槍ケ岳 ご来光登頂。表銀座&超絶景の奥丸山、2泊3日のテン泊気まま旅 [中房温泉-大天井岳-西岳-東鎌尾根-槍ケ岳-西鎌尾根-中崎尾根-奥丸山-新穂高]
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- GPS
- 53:30
- 距離
- 31.1km
- 登り
- 3,040m
- 下り
- 3,373m
コースタイム
07:40 中房温泉
↓ 2h10
09:50 合戦小屋
10:00
↓ 0h45
10:45 燕山荘
11:05
↓ 0h50
11:55 大下りの頭
12:00
↓ 1h20
13:20 切通岩
↓ 0h30
13:50 大天荘
*テン泊
*大天井岳 ▲ ピストン
-9/15(sat) day2------------------------------------------------------------
06:20 大天荘
↓ 0h25
06:45 大天井ヒュッテ
06:50
↓ 1h50
08:40 西岳 ▲
08:45
↓ 0h10
08:55 ヒュッテ西岳
09:00
↓ 0h50
09:50 水俣乗越
09:55
↓ 1h30
11:25 ヒュッテ大槍
11:30
↓ 0h45
12:15 槍ケ岳山荘
*テント設営
-9/16(sun) day3------------------------------------------------------------
04:40 槍の肩
↓ 0h40
05:20 槍ケ岳 ▲
05:35
↓ 0h15
05:50 槍の肩
*テント撤収
06:45
↓ 0h35
07:20 千丈乗越
07:25
↓ 1h30
08:55 槍平小屋方面分岐
↓ 0h15
09:10 奥丸山 ▲
09:30
↓ 0h40
10:10 右折点
↓ 1h35
11:45 奥丸山登山口
↓ 0h15
12:00 わさび平小屋
12:20
↓ 0h50
13:10 新穂高
天候 | 1日目;晴れ→曇り→ガス→晴れ→雨 2日目;ガス→晴れ→曇り→ガス 3日目;快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース状況 ・中房温泉-燕山荘 危険箇所なし。 ・燕山荘-大天荘 危険箇所なし。切通岩から大天荘までのトラバースルートが体力的にキツイ程度。 ・大天荘-ヒュッテ西岳 危険箇所なし。 ・ヒュッテ西岳-水俣乗越 大下りですが梯子や鎖場などの急激なアップダウンを伴うため体力消耗。ストックは不可。 ・水俣乗越-東鎌尾根-槍の肩 急激な登り。延々と続く丸太の梯子階段の登りで体力消耗。ヒュッテ大槍と槍の肩の間は尾根が狭くなっている箇所があり高度感↑。ストックは不可。 ・槍の穂先 危険箇所なし。渋滞注意。 ・槍の肩-千丈乗越 危険箇所なし。 ・千丈乗越-奥丸山 破線ルート。ヤブが刈られている程度で無整備。 細尾根の草付き斜面で滑りやすいので注意。 登山道が足幅しかないような箇所もかなりあり、両側がヤブのため高度感は感じませんがヤブがなければ相当怖いと思います。 ただし道自体はなだらかな下山路のため初心者以外は全く問題なし。 超絶展望。 ・奥丸山-奥丸山登山口 今回歩いた全行程の中で最もきつい箇所でした。 木の根と滑りやすい土の急激な傾斜。個人的には先日歩いた笠新道の下山よりもきつかったです。 初心者の場合、登りで通る場合は体力的にキツイものの危険はないかと思いますが、下山時の利用は不可。奥丸山からの下山は槍平経由をオススメします。 ●テン場の状況 ・大天荘 トイレは小屋前の外トイレ。ペーパーなし。テン場から数十秒。 水場は小屋の玄関脇の水道。1リットル200円。 広いスペース。ペグ打ち可。 ・槍の肩 先着順の受付制。テントの大きさで割り当てられるので勝手に張っては×。14時くらいにはすべてブースが埋まった様子。 トイレはテン場から1〜3分。ぺーパーなし。 水場は槍ヶ岳山荘にて購入。1リットル200円。 木枠で囲まれたスペース。ペグ打ち可ですがほとんど効かず。 |
写真
両側がヤブなので高度感はありませんが、ヤブがなかったら怖くて歩けなかったかもしれません。
左から笠ヶ岳、抜戸岳、大ノマ岳、ちょこっと黒部五郎が見えて双六岳に三俣蓮華岳、樅沢岳、西鎌尾根、槍ケ岳、大喰岳に中岳、南岳、大キレットをはさんで北穂に涸沢岳、奥穂にジャンダルム、そして西穂と続きます。
沢の渡渉点が見つからず焦りました。
いったん沢で頭を冷やして冷静になり、あたりをぐるっと見回すと、虎ロープと赤テープが。
感想
〜槍ヶ岳 御来光登頂!表銀座、そして中崎尾根の超絶景!〜
今まで燕岳には3回、大天井岳の手前までは2回、東鎌尾根も1回歩いた事があったのですが、全ルート通して歩いた事がなかったので表銀座に2泊3日の行程で行ってきました。
昨年の裏銀座、先日の西銀座に続いての北アルプス銀座ルートのラストはいかに?
