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Yamareco

記録ID: 2195258
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
南アメリカ

アコンカグア(下山時に高山病)

2019年12月28日(土) ~ 2020年01月06日(月)
 - 拍手
GPS
224:00
距離
58.9km
登り
6,162m
下り
2,120m

コースタイム

1日目
山行
2:30
休憩
0:00
合計
2:30
8:20
150
オルコネス登山口
10:50
コンフルエンシア
2日目
山行
7:00
休憩
0:30
合計
7:30
8:20
210
コンフルエンシア
11:50
30
ビューポイント
12:20
12:50
180
プラザフランシア
15:50
コンフルエンシア
3日目
山行
6:15
休憩
0:15
合計
6:30
8:00
195
コンフルエンシア
11:15
11:30
180
看板(中間地点?)
14:30
プラザ・デ・ムーラス
4日目
山行
0:00
休憩
0:00
合計
0:00
8:00
0
プラザ・デ・ムーラス
8:00
プラザ・デ・ムーラス
5日目
山行
4:45
休憩
1:00
合計
5:45
10:15
30
プラザ・デ・ムーラス
10:45
150
対岸のホテル(閉鎖)
13:15
14:15
105
ボネーテ
16:00
プラザ・デ・ムーラス
6日目
山行
6:30
休憩
0:00
合計
6:30
8:45
390
プラザ・デ・ムーラス
15:15
ニド・デ・コンドレス
7日目
山行
3:40
休憩
0:30
合計
4:10
10:20
100
ニド・デ・コンドレス
12:00
50
コレラ
12:50
13:20
70
6100mくらいの場所(登りが途切れる箇所)
14:30
ニド・デ・コンドレス
8日目
山行
14:30
休憩
0:45
合計
15:15
2:15
130
ニド・デ・コンドレス
4:25
4:30
25
ベルリン
4:55
5:05
100
コレラ
6:45
7:00
315
インデペンデンシア小屋
12:15
12:30
300
山頂
17:30
ニド・デ・コンドレス
9日目
山行
2:30
休憩
0:00
合計
2:30
10:00
150
ニド・デ・コンドレス
12:30
プラザ・デ・ムーラス
10日目
山行
10:15
休憩
5:00
合計
15:15
7:45
150
プラザ・デ・ムーラス
10:15
10:30
165
看板(中間地点?)
13:15
13:45
90
コンフルエンシア
15:15
15:30
30
オルコネス
16:00
20:00
180
プエンテ・デル・インカ
23:00
メンドーサ
11日目
山行
0:00
休憩
0:00
合計
0:00
7:00
0
メンドーサ
7:00
ゴール地点
天候 12/28~1/3:晴れ(風はほぼ無しか、気にならない程度)
1/4:晴れ→曇り、頂上付近で雪(標高によって天気が違うかな)
1/5:晴れ、曇り、ベースキャンプで雪。風強し。
1/6:曇り、風強し。標高を下げたら晴れ。
過去天気図(気象庁) 2019年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 飛行機
飛行機でメンドーサまで。
メンドーサからプエンテ・デル・インカまでバス。(利用するムーラ業者によってプエンテ・デル・インカを使うのか、ペニテンテスを使うのかは異なると思います。ムーラ業者を使わないなら、登山口のオルコネスまでバスで行けるのでは?確証はありません。)
コース状況/
危険箇所等
2019年末から2020年初めは雪が少なく、ピッケル・アイゼン不要でした。
グランカナレーターに関しては、多くの記録で足場が悪い・崩れやすいという記載を見ましたが、ジグザグに適切なコース取りをすれば、ごく普通に登れました(後述)。但し、下りでやらかしたので、そのあたりも後述します。
その他周辺情報 プエンテ・デル・インカの安宿(Hostel Nico/ 1泊700ペソ=12ドルくらい)でも、お湯のシャワーが浴びられました。プエンテ・デル・インカでもwi-fiは使えるところがあるようです。(未調査)
プエンテ・デル・インカで入った軽食屋は、外看板にいくつかの食べ物の絵が描いてありましたが、提供できるものは1種類(サンドイッチ)だけと言われました。他はシエスタなのか営業していない時間でした。飲み物も売っていますが、品揃えは期待しないように。(運が悪いと在庫がないかも?)
プラザ・デ・ムーラスのレンジャー小屋前にある天気予報。mountain forecastの予報をたぶんうつしている。レンジャーはたまに18時の更新をさぼるので催促した方が良い。
1/5 PMから風が強まる予報。
2020年01月01日 00:10撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
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1/1 0:10
プラザ・デ・ムーラスのレンジャー小屋前にある天気予報。mountain forecastの予報をたぶんうつしている。レンジャーはたまに18時の更新をさぼるので催促した方が良い。
1/5 PMから風が強まる予報。
予報では風が強い。
2020年01月06日 05:20撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
1/6 5:20
予報では風が強い。
予報では風が強い。
1
予報では風が強い。
予報では風が強い。
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予報では風が強い。
予報では風が強い。
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予報では風が強い。
1/15の予報で希望が見えたが・・・
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1/15の予報で希望が見えたが・・・
1/15の予報で希望が見えたが・・・
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1/15の予報で希望が見えたが・・・
厳しい予報。
やや厳しい予報。
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やや厳しい予報。
良くは無いが、和らいで来てはいる。
1
良くは無いが、和らいで来てはいる。

