錫杖岳 烏帽子岩前衛壁 注文の多い料理店 1ルンゼ
- GPS
- 13:21
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 3,807m
- 下り
- 3,011m
コースタイム
天候 | 4日 晴れ 5日 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
50mダブル2本
アルパインヌンチャク6本
60スリング2本
120スリング4本
180スリング2本
カム#0.2〜#6
#0.5〜#5
クラックグローブ
ソリューション
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感想
山屋にとっては長いトンネルだった梅雨がようやく明けた。
梅雨明け宣言より、梅雨明け十日の好天狙い昨年訪れた錫杖岳。左方カンテを登攀後、下降ルートである注文側を懸垂した時、急峻にそそり立つ岩壁に明瞭なクラックが走るルート、注文の多い料理店には非常に興味が湧き再び錫杖岳に岩を楽しみに行ってきました。
自宅からはアクセスが非常に遠い為、昨年は夜行日帰りの日程でしたが今回は2日間の日程を用意した為、欲を成し目的である注文以外に錫杖の初登ルートでもある1ルンゼの2本を登攀の計画で挑みます。
4日 早朝、中尾温泉口の無料駐車場よりアプローチ開始。久しぶりの夜行のアクセスから寝不足とも有り登攀、幕営装備の重荷が肩に重くのしかかり出だしより大汗を掻きながら笠ヶ岳への一般登山道を辿り高度を上げて行きます。梅雨の長雨で心配していたクリヤ谷の渡渉は思いのほか水量は少なく、飛び石伝いに通過。 久しぶりの重荷に牛歩で進み一般道を離脱し錫杖沢出合へ到着。
平日ですが好天続きの予報に反し天場は貸し切り状態の為、最適地へ陣取り設営した後、軽く登攀装備を整え取り付きへ錫杖沢を詰めて行きます。沢を詰めると言うより左岸より明瞭に踏まれた踏み跡に導かれ高巻きする様に高度を上げ上部樹林帯へ。
樹林帯に入れば明瞭な踏み跡に導かれるも、急登に喘ぎ高度を上げ岩壁基部付近にて左側にある北沢へ進路を取り少し詰めると注文の多い料理店取り付きへ到着。
取り付きから望む注文は急峻にそそり立ち緊張と登攀意欲が交互する中、最終準備を整え登攀開始。
( )内は個人的な体感グレード、ロープスケル
【備考 各ピッチ終了点にはハンガー有り】
【注文の多い料理店】
1P (検40m)階段状のフェイス草付テラスまで。 久しぶりの外岩とも有り緊張。
2P (検30m)テラスより2m程左にトラバースし左上するフレーク状にラインを取り左上した後上部に目視出来るハング直下にて直上しハング下のハンガーにてピッチを切る
3P (⁺ 20m)出だしよりハングの乗越。ハング下に#4を決めハングを強引にレイバック気味に乗り越す。ハングを抜けた後、不要と思っていた#6が役に立つ。
ハング乗り越し後にはワイドクラックが続く為#4〜5が必至、直ぐに球切れに落ちり中間地点に有る地蔵テラスにてピッチを切る。
4P (⁺ 25m)地蔵テラスよりハングを乗り越しクラック沿いに高度を上げる。水平テラス直下にて右にトラバースするが、思いのほか悪い。
5P (⁺ 40m) 右ワイド、左ハンドクラックダブルクラック。正対気味にジワジワ高度を上げ上部は草付交じりのスラブへ上部はランナウト気味
6P (⁺ 40m) 脆いスラブ 岩質が一気に変わり剥がれそうな脆いスラブを抜けると草付帯へ
7P (供25m) 殆ど歩き短いフェースを登り切ると前衛壁頂上へ
下降は同ルート50m連結にて4回懸垂し取り付きへ戻り、翌日登攀予定の1ルンゼ取り付きを偵察した後、帰幕。
5日 早朝すっかり明るくなってからアプローチ開始。朝一からの急登に前日の疲れが加わり足取り重く高度を上げて行きます。前日の偵察により取り付きには迷う事無くスムーズに到着。(左方カンテ取り付きより踏み跡を若干下り気味にトラバースし約5分)準備を整え登攀開始。
【備考 各ピッチ終了点にはハンガー有り 参考にした文献とピッチスケルが全く違った】
【1ルンゼ】
1P (此50m) ルート名はルンゼとなっているが出だしよりフェースの登攀。出だしは階段状で快適に高度を上げる。高度を上げるにつれ傾斜は増して行きランナーも取り難く、朝一ともあって緊張を強い居られるピッチ。トポで言う1,2Pを繋げる、と言うより1P終了点が見当たらない。1Pで着るならNPにて支点構造になるかと思う。終了点直下の凹角の通過が嫌らしく感じた。(個人的にはルート上で核心ピッチに感じた)
2P (⁻ 40m) 短い凹角より高度を上げルンゼを通過し左側のスラブへ進路を移す。そのままルンゼを直登するとV字状岩壁ルートに迷い込むので注意。スラブを登り切るとザレた大きなテラスにてピッチを切る。トポで言う45m、20mを繋げたが体感スケルは40mだった。
3P (⁻ 40m)フェースから高度を上げ上部には3本程右上するカンテ状のラインが見える。どのラインも登攀可能の様なのでRF能力の試されるピッチ。
一番上のスカイラインのカンテ状のラインを取り終了点へ。終了点にはハンガー2本が有るが次のピッチを考えるとロープの流れが悪い為、チムニー状直下の灌木で切る。
4P (検40m)ルート上核心とされるピッチ。ラインは3本程取れるようだが一番左のチムニー状凹角へラインを取る。途中2本ハンガーが打って有った。
岩が脆くブッシュがうるさいので慎重に通過。途中ホールドが剥離した。
5P (検45m)明るいスラブ登攀。スラブの為か、このピッチだけ残置が数本有った。上部の石門目指しチムニー直下でピッチを切る。
6P (⁻ 20m)顕著なチムニーの登攀。上部のスカイライン目指し高度を上げると右に伸びるバンドに出て登攀終了。
下降は終了点より50m1本で懸垂した後2回目以降は50m連結にて計6回の懸垂にて取り付きへ戻る。
1ルンゼ登攀を終えこのルートが約90年前に錫杖の初登ルートで有る事を思うと非常に感銘を受ける中、帰幕し下山。
梅雨の長いトンネルから抜け久々の好天。夏の色、音が心地良い山行を楽しむ事が出来ました
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