槍ヶ岳/雨と涙の標高ベスト10達成ラストの大喰岳
- GPS
- 19:25
- 距離
- 44.1km
- 登り
- 2,152m
- 下り
- 2,161m
コースタイム
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:04
- 山行
- 8:12
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 10:06
天候 | 基本雨が9割、その半分霧雨で残りはフツーな雨、山頂では飛騨からの強風も。下り途中で数分太陽の日もも出ましたが僅かで曇りも僅かでした。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雨ですから滑りました。下りは何回も尻餅つきました。 |
その他周辺情報 | 山頂では6年ぶり3回目の「槍ヶ岳山荘」サン、下山後は勿論「ともしび」サンのアレです。 |
写真
感想
数年前に自分が登った山を見ていて、日本の標高ベスト10.で残っているのは10位の大喰岳だと分かってから密かに狙っていました。
大喰岳、今回3度目の槍ヶ岳山荘に泊まっても関心は穂先の方ばかりで、地味な存在?ですよね。
梅雨明けはまだで、でも4連休はなかなか無いので、この機会にしたい、肩の小屋に連泊すれば槍も大喰も好天のチャンスはあるのではないかとの考えで10日程前まで予約×だったのが1週間程前に△に変わっての連泊予約入れでした。
水曜日の仕事を終えてそのまま首都高に乗りましたが、お馬鹿なカーナビがしきりに下道を言うのを無視していると、新宿を越えるまで結構な渋滞で、見直しました。お陰で行けるかと思っていた諏訪湖SAでの風呂にも入れずでした。
心配していた松本から沢渡への道は1ヶ所工事中信号がありましたが、全然問題なく通れました。
沢渡で車中泊しましたが、八王子や甲府あたりの本降りの雨と同等の音に『お前、本当に行くのかぁ〜』との自問自答になかなか寝付けなかった感じです。
でも目標に向かっての5時始発バスに乗る為に早目の支度開始、小雨の中スタートしました。
久々の沢渡と上高地のバスターミナルでしたが、勿論天気もありますが、マスク対策はしていますがコロナの影響で寂しい感じでした。
4連休とは言え梅雨明け前でコロナ禍、登山道や各小屋も人は少なかったですが、それだけに慣れた方々と思われ、ヘタレな自分が出ない様にするだけでした。
ずっと雨小雨霧雨状態で、手足身体は不快に濡れたままで、穂高独特の石岩ゴロゴロの急登には心が折れまくりでしたが、早く山小屋に着いて乾いた衣服(特に靴下)に着替えたいとの気持ちでした。
這々の体で肩の小屋に着いて全部着替えましたが、濡れた衣服は乾燥室でもなかなか乾かずで、翌日も濡れた靴での山行きを覚悟させるものでした。チェックイン時には翌日明後日の天気予報が芳しくなく、早目の下山が良いと思われ2泊目はキャンセルしました。
館内皆さんマスク必着で、部屋もソーシャルディスタンス時代ですので広目ですし、今回消毒液や体温計、そして布団に掛ける手拭いか出来ればシュラフ持参でとの事でシュラフを入れたので、ザックは手持ち最大のになりました。寝床では快適に休む事が出来、食事も暖かいご飯を目一杯頂けて体力回復出来たと思います。
ただ夜から建物に当たる風と雨の音が気になり、窓から覗くガスで真っ白な世界に、翌日の稜線歩き山頂トライを覚悟させるものでした。
朝食もさせて頂きましたが、オッサンの度重なるお代わりにスタッフは男女共気持ちの良い対応で、流石は槍ヶ岳山荘と思わせました。
湿ったタイツは仕方ないですが、上半身と靴下は寝た格好そのままで、フリースやズボンも1枚増やして稜線歩きに備えました。
強風にマァな雨の中をザックはデポしてのスタートでしたが、通り道のテン場にはひと張りだけ。この天候の中立派と思いました。
初めての槍ヶ岳山荘から南岳方向で、私はその手前の大喰岳までですが、途中の飛騨乗越ではTJARの選手達はここへ登って来るのだなと思いながら、西鎌尾根を見ましたが、真っ白で叩き着ける様な風もあり、彼等の姿を想像しました。
大喰岳、注意して進んだのですが、ガスで視界も悪く、偽ピークにも騙され何度かスマホで現在位置を確かめながらでしたが(丁度地図上の大喰岳の漢字は過ぎて居るけど、ガスの中おぼろでここより低く見える先のピークが大喰ではないか!?との思い=だって地球は丸いからそう見えるのかも、→と言った完全に間違った考えでした)、それでも行くとこの先を行ったらとんでもなく急下りで違う!と岩影で風雨を避けながらチェックしていると、たまたま1人男性(大喰岳往復で出会ったのはこの方1人でした)が来て情報交換、彼は奥穂を目指し今日は涸沢泊と。お互いの健闘を願ってUターンしました(よくよく考えると彼はこの天候の中で大キレットを行く訳で無事を祈るしかなかったです)。
