風の生まれるところ〜ミズナラに会いに金袋山へ〜
- GPS
- 05:27
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 729m
- 下り
- 684m
コースタイム
天候 | スカッ晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
西東京バス 490円(片道) 平日08時10分発・日原鍾乳洞行きはやはり朝1番とあって満車。立っている方も10人くらい。 川乗橋で大半が下車。中日原で数人下り、鍾乳洞まで乗ったのは私ともう1グループのみでした。 http://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/lib/objects/hiking_okutama_120901.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
<登山ポスト> 奥多摩駅外の向かって左側:用紙・筆記具はなし 駅前の観光案内所:用紙・筆記具あり、ただし09:00開館 <道の状況> ※一石山神社から尾根に出るまではとにかく急登で、さらに黒土でよく滑ります。 ジグは切っていますが、そのトラバース部分でさえ並の直登より斜度があり、足の置き方を考えながら歩かないといけないようなところです。 滑ったら角度によっては滑落必至なので、雨の日、大雨の翌日はかなり危険と思われます。 日原鍾乳洞BS〜一石山神社: バスは鍾乳洞手前のT字手前の橋が終点です。鍾乳洞までは歩いて7分。一石山神社は鍾乳洞のすぐ手前にあります。 トイレは鍾乳洞入口前にあり。 一石山神社〜一石山山頂: 神社境内左手、社務所?の右脇から入ります。拝殿の真横直上に出たあたりに看板があり斜面に出ますが、始めは直登せず左側へ(道路と平行に)トラバースして巻いていきます。再び斜面に出てからは、ジグを切りながら高度を上げていきますが、とにかく急登で滑り易いです。踏み跡が薄いので、ジグの曲がり角を見落とさないよう注意。 途中肩状に平坦地があり、ベンチがあります。一息できますが、そこから再び北へ角度を変えて尾根に向かっての急登となります。植林帯に入ると特に急になる上、滑り易さも増しますが、そこを抜けるとぽん、と尾根に出ます。 尾根道はゆるやかで、すぐに小川谷林道への下山道分岐(現在通行止)、5分くらいで一石山山頂に到着します。 帰路は特に滑ります。秋は落ち葉もあってより滑るので要注意。注意していても滑ります。 一石山山頂〜ミズナラ: 左が植林、右が落葉樹林のゆるやかな尾根を登っていき、看板で右に曲がります。 その後もう1ヶ所「もうすぐ」と書かれた看板がありますが、それ以降の踏み跡は左(西に延びた後、急に不明瞭になります。 多分位置を知っている人達が思い思いに斜面を上がってしまうからかと…。 ちなみにこの看板からミズナラは直登方向にわずかに見えます。が、初めてだと気づかないかも(私も下りで気づいた)。 いずれにしても、ミズナラは左右の尾根に挟まれたゆるやかな広い窪地に生えていますので、2つの尾根の鞍部を目指すといいかと思います。 ミズナラ〜金袋山: ミズナラから右側(北側)の尾根に取り付くと、すぐに人形山山頂です。 そこから一旦窪地を横切り、南側の尾根に乗ってあとは道なりです。北側の尾根をそのまま伝っても行けそうですが、木や岩が多いので歩きづらそうです。なお赤テープは窪地を横切って南側の尾根へ出るようつけられています。 尾根は一部ヤセ尾根になっていますが、また広い尾根になり斜度がゆるんだところが金袋山山頂です。山頂といっても尾根道の一部といった感じで、何故ここがピークとして名前がついているのかよくわからないところです。標識も目立たないのでうっかりすると通り過ぎてしまうのではないでしょうか。 <下山後の温泉> もえぎの湯 http://www.okutamas.co.jp/moegi/ 奥多摩駅から青梅方面に徒歩10分。月曜日休み。 ※ぽかナビ.jpに1人でも使える100円割引クーポンがあります。(公式HPのクーポンは2名から有効) ※駅前の観光案内所で、「おくたま湯めぐり割引券」というのがもらえます。これを使っても1人でも100円引きになります。「おくたま湯めぐり割引券」は他の奥多摩温泉や奥多摩湖の鶴の湯温泉の数ヶ所の施設で使用できます。5ヶ所制覇で無料入浴券が1枚もらえるそうです。 ※今回は入りました!! |
写真
感想
先週の百尋の滝で、奥多摩の紅葉めぐりはもう終わりだと思っていました。
けど、まだ心残りが。
金袋山のミズナラ巨樹に会いたい。
もう紅葉は終わっているだろうなあと思いながらも、未練が断ち切れず。
万が一、万が一にでも今年で彼が寿命を終えてしまうようなことがあったら、後悔しきれない。
もう今年は紅葉たっぷり見たじゃない、紅葉が見たいなら来年また行けばいい。
というわけで、またもや奥多摩に遠征してきました。
今回の目的はなんと言ってもミズナラ。その前の落ち葉ふかふかしたところでマッタリすることがミッションです。
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奥多摩駅からのバスは満車の上、立ち席の方も10人くらい。
ほとんどの方が川乗橋で降り、終点まで乗ったのは私の他に1組だけでした。
一石山神社からの登りはうわさ通り急登で、足を踏み出すそばからずるっと滑ったりするような斜面だったけど、雰囲気はばつぐん。思わず顔がにやけます。
全く期待していなかった紅葉が思ったより残っていて、それにも癒されながら高度を上げていきます。
急登にもかかわらず息が全く切れなかったのは、今年数回の3000m越えによる高度トレーニングの成果(?)でしょうか。
途中1ヶ所、ルートを外してしまったのですが、その時のリカバリーのきつかったことといったら!
