遙かなる頂ピリカヌプリ(テン泊縦走)
- GPS
- 33:02
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 2,063m
- 下り
- 2,071m
コースタイム
天候 | 2日間とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
トヨニ岳へのナイフリッジは雪が少なく安全に渡ることができました。早朝から10時くらいまでの時間は雪が凍っており、滑落してはいけない危険箇所ばかりです。10時以降気温が上がると踏み抜きが多くなります。 |
写真
感想
1年前のリベンジに挑んできました。登山を始めてからずっと目標にしていた頂きに立つことができて感無量です。私にとって特別な山行なので詳細を綴ります。
この山行にはいくつもの諸条件が必要でした。仕事、家庭、気象条件、装備、経験、体力、これがしっかりとかみ合わないと成し遂げられないと考えていました。昨年も好条件でしたが、寒波がきていたことを考慮して途中撤退しました。
朝4時に苫小牧を出発して7時頃野塚トンネルPに到着しました。前日はかなりの登山者で賑わっていたようですがこの日は私ともう一台だけでした。装備を整えて沢をつめていきます。直近のレコ(ms090さん、peterpanさん)を参考にスノーシューは必要ないと考えて置いて行きました。カチンと凍った雪面にアイゼンがよく効いて登りやすかったです。久々の重装備もまだまだ元気なので苦になりませんでした。
国境稜線に上がると雲一つ無い青空にトヨニ岳がドンと見えました。1年ぶりの再会に大声で挨拶します。順調に1251Pを越えナイフリッジにさしかかりますが、ms090さんから楽に通過できることを聞いていたとおりの状況でした。昨年は寒波が来ていたのでかなり寒さを感じましたが、今年はとても順調に南峰までたどり着きました。
南峰では数日前にテン泊された方がいたことをms090さんのレコで見ていたので利用させてもらいました。ブロックを積んで補修してテントを設営しました。厳冬期ではないので軽量化をはかるため夏用フライを使用しましたが、シュラフの性能がいいので全く問題なく眠ることができました。陽が傾いてアーベンタイムが始まると国境稜線がオレンジ色に輝きます。至福の時間でした。また、今年は星景撮影の良いポイントでテン泊しようと思っていたのでベストな場所でした。薄明終了後の撮影もうまくいって早く作品にしたいと期待を膨らませました。
翌日は3時過ぎに行動を開始しようと考えました。私は持久力が足りないので後半にバテることを考えての早出です。北峰を過ぎてもまだ薄暗い中を自分に語りかけながら歩きます。やがてピリカヌプリが日の出直前のピンク色に染まり始めました。その景色に励まされて先に進みます。やがて昨年の撤退地点にたどり着きます。昨年は-10℃以下の寒さで撤退を決意しましたが今年は最高の条件です。それでも自分の体力が持つのか不安もあります。意を決して急斜面を降りて進みます。アップダウンも多く、ピリカヌプリはなかなか近づいてきません。時間はたっぷり残っていることを励みにして何とか頂上にたつことができました。ここまで終始風が強かったのですが山頂付近だけは不思議と無風でした。最高の天気の中、1839峰やカムエクなど、中日高の山並みを堪能して至福の時間を過ごしました。遠く楽古岳からここまでの稜線を繋げたことを過去の思い出とともに喜びました。
さて、大きな達成感を感じながらも帰路の不安も大きかったのが現実です。この長い道のりを歩ききれるのか、いや歩ききるしか選択肢はないのだ。どんなに時間がかかっても一歩ずつ歩いて帰ろうと意を決します。予想通りアップダウンが体力を削いでいます。3年前に経験したシャリバテ対策は万全だったので随時エネルギーと水分補給はしていましたがだんだんと立ち止まる回数が増えてきます。もう幾つ小さな登りがあったか覚えていないくらいに登りがあります。牛歩で北峰まで戻った時にやっと下山できると確信しました。無事にテントにたどり着き、ゆっくり休憩をしながら撤収作業を行いました。
再び重装備を背負ってトヨニ岳からの下山にかかります。もう3回目なので安心感はありましたがここへきてふくらはぎや太ももが攣りそうです。午後になって気温も上がっていたので踏み抜きも出てきました。登りがほとんどないことが唯一の救いでしたが「あせらず、ゆっくり」と独り言を言いながら進みます。かなり時間がかかってしまいましたが、国境稜線の降り口に到着して沢を降り始めます。楽をしようと時折尻滑りを交えながら満身創痍で駐車場に戻りました。やりきった充実感とともにコークが体中に染み渡りました。
普段は朝活で楽しんでいる山登りですが、日高はチャレンジする場所と自分は認識しています。他の方に比べると基礎体力はない方ですが、綿密な計画、経験、装備などを揃え、気象条件に恵まれれば可能なんだと実感できました。大きな目標を達成することができてとても嬉しいです。これからまた支笏湖周辺の登山を楽しみたいですが、次の目標も考えていきたいと思います。長々とお読みいただきましてありがとうございます。
コメント
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こんにちは♪
二日とも凄く良い天気
テン泊しないと見れない景色!!好いですね
akadake5さんコメントありがとうございます。
本当に良い天気に恵まれました。
透明度が高く、星空も素晴らしかったです。
3時頃は天の川もギラギラしていたのですが手持ちのカメラでは天の川はきれいに撮れないのが残念でした。
今まで何度も挑戦している様子を拝見していました。先日の29日に野塚岳に登ったときに、雪解けが早く例年通りの挑戦なら笹漕ぎで苦労するだろうなとpositive51さんのことを考えながら西峰に向かっていました。
諦めず何年も準備と訓練を重ねてきた努力と熱意に敬意です。
本当にお目出度うございます。
天気と眺望に恵まれて最高でしたね。
私も10年前の感激を思い出しました。
今度、お会いした時に苦労話を聞かせてくださいね。
tarumae-yamaさんコメントありがとうございます。
少しずつスキルアップして目標を1つ1つクリアしていく過程は人生の大きな励みになっています。ピリカヌプリの存在を知り、挑戦しようと思うきっかけをつくっていただいたことに感謝いたします。今度ご一緒できる機会に直接感動をお伝えしたいと思います。何年にもわたる応援ありがとうございました。
positive51さん、こんばんは。
まずは稜線を繋げたこと、おめでとうございます!達成感は半端ないことでしょう。
今回も素晴らしい写真の数々に見入ってしまいました。達成感が大きい分、また苦労されたこともあり、とてもいい写真が撮れたのではないでしょうか。お天道様も味方になってくれましたね。私もこのような山行をして、風景写真を撮ってみたいものです。
yo-shaさんコメントありがとうございます。
何年もかけて繋いできたので達成感ハンパナイです。
天候に恵まれたのでどこを撮っても素晴らしい被写体ばかりでした。
yo-shaさんのペラリ山からピセナイ山への縦走も魅力的な山行と思いました。次の目標の1つにしたいと思います。
positive51さん おはようございます
ピリカヌプリ登頂おめでとうございます。
写真、感想文、動画を拝見して、positive51さんとご一緒に山行しているような気分になっている自分がいました。
特に動画で、感動を生の声で聴けたのはとても良かったです、自分も感動することが出来ました。
素敵なレコありがとうございました、これからも楽しみにしています。
yamakichiさんコメントありがとうございます。
日高のテン泊レコにいつもコメントいただきまして嬉しく思います。
ヤマレコで感動を共有できることは本当に嬉しいですね。
私も大先輩のyamakichiさんのように、長く色々な山を楽しめたらいいなと思っています。いつかお会いしてご挨拶ができればと思います。
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