ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 2470588
全員に公開
沢登り
白山

【白山】別山谷(岩屋俣谷)から別山

2020年08月02日(日) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 石川県 岐阜県
 - 拍手
GPS
--:--
距離
15.7km
登り
1,599m
下り
1,622m

コースタイム

日帰り
山行
12:10
休憩
0:00
合計
12:10
4:20
130
市ノ瀬駐車場
6:30
400
別山谷・井谷の二俣
13:10
20
稜線
13:30
150
別山
16:00
30
猿壁
16:30
市ノ瀬駐車場
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2020年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
市ノ瀬の駐車場に駐車。朝4時時点で満車に近い状態で、道路の路肩に駐車している車も多数あり、普段マイナー山域をマイナーな時期に登ってばかりいる自分としてはあまりの混み具合に正直ビビらされた。
コース状況/
危険箇所等
【別山谷(岩屋俣谷)】
・空が大きく開けた高山的な雰囲気の爽快な谷で、上部で谷が険しくなってからも両岸には高山植物が盛んに花咲き、終始明るい雰囲気が漂う気持ちのいい谷。
・かなりの大高巻きや急斜面の草付きのトラバースなど、通過に苦労する箇所はいくつか出てくるが、難しすぎず易しすぎず、この規模の谷としては標準的な難易度だと思う。
・上部は両岸が立って完全なV字谷となり、やや威嚇的な景観となるが、その中に出てくる滝はほどよく弱点がありほとんど直登していくことができる。ただし、詰めのルンゼはチョックストーンの詰まり方で難易度が変わると思われるので、詰まった場合は途中の適当な斜面や枝沢からチブリ尾根側の稜線に上がってしまったほうがいいかもしれない。
・オロロ(アブ)は全くいなかった(これ重要)。→【訂正】達人のお話によると、やはりいる時期はいるそうです。今回は少し時期が早く、運よく発生時期に重ならなかったようです。ご注意を。
・ぬめりも少なくフリクションは概ね良好なので、ラバーの沢靴がおすすめ。
チブリ尾根へと続く登山道を左手に見送ってそのまま工事用道路を直進し,右手の草むらの中に踏み跡が見えたところで道路を外れ,踏み跡を辿る。連続する堰堤を右岸から巻いているうちに,わりときれいな林道にひょっこり出てしまった。最初からこの林道を辿ればよかったかもしれない…。
チブリ尾根へと続く登山道を左手に見送ってそのまま工事用道路を直進し,右手の草むらの中に踏み跡が見えたところで道路を外れ,踏み跡を辿る。連続する堰堤を右岸から巻いているうちに,わりときれいな林道にひょっこり出てしまった。最初からこの林道を辿ればよかったかもしれない…。
ほどなく林道は途絶え,そこから一旦,岩屋俣谷に入渓。水量豊富で美しい谷の景観が広がる。しかし,すぐに再び堰堤にぶつかり,右岸から巻きにかかる。
1
ほどなく林道は途絶え,そこから一旦,岩屋俣谷に入渓。水量豊富で美しい谷の景観が広がる。しかし,すぐに再び堰堤にぶつかり,右岸から巻きにかかる。
堰堤の右岸側に鉄製のハシゴがあり,簡単に堰堤を越えることができた。結局,これが最後の堰堤だった。
堰堤の右岸側に鉄製のハシゴがあり,簡単に堰堤を越えることができた。結局,これが最後の堰堤だった。
その後はおおらかで美しい岩屋俣谷を上流へ歩いて行く。
1
その後はおおらかで美しい岩屋俣谷を上流へ歩いて行く。