先にも進めず、後にも引けず。木の根っこを掴み腕で体を引き上げ、足を幹の根元に置いてやっとルートに復旧しました。
斜度的にはルート上をあまり変わらないのに、踏まれていない急斜面、それだけでこれだけ踏ん張りが効かないというのは驚きでした。
よく「林中で滑落した人が落ちてきた斜面を上がれなかった」という事例を読みますが、こういうことなんだと実感。いい勉強です。
一石山の尾根に出る直前。
尾根の向こうからごうっっと音が立ち上がったかと思うと、あっという間に風が沸き起こり、後ろへと抜けていきました。
風が吹いているのではなく、起こって、吹く。終わり。
そんな一瞬だけの「風」が、尾根の北から南へ、何度も生まれては消えていきました。
そうしてたどり着いたミズナラ御大の場所は、2つの尾根が合わさり緩んだ、少し窪みのある開けたところ。
想像していたとおり、まったりしたくなるような雰囲気のいいところでした。例えお目当てのミズナラがなかったとしても、です。
でもそういう場所だからこそ、この樹が育ち、長い月日を過ごしてこれたのかもしれないと思ったり。
会いたかったミズナラは、思ったより大きくも小さくもなく、ちょうど想像していた通りの大きさで、思わずおかしくなってしまいました。
何だか却って親しみがわきますよね、そういうのって。
ウッドサークルの周りをぐるぐる回って一通り御大の写真を撮った後、金袋山へと向かいます。
このルート取りに関しては、shigetoshiさんのレコが非常に参考になりました。
GPSのログであれば多少ずれようとも軌跡そのものは正確だろうと、それを地図に書き込み追っていったのです。
おかげで迷うことなく金袋山へ到着することができました。ありがとうございます。
金袋山の山頂は、なぜここがピーク認定されたのかわからない(実際地形図でもピークらしく見えない)ような尾根上の平らな場所で、最終目的地としては何となく消化不良気味。
時間的にも気分的にもまだ登り足らないし、もう少し先まで登ろうかどうしようか逡巡します。
ウトウの頭まで行きたいなあ、あそこなら少なくとも地形上ピーク!って感じだし、あの有名な山頂標識を見てみたい。
でもでも。
ウトウの頭まで行くとたぶん往復2時間の追加になります。バスを1本遅らせれば行けないことはないと思うけど、ただでさえ不明瞭な道、時間に押されて焦りたくない。
それに今日の大目的は「ミズナラの前でまったり」だったはず。
というわけで、心残りながらもミズナラの元へ帰ることに。
登りで尾根の形状が変化するたびに後ろを振り返って確認していたものの、やはり下りではまた違って見えます。尾根が狭いうちははっきりと見える踏み跡も、傾斜がゆるみ尾根が広がるとたちまち朧ろに。そのせいでちょっと迷いかけたりもしましたが、尾根の変化を覚えておいたおかげで無事到着しました。
帰り着いたミズナラの元には既に後から登ってこられた団体さんがお昼をされていたので、サークルの反対側でこちらもお昼の用意です。
落ち葉の上にレジャーシートを広げると、ベッドマットのようにふかふかでにんまり。
あまりにふかふかすぎてストーブ(ボンベ)がなかなか地面に固定できなかったのにはちょっと困りましたが。
味噌煮込みうどんが出来上がるまでの間、シートの上で思う存分ごろごろします。
仰向けで空を見上げたり、地面ぎりぎりからミズナラを見上げてみたり。
うどんを食べてからも、思う存分まったり…と思っていたのですが、荷物の場所をずらそうとふと体を起こすと、今まで私の頭があった場所のすぐ近くに、見たことのある姿を見出しました。
あのアナタ、よく実家の犬についていた方ですよね…。
ぎゃー。マダニだ!!
うかつでした〜。まさかここでお会いするとは。
急いで全身をチェックしてまだ侵入されていないことを確かめたのはいうまでもありません。前に自分も一度食いつかれたことがあって、結構大変だったんですよね…。
まあ結局、足元は靴下とタイツで防御しているから首と頭だけ守れていれば大丈夫でしょ、とチェック後はそのまま座ってまったりしましたけども。
さて、急登は常に行きはよいよい帰りは怖い、登ったからには下りねばならぬ。
尾根から神社まではすごい緊張をしながら慎重に下りていきました。
…にもかかわらず2度も落ち葉の下の枝だか石だかに乗ってしまい、見事にすっ転びました。急過ぎて足でブレーキがかけられないんです。一度滑ったら、立て直し効かず。
うう、久しぶりに完全にこけました。春の坪山以来です。
しかも2回目は登山口直前。こういうときに気が緩むんだよね〜と考えた矢先だったので、ちょっと凹みました…。
帰りのバスはがらがらで、一石山で引き返されたご夫婦以外は鍾乳洞観光の数人のみ。
ミズナラのところで会った団体さんはマイカーだったみたいですね。
朝のバスで一緒だった団体さんは、どういうルートだったのか、東日原で乗ってこられました。
奥多摩駅到着後、次の電車に乗るか温泉に入るか渓谷を少し歩くか、迷いながら観光案内所へ。
が、そこでお会いした方がもえぎの湯まで送ってくださるとのことで、ご好意に甘えてしまいました。しかも温泉後青梅まで乗せてくださって、感謝感謝です。
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今回紅葉ははなからあきらめていたのですが、思いもかけずきれいな紅葉を見ることが出来ました。
向山や浅間尾根で見た、周りの空気までが染まるような密度の濃い黄葉ではないけれど、晴れ渡った青空に輝くような紅葉・黄葉。
もう今年は紅葉に関してはお腹一杯、もうこれ以上感動することはないだろうと思っていたのに、またまた感動してしまいました。よかった、まだ感性が鈍ってなくて。
いずれにしても、「秋」の奥多摩はこれが今年最後でしょう。
もう1度、雪の前に行くかな、どうかな…。
コメント
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poniさん、こんにちは。
GPSログを参考にしていただいたshigetoshiです。
メグスリノキは聞いたことがありますが、どの木だかわかりませんが、きれいに紅葉するのですね。写真参考に、次に山に行ったら探してみます。
山の上で味噌煮込みうどんとは、なんともぜいたくでうらやましい限りです。私はせいぜいカップメンとコーヒーなので
山頂標識を全部丁寧に探して見つけたのですね
私は紅葉ばかり見ていて、すべて見落として通過しました。前回行ったときは見つけたのですが
少し山頂らしい場所としてはウトウよりもだいぶ手前に篭坂の頭もあります。次はそこまでは行ってみてはいかがでしょうか。
コメントありがとうございます!
メグスリノキは、私も最近三頭山に行った時に覚えました。
カエデの仲間だそうですが、葉っぱの形からはそう見えません。カエデ類の中でも比較的遅い時期に紅葉するようです。
味噌煮込みうどん、今回は「まったり」がテーマなので、しっかり調理をしてみました。
煮込んでいる間もぼーっとできてよかったです。
あまりスケジュールに余裕がないときは、私もお湯沸かすだけメニューですよ〜。パン+紅茶とか、ラーメンとか。
山頂標識は、私にとって現在位置確認の重要なポイントなんです。ここだ!と思ったところにあると、うれしくなります。
それしにても、タワ尾根の標識はみんな慎ましやかですね。
篭坂ノ丸は確かにピークな形状ですね。だから実は行こうかどうしようか迷ったのですが、ウトウの頭まで行けないなら今回はいいかあ、と思ってしまったのです。
今度はチェックします!
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