〜9/14 day1 気分で行き先変更〜
今日は松本の実家で前泊したので松本から出発です。
松本駅から大糸線で信濃大町へ。「表銀座なのに信濃大町?」という感じですよね。なぜかと言いますと電車に乗るまでは表銀座ではなく、爺ヶ岳〜針ノ木岳の縦走を予定していたのでした。
しかし他の登山者に混じって電車に揺られ常念や燕岳を眺めているうちに、「やっぱ今年の北アルプスの〆は表銀座だべ」という考えがムクムクと沸き上がり、
「槍穂高の地図も持ってるし、表銀座の計画もヤマレコに貯めてあるから問題なし。でも連休と重なる日程の表銀座なんて混みそうだなぁ。爺ヶ岳から針ノ木岳だったら静かな山歩きができそうだし」
と自問自答を繰り返した結果、降り立ったのは??? 穂高駅でした〜!
=燕岳をすっ飛ばし大天荘へ=
そんな突然の行き先変更の表銀座。中房温泉行きの始発バスには乗れましたが中房温泉着は7時半。大天荘まで一気に行くには遅めの出発に。
コースタイムだと燕岳をすっ飛ばして休憩なしで歩いても7時間ちょい。大天荘に15時に着けるかどうかの時間です。
「これはいつもみたいにチンタラ歩いてちゃいかんな」
という事でゴイゴイ歩きました。
「第一ベンチ?水場?たっぷり持ってるよ〜」
「富士見ベンチ?ガスってるからパスパ〜ス」
「合戦小屋?スイカ食ってる時間はない。でも食いたい〜(T ^ T)」
「燕山荘。ケーキ食いたい!ビール飲みたい!!けど、今回は外トイレだけ貸してください」
「燕岳?3回登ったから今回はすまんパス」
「蛙岩?毎回思うけどどこが蛙何だろう…」
「喜作さん、道を切り拓いてくれてありがとうございます」
「すいません。大天荘への、登り、、かなりキツイんですけど。。。」
とガスガスでほとんど何も見えないなか歩き続ける事6時間余り、大天荘まであと数十歩というところで、
=奇跡の晴れ間が=
今まで垂れ込めていた濃いガスが一気に晴れ、青空バックの大天荘と東天井岳へと続く稜線が。
なんだか感動して危うく落涙寸前でした。これだから山はやめられないんですよね。
太陽の光が降りそそぐなかテントを設営し、山荘から少し登った大天井岳の山頂へ。
山頂から絶景をといきたかったのですが、キレイに晴れてるのは大天井岳だけで周りの山はガスの中。槍の穂先もガスに見え隠れという感じでしたが、太陽の光が燦燦と降りそそぐ中、しばし山頂でひなたぼっこをしながらゆっくりと過ごした後、お決まりのビールで本日の〆となりました。
〜9/15 day2 東鎌尾根から槍の肩へ〜
2日目朝。今日は槍までの表銀座後半部です。快晴を期待したのですが残念ながらガスの中スタートでしたが、ビックリ平をすぎる頃にはガスも薄くなり槍もちらほら。
そんなお隠れモードの槍を横目に稜線を進み、西岳を登頂しヒュッテ西岳で休憩した後は、いよいよ水俣乗越への下り&東鎌尾根の登り返しです。
東鎌尾根は槍ヶ岳からの下山で通った事はありますが登りは初めて。一度通ってるし正直楽勝だろと思ってたのですが、、、
=きっつー、東鎌尾根=
いやぁ体力削られました。
