【避難小屋1泊】天体ショー@宝剣岳〜空木岳
- GPS
- 31:58
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,233m
- 下り
- 3,013m
コースタイム
【day2】0700駒ヶ根YH-0711駒ヶ池-0751しらび平0800-0807千畳敷0815-0845極楽平-0920宝剣岳-0950極楽平1000-1100濁沢大峰-1230檜尾岳-1245檜尾避難小屋(泊)
【day3】0535檜尾避難小屋-0735熊沢岳-0900東川岳-0915木曽殿山荘0935-1105空木岳1115-1145駒石1200-1305迷尾根-1350マセナギ-1415池山小屋1430-1505林道終点-1535駒ヶ根スキー場-1600すずらん荘1730-1740駒ヶ池-1745駒ヶ根IC1800-2130新宿
天候 | day1 曇り時々晴れ day2 曇りのち雷雨、のち晴れ day3 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
駒ヶ根IC〜駒ヶ池 伊那バス(片道150円) 駒ヶ池〜しらび平 伊那バス(片道800円) しらび平〜千畳敷 駒ヶ岳ロープウェー(片道1180円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 非常に明確にマーキングされており、悪天候でも迷う所なし。また宝剣岳と空木岳周辺はがっちりクサリや金物で足場を作ってあるので安心。むしろ檜尾岳〜東川岳の間の岩場はそこまで過保護でないため、コースタイムよりも若干多めに時間をみたほうがよいかと思いました。 ■登山ポスト ロープウェイを降りて出口左手に山岳相談所?みたいのがあります(当日朝は無人でしたが)。登山者カードは菅の台バス停の観光案内所でももらえるので事前に記入しておくとさっさと出発できます。 ■立ち寄り温泉 塩素くさいと評判のこまくさの湯は隔週で水曜、こぶしの湯は木曜定休のようです。太閤池近くには定休日なしの国民宿舎すずらん荘があり、日帰り入浴できます(600円)。こじんまりと小さく露天はありませんが、アルカリが強くぬるすべ感ばっちり、塩素臭ゼロ、空いていておすすめです。シャンプー類はあります。ロビーには食堂はありませんが自販機がありビール飲めます。気に入ったので下山後も使わせていただきました。 ■飲食店など 菅の台バスセンター周辺には道の駅的な店がいくつかあり、五平餅、ソースかつ、そばうどん、ローメンなど軽食もできます。コンビニなどはないので、登山者的にはパン屋さんがあったのがありがたく感じました。 ■宿泊 バス停近くにテン場がなかったので、駒ヶ岳ユースホステルに前泊しました。自炊OKでキッチンの冷蔵庫や鍋・食器類も使えるし、食堂にはテレビが置いてあったり本やマンガがずらっと並べてあり、ソロでの利用に向いてます。もちろん旅館ではないのでドミ形式セルフ方式ですが、1泊3300円と安いし、快適な山小屋ってかんじ?笑 駒ヶ岳バス停から徒歩5分ほどです。ユース宿泊者はお隣のすずらん荘の温泉に半額で入浴できるのも嬉しい。 檜尾小屋は、避難小屋としては上等な部類かと思います。大きくはないですが風雪に耐えうるカマボコ型の内部はしっかりした木造で清潔、マットや寝袋も備え付けてあります。トイレは別棟なので臭いません。地図には水場が「細い」と書かれていたので自分は担ぎ上げましたが、渇水が心配される今年のこの時期で十分出ていたようなので割とあてにできるのではと思いました。 |
写真
感想
去年のリベンジ。
『聖職の碑』に感動してせっかく小黒川方面から木曽駒に登ったのに雨に叩かれて諦めた宝剣岳と、その先を縦走するためにまたやってきました、中央アルプス。今回は去年の続きだから、ロープウェイで登ってもインチキ登山にはならない、と自分に言い聞かせてやってきたのに、またしても天気が悪い。今年は小雨で渇水が騒がれているというのに、よほど相性が悪いのか?