時々小滝や淵は出てくるが,概ね河原状で,通過は容易。
1
時々小滝や淵は出てくるが,概ね河原状で,通過は容易。
この淵は出口の水流を越えるのに苦労しそうだったため,右岸を巻いた。右岸側の岩壁を一段上がると踏み跡がある。
1
この淵は出口の水流を越えるのに苦労しそうだったため,右岸を巻いた。右岸側の岩壁を一段上がると踏み跡がある。
別山谷(左)と井谷(右)の二俣に到着。別山谷に入る。
この二俣を分けている中間尾根は,吹向尾根と呼ばれ,昔はチブリ尾根ではなくこの尾根が別山へのメインルートだったと言われている。遡行しながら道の痕跡がないかそれとなく眺めてみたが,全くそれらしい雰囲気はなく,完全な原始境に還っていた。
別山谷(左)と井谷(右)の二俣に到着。別山谷に入る。
この二俣を分けている中間尾根は,吹向尾根と呼ばれ,昔はチブリ尾根ではなくこの尾根が別山へのメインルートだったと言われている。遡行しながら道の痕跡がないかそれとなく眺めてみたが,全くそれらしい雰囲気はなく,完全な原始境に還っていた。
別山谷に入ってからもしばらくはゴーロが続き,楽に通過していける。
別山谷に入ってからもしばらくはゴーロが続き,楽に通過していける。
巨岩が積み重なったような岩間滝を越えていく。
巨岩が積み重なったような岩間滝を越えていく。
一枚岩の斜滝。
と,両岸が急に険しくなり始めたと思ったら,大滝が出現。
と,両岸が急に険しくなり始めたと思ったら,大滝が出現。
20mほどの立派な滝だ。右岸の草藪が濃い斜面から高巻きを開始する。
2
20mほどの立派な滝だ。右岸の草藪が濃い斜面から高巻きを開始する。
滝から続く岩壁に阻まれ,結構な大高巻きなる。写真は高巻き中に20m滝を見下ろしたところ。
1
滝から続く岩壁に阻まれ,結構な大高巻きなる。写真は高巻き中に20m滝を見下ろしたところ。
きわどい斜面を灌木につかまりながらトラバースしていくと,正面にかなり大きな滝が。まさか,あれを越えないといけないのか?と一瞬驚愕したが,地図を眺めているうちに支流の滝であることが判明し,安堵。
1
きわどい斜面を灌木につかまりながらトラバースしていくと,正面にかなり大きな滝が。まさか,あれを越えないといけないのか?と一瞬驚愕したが,地図を眺めているうちに支流の滝であることが判明し,安堵。
灌木にぶら下がるようにして急斜面を下降し,谷に降り立ったところがちょうど20m滝の落ち口のすぐ上だった。落ち口の上に連続する青い淵が美しい。
1
灌木にぶら下がるようにして急斜面を下降し,谷に降り立ったところがちょうど20m滝の落ち口のすぐ上だった。落ち口の上に連続する青い淵が美しい。
20m滝の落ち口のすぐ上に落ちている支流の滝。この上にもかなり長い滝が連なっている。支流でよかった…。
1
20m滝の落ち口のすぐ上に落ちている支流の滝。この上にもかなり長い滝が連なっている。支流でよかった…。
美しいナメを歩いて行く。
1
美しいナメを歩いて行く。
再び河原状になるものの,両岸は相変わらず高く切り立ったまま。
再び河原状になるものの,両岸は相変わらず高く切り立ったまま。
両岸の急な草付きには,高山植物が花盛りで目を楽しませてくれる。これはクルマユリかな?
1
両岸の急な草付きには,高山植物が花盛りで目を楽しませてくれる。これはクルマユリかな?
水がびっくりするほど青い。普通の青さではなく,何となくコバルトのような,ケミカルな青みを帯びている気がする。白山東面の大白水谷のようだ。何か温泉成分のようなものが溶け込んでいるのだろうか?
3
水がびっくりするほど青い。普通の青さではなく,何となくコバルトのような,ケミカルな青みを帯びている気がする。白山東面の大白水谷のようだ。何か温泉成分のようなものが溶け込んでいるのだろうか?