西岳での残存体力95%、水俣乗越で70%、ヒュッテ大槍で35%、槍の肩で15%って感じです。
槍の肩のテン場のゲットの為に、ペースをあげて登ってたのもありますが、「こ、こんなはずでは、、、」という感じでした。
個人的には東鎌尾根>>>>西鎌尾根という感じでした。
そんな状態でなんとか槍の肩に着くと既に登山者でいっぱい。「これはテン場いっぱいかも?」と危ぶみましたが、19番のブースをなんとかゲット。なんとか無事に張ることができました。
テントを張った後は予定では槍を登頂するはずだったのですが、槍の穂先はガスの中。こりゃぁ登る意味はないと諦め、槍ヶ岳山荘でおでんと生ビールで本日の〆の一杯。登頂<ビールという通常運転の1日は過ぎていきました。
〜9/16 day3 御来光登頂&絶景の中崎尾根〜
最終日の朝。昨日パスした槍ヶ岳の登頂。ガスってたら登頂はパスして下山しちゃおうと思っていたのですが、午前3時、テントから顔をだすとそこには満天の星空が。
いやぁほんとキレイでした。今まで見た星空で文句なくNO.1でした。16日はちょうど新月のあたりで月光がなかったせいでしょうか。天の川もはっきり見え、あまりにも無数の星が見えるので逆に星座がわからない程でした。
「よし、こうなったら槍の穂先で御来光を拝んでやる!」
満天の星空に俄然テンションがあがりダラダラモードから一転やる気モードに。
すぐ下山できるようにザックをパッキングし、御来光の1時間前、4時半にテン場から槍の肩へと向かうと、、、
=山頂へと続くライトの列=
「あーー出遅れたかーーー」
槍の肩は既に人でいっぱい。穂先には無数のヘッデンの列。そして山頂には既に人の姿が。
「や、やばい、槍の頂上で御来光の野望がっ!」
という事で、ソッコーで穂先に取り付き渋滞の中を登る事45分、最後の2段の梯子に取り付き登り切った先には、ギッチギチにスペースを詰めて御来光を待つ先着の皆さんが。
そんな姿に「日本人ってやっぱ思いやりの民族だなぁ」なんてちょっと感動しつつ、そしてそのおかげでなんとかスペースもゲット。ラスト10人といったところでしょうか。ギリギリ間に合いました。
そして待つこと10分、常念山脈の東の彼方がオレンジに染まり、周囲の歓声とともについに御来光が。
僕はまだ薄暗いなか早出して稜線上で一人で迎える御来光の瞬間が一番好きなんですが、見知らぬ人同士、多くの人とこの瞬間を迎えるというのもいいもんだなぁと思いました。
=いよいよ下山=
そんな槍の頂上での御来光を満喫しテン場に戻りテントを撤収しいよいよ下山です。
今回の下山ルートは未だ通った事のない中崎尾根。昨年、飛騨沢から槍に登った時に中崎尾根の稜線上にポツンと1本だけ立っていたダケカンバの姿に、「あそこに行ってみたい!」とずっと思っていたのでした。それに連休の中日、槍のメインルートはどこも混んでいるだろうし、できるだけ静かな山歩きをしたかったのです。
槍の肩から西鎌尾根を千丈乗越まで下山。千丈乗越からは飛騨沢方面へ一旦下ると奧丸山方面へと続く稜線に足を踏み入れるとそこには?
=超絶景の穴場、中崎尾根!=
中崎尾根、ここは素晴らしいです。めちゃくちゃ穴場だと思います。左手には槍穂高の巨大な塊、右手には笠ヶ岳と抜戸岳の端整な姿。ほんとに絶景の縦走路だと思います。
登山道は全体的に草付きの細尾根で滑りやすく、足幅くらいしかない箇所も沢山あるので踏み外さないように注意は必要かと思いますが、とにかく絶景です。
そんな絶景の中崎尾根を歩くこと2時間。奧丸山に到着です。この奧丸山。360°の大パノラマというのはこういう事だろうなという景色。2440mの奧丸山の周りのを3000m級の山々がぐるっと取り囲んでいる感じです。
縦走の最後を締めくくるにふさわしい絶景でした。
=笠新道の悪夢再び、奧丸山からの下山道=
そんな絶景の奧丸山を後にし、いよいよ新穂高へ下山です。
下山ルートは槍平経由(時間はかかるがなだらか)と、左俣への下山道(時間は早いが急斜面)があるのですが、先日下った笠新道と比べればとタカをくくり急斜面を選択。その急斜面は、、、
「なんだよ、ココ。もしかして笠新道よりキツイんじゃない?」
という激急斜面。
ゴロ石の急斜面の笠新道に対して、こちらは木の根と滑りやすい土の無整備の急斜面。しかも前日は雨。もう滑らない方がおかしいという状態で、何度もズリズリ滑りまくるわ、疲労で膝が痛み出すわで、
「誰だよ、こっちの道選んだの!」
「お前じゃ!ボケっ!!」
と無意味な一人罵倒モードに突入。身も心もヘロヘロになりながらもなんとか左俣林道へ到着。
足元を気にせず歩ける幸せを噛みしめながら、新穂高へと下山となりました。
〜まとめ〜
ちょっとした気まぐれで行き先を変更し歩くことになった表銀座。2泊3日はちょいキツ目でしたが、行動中は雨に降られる事もなく、中崎尾根という超絶穴場も堪能でき、いい山行となりました。
でも皆さん、奧丸山からの下山は槍平ですよ、槍平。間違っても左俣には出ないよーにです!
こんにちは、zawadaさん
復活以来怒涛のテン泊縦走ラッシュですね。
序盤はあまり天候に恵まれなかったようですが
中盤以降は見事な天気で素晴らしい景色を堪能されたのでは
しっかし槍ヶ岳山頂で新型iフォン発売開始でもしたかのような大行列。
凄まじいものですね。何時間待ちくらいだったんだろう
私は当分の間行くことはないでしょうが、「奥丸山からの下山は槍平」
覚えておくことにします
槍渋滞、2〜3時間待ちだったらしいですよ。
ほんと朝一で登っちゃって良かったです。
晴れ男キャンペーンは先日の笠ヶ岳の雨で終了かと思われましたが、今回の最終日の
膝はどんな感じですか?
槍ヶ岳の登頂待ち行列、凄いですね
気の短い私だからあんなに並ぶのなら諦めちゃう
普段のお買い物も、食堂も並ぶのは嫌いです。
昔に登っておいて良かったぁ。
私は15,16日で燕岳→大天井岳でしたがお互い雨に遭わなくてよかったですね。
往復で4時間くらいかかったらしいですよ。しかも小屋番さんのブログによると、朝から晩までずっとそんな状態だったらしいです。
初登頂だったら我慢して並ぶかもしれませんが、そうじゃなかったら僕も確実にパスします。暗いうちから登っちゃってホント良かったです。
僕も並ぶの大嫌いです。基本的に平日休みなので並んで何かをするという行為は厳しいですね〜。
そんな事もあり、下山は中崎尾根-新穂高を使いました。連休の中日にも関わらず、下山時に会ったのは7-8人くらいだったと思います。静かな山歩きで〆られたのはほんと良かったです
夜は
今年の北アルプスのいい〆山行になりました。
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