大白木山


- GPS
- --:--
- 距離
- 4.9km
- 登り
- 664m
- 下り
- 655m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から、いきなりロープのかかった急登です。途中、登山道が草木に覆われててますが、周りを良く見て行けば問題はありません。 |
写真
感想
「岐阜百山」という本があって、何故か120の山が載っている。そのうち46山しか登っていないが、中でも揖斐や根尾の山はほとんど登っていない。根尾に大白木山と云う山があり、手頃そうなので登ることにした。この山は二つの意味で面白い。一つは読み方。オオシロキヤマではなく、オジロギヤマと云う。美濃にモミジで有名な大矢田という神社があり、オヤダと読む。大天井はオテンショウ。「大」を「オ」と云う呼び方はあるようだが、辞書には無い。大天井はオテンジョウではなく、オテンショウと濁りが無くなるが、大白木はオシロキではなく、オジロギと逆に濁る。濁りがついたり取れたり、それでどちらも格好が良くなっている。二つ目は、その標高。1234.5mと、いち、に、さん、し、ご、と並んでいて覚えやすい。1234.4mと記している人もいるが、これでは面白味が無いので1234.5mとしておこう。
2012年6月23日、梅雨前線は九州に停滞し、天気予報では岐阜は曇り。6時半に自宅を出発し、根尾の薄墨桜を目指す。樽見駅を右折し、国道418号線に入り、左折する道を探しながらゆっくり進む。それらしき道があり、そこに入ると道はどんどん狭くなり、落石を避け、枝で車を擦りながら、廃道寸前の道を谷に落ちない事を祈って走る。ナビにはすぐ横にトンネルがうつし出されているが、時すでに遅し。Uターンする場所も無く、進むしか手は無い。ようやく出た所はトンネルの出口、県道255号線は2車線の立派な道であった。上大須から「ほたる街道」に入ると道は1車線の林道となる。運転については左程のストレスは感じないが、「熊出没注意」の看板が別のストレスを与える。登山口の折越峠には小さな石の祠の中に石仏があり、見間違う事無く到着。道は90度カーブし、そのふくらみに車が一台停まっている。どうやら先行者がいるようで心強い。クマ除けスプレー、クマ除け鈴など、支度を整え林道を進むと、すぐ左手に入口の階段がある。とは云え、階段は葉っぱに覆われ、おまけに何の案内も無いので、事前調査が無ければ気がつかないかも知れない。8時30分、段差の高い階段を手摺につかまって登る。階段の上は、崩れかけた尾根で、急な崖が地肌を露わしてしている。まあ落ちる事は無いだろうが、落ちれば怪我ではすまされないだろう。そこを過ぎれば尾根を下り、また登る。コアジサイが一杯咲いているが、他に花はオオカメノキぐらいで花の季節は終わったようだ。軽いアップダウンの後は急登が始まる。動悸と汗。この汗が流れ終わるまでは、動悸は続くだろう。所々に滑った新しい足跡があるが、一面に足跡がついている場所もあり、先行者は一人では無さそう。鈴を手で揺すって、クマさんにわたしが通ることを知らせる。30分以上急登が続き、「根上がりヒノキ」の根っ子に腰を下ろしてひと休み。ここから尾根を10分程登り切ると、中部電力の反射板巡視路の案内板がある。左は「上大須 越田土」、右は「黒津谷」、とあり、ここは右手に進む。長い下りを鞍部に降り立つ。この先、緩やかな登りであるが道は草で覆われ、行き先が判らず立ち止まる事が多くなる。立ち止まって周囲を見渡し、見定めて草をかき分け進むと再び道が現れほっとする。道とは云え、けもの道に毛が生えたような道で、時々青ヒモがあるので間違ってはなさそうだ。左山を緩やかに登る道、根曲がり杉が張り出して、頭を低く下げてくぐるが、ザックのストックが引っ掛かり前に進めない。その度にストックを枝からはずすのにひと苦労。左山が終わると尾根につけられた急な階段。見上げれば黒い再生プラスティックの階段が、延々と続いている。急登であるが、身体も慣れ、汗も出切って循環血液量も減り、心臓があぶつく程では無い。木々が途切れ、左手が開け、山々が見渡せが、それらの名前は全く判らない。おじさんが一人下って来たので道を譲る。後続者はいないので、何だ、一人だったのかと思うがガテンがいかない。そんな事はどうでも良いので、けもの道状態の尾根を草をかき分けかき分け登る。尾根の取りつきから30分で大白木山頂上に到着。登山口から2時間少々であった。三角点の向こうには反射板があり、切り開かれて見晴らしが良い。反射板の土台のコンクリートに腰を下ろし、まだ昼飯には早いので、コーヒーを飲みながら周囲の景色を見渡す。唯一同定出来るのは、白山のみ。まだ雪を残した峰々は、周囲の山々とはひと味違い、一段高く、天空に浮いている。日永岳とか舟伏山とかが見せる筈だが、連なる山々からそれを同定することは出来ない。雲が漂う青空の下、しばし、山頂を独り占め。誰も登って来るものはなく、そろそろ帰るか。草に遮られた下り道、登って来た時より道探しは入念に。ダブルストックで草を掻き分け尾根を下り、根曲がりスギで頭を打たないように、足元の不安定な右山を辿る。小さなアップダウンの後、10分間の登りを頑張れば、もう下るだけ。根上りヒノキでひと休み。急坂を滑り落ちないよう、気をつけながら下る。下り切ってアップダウンを繰り返し、12時36分、無事、登山口に帰り着いた。祠の前に停まっている車は、朝と同様2台だけ。頂上付近ですれ違ったおじさんがまだ居て、「仲間は縦走していったけど、わたしは足の骨折後なので一人で降りて来た」と云う。ここで足跡の謎は解けた。大白木山から、おそらく高屋山へ向かったのだろうが、ここら辺りは藪漕ぎの好きな人達の世界、わたしはこれで充分満足。見上げれば、だらだらと続く尾根に反射板が見える。あそこが大白木山の頂上だろうが、山々に囲まれ、はっきりとしたピークではなかった。
オジロギヤマ、今度来るなら4月の終わりから5月にかけての花の時期か、それとも紅葉の時期。この山の6月はオフシーズンであることが判った。
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