さわやかなナメ滝。
2
さわやかなナメ滝。
空が大きく開け,険しい岩壁と青々した草付きに囲まれた,高山的な渓相が続く。
1
空が大きく開け,険しい岩壁と青々した草付きに囲まれた,高山的な渓相が続く。
しばらくは容易な小滝が続いたが…
1
しばらくは容易な小滝が続いたが…
ついに再び大滝が出現。2段30mほどはありそう。
直登は無理なので,右岸の浅い草付きルンゼから取り付いて巻いていく。
2
ついに再び大滝が出現。2段30mほどはありそう。
直登は無理なので,右岸の浅い草付きルンゼから取り付いて巻いていく。
小尾根状の地形を越え,灌木と笹にぶら下がって急斜面を滑り降りるように谷に復帰。ちょうど落ち口の上あたりに降りることができた。落ち口に向かって流れる白濁した奔流がなかなかの迫力。
1
小尾根状の地形を越え,灌木と笹にぶら下がって急斜面を滑り降りるように谷に復帰。ちょうど落ち口の上あたりに降りることができた。落ち口に向かって流れる白濁した奔流がなかなかの迫力。
ほどなく現れるこの2mほどの小滝を越えるのに少し苦労した。ハング気味のつるりとした岩に囲まれており直登が難しそうだったため,左岸をよじ登って急斜面の嫌らしい草付きを慎重にトラバース,最後はロープを出し,灌木に捨て縄をセットしてゴボウで降りた。
2
ほどなく現れるこの2mほどの小滝を越えるのに少し苦労した。ハング気味のつるりとした岩に囲まれており直登が難しそうだったため,左岸をよじ登って急斜面の嫌らしい草付きを慎重にトラバース,最後はロープを出し,灌木に捨て縄をセットしてゴボウで降りた。
しばらく進むとこの滝。滝がいくつもかかっているが,本流は左に急角度に曲がっており,そこにも滝がかかっている。右岸のスラブを這い上がり,草付き混じりのバンドをトラバースして抜けた。
3
しばらく進むとこの滝。滝がいくつもかかっているが,本流は左に急角度に曲がっており,そこにも滝がかかっている。右岸のスラブを這い上がり,草付き混じりのバンドをトラバースして抜けた。
息つく暇もなく次の滝。しかも,奥にはさらに大きな滝が見えており,谷中を進むのは難しそう。左岸のスラブを渡り、草付きを大きく巻いて,奥の大滝も一緒に巻いてしまった。
2
息つく暇もなく次の滝。しかも,奥にはさらに大きな滝が見えており,谷中を進むのは難しそう。左岸のスラブを渡り、草付きを大きく巻いて,奥の大滝も一緒に巻いてしまった。
最後はかなりの急斜面を灌木にぶら下がって急降下,大滝の落ち口の真上に降り立つ。写真は大滝の落ち口のゴルジュ。
2
最後はかなりの急斜面を灌木にぶら下がって急降下,大滝の落ち口の真上に降り立つ。写真は大滝の落ち口のゴルジュ。
この後はしばらく美しいナメ状の斜滝が連続する。
1
この後はしばらく美しいナメ状の斜滝が連続する。
大滝の厳しい高巻きに張り詰めた体と心が癒される,爽やかな渓相だ。
1
大滝の厳しい高巻きに張り詰めた体と心が癒される,爽やかな渓相だ。
釜は相変わらずのコバルト色。
3
釜は相変わらずのコバルト色。
そして白く美しいナメ。
1
そして白く美しいナメ。
この滝は右端を直登。瀑水を浴びながら爽快に登れる。
1
この滝は右端を直登。瀑水を浴びながら爽快に登れる。
美しいナメと釜の連続。
1
美しいナメと釜の連続。
この滝も直登。
双子のような幅広の連瀑。両方とも容易に登れる。
2
双子のような幅広の連瀑。両方とも容易に登れる。
谷はさらに狭まり,ゴルジュ状に。こうなると,通過不能な滝が出てこないことを祈るばかり。
1
谷はさらに狭まり,ゴルジュ状に。こうなると,通過不能な滝が出てこないことを祈るばかり。
