的な話がいくつか聞けました。道の駅の奥の尾砂谷(おさごだに)から山越えの道があった話。その道はどこに続いていたのでしょう。それは恐らく729の峠を越えて黒津に向かい、さらに越波に向かうルートではなかったでしょうか。それならば、東倉見道路との関係はどうだったのでしょう。
山と人の関わりは面白いですね。
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
<登山口〜倉見>
当初、登山口は『源屋』前の神社裏という予想。しかし、実際には駐車地前の廃屋から東に延びる地道が正解。黄色い貯水プラタンクを見ながら、山腹に沿う道に入ります。
道はそれなりに崩壊していて、獣道化してます。駐車地の先、国道が時計回りにカーブしたあたりの、墓地に向かう取りつき道路から入山してもいいと思います。
404地点に着いて驚きました。比較的新しい社が建っていたからです。道中の安全を祈願する石仏が奉ってありますが、メンテされていません。傍にはほとんど読めない由緒書き。「この道が『東倉見道路』であること」「越波(おっぱ)を結ぶ重要路であったこと」がおぼろに読み取れました。道型はそのまま等高線沿いに伸びていきます。
僕は、東倉見道路と別れ、北西尾根に踏み込みます。植林やユズリハのヤブは、大したことはありません。一部、黒いプラ階段が残っています。地図に残る鉄塔線の巡視路の痕跡かな。
冬枯れの二次林下を、能郷白山を仰いで登ります。エナガが、じゅりじゅり群舞しています。
山頂付近は同じくらいの標高点の台地が居並ぶ、素敵なシカの遊び場です。三角点で一息つきます。
<倉見〜東倉見>
樹林を透かすと能郷白山や白山を拝めます。このエリアはブナも素晴らしい。729のコルに降り立ちますが、真正面に、岩岳と東倉見をつなぐ稜線上の980mの凸が高くそびえ、ため息が出るところです。
周辺域は、大白木山、岩岳、鈴鹿山脈、魚金山、西台山、雷倉・・・金糞岳、蕎麦粒からぐるり奥美濃の山並みの展望地。山々に包まれる幸せを感じます。東倉見に向かうと、大白木から高屋山に向かう尾根が旅の道連れ。大きな杉の巨木、ブナやシロモジの自然林・・・そしていよいよ東倉見。三角点にコンニチワです。
<東倉見〜根尾西谷川>
これより下山。まずはコンパスをセット。地図上では易しくみえて、広尾根上でのコース選択にはかなり気を使います。しかも、調子に乗って駆け下り、ヤブに突っ込むアクシデント発生。「ぎゃー!」イテテテ・・・顔にイバラのトゲが刺さっているし!緊急オペでトゲを引っこ抜き、流血しながらM系下山です。
道すがら、人の活動の跡もちらほら。廃棄されたワイヤとか黒い被膜の電線とか。最後は巡視路階段の残骸に誘われて、いよいよ黒津川の砂防堤の上流側に立ちました。
さて、安全な渡渉箇所を選ぼう。楽勝に見えて、雨後ということで瀬は速いし、中央部の水深はMAXひざ丈かと。
登山靴を脱ぎ、地下足袋に履き替えます。水に一歩踏み入れて、またまた「ぎゃー!!」冷たすぎるっ!何といっても冬だった。とにかく流れに足を取られないよう、渡り終えます。カヤ原を抜けて林道型へ。下流に歩いて国道に上がりました。
<根尾西谷川〜駐車地>
さあ、長い林道歩き。覚悟を決めて歩き始めましたが、実はメイン・イベントが待っていました。再び「ぎゃー!!!」何と国道が崩れ落ちててヤバすぎる。完全にリサーチ不足じゃん。「歩行者も自転車も通行できません」と書いてある。そんなこと、見りゃわかる。
よもや、温見峠側、しかも黒津谷の出合から根尾西谷川を渡渉して這い上がってくるおバカな「歩行者」がいるなんて予想もしなかったよね(苦笑)。
万事急す。しかし、ここで「お泊り」するわけにはいかない。ま、そこは悪知恵を総動員してワープしたということにしておきましょう(^-^;)。
難所をクリアして、トコトコ歩いていくと、休憩終えて作業場から出てきた作業員さんと鉢合わせる。彼はギョッ!!として飛び上がりました!「え−!!一体どこから来たんですか!?」と敬語まで使って質問の矢です。「よくやりますね〜。怖くないんですか?」
逆にこちらも問いかけてみると、「そうなんです、この仕事は命がけなんですよ」「地元には怒られるし、役場には怒られるし、会社には怒られるし」「きちんとやって当たり前の仕事ですから」「仕事をやり遂げたときの達成感は大きいですけどね」
お疲れさま。あなた方の苦労の上に、私はこうして安閑と登山をさせて頂いているのだ。感謝・感謝!
コメント
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この記録は、面白かったです。
fura-riさんは、藪山のぼらーなんですね。
記録が楽しみな人が増えて、嬉しいです。
ぼくたちも、倉見、東倉見辺りで、似たようなことをしたことがありますよ。
大先輩におほめ頂き光栄です。
久しぶりにブログのぞかせて頂きました。
さすがですね。
いつもお世話になりっぱなしで恐縮です。
今後ともよろしくお願いいたします。
こちらこそ、恐縮です。
それはそうと、
モリサトさんこと、fura-riさんだったとは、
びっくり仰天です。
また、白倉権現起点の深南部周回で、京都のシモさんに偶然出会われたようですが、シモさんをネット上で存じ上げていたので、これもおどろきましたよ〜。
あれも、すばらしい記録でしたね。
羨望の的です。
YAMAPの記録もまた、楽しみにしています。
ありがとうございました。
そうなんですよ。最初はYAMAPからスタートしたのですが、いずれはヤマレコか、どちらか一方にしようと思っています。
基本、記事は同じですが、ヤマレコの方が、多少情報量は多くなっています。本当は、YAMAP以前の大量の記録を、何らかの形にまとめたいのですが、なかなかいいアイデアがありません。
その点、floatcloudさんは、さすがですね!
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