前回も結局歩いていない千畳敷にどんどん吸い込まれて行く登山者を見て気持ちが揺れたが、背中の荷物が重たいので、とても宝剣岳を横切れるとは思えない。やはり計画通り、極楽平に荷物をデポしてピストンするべく、反対側のルートを取る。それにしても一気に標高をあげたせいか、気分がすぐれず苦しい登り。稜線に出ると、色濃い雨の匂い。予報では午前中は曇りで午後から崩れるとなっていたけど、こりゃ〜とっとと宝剣ピストンして、三ノ沢岳はカットして先に進まないとまずいな。あっさりと計画変更。
しかし三ノ沢岳をカットしてもやはり雨に叩かれました。久々に下着までびっしょり濡れるほどの強い雨と風。本来なら稜線漫歩のはずが、ちっとも面白くない。濁沢大峰にたどり着く頃には体も冷えきり、超ブルーなんですけど。同じバスで上がって来た若いカップルの男性の方に、「ここが檜尾岳ですか?」と聞かれる。I don't think so. そうならいいのに。彼らは木曽殿山荘まで歩くという。ずいぶん遠い道のりだけど、若いし愛し合う仲なら試練もまた絆を深める良い機会となるでしょう。ソロの私はとっとと歩いて避難小屋に逃げます。
昼過ぎに何とか到着した避難小屋には2人先客がいた。お一人は年配の、もう一人は私と同世代の、いずれもソロの男性。同年輩の男性は昨晩から泊まっており、朝から天気が悪いので停滞を決めたという写真を撮りに来ている人だった。もてあました時間を過ごすのに、同宿の方がいるのは有り難い。外で暴風雨が荒れ狂うなか、あれこれ山談義をして楽しかった。紅葉期の東北山行のよいヒントをもらえたのはラッキーだった。夕方、4時を過ぎると雨も止み、他の方々が食事の支度を始めたので、私もお腹は空いてないけど調理開始。カメラマンは食事をしてから夕焼けを撮影しにいくという。なるほど、それは良いアイデアだ。
先ほどまでの風雨が嘘のように美しい夕焼け。嵐の後のほうが良い写真が撮れるらしい。確かに、自分史上かつてないような色の空が撮れた。伊那谷にきらめく夜景も、南アルプスの向こう側、首都圏方面で次々と光る稲妻も、闇に笑う新月も、天の川までくっきり見える星空も、きれいだった。思えば今年の夏山はいつも満月と重なり、こんなに星を見たのは久々だったな。
翌朝、下手すると12時間行動になってしまい帰りのバスに乗り遅れてしまうので、朝まだほの暗くガスが立ちこめる5時半に出発。小屋はしっかりした造りだったし持参した寝袋も秋冬用だったので全く冷えを感じなかったけど、外は寒い。朝焼けを狙うカメラマンに挨拶をし、長い長い縦走路を歩き出す。やれやれ、眺望がきかないと気分が乗らない。と思っていたら、カメラマンが言っていた通りブロッケン現象だ。しばらく夢中になって撮影して遊んだ。
木曽殿山荘まで、2つないし3つのピークを越えて行くのだが、コレが結構きつい。自分のでかい荷物を恨めしく思う。本当ならこういう花崗岩の岩場を両手を使って登ったり降りたりするのは大好きなのに、体が左右に振られて荷物がつかえて言うことをきかない。あの雨の中歩いた人たちはどんなにつらかっただろう。山荘前のベンチで休憩してエネルギー補給。そうでないとあの怪獣の背のような尾根を見ただけで心が折れてしまう。実際、手前の偽ピークまで約1時間、そこから道標までさらに岩と格闘。しかしその頃にはスカっと晴れ上がり、南駒ヶ岳へと続く美しい稜線の眺めや昨日から歩いて来た稜線が見渡せて気分は上昇。池山尾根側の景色は日本庭園のように白砂とハイマツと奇岩で構成され、極楽浄土ってこんな感じ?それはそれは眼福なのであります。いや〜、燕岳を百名山に選ばなかった深田久弥さんも空木岳ははずせなかった理由がわかる気がします。駒峰ヒュッテは地図上で見ると空木岳避難小屋と大差ない位置関係にありそうですが、実際は全然違う。同じ無人小屋なのに課金するのももっともです、そんじょそこらの営業小屋より綺麗でロケーション抜群。大事に管理されてるのですね。
下山はうんざりするほど単調な樹林帯なのかと思いきや、なかなかに楽しいやせ尾根歩きでクサリ場もあったりして、整備は万全。上がってくる人が割に多いのも頷けます。ただし標高差2000mを急ぎ足で降りるのは間違いなく脚に来ます。事実、温泉に少しでも長く浸かりたいばかりに飛んで歩いた自分は駒ヶ根高原にたどり着く頃にはヘロヘロ。北岳日帰りと同じぐらい激しい筋肉痛になりました。それでもとっても楽しかったので、また歩きたい!次はやり残した三ノ沢岳と南駒ヶ岳を歩きたいな。
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