ありがたいことに,ゴルジュの中は容易に登れる楽しい滝ばかりだった。
2
ありがたいことに,ゴルジュの中は容易に登れる楽しい滝ばかりだった。
登ってきた別山谷を振り返る。だいぶ高く登ってきたようだ。正面に見える山は大長山や赤兎山だろうか。
登ってきた別山谷を振り返る。だいぶ高く登ってきたようだ。正面に見える山は大長山や赤兎山だろうか。
このあたりから,両岸にニッコウキスゲの群落が現れ始めた。
1
このあたりから,両岸にニッコウキスゲの群落が現れ始めた。
見上げる空には時折梅雨明けの青空も覗いている。明るく広い空に牧草のような草付きの緑,そして両岸に揺れるニッコウキスゲの群落。天国のような谷だ。
見上げる空には時折梅雨明けの青空も覗いている。明るく広い空に牧草のような草付きの緑,そして両岸に揺れるニッコウキスゲの群落。天国のような谷だ。
と思っていたら,再び険しいゴルジュに。
1
と思っていたら,再び険しいゴルジュに。
出てくる滝が何とか登れるものばかりなのがありがたい。というより,高巻きもできないような地形なので,登れないと困るのだが…。
1
出てくる滝が何とか登れるものばかりなのがありがたい。というより,高巻きもできないような地形なので,登れないと困るのだが…。
おや,あれはチブリ尾根避難小屋。既に自分の位置より低く見える。こんな高さまで登ってきていたのか。
おや,あれはチブリ尾根避難小屋。既に自分の位置より低く見える。こんな高さまで登ってきていたのか。
そしてついに,前方に目指す稜線が見えた。しかし,稜線に至る直前の谷がものすごいことになっている。あんな急斜面のガレ谷,本当に登れるのだろうか…。
そしてついに,前方に目指す稜線が見えた。しかし,稜線に至る直前の谷がものすごいことになっている。あんな急斜面のガレ谷,本当に登れるのだろうか…。
振り向くと,チブリ尾根が既にあんなに遠くに見える。
振り向くと,チブリ尾根が既にあんなに遠くに見える。
牧草のような草付きに囲まれた高山的な雰囲気の中,連続するナメ滝を越えていく。
牧草のような草付きに囲まれた高山的な雰囲気の中,連続するナメ滝を越えていく。
両岸に大岩壁が連続し始めた…。本当にこの奥に歩いて行って無事に出られるのだろうか,と不安になるような光景。
両岸に大岩壁が連続し始めた…。本当にこの奥に歩いて行って無事に出られるのだろうか,と不安になるような光景。
ニッコウキスゲの群落に励まされながら進む。
ニッコウキスゲの群落に励まされながら進む。
険しい谷中を進む。
険しい谷中を進む。
樋のような斜滝をフリクションを効かせて登っていく。
1
樋のような斜滝をフリクションを効かせて登っていく。
振り向くと,谷のV字の額縁にはめられた大展望。
1
振り向くと,谷のV字の額縁にはめられた大展望。
ついに水切れ。谷というより,もうルンゼと呼んだほうがふさわしいような,険しい岩盤がむき出しとなった地形をひたすら登っていく。
ついに水切れ。谷というより,もうルンゼと呼んだほうがふさわしいような,険しい岩盤がむき出しとなった地形をひたすら登っていく。
巨大な岩壁の間に詰まったガレを辿る。完全に非日常な風景。
2
巨大な岩壁の間に詰まったガレを辿る。完全に非日常な風景。
両側の岩がどんどんせり出してくる。
両側の岩がどんどんせり出してくる。
そしてついに,谷は人一人やっと通れるような極細の峻険なルンゼに。その中に連続するチョックストーンや枯滝を,苦労しつつよじ登っていく。
1
そしてついに,谷は人一人やっと通れるような極細の峻険なルンゼに。その中に連続するチョックストーンや枯滝を,苦労しつつよじ登っていく。