装備

個人装備
アイゼン ピッケル 肌着 ダウン(HIMARAYAN PARAK/HIMARAYAN PANT) 長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 ゲイター 着替え サンダル ザック ザックカバー サブザック 行動食 調理用食材 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル ライター 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 携帯 時計 ストック ナイフ カメラ ポール テント テントマット シュラフ シュラフカバー テント(GORE LIGHT) 外張り ペグ 水筒 Platypus ペットボトル マッチ パルスオキシメーター
備考 持って行けば良かったもの:お茶(ティーパック)、醤油(持って行けるのか?)などの調味料、サラミなどの加工肉

感想

12年前に敗退したアコンカグアのリベンジ。

総括:
・当然だがシーズンごと、日ごとに天気は違う。ヤマレコや個人HPで、"この装備で登れました"系の紹介があるが、参考程度に読むことが大事。出会った日本人の中で、一番薄着だなと思った人は、モンベルの肌着と、フリースと、800フィルパワーのダウンで寒くなかったと言っていたが、個人的には心もとなく感じた。靴はダブルシューズが主流だが、夏靴で登ったという人もいるようだし、シングル+ゲーターでチャレンジしている人もいた。
・Mountain Forecastの天気予報はアコンカグアに関しては結構信じて良いかも(前に八ヶ岳の天気予報では大外れをくらったが)。山の天気なので急激な悪化や急回復もあるみたいだが、大きな傾向は予報できていそう。ただし、私が入山した前後の統計だけでこのように書いているので、鵜呑みにはしないように。
・私の場合、100m上がるとSPO2が1下がるくらいの感じであった。また1日滞在で3程度数値が良くなるようである。(標高にもよるようである。)
・高山病の原因は、順応し切っていないのにサミットアタックしたこと、サミットアタック時に早く登り過ぎたこと、下山時に深呼吸をしていなかったことが考えられる。


12/24
成田→パリ
65Lザックにストック・ピッケル・ロールマットを外付けし22kg(預け荷物)。某アウトドアショップのメンバーズバッグに、サブザックとその他の装備を詰め込み8kg(機内持ち込み。55×35×25cm)。山で使う服をある程度家から着て行って、なんとか荷物を規定に収めた。
エールフランスは、トイレの近くに「軽食・飲み物自由にどうぞ」コーナーがあった。(他の飛行機もそういうもんですか?)

12/25
パリ→サンチャゴ→メンドーサ
サンチャゴ空港内では、乗り継ぎ時に長い距離を歩かされた。カートもなくて地味に疲れた。
メンドーサの空港に、ムーラ業者に迎えに来てもらった(空港に着いたのが20時。両替ができない、かつタクシーでUSドルを使えない可能性を懸念して、安全策として迎えに来てもらった)。空港からホテルまで7ドル。自分でタクシーに乗れば300〜350ペソ(5〜6ドル)。

