蛭ヶ岳南陵を寄から 南北縦断
- GPS
- 09:46
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,851m
- 下り
- 1,864m
コースタイム
天候 | 晴れ 山頂のみガスと霧氷 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
【新松田駅からのバス】新松田駅から25分510円 富士急湘南バス http://www.fujikyu.co.jp/syonan/rosenbus.html 【新松田駅からのタクシー】約4000円 (今回は渋滞のため、本来はもう少し高かったですが途中でメーター止めていただけちゃいました) 【青根から藤野駅】青根からやまなみ温泉行きバスあり(200円)、やまなみ温泉から藤野駅行きバスと接続(220円) 神奈川中央バス http://dia.kanachu.jp/bus/viewtop 青根からは三ヶ木方面と藤野駅に接続するやまなみ温泉方向がある |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 寄大橋からコシバ沢:一般登山道ですが、河原の徒渉あり、鎖場あり、ちょっと難易度高めです コシバ沢出合〜鍋割峠:破線ルートです。登りはじめは河原を行き、しばらくして左岸の小さな尾根状の部分を行きます 自然と再度河原に下りてすぐに5本の杉の倒木を過ぎたら右岸尾根に取り付きます。 ここから先、道は時折細くトラバースもやや危険な部分あります 鍋割峠〜旧鍋割峠:破線も廃道の線もありません。おすすめはできません。 3本の崩壊沢を抜けるルートです。トラバースしてすぐの沢は急な尾根を下がり、比較的簡単に抜けられます。2本目はさらに下がったところで渡ります。これも難しくありません。再度よじ登って3本目ですが、沢の両岸にお助けロープがあります。 今回は地面の凍結で比較的渡りやすかったですが、通常は非常にもろく崩れやすいのでロープ間に苦労します。 鍋割山北尾根:踏み跡はしっかりしてますが、途中で尾根を右におれる部分があります。杉の林に突入したらおかしいと思ってください。私は10m位入り込みました。 最後のコルからは矢印マークが書いてあり、沢に下りていきます。 熊木沢出合〜蛭が岳(南尾根):おすすめしません。廃道ルートです。 崩壊橋を脚立であがり、少しの林道の後、沢の左岸の河原を行きます 1つめの堤防を左岸の旧林道で抜け、2つめの堤防は中央右岸よりで簡単に乗り越えられます。右岸に移り、旧林道を進みます。 本来は廃車の置かれた場所まで進むのが正解ですが、間違って手前の堤防で徒渉してしまい、間違った記憶をもとに間違った尾根に入り込みました。 自信がないまま登りはじめ、判別できるまで登り、コンパスと地図で間違ったことを確認し、登り直しをしています。 蛭が岳南尾根はひたすら急登が続きます。時に岩があり、トラバースしすぎないように注意し尾根を忠実にたどるようにしました。うっすらと踏み跡がみられます。 途中からはテープが出現します。 最後の登りでお助けロープがあり、さらに上に茨の道が待っていますがわずかです。山頂にひょいと飛び出します。 蛭が岳〜青根:一般登山道です。整備は良好です。 【登山ポスト】寄大橋そば水源管理棟にあり 【下山後の温泉・飲食店】青根の鶴屋旅館で可能 |
写真
感想
いつだったか、いずれは行ってみたいと思い、かなわずに一年以上が経ちました。
行くのであればこだわったルートで行きたいもの。
直線的なルートをひいてから、玄倉からの林道が開通してもそこからのアプローチは私には響かなかった。
ここを歩くにはいくつかの条件が必要になる。
まずは、体力。そしてスピード。
あとは基本的な登山の知識と道具類。
まったくトレーニングの時間を取っていないのだから、無理だろうと棚上げしていた。それが宮ヶ瀬に抜けたときの大倉尾根の登りで思いかけない結果を残すことができた。
なんと自己最速の2時間30分以内。
あれだけトレーニングしていた時を上回ったのだ。まさかである。
どうしてなのかは分からない。一つ言えるのは、歩き方が変わったことと、その時には速いペースの登山者が沢山周りにいたことだろうか。
とにかく、体力、スピードに関しては最低はクリアしたのかもしれないと頭をよぎった瞬間に棚の上からこの計画が手元に落ちてきた。
しかし、時期は最悪に近い。
昨日は雪、日照時間は短い。
とにかく、自分ルールで決めたロープとスリング、カラビナを詰めた上で、さらに前爪のある軽アイゼンも載せた。そして、朝から歩くことでカバーするいつもの作戦である。
前日の夕方の仕事を済ませて家路をたどりながら支度を整える。
今回は長い時間になるから、ちゃんとパンも買い込む。
できるだけしっとりしたものを選ぶようにと気を配った。
疲れてくると固いパンや乾燥したものは受け付けなくなるからだ。
何とか支度を終えて早めに床に入るが、なかなか寝付けない。
結局はいつもとあまり変わらない時間になっていた。
朝は4時に自宅を出る。久しぶりの車での移動。こんな時間でもさすがは連休で高速に入るといくらかの車が走っている。
比較的なれた山間の道を車で縫って、寄大橋まで来ると案の定だれもいない。
暗い最中、ここから歩く人はまずいないだろう。
白んだ空をみつつ、道を進む。
途中までは明かりを使って進むが、川をわたる時点ではもう不要になってきた。
尾根を登って小さい沢を越えていく。
目標地点が遠いときには不思議と序盤は苦しくない。不思議なものだ。
コシバ沢も三回目。以前よりも歩きやすくなった印象がある。
沢沿いだからなかなか一定のトレースにはならないが、それでもある程度の踏み跡がまとまりつつある感じだ。台風で荒れた以前のコシバ沢がどうであったかは知らないのだが、だんだんと近づいて行っているのだろうか…?
開けた草原を抜けて鍋割峠に立つ。あらためて気を引き締める。
ここからが本番なのだ。
まずは旧鍋割峠にトラバースする。
鍋割峠からすぐは踏み跡がはっきり見えるが、その後は一気に薄くなる。
以前、教わった通りの通り方で進むが、記憶は少し曖昧になっていた。
少し無駄のある動きで3本の沢をトラバースする。
それでも20分あまりで完了できた。
それも地面が凍って沢の砂利が崩れにくいおかげだろう。
前は散々苦労させられた記憶のある3本目の沢も少しの苦労で抜けることができた。
しかし…お助けロープですでに腕が重い。筋力不足を痛感させられ、一抹の不安がよぎる。極力、手の力を温存するように心がけないといけない。急登では腕に任せる場面もあるのだから。
鍋割山の北尾根は少し気楽に下りる。
しかし、気楽すぎて少しばかりコースアウト。
すぐに気づいたが、気を抜きすぎだ。
しっかりとした踏み跡と印に気をつけながら沢に降りていく。
林道に降り立ち、熊木沢に向かう。
この林道も久しぶりだ。
大分人が入っているためか、崩落部もよく道が付けられている。
それでもかなり山にかえりつつある印象だ。
熊木沢出合には一台の自転車。どなたかが玄倉からきたのだろう。
ここまでなら未舗装の林道をたどってこられるからかなりのアドバンテージになりそうだ。
熊木沢出合の崩落橋を渡り、しばらく歩いてから今日の朝食の続きをする。
シャリバテをしていられるルートではないので、真面目に食料をとらなければならない。今のうちに一番食べにくいブリオッシュをいただく。
山に入るとあまり味にこだわらなくなるが、たまたまおいしいパンを買っておくことができた。緊張のせいか、少し味が分かりにくい。
旧林道を使い、尾根の取り付き付近までやってきた。
ここで変な記憶が邪魔をする。
とりつきの部分の記憶と、有名な廃車の記憶が整合性がとれなくなったのだ。
訳がわからないまま、堤防の部分で徒渉してしまう。(これが間違いで、さらに奥に進んで廃車をみつけてから下りなくてはならないのだということに後で気づいた)
不確かな記憶のまま、周囲に手がかりを探すがみつからない。
尾根に近づきすぎて、尾根の走る方向が見定めにくい。
林道歩きにかまけて、ちゃんとそれまでの地形を見なかったつけなのだが…。
いい加減な記憶のまま、とりあえず記憶の尾根に登ってみる。
おかしい。踏み跡がなく、足下がフカフカである。
そして厳しい岩場。
さすがにこれを登るのは「道」としてはおかしいだろう。
しかし、尾根の判別をつけるためにある程度登る。
そして、再度地図、コンパスで尾根の方向と合わせる。
…手前の尾根だ。
そして登るべきは沢向こうの尾根。
仕方なく、急な尾根を下って、登り直し。
結局30分くらいロスしただろうか。ちゃんと記憶に頼ることなく沢の形状を見るべきで、そこから判断すべきだったと振り返れば思うのだが、現場で不安と持ちながらだとなかなかそこまで吹っ切れる程の実力がないのが現実だった。
とにかくなんとか正しい尾根に乗ることができた。
尾根を登り始めると確かに急ではあるが、間違った尾根より遙かに登りやすい。
しばらくすると、うっすらと踏み跡が見える場所が出てきた。
そしてテープ。
それまでの不安のままの登りが、一転して気楽になった。
とにかく後は体力勝負。登ればよいのだから。
とはいうものの、さすが蛭が岳の直登ルートである。
足が悲鳴を上げてくる。
足を止めて休もうにも平地で休める場所はない。
尾根を左右に部分的にトラバースしては復帰するを繰り返しながら、一瞬の休憩を入れてなんとか上がっていく。
しかし、あまりのだるさに1度本格的に休憩。
足を投げ出して、登って来た尾根を振り返る。
急登…というか、登山道にはならないのがよく分かる。
下から見上げた時の威圧感はさすが蛭が岳、であったのだから当然なのだが。
自分に喝を入れ直し、再び登り始める。
少し足が軽くなった。
そしてだんだんと自分の立ち位置が高くなっていくのを感じる。
周囲も開け、目的地が近いことを感じさせてくれた。
そうなるとますます体と心は軽くなる。
不思議な昂揚感に包まれながら、ロープを過ぎ、茨の道を過ぎると、突如として山頂が現れた。
沢山の人がそこにはいた。
朝からは林道で一人、尾根の取り付き手前で一人としか会っていなかったから衝撃的だ。
山荘で温かいコーヒーを頂戴する。
砂糖を沢山。生き返るようだ。
周囲は残念ながらガス。そのかわり霧氷ができていた。
なつかしい姫次への道を急ぐ。
とても歩きやすい、比較的なだらかなはずの稜線だが、ちいさいアップダウンも足にくる。
よく考えれば朝から8時間が経過しているのだった。
八丁坂のモノレールに沿って一気に下る。
ここも急登の尾根のはずだが、あまりに急な尾根を登りすぎてなだらかなとても歩きやすい尾根に感じる。
林道に降りて集落を縫ってさらに降りていく。
大通りにたどり着くと小さいバスがまさにそこにいた。
バスに飛び乗って駅へと向かった。
帰りの車の回収と渋滞もあってその後も大変であったが、やり遂げたという達成感で包まれながら帰宅できた。いい一日であった。
わたしも以前ここ登ったんですが
この時期だと荒れたルートに落ち葉が乗っかって
滑るわ見えないわの直登だった記憶があります。。。
もうすこし整備すればドMルートとしてもてはやされそうなのに
道を見るのは完全に諦めて、とにかく登ればいいんでしょモードでした
道にはほとんどなってなかったので、バリエーションそのもののつもり位がいいですね
刺激的で楽しかったです
ユーシンが開いたらもてはやされるかもしれないですね
行きたいと、昨シーズン仰っていたのはこれだったのでしょうか。
やりましたね。
このルート、私は初めて見ました。
蛭からと塔の方に回る人が、普通ですよねぇ。
「南尾根」→「南稜」の方がイメージ湧くような気が。
komadoriさん頑張りましたね
南尾根を行くのに一番のネック
鍋割峠からのトラバースだと思っています。
鍋割山への階段ルートで尾根下降はね〜
車の回収も大変でしたが、達成感が上回ったことでしょう。
おめでとう・お疲れ様でした
南尾根→南陵
そうですね
尾根って言うより南陵の方がかっこいい
訂正させていただきます
塔に戻る方が終バスの心配しなくていいし、なにせ戻りやすいんですよね
計算してみれば、寄へ始発のバスで入れば青根の終バスに間に合うんですよね
なにしろ直線ルートが大好きなので、突っ切っちゃいました
行きたいルートの正体はこれと、実はもう一つあります
近々行かれるかは不明ですけれど
ありがとうございます
私なりの努力と根性でした
このルートの難点はとにかくどうやって熊木沢出合にたどり着くのか、ですね…
鍋割峠から旧鍋割峠に一端登ってから下るというのはちょっとなかなか勇気が要ります
トラバースルートは悪路ですし
雨山峠からだと遠回り
玄倉からはさらにさらに遠回り
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