このチムニー状の枯滝は少し高さがあり,岩も脆く,ちょっと苦労させられた。(写真は登り終えた後に見下ろした図)
2
このチムニー状の枯滝は少し高さがあり,岩も脆く,ちょっと苦労させられた。(写真は登り終えた後に見下ろした図)
この後も断続的に小規模な枯滝が続き,一つ一つ慎重に乗り越えていく。
1
この後も断続的に小規模な枯滝が続き,一つ一つ慎重に乗り越えていく。
ルンゼの間から,下界を見下ろす。
1
ルンゼの間から,下界を見下ろす。
ついに無事ルンゼを抜け,谷はガレた急斜面と化していく。
ついに無事ルンゼを抜け,谷はガレた急斜面と化していく。
もうすぐ稜線。しかしこの最後の斜面が本当に急。ガレた斜面に足を取られながらも,何とかハイマツをつかみ,稜線に這い上がる。
もうすぐ稜線。しかしこの最後の斜面が本当に急。ガレた斜面に足を取られながらも,何とかハイマツをつかみ,稜線に這い上がる。
稜線に抜ける前に,最後に谷を振り返る。本当に最初から最後まで明るい雰囲気の谷で,厳しい場面もあるが,最後に振り返ってみると楽しい思い出しか残っていない,そんな谷だった。別山谷よ,ありがとう。
2
稜線に抜ける前に,最後に谷を振り返る。本当に最初から最後まで明るい雰囲気の谷で,厳しい場面もあるが,最後に振り返ってみると楽しい思い出しか残っていない,そんな谷だった。別山谷よ,ありがとう。
ハイマツを数十メートルだけ漕ぐと,ちょうど御舎利山と別山の鞍部に到着。沢装備を解除し,ザックをデポして軽快な足取りで別山に向かう。
1
ハイマツを数十メートルだけ漕ぐと,ちょうど御舎利山と別山の鞍部に到着。沢装備を解除し,ザックをデポして軽快な足取りで別山に向かう。
別山への稜線。今年の1月と3月に登って以来の別山。雪の別山も美しいが,緑の絨毯に包まれた別山も,また格別の美しさがある。
2
別山への稜線。今年の1月と3月に登って以来の別山。雪の別山も美しいが,緑の絨毯に包まれた別山も,また格別の美しさがある。
登山道の両脇には,そこかしこでニッコウキスゲの花盛り。
登山道の両脇には,そこかしこでニッコウキスゲの花盛り。
別山に到着。約4か月ぶりの別山。お久しぶりでございます。
1
別山に到着。約4か月ぶりの別山。お久しぶりでございます。
お宮にもお参り。
1
お宮にもお参り。
3月に辿った懐かしい別山東尾根。楽しかったなぁ。
1
3月に辿った懐かしい別山東尾根。楽しかったなぁ。
遙かなる南白山も,ガスの間からちらりと挨拶してくれた。
遙かなる南白山も,ガスの間からちらりと挨拶してくれた。
白水湖と,白水湖右岸尾根も,遠く。
1
白水湖と,白水湖右岸尾根も,遠く。
大好きな別山からの眺めをじっくり楽しんだのち,下山にかかる。ニッコウキスゲよ,さようなら。
大好きな別山からの眺めをじっくり楽しんだのち,下山にかかる。ニッコウキスゲよ,さようなら。
下山はチブリ尾根。チブリ尾根避難小屋から,ガスの合間に今日遡行してきた別山谷が眺められた。
下山はチブリ尾根。チブリ尾根避難小屋から,ガスの合間に今日遡行してきた別山谷が眺められた。
左手に広がる別山谷の広い谷間を見下ろしながら,チブリ尾根を下っていく。
左手に広がる別山谷の広い谷間を見下ろしながら,チブリ尾根を下っていく。
チブリ尾根の素晴らしいブナとトチノキの巨樹の森を楽しみながら下山を続け,無事,猿壁に到着。橋の上から岩屋俣谷の澄んだ流れを見下ろして惜しみつつ,車の待つ市ノ瀬へとぶらぶら歩いて行った。
1
チブリ尾根の素晴らしいブナとトチノキの巨樹の森を楽しみながら下山を続け,無事,猿壁に到着。橋の上から岩屋俣谷の澄んだ流れを見下ろして惜しみつつ,車の待つ市ノ瀬へとぶらぶら歩いて行った。