戻りつつ、アッチの方が明らかに高いと思って注意して進むと、アッサリ?大喰岳の表示板を見出だす事が出来ました。(涙)。登山道から見えるかもでしたが、進む方向から完全に90度以上後ろ(135度位!?)を確認して居れば見逃すミスはなかったと反省する気持ちでしたが、今回の目標である大喰岳ピークに立てて良かったとの安堵の気持ちでもありました。
慣れないセルフタイマー撮影して戻りましたが、早く槍沢側に下れば、この風から逃れられるとの計算もあり、そそくさと山荘から下りました。今回こんな近くに居ながら槍サマの姿を見る事はなく、山荘に泊まりながら、穂先に登らない人はどの位居るのだろうか(オレ位!?)、との思いにもなりましたが、朝出発の時に玄関で他の方の話から登っても真っ白で何も見えないし、危険だから神さんに怒られるとの会話も耳に入り、今回の自分のミッションは大喰岳にある!と心を固めての下り始めでした。
雨で濡れた道や岩で、注意して下りましたが、やはり滑ったり、思った岩や石に思った足の置き方が出来ずで何度か転びましたが、雨のせいだけでなく、思う様に足を出せない体力低下?身体能力低下?も反省材料の1つであります。
こんな道を暗い中でも、もっと天候が悪い時でもTJARの選手は飛ぶ様に下ってゆくのだろうな。何となく振り返ると一番槍を取った男澤さんやレジェンド望月さんが来ているのではないかと思わせる、槍ヶ岳から上高地への道でした。
今回の山行きで感じたのは沢の水の豊富さであり、勿論梅雨の時期であり、雪解けもあるでしょうが、日本の気候風土自然の不可欠要素の1つと感じました。何本も重なり合い梓川となり、アルプス違いではありますが、今後も普段の生活でも南アルプスの天然水を飲み続けようと思いました。
下りでは遠く槍沢ロッジも見え、手前では大分ヘタレましたが、自炊場での槍ヶ岳山荘お弁当粽で復活出来て残り距離を稼ぐ下り再スタートでした。
横尾では自分のスポーツドリンク補給だけでしたが、徳沢ではソフトクリームで満足でした。ただ張り出された上高地バス時刻表だと後1時間15分で沢渡行き最終バス出発を知り、そりゃ無理でしょ!?との思いから、松本か新島々行きのバスに乗せて(予約で空きがあれば)頂くか、タクシーで沢渡まで帰れればと思っていました(釜トンネル20時クローズはチェック済み)。
横尾からしばらくすると後ろから追い付いて来た1人の男性に「上高地からどうされるのですか?」と聞かれたので「沢渡までタクシーか何かで、」と答えると「なら、ご一緒しませんか!?」との事で、喜んでご一緒させて頂く事にしました。
山形からの方で(年齢は私より少し下かな)、仕事で富山に来てその帰りだそうですが、高校も大学も山岳部で、大変貴重な山岳部の話も聞けましたし、今回のコロナ禍の事、お互いにオリンピックボランティア登録もしており、そんな話やら仕事を話も。私の決して早くないペースで申し訳なかったですが、とても楽しい時間をご一緒出来て良かったです。
河童橋でお互いに記念撮影して、隣のお土産屋で買い物しましたが、お客も極少で日本の観光も憂いました。
沢渡までの足代も折半させて頂いて助かりましたし、本当に楽しい時間をありがとうございました!山形の高橋さん!!
ともしびサンでは毎度山行きの身体をサッパリさせて頂いてますが、今回の最大の喜びは乾いた衣服に着替えられた事です。今回の山行きの2日間、手足はずっと濡れていてふやけてしまいました(こんな経験は久々)。しかし靴下は替えを忘れており、一昨日会社で履いて居た黒い靴下であっても乾いた靴下が幸せ気分でした(笑)。
今回の槍ヶ岳(穂先には登ってませんが)大喰岳、念願の日本標高ベスト10、こんなコロナ禍の中、こんな梅雨の間にスポーツマンシップを発揮して!?(自分で言うか!?)達成出来て嬉しいです。
この所の丹澤塔ノ岳トレーニングの甲斐もありましたが、やはり槍ヶ岳は別格と感じました。
今回、恒例の足の吊りは夕食後寝る時の寝返りを打つ時の何気ない時にあって、1人寝床で悶絶?していましたが(笑)、用意してあったコムレケアを多く服用する事で2日目は皆無、帰宅してからも疲労感が薄らいで居ると感じます。高橋さんにも相談しましたが漢方も勧められてこちらもトライとの思いです。
帰宅して読んだ7/25槍ヶ岳山荘スタッフ肥沼君ブログ。映画ショーシャンク(とても好きな映画の1つです)のクライマックスみたいな爆雨の中、信州人元地質屋杉山支配人「ワリーんだけどさ、」の言葉から始まった地震で崩れたテン場補修作業の大変さを知りました。今回こちら側急斜面にも関わらず良く整備されたテン場を初めて通過しましたが、彼等のセリ矢・セットウを使う作業の困難さを良く理解する事が出来ました。山道でも各所の岩や石にこの跡を見る事が多いですが(確かにピラミッドも同じ道具で作られたのですよね)、こんな風に作業してのものなのですね。(感謝感謝)。彼等の槍ヶ岳山荘に登って来るお客さんへの安全・満足な登山にする心意気には敬服の気持ち200%にさせられます。
こんな時期に大満足な大喰岳/肥沼君始め槍ヶ岳山荘の男女スタッフの皆さん。
ありがとうございました!!
m(__)m
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