12/26
ガスと追加食糧の買い出し。
入山手続き(お金を専用の場所で払って、そのレシートを持って行き、パーミッションを手に入れる)は、ムーラ業者の人が手伝ってくれた。入山料は50400ペソと紙に書かれていたが、USドルで払ったら690ドルだった。(レートがおかしい気がするんだよなぁ。得してるからまぁ良いか。)この業者に、Global Rescueという保険を薦められていたので、日本でweb加入していた。14日と30日のコースがあり、最大20日山にいる可能性を考慮して30日の保険に入った。2.5万くらいだっけなぁ。なんとか英語で申し込めた。ヘリコプターでの救助が適用される保険でないと、アコンカグア登山ではNGとのこと。ちなみに日本の某社に同条件の保険の相談をしたら、ガイド付きという条件で、10万超えだった。
尚、利用したムーラ業者は、JUAN HERRERA TRAVEL SERVICE。12年前にメンドーサ在住の増田さんが経営する民宿アコンカグアに宿泊し、その時に教えてもらったムーラ業者。他のムーラ業者との比較はせず、今回も決め打ちで利用した。
コンフルエンシアやベースキャンプで、INKA、LANCO(スペルがわからない)、7 Summits Club?、7 Summits Vision?など他の業者と比較した感じ、イケイケ感は無い。料金比較もしていない。

12/27
メンドーサからバス。間違えてペニテンテスでバスを降りてしまった。誰かにプエンテ・デル・インカまで(有料で良いので)送ってもらえないか、ペニテンテスを歩き回ったが、人が捕まらなかった。40kgの荷物と共に、プエンテ・デル・インカに向けて歩き始める。1km歩いたところで、登山者っぽい二人組がいたので話をしたら、荷物運びを手伝ってもらえた。20kgのザックは自分で背負い、10kgのサブザックと10kgのバッグを二人組に運んでもらった。2km歩いたところで、友人の家が違う方向と言われたので、お礼をし、写真を撮って別れた。どうやら登山者ではなかったようである。
500m歩いたところで、ヒッチハイクがようやく成功。(ペニテンテスから歩きながらヒッチハイクをずっと試みていたがまったく車が捕まらなかった。)プエンテ・デル・インカまで送ってもらった。
先の2人組とヒッチハイクで乗せてくれたおじさん、本当にありがとう。海外でこういう経験をすると、日本で困っている外国人を助けようという気になる。
今日の宿はHostel Nico。安宿だがお湯シャワーを浴びられた。経営者(Nico)が見るからに優しい顔でホッとする顔。経営者の居住スペースから、たまに2歳くらいの子供が走り込んでくる楽しい宿。子供がかわいかった!
SPO2:85。

12/28(1日目):
大きい荷物はムーラに預け、サブザック(8〜10kg程度)1つ。暑かったので休み休み。途中で道を外し(何で外したんだか・・・)15分程ロス。2時間半でコンフルエンシア着。
テント番?小屋番?のジョアンナは鼻ピアスをしていた。
自分に与えられたテントスペースの隣にINKAテントがあったが、爆音で音楽を鳴らしていてうるさかった。山の雰囲気を楽しみたかったが、常駐している人は音楽でも聞かないとやっていられないのだろう。静けさを求めてぷらぷら散歩。帰ってきたら、逆隣のテントも爆音で音楽を鳴らしていた。。
とにかく暑かった。プラザ・フランシアから帰って来たパーティが水シャワーを浴びていた。コンフルエンシアは湧き水があるという認識であっていますかね?
SPO2:82

12/29(2日目):
プラザ・フランシア方面に歩いてた人は20〜30人程度いたと思うが、おそらく私以外はビューポイントまでしか行っていない。高度順応していない、かつ普段の登山スピードが遅い人だと、コンフルエンシアから5時間でプラザ・フランシアにたどり着くのはやや厳しいように思う。
プラザ・フランシアからもう少し奥?まで進み、南壁にタッチしに行ったが、道なき道だったので、お薦めしない。
下山時に、8年振りに左膝に痛みを感じ不安になったので、ゆっくり下った。
コンフルエンシアで、登頂し下山して来た日本人に会い、情報をいただく。この方はスリーシーズンテント(しかもメッシュ状)+レンタルした-40℃耐寒の寝袋で乗り切ったらしい。コレラで風速70m/秒で物凄く寒かったそうな。
どこぞの富豪がムーラスから有料(10万円?)のヘリで下山したという話を聞き、「体調が滅茶苦茶悪い振りをすれば、加入した保険のヘリに乗せてくれるかもねぇ」なんて冗談の話をした。
夕食は(1日目もだが)業者に頼んだ。1食35ドル。正直1日目の夕食は「これで35ドルは高いな」という内容だったが、この日はどでかい鳥肉がふるまわれた。
2日分の夕食のチップとして10ドル渡したら、物凄く喜ばれた。アルゼンチンの人の給料をはるかに上回るチップを渡してしまったのだろうか。金銭バランスを崩すのは良くない。
メディカルチェックを受ける。17時までに受ける必要があるのかと思ったが、17時からだった。医師が使っていたパルスオキシメーターは安そうなもので、私が日本でレンタルして持ってきたNonin製のお高いのと、ジョークで交換を持ち掛けられた。12年前に来たときは医師はNonin製のを使っていた気がするのだが。
SPO2:85

12/30(3日目):
大きい荷物はムーラに預け、サブザック(8〜10kg程度)1つ。6時間半でプラザ・デ・ムーラス着。プラザ・デ・ムーラスへの道は、他の方の記録をご参考に。
ムーラスのテント番?小屋番?はロシアーノ。彼女もまた鼻にピアスをしていた。アルゼンチンでは、鼻にピアスをしないとこういう責任者になれないのだろう。
ハイキャンプから下りて来た日本の方と話す。マッチをもらう。後々役に立ちました(ハイキャンプでは火器で火花を飛ばして着火できる時もあれば、うまく火花が飛ばなくてマッチで着火しなければならない時もあった。)この場でお礼を言わせていただきます。ありがとうございました。
SPO2:75

12/31(4日目):
休息日。
メディカルチェックの前を通りかかったら、中でヨガをしているタトゥーの人が見えた。変わった人もいるもんだ。
日本の方々と情報交換(というか一方的に情報をもらった)。ムーラスからサミットまで4時間弱で行った外国人がいるそうな。
SPO2:78

1/1(5日目):
年明けのタイミングで花火(音だけ?)。山に何か投影していたように見えたが、眠かったので寝た。
ボネーテ登山。まず対岸のホテルに行くのが面倒だった。プラザ・デ・ムーラスから降りて登って降りて登って降りて登ってようやくホテルに着く感じ。川には橋がかかっていたが、増水したら渡れなそう。持っていた地図を見た感じでは、プラザ・デ・ムーラズからキャンプ・カナダへの道より傾斜が緩いかと思ったがそうでもなかった。コースタイムが2〜3時間のところ、ホテルから2時間半かかったので遅いかなと思った。登りの時に30分くらい?先行していた人に追いつき、話を聞いたら2日前にサミット登頂済みの人だった。サミット登頂済みの若そうな兄ちゃんに追いつけたので、そこまでスピードは遅くないのかなぁ。
1/5から天気が崩れ、自分が登頂を予定していた1/6も天気が悪いことがレンジャー小屋の天気情報から判明した。また、たまたま出合った日本の方から、1/7はチャンスがあるかもしれないが、1/8〜1/10は何故か結構前から天気が悪いことが予報されている(チリの天気予報。チリの天気がわかってからアルゼンチンの天気がわかる??)ことを聞き、登頂予定日を2日前倒すことにした。2日前倒しと、5日間以上の後ろ倒し(いつ回復するかわからない)という選択肢があり、帰りの飛行機が1/17発ということを考えると、選択すべきはどちらなのか明白だったかもしれないが、、、自分は前者を選択した。
メデイカルチェックを受ける。医師は昨日チラッと見たヨガタトゥーの人だった。あなたでしたか。SPO2:82(75以上で合格という噂を聞いた。あくまで噂。ハイキャンプではどの程度がSPO2の目安かヨガタトゥー氏に聞いたが、数字よりも自分の体に異変がないか気を付ける方が大事だというアドバイス?をもらう。)

1/2(6日目):
20kg程度のザックを背負いニド・デ・コンドレスへ。
序盤は240m/hでアップしていたので、4〜5時間で着くかもと期待したが、後半はずるずるスピードが落ちていき、結局6時間半かかった。全行程で一番疲れた日かもしれない。12年前は6時間で行けた気がするんだけどな。
キャンプ・カナダに行きたい、寄りたい人は進行方向右よりに歩くと良い。キャンプ・カナダを通らずニド・デ・コンドレスに行くトレースもあるので、キャンプ・カナダに気付かず通り過ぎる人もいる。
ニド・デ・コンドレスの看板近くで休んでいたら、ヘリが来るからどけと言われた。。
私が登ったタイミング(というか2019年末から2020年初め)は、ニド・デ・コンドレスの雪は少量。雪解け水?の水溜まりがあったので、その水を皆汲んでいた。テン場近くの水溜まりは腹を壊すからやめた方が良いとレンジャーに情報をもらう。(そこから汲んでいた人もいたけどね。)テン場から数分歩いたところにある水溜まりから水を汲んだ。雪をとかす必要がなくてラッキーでした。
SPO2:72

1/3(7日目):
順応のため上へ。インデペンデンシア小屋(6400mくらい)を目指して出発。ニドからコレラまで1時間40分。12年前に来たときはニドからコレラまで1時間程度だった気がするが記憶違いだろうか。
コレラから先は初めての場所。道がわかるか不安だったが先行者がいた、かつトレースもあったので、安心して登る。しかし6100mくらいの、登りが一時途切れた所で、先行者を見失い、トレースもわからなくなり、またガスって来たのでここでストップした。ニドに帰る。明日はサミットアタックで寝坊できないと考え、昼寝をする。
SPO2:74だったか?記憶に無いのが勿体ない。咳が少々出る以外は、特に体調の悪さは無かった。

1/4(8日目)※この日の記録はクライマーズハイと高山病のため不正確です。:
昨日昼寝をしたせい、かつ寝坊できないというプレッシャーで夜はほとんど寝られなかった。1時に起き上がり、支度を始める。薄手のダウンパンツをズボンの上から履いたらきつかったので、履くのをやめた。日本で重ね着をしてサイズ感を確かめなかったのは愚かであった。。
出発前に"大"を出し切ろうとして時間がかかった。ところで皆さん、ハイキャンプでの"大"ってどうしているんですかね?テントの外の岩陰とか、テントから離れて誰も来ないところでブリッとするのか、テント内でブリブリッとするのかどちらが主流なんですかね?誰か来たら嫌だなということで私はテント内派です。でもこれは単独行だからできること。パーティだとどうするの?あと、どういう風にブツを処理してるんですかね?私はビニール袋を広げてやりますが、たまに的を外すんですよね。。この日も外してしまい、テント内を掃除していたら出発が予定より遅れてしまった。
翌日からの天気(予報)が悪いというか、この日の午後から風が強まりそうな予報だったので、皆出発を早めたのではないかな?私も、可能ならサミットに行って、この日のうちにムーラスに下りるつもりで2時出発の計画だったが、"大"のせいで2時15分出発。他のパーティに着いて行く作戦だったが、ヘッドライトの点群は結構先行しているように見えた。
昨日下見した道とは言え、夜だとわかりにくい。貧弱なヘッドライトの灯りを頼りに必死にトレースを探し、先行者達との距離を詰めていく。ダウンの上着が暑く、脱ぐ。ベルリンまで2時間程度、休憩込みでコレラまで3時間もかかり、夜の歩きにくさを実感した。
先行していたパーティに追いついたので、コバンザメ作戦を実行するが、「先に行くか?」とどんどん道を譲られる。まだまだ先行者はいるから、道がわからなくなることはないだろうということで、抜き去る。もともと1/4の登頂を狙っていた人に加え、1/5や1/6の登頂を狙っていた人が前倒しているので、この日サミットを狙った人は多かったのではないだろうか。
寒くはないが、ストックが冷え切っているせいか、ストックから手に冷たさが伝わり、手の動きが鈍くなってきたので、ストックを使うのをやめた。12年前のリベンジということで、なるべく当時の装備を持ってきたが、持ってきたストックが半壊していたというのも、ストックを使うのをやめた理由の一つである。変な思い入れで道具を選んではいけない、という当たり前のことを思う。足(足先、足裏)も少し冷えていたが、これで凍傷になることはまずないだろうなというくらいの冷えであった。
7時くらいにインデペンデシア小屋着。水平線が明るくなり始めていた。他パーティのガイドと思われる人が、だいぶ暖かそうなダウンパンツを履き始め、「え?ここから寒くなるの?」とビビるが、そのパーティの客は着替えをしていなかった。
行動食の流動食はおいしくはなかったが、エネルギー補充をしておこうと流し込む。
インデペンデンシア小屋の先の大トラバースはまだ見えない。数十m先を歩いていた人が戻って来たので、"不測の事態?もしかしてアイゼンが必要?"と身構えるが、彼がなぜ戻って来たのかわからなかった。大トラバースに雪は無かった。
大トラバースは聞いていた通り、下から吹き付ける風が強く、右半身を中心に、いや身体全体が冷える。途中にある岩陰は風があたらないので休もうとも思ったが、先行者が1人休んでいたし、そんなにスペースが無いので、休まず進む。大した登りではないし、このあたりはスタスタ歩いていたように思う。大トラバースの後半では、前を進む2人組があまりに遅く、しかも道を譲らないので、心の中で悪態をついていた。聞こえるように咳をしているのに、まったく気づいてもらえない。彼らも無我夢中だったのだろう。10分くらいのろのろ歩いたところで、ようやく気付いてもらえたので、抜かす。
大トラバースの大詰めで身体に異変を感じる。うまく表現できないのだが、身体が一切熱をもっていないような感覚になってしまった。上半身はそこそこ良いダウン(HIMARAYAN PARKA)を身に着けているのに、身体の熱を感じない・・・。何が起きているんだ?低体温症かと心配したが、寒いわけではない。自分自身が氷のような感覚。痛み、苦しさ、辛さも無い。何も対策をうてなかったが、グランカナレーターの開始地点に陽がさし始めていたのが見えたので、何とかそこまで歩くことにする。ゆっくりゆっくり歩いていたら、先程悪態をついた2人組に抜き返される。
温かい飲み物を飲みたかったが軽量化を重視し、水筒はムーラスに置いてきてしまった。誰か温かい飲み物を恵んでくれ・・・と思いながら、グランカンレーター開始地点の岩のところで休んでいた。陽が本格的にさしてきて身体が温まったら元気になった。30分か、もしかしたらそれ以上ここで休んでいたのではないだろうか。
多くの人がここで大休止しているように思えた。ようやく1パーティが動き始めたので、後ろについて行こうとしたが、「先にどうぞ」とまた道を譲られる。先行している数人ははるか先で、自分が第二集団のトップのようなポジションになった。ここからはガレ場と聞いていたので、がむしゃらに登るぞ!と気合いを入れ登り始めた。確かに足場が崩れた。が、ここで独りの人が私を抜かし、"こう歩くんだ!着いて来い!”と先導を始める。今思えば、この人はレンジャーだったのかもしれない。1/1はレンジャーも山頂に向けて登らないと聞いたが、逆に言えば1/1以外は登るということなのだろう。(あともしかしたらクリスマスもレンジャー業務をしない可能性もありますね。)この彼は登るのが非常にうまく、ジグザグに登って行き、着いて行ったら一切足場が崩れることはなかった。多くの記録でグランカナレーターはガレ場だと読んだが、普通に登れるじゃないか!
彼のおかげでスイスイ登って行く。スイスイは言い過ぎだが、3歩歩いて休むといったレベルではなく、一息で5mくらいは進めていたのではないだろうか。途中で、その彼に「山頂は見えるのかい?」と聞いたら、「あれだ」と教えてくれた。あぁ、確かに写真で見たことがある気がする。時間的にも体力的にも余裕で登頂できる!栄光はもうすぐこの手の中だ!楽しくて楽しくて仕方なかった。12年前のリベンジができる。年に1回くらいは夢に出て来たアコンカグア。あぁ、その山頂がどんどん近付いて来る。最後は手も使ってグワッと岩場を登る。十字架とその後ろで写真を撮っている人がいる。間違いない!山頂だ!着いた!
写真を撮る人の邪魔にならない場所で倒れ込んだ。マラソン直後のような呼吸をしながら休む。あれ?なんでこんなに激しく深い呼吸をしているのだろう?最後にグワッと登ったせいか?10数回の深い呼吸をし、息を整える。ベースキャンプやところどころでお会いした日本の方々が写真撮影をしていた。その撮影が終わった後で、自分も撮影をする。単独行だから自撮りを試みていたら、日本の方に写真を撮ってもらえた。ありがとうございました。
SPO2を計ったら55であった。
山頂での写真ではダウンジャケットを脱いでいた。いつ脱いだんだっけなぁ。

このタイミングで雪が降り始める。急いで下山せねばと、下山を始めるが、恐ろしい人数が登って来る。すれ違えない箇所では、登りが優先だし、みんな山頂に早く行きたいだろうからと道を譲り、待つ。待ち時間が長いが仕方ない。
グランカナレーターを下ろうにも道に困る。登りの人が通らない道は崩れやすく、どこを下って良いのか、どこなら安全に下れるのかわからない。どこかのガイドか、レンジャーかわからないが、「ここを下れ」とアドバイスをくれたが、別の人が「こっちだ」と違うアドバイスをしてくる。。「なんでストックを使わないんだ?」と聞いてきた人がいたので、「壊れているんだ」と話したのに、またその人が同じ質問をしてくる。「だから壊れているんだって!」。
安全な道がわからないし、登りの人が落ち着くまで待とうかと休憩することにした。
が、もしかすると私の身体はこの時、自分がおかしくなっていることに気付いて、私を座らせたのかもしれない。このあたりから記憶の前後関係が怪しいのだが、以下のことが起きた/以下のことをした。
・レンジャーが私のところに来て事情聴取を受ける。注射(血中酸素濃度を上げる注射?)をしようとするが、レンジャーに助けてもらう状態ではないと考え、自分の体調の説明をして拒否をする。が、根負けして注射を打たれる。左の太ももに打たれ、こんな痛いのを打たれたら歩けないよと嘆く。レンジャーは注射を打って去って行った(のかな?)。
・眠くはないが、自分が知っている言葉で一番簡単に人に説明するなら、「眠い」状態になる。なんて説明したら良いのだろうか。自分の目で見ているはずなのに、自分ではない誰かが見ている世界を体験しているような、とでも言うのだろうか。よくわからない状態になる。
・本格的にやばくなる前にきちんと助けを求めた方が良いと感じ、周りの人に2回助けを求める。2回とも偶然にも、日本の方が近くにいて、アドバイス等をもらう。1回目の方には、そのパーティの外国人を通じて?無線でレンジャーに通報してもらった(たぶん)。2回目の方にはダイアモクスと水を飲むようにアドバイスをもらった。
・下ろうとして大きい石/岩を落としてしまった。ごめんなさい。
・気づいたら大トラバースの道?にいた。あれ?ワープした?
・(パスポートとか入っているのに)荷物を置いて行って良いかと、アドバイスをくださった方に聞く。頭がおかしくなっていたのか、疲れていたのか。当然ダメだと言われる。

しばらく歩いていたら後ろから来た3人組に声を掛けられる。彼らはレンジャーだとのこと。通報を聞いて来てくれたのだと思う。SPO2を計られた。42であった(たぶん)。この数字を見て、自分の状態がどれだけ悪いか、ようやく頭が理解した。
注射を2本、左の尻と右の尻に打たれ、ここからはタイトロープで繋がれ下山することになった。
"どこかからヘリで搬送されるのかな?"
"その場合荷物はどうなるのだろう?"
"あーでも、長い下山をしなくて良いのはラッキーかもな。"
"2日目に冗談でヘリの話をしていたのに現実になるなんてなぁ。"
そんなことを思いながら、レンジャーの指示のもと、下って行った。下っても下ってもヘリは見えて来ず、途中でもしかしてと思ったが、結局ニドまで下山となった。
レンジャー小屋で、SPO2を計ってもらったら問題はなく、その他何も異常はなかった。肺水腫を心配し、肺の音を聴診器で聞いてもらったがその心配もないとのことだった。
インデペンデンシア小屋からコレラまでは、登りとやや違う道を下ったような気もするが、レンジャーの指示のもと歩いたのでよくわからなかった。下山は5時間程度だったと記憶している。
この日のうちにムーラスまで下りるのはやめ、ニドで寝ることにした。

1/5(9日目):
遅めに起床。予報通り風が強い。
体調は悪くは無いが、疲れはあった。
強い風の中、テントを撤収。テント等を綺麗に畳めず、荷物が入りきらなかったので、ダウンジャケットを着て下る。風があったので着て丁度良いくらいであった。
風で飛んできたのか、謎の落とし物があったので、レンジャー小屋に届け、昨日のお礼をする。が、日替わり当番制なのか、昨日お世話になった方々はいなかった。
「ムーラスに下りるんだろ?」と聞かれたのだが、「ムーラかポーターを利用するのか」と聞かれたと勘違いし、「No」と答えてしまう。きっとレンジャーは困惑していただろう。
疲れはあるし、ストックは壊れていて使えないということで、急な下山ルートは選択せず、登り用のルートを利用した。2〜3時間で下山したと思うが、記録・記憶なし。
ムーラ業者の小屋に行ったら、私がレンジャーに救助されたことは既に伝わっていて、心配された。心配かけてごめんよ。
テントをはって、テントの外でまったりしていたら雪が降って来た。突風が吹き、テントが10mくらい飛ばされた。誰かに当たらなくて良かった。
明日の下山に備え荷物の整理をする。余った食糧やガスはムーラ業者にあげた。余力があったら荷物を自力でもって下山しようと思っていたが、そんな余力は無い、かつ天気も下り気味だったので、ムーラを申し込む。220ドル。ちなみに、行きのムーラを申し込んだときに、深く考えずオルコネスからコンフルエンシアと、コンフルエンシアからムーラスの2回に分けて申し込んだので、165ドル×2=330ドルの支払いとなっていた。無駄なことをしたもんだ。
ロシアーノ、マリアーノと写真を撮った。そう言えばロシアーノの鼻ピが増えていた。
テントで休んでいるときに日本の方が声を掛けてくれたのだが、お茶も良い本も持っていなく、あげられなくてごめんなさい。お茶は私も欲しいなと思っていたところでした。

1/6(10日目):
強めの風の中、下山。登りの時は暑かったコースが寒くてびっくりする。
中間地点までは登りより早く下れたが、そこから先は平坦だからか登りのコースタイムとほぼ変わらなかった。
途中、前方から二人組の人と犬が来た。犬連れ登山かぁと思っていたら、犬が猛ダッシュでこちらに駆けて来た。飼い主が止めてくれることを期待したが止めてもらえず、”え?もしかして野犬?"と身構えたが、逃げても追い付かれるだろうし、闘っても勝てるわけがないので、無抵抗を決めた。"襲われる・・・もうダメだ・・・"と寝転がり観念していたが、襲われることはなかった。二人組は日本の方で、犬はINKAの飼い犬で勝手についてきたとのことだった。犬の扱いに私はまったく慣れていなく、正直登山行程でもっとも死を意識したのはこの時であった。
コンフルエンシアでジョアンナと写真を撮り、連絡先を交換した。
オルコネスへの下山の際、写真を求められた。登山者と写真を撮りたがる人もいると聞いていたので、そのパターンかと思ったが、自分たち家族の写真を撮って♪ということであった。あとは、山に似つかわしくないモデルのような美女2人組とすれ違った。アコンカグアと並ぶくらい美しかった。
オルコネスの受け付けでチェックアウトをする。何人、何割くらい登頂してるか聞いてみたが、わからないとのこと。紙じゃなくてパソコンで管理した方が良いのでは?電気、来ているよね?その方が楽じゃない?そうすれば統計とれるんじゃない?と思ったが、そもそも統計をとろうという気がないのだろう。
プエンテ・デル・インカには17時のバスの1時間前に着いたが、待てども待てども荷物が届かず、17時のバスには乗れなかった。私の荷物はどこにあるの?
プエンテ・デル・インカをさ迷い歩いていたら、最初に泊まった宿の経営者Nicoに会う。Nico経由でムーラ業者にコンタクトをとったところ、荷物はムーラスを出発してはいるが、あと30分くらいかかるのでは?とのこと。。その後結局1時間待っても荷物は来ず、荷物が来たのは18時半であった。17時のバスには乗れないし、荷物はなんか汚れているし、泣きたくなった。
20時のバスに乗り(ボラれた。踏んだり蹴ったり。)、23時過ぎにメンドーサ着。出発前に泊まったホテルに行くが、空き部屋は無いとのこと。この時間から、この荷物を持って宿探しか。。メンドーサの街を徘徊していたら警察に声を掛けられた。深夜に翻訳アプリで日本人(私)と遊ぶ警察。アルゼンチンの芸能人がアコンカグアに行ったのを知ってるか聞かれたが勿論知らんし、とりあえずメッシはロナウドより凄いよねと話したら上機嫌になっていた。警察が別の宿に送ってくれたが、そこも空き部屋が無しで(というか送る前に確認してよ。。)、2軒目でようやく泊まれた。水とスプライトを近所のバーで購入して飲み、シャワーを浴び、ようやく眠りにつけた。
P.S. 結局1/5~1/15まで天気は悪い日が多かったようである。1/9は良かったらしいが、1日だけ良くてもアタックは難しいですね。1/11〜1/15は誰かしらは登頂していたようだが、1/16に登頂した人が多い=そこまで待った人が多いと考えられる。1/4を逃していたら、私はアタックできず1/17に帰国することになっていたかもしれない。

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