装備

備考 ・40mロープ携行。滝の高巻き後の谷への復帰時に1回使用(傾斜が緩かったので、懸垂ではなくゴボウで降りた。)
・懸垂支点になりそうな灌木はたいてい細く、下を向いていることが多いため、捨て縄は用意したほうがよい。
・ラバーの沢靴使用。ぬめりの少ない沢なのでフリクションがよく効き快適だった。

感想

 白山には,別山を囲むようにして,3つの別山谷がある。尾上郷川の別山谷,牛首川の岩屋俣谷の別山谷,大白川の湯谷の別山谷。尾上郷川の別山谷(カラスノ谷)は昨年登ったので,今回は岩屋俣谷の別山谷を詰めて別山に登ってみようと思った。
 岩屋俣谷の別山谷は,終始空が大きく開け,屈託のない明朗な雰囲気の谷で,その高山的な雰囲気の中で清冽な水を浴びながら連続する滝を越えていくうちに,まるで空に向かって登高しているような気分になる。この辺りの雰囲気は,別山を挟んで反対側の別山谷(カラスノ谷)とよく似ている。
 一方で,この谷の特異な景観は,最上部で現れる大岩壁に挟まれたV字谷だろうか。高く切り立った両岸に挟まれ,人一人がやっと通れる殺伐とした地峡のような迫力のある風景の中を稜線に向かって登っていくのだが,そのような威圧的な景観の中でも,見上げる空は明るく,両岸の草付きには高山植物が咲き誇り,不思議に悲壮感はない。
 登りついた別山の稜線は,ニッコウキスゲの花盛りだった。梅雨明けにふさわしい,終始明るい雰囲気の,爽快な山行であった。

※ 後日,右俣の井谷にも入りました。記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7212158.html

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2322人

コメント

お疲れ様でした。
ヒルワンダーさんお久しぶり、別山谷も素晴らしいですが、岩屋又谷もズンズン詰めて左俣に入ると別山平手前の稜線に出て結構楽しいですよ。まだアブいなかったですか?このあたりもアブの時期は地獄ですからね、暗い時間は良いのですが明るくなると下部は大変です。
2020/8/4 6:25
Re: お疲れ様でした。
お久しぶりでございます!おすすめいただき、ありがとうございます。岩屋俣谷のそちらの支谷も、是非いつか入ってみたいと思っています。ニッコウキスゲの時期に別山平のあたりに登りあげたら、気持ちいいでしょうね。
アブはやっぱりいるんですね😵運よく時期が重ならなくて本当に良かったです。大量発生に重なると本当に地獄ですからね…。
コメントをいただき、ありがとうございました!
2020/8/4 8:19
単独?
雪渓なかったんすね。
去年の7/14-15で谷中一泊で同じルートいったんですけど、その時は雪がだいぶ残ってました。

単独で行動時間12時間すか?凄過ぎる。
とてもマネできないっす。
あと、わたしら写真#35の下から左岸を かなり大高巻きしちゃったので、もっかいくらいいって そのあたり水線遡行してみたいもんです。ド素人ながら。

いい記録の共有ありがとうございましたー
2020/8/5 13:54
Re: 単独?
こんばんは!雪渓は全くありませんでした。まだ初旬なので少し警戒してたのですが…。やっぱり今年は本当に雪が少なかったみたいですね。
私も沢は泊まりが好きで、日程が許せば泊まりたかったので、羨ましいです。この日は夜に早く帰らないといけなくて、下山のチブリ尾根をシャカリキに降りたのでそのタイムになっただけで、特別遡行速度が早いわけではないですよ😅
私も#35の滝のあたりから右岸巻きのあと左岸巻きしましたが、#36の奥に見えてる大きめの滝の落ち口のすぐ上あたりに意外に灌木がつながっていて、ぶら下がって何とか降りられた感じです。この谷の高巻きは結構大変ですよね。
コメントいただき、ありがとうございました!
2020/8/5 20:57
Re[2]: 単独?
お返事どうもです。そうなんですね。ワタイの遡行速度が特別遅いことが分かりましたーw のんびりいきますわー。

また、オモロそうな沢登りの記録を楽しみにしてまーっす。ほいでわ。
2020/8/11 16:30
Re[3]: 単独?
い、いや、そういう意味ではないっす〜(^^;
暑い日が続いて、沢日和ですね。chukiさんも良い山行を!
2020/8/11 19:55
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら