ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 248189
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
丹沢

蛭ヶ岳南陵を寄から 南北縦断

2012年11月25日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
09:46
距離
18.3km
登り
1,851m
下り
1,864m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

5:52寄大橋-7:45鍋割峠-8:05旧鍋割峠-8:50熊木沢出合-尾根とりつきでルートミスあり-12:18蛭ヶ岳12:44-13:45姫次-14:01八丁坂分岐-15:35東野バス停
天候 晴れ 山頂のみガスと霧氷
過去天気図(気象庁) 2012年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
【寄大橋駐車スペース】寄大橋に5台程度の駐車スペースあり
【新松田駅からのバス】新松田駅から25分510円
富士急湘南バス http://www.fujikyu.co.jp/syonan/rosenbus.html

【新松田駅からのタクシー】約4000円
(今回は渋滞のため、本来はもう少し高かったですが途中でメーター止めていただけちゃいました)

【青根から藤野駅】青根からやまなみ温泉行きバスあり(200円)、やまなみ温泉から藤野駅行きバスと接続(220円)
神奈川中央バス http://dia.kanachu.jp/bus/viewtop

青根からは三ヶ木方面と藤野駅に接続するやまなみ温泉方向がある
コース状況/
危険箇所等
【コース状況】
寄大橋からコシバ沢:一般登山道ですが、河原の徒渉あり、鎖場あり、ちょっと難易度高めです

コシバ沢出合〜鍋割峠:破線ルートです。登りはじめは河原を行き、しばらくして左岸の小さな尾根状の部分を行きます
自然と再度河原に下りてすぐに5本の杉の倒木を過ぎたら右岸尾根に取り付きます。
ここから先、道は時折細くトラバースもやや危険な部分あります

鍋割峠〜旧鍋割峠:破線も廃道の線もありません。おすすめはできません。
3本の崩壊沢を抜けるルートです。トラバースしてすぐの沢は急な尾根を下がり、比較的簡単に抜けられます。2本目はさらに下がったところで渡ります。これも難しくありません。再度よじ登って3本目ですが、沢の両岸にお助けロープがあります。
今回は地面の凍結で比較的渡りやすかったですが、通常は非常にもろく崩れやすいのでロープ間に苦労します。

鍋割山北尾根:踏み跡はしっかりしてますが、途中で尾根を右におれる部分があります。杉の林に突入したらおかしいと思ってください。私は10m位入り込みました。
最後のコルからは矢印マークが書いてあり、沢に下りていきます。

熊木沢出合〜蛭が岳(南尾根):おすすめしません。廃道ルートです。
崩壊橋を脚立であがり、少しの林道の後、沢の左岸の河原を行きます
1つめの堤防を左岸の旧林道で抜け、2つめの堤防は中央右岸よりで簡単に乗り越えられます。右岸に移り、旧林道を進みます。
本来は廃車の置かれた場所まで進むのが正解ですが、間違って手前の堤防で徒渉してしまい、間違った記憶をもとに間違った尾根に入り込みました。
自信がないまま登りはじめ、判別できるまで登り、コンパスと地図で間違ったことを確認し、登り直しをしています。
蛭が岳南尾根はひたすら急登が続きます。時に岩があり、トラバースしすぎないように注意し尾根を忠実にたどるようにしました。うっすらと踏み跡がみられます。
途中からはテープが出現します。
最後の登りでお助けロープがあり、さらに上に茨の道が待っていますがわずかです。山頂にひょいと飛び出します。

蛭が岳〜青根:一般登山道です。整備は良好です。

【登山ポスト】寄大橋そば水源管理棟にあり

【下山後の温泉・飲食店】青根の鶴屋旅館で可能 
暗い中、出発です
2012年11月25日 05:52撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 5:52
暗い中、出発です
少し白んだ空を見て、足をすすめます
2012年11月25日 06:07撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:07
少し白んだ空を見て、足をすすめます
徒渉一回目の橋(?)
今日はぽっちゃんなしです
2012年11月25日 06:17撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:17
徒渉一回目の橋(?)
今日はぽっちゃんなしです
紅葉がここまで下りましたね
2012年11月25日 06:18撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:18
紅葉がここまで下りましたね
この先にあるバッテン印の枝の手前から右手の尾根に上がります
昔からずいぶんとわかりやすく印が増えましたね!
2012年11月25日 06:38撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:38
この先にあるバッテン印の枝の手前から右手の尾根に上がります
昔からずいぶんとわかりやすく印が増えましたね!
日が差してきました
2012年11月25日 06:46撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:46
日が差してきました
水のながれが変わったんですね。
鎖場の前になりました
2012年11月25日 06:53撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 6:53
水のながれが変わったんですね。
鎖場の前になりました
コシバ沢出合に到着。しばし、一般登山道と離れます
2012年11月25日 07:06撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:06
コシバ沢出合に到着。しばし、一般登山道と離れます
少し尾根状の部分を進みます
2012年11月25日 07:12撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:12
少し尾根状の部分を進みます
で、河原に下りると…
2012年11月25日 07:18撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:18
で、河原に下りると…
5本の杉の倒木はそのままに
過ぎたらすぐに
2012年11月25日 07:23撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 7:23
5本の杉の倒木はそのままに
過ぎたらすぐに
この取り付きへ
右岸に上がります
2012年11月25日 07:26撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:26
この取り付きへ
右岸に上がります
そのまま上がらないと、ここで行き止まり。
無理に上がらないように…
2012年11月25日 07:35撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:35
そのまま上がらないと、ここで行き止まり。
無理に上がらないように…
道が白いのは、霜のせい
2012年11月25日 07:40撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:40
道が白いのは、霜のせい
ここはどこ?
と思わせる静かな登山道です
2012年11月25日 07:42撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 7:42
ここはどこ?
と思わせる静かな登山道です
鍋割峠に来ました
2012年11月25日 07:45撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:45
鍋割峠に来ました
お祈りしてから、旧鍋割峠に向かいます
2012年11月25日 07:45撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:45
お祈りしてから、旧鍋割峠に向かいます
トラバースしてすぐに急な尾根を下りて
2012年11月25日 07:49撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:49
トラバースしてすぐに急な尾根を下りて
一本目の沢を抜けます。
2012年11月25日 07:51撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 7:51
一本目の沢を抜けます。
二本目を抜けて
2012年11月25日 07:58撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 7:58
二本目を抜けて
三本目は…
2012年11月25日 08:02撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:02
三本目は…
お助けロープでクライムダウン中
2012年11月25日 08:03撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 8:03
お助けロープでクライムダウン中
よじ登って旧鍋割峠
2012年11月25日 08:05撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:05
よじ登って旧鍋割峠
ブナが立派です
2012年11月25日 08:12撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 8:12
ブナが立派です
2012年11月25日 08:16撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:16
2012年11月25日 08:16撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 8:16
尊仏平方向も見えます
2012年11月25日 08:24撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 8:24
尊仏平方向も見えます
絨毯はカラフル
2012年11月25日 08:24撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 8:24
絨毯はカラフル
ここから林道におります
2012年11月25日 08:29撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 8:29
ここから林道におります
林道到着。静かですね。
2012年11月25日 08:38撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:38
林道到着。静かですね。
熊木沢出合につきました
2012年11月25日 08:49撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 8:49
熊木沢出合につきました
今日の目標です
2012年11月25日 08:50撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:50
今日の目標です
崩落橋
2012年11月25日 08:51撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:51
崩落橋
脚立で登りました
2012年11月25日 08:52撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 8:52
脚立で登りました
林道から河原へ、再度林道へ
2012年11月25日 08:54撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 8:54
林道から河原へ、再度林道へ
有名?な看板
2012年11月25日 09:01撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 9:01
有名?な看板
堤防を乗り越えて
2012年11月25日 09:15撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 9:15
堤防を乗り越えて
林道へ
2012年11月25日 09:21撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 9:21
林道へ
穴ぽこ
左をチョイス
2012年11月25日 09:23撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 9:23
穴ぽこ
左をチョイス
右はこわいことが分かります
2012年11月25日 09:24撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 9:24
右はこわいことが分かります
空が青い!
2012年11月25日 09:26撮影 by  DSC-TX10 , SONY
5
11/25 9:26
空が青い!
2012年11月25日 09:37撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 9:37
一頭分の骨が落ちてました
足ですね
2012年11月25日 09:39撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 9:39
一頭分の骨が落ちてました
足ですね
悩んだ取り付き
ぐるぐるした上、間違って登って確認…
2012年11月25日 09:43撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 9:43
悩んだ取り付き
ぐるぐるした上、間違って登って確認…
気を取り直して登り直し。
急ですね
2012年11月25日 10:34撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 10:34
気を取り直して登り直し。
急ですね
ほっと一息
2012年11月25日 10:51撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 10:51
ほっと一息
テープありました
2012年11月25日 10:58撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 10:58
テープありました
臼ヶ岳方面との対比でどのくらい上がったかが分かります
2012年11月25日 11:16撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 11:16
臼ヶ岳方面との対比でどのくらい上がったかが分かります
やっぱり道には見えません
2012年11月25日 11:29撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 11:29
やっぱり道には見えません
でも、花は咲いています
がんばって
2012年11月25日 11:31撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 11:31
でも、花は咲いています
がんばって
富士山!
元気が出ます
2012年11月25日 11:31撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 11:31
富士山!
元気が出ます
おーっと
アルプス方面も〜
嬉しいですね
2012年11月25日 11:31撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 11:31
おーっと
アルプス方面も〜
嬉しいですね
さらにさらに富士山
白い衣がきれいです
2012年11月25日 11:32撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 11:32
さらにさらに富士山
白い衣がきれいです
急さがわかりますか?
足は悲鳴です(笑)
2012年11月25日 11:33撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 11:33
急さがわかりますか?
足は悲鳴です(笑)
もう少し天気持ってくださいね
2012年11月25日 11:50撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 11:50
もう少し天気持ってくださいね
でも、雲が…そしてガスが…
2012年11月25日 11:50撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 11:50
でも、雲が…そしてガスが…
こりずに富士山
2012年11月25日 11:50撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 11:50
こりずに富士山
つららもあります
2012年11月25日 11:51撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 11:51
つららもあります
振り返って、ここまで上がってきたことを再確認
2012年11月25日 11:59撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 11:59
振り返って、ここまで上がってきたことを再確認
さあ、もう少し
2012年11月25日 12:03撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 12:03
さあ、もう少し
雪が残っていました
軽アイゼン入れてきたのも的外れではなかったかな
2012年11月25日 12:03撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 12:03
雪が残っていました
軽アイゼン入れてきたのも的外れではなかったかな
主脈の眺め
2012年11月25日 12:04撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 12:04
主脈の眺め
お助けロープ出現、もう一息
2012年11月25日 12:07撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 12:07
お助けロープ出現、もう一息
で…いばらの道…
いたいいたい
頼むから、ほっかむりの帽子が引っかかるのはなんとかして欲しい
2012年11月25日 12:13撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 12:13
で…いばらの道…
いたいいたい
頼むから、ほっかむりの帽子が引っかかるのはなんとかして欲しい
開けたら…
2012年11月25日 12:17撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 12:17
開けたら…
いきなり山頂です
変なとこから出てきたぞ?の視線を浴びるかも知れません
2012年11月25日 12:18撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 12:18
いきなり山頂です
変なとこから出てきたぞ?の視線を浴びるかも知れません
2012年11月25日 12:19撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 12:19
つきました〜
2012年11月25日 12:21撮影 by  DSC-TX10 , SONY
14
11/25 12:21
つきました〜
一息いれてる皆様
お先に失礼します
2012年11月25日 12:44撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 12:44
一息いれてる皆様
お先に失礼します
お、北斜面はさすがにあります
昨日の雪
2012年11月25日 12:45撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 12:45
お、北斜面はさすがにあります
昨日の雪
きれいなトレイルですね
2012年11月25日 13:14撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 13:14
きれいなトレイルですね
2012年11月25日 13:32撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 13:32
気楽に歩ける登山道に感謝です
2012年11月25日 13:38撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 13:38
気楽に歩ける登山道に感謝です
本当に久しぶりの姫次
でも、あえて蛭が岳は振り返りません
ガスが晴れてたらくやしいから(笑)
2012年11月25日 13:45撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 13:45
本当に久しぶりの姫次
でも、あえて蛭が岳は振り返りません
ガスが晴れてたらくやしいから(笑)
富士山は見ます
2012年11月25日 13:46撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 13:46
富士山は見ます
初めてのルートへ
どんなかな
2012年11月25日 14:01撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 14:01
初めてのルートへ
どんなかな
都会方面です

これ見て、帰らずにこのまま泊まりたくなりました
光化学スモッグかしら?
2012年11月25日 14:03撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 14:03
都会方面です

これ見て、帰らずにこのまま泊まりたくなりました
光化学スモッグかしら?
急と言えば急ですが、今日は感覚が狂っていますので、なだらかに見えます
2012年11月25日 14:11撮影 by  DSC-TX10 , SONY
1
11/25 14:11
急と言えば急ですが、今日は感覚が狂っていますので、なだらかに見えます
紅葉の中へ
2012年11月25日 14:29撮影 by  DSC-TX10 , SONY
2
11/25 14:29
紅葉の中へ
林道に出ました
2012年11月25日 14:55撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 14:55
林道に出ました
字、違ってるし…ぐすん
2012年11月25日 15:20撮影 by  DSC-TX10 , SONY
3
11/25 15:20
字、違ってるし…ぐすん
バスに飛び乗ってしまったのでゴール写真はこれになりました
2012年11月25日 15:22撮影 by  DSC-TX10 , SONY
11/25 15:22
バスに飛び乗ってしまったのでゴール写真はこれになりました

感想

いつだったか、いずれは行ってみたいと思い、かなわずに一年以上が経ちました。
行くのであればこだわったルートで行きたいもの。
直線的なルートをひいてから、玄倉からの林道が開通してもそこからのアプローチは私には響かなかった。

ここを歩くにはいくつかの条件が必要になる。
まずは、体力。そしてスピード。
あとは基本的な登山の知識と道具類。

まったくトレーニングの時間を取っていないのだから、無理だろうと棚上げしていた。それが宮ヶ瀬に抜けたときの大倉尾根の登りで思いかけない結果を残すことができた。
なんと自己最速の2時間30分以内。
あれだけトレーニングしていた時を上回ったのだ。まさかである。
どうしてなのかは分からない。一つ言えるのは、歩き方が変わったことと、その時には速いペースの登山者が沢山周りにいたことだろうか。
とにかく、体力、スピードに関しては最低はクリアしたのかもしれないと頭をよぎった瞬間に棚の上からこの計画が手元に落ちてきた。

しかし、時期は最悪に近い。
昨日は雪、日照時間は短い。

とにかく、自分ルールで決めたロープとスリング、カラビナを詰めた上で、さらに前爪のある軽アイゼンも載せた。そして、朝から歩くことでカバーするいつもの作戦である。

前日の夕方の仕事を済ませて家路をたどりながら支度を整える。
今回は長い時間になるから、ちゃんとパンも買い込む。
できるだけしっとりしたものを選ぶようにと気を配った。
疲れてくると固いパンや乾燥したものは受け付けなくなるからだ。

何とか支度を終えて早めに床に入るが、なかなか寝付けない。
結局はいつもとあまり変わらない時間になっていた。

朝は4時に自宅を出る。久しぶりの車での移動。こんな時間でもさすがは連休で高速に入るといくらかの車が走っている。
比較的なれた山間の道を車で縫って、寄大橋まで来ると案の定だれもいない。
暗い最中、ここから歩く人はまずいないだろう。
白んだ空をみつつ、道を進む。
途中までは明かりを使って進むが、川をわたる時点ではもう不要になってきた。
尾根を登って小さい沢を越えていく。
目標地点が遠いときには不思議と序盤は苦しくない。不思議なものだ。

コシバ沢も三回目。以前よりも歩きやすくなった印象がある。
沢沿いだからなかなか一定のトレースにはならないが、それでもある程度の踏み跡がまとまりつつある感じだ。台風で荒れた以前のコシバ沢がどうであったかは知らないのだが、だんだんと近づいて行っているのだろうか…?

開けた草原を抜けて鍋割峠に立つ。あらためて気を引き締める。
ここからが本番なのだ。
まずは旧鍋割峠にトラバースする。
鍋割峠からすぐは踏み跡がはっきり見えるが、その後は一気に薄くなる。
以前、教わった通りの通り方で進むが、記憶は少し曖昧になっていた。
少し無駄のある動きで3本の沢をトラバースする。
それでも20分あまりで完了できた。
それも地面が凍って沢の砂利が崩れにくいおかげだろう。
前は散々苦労させられた記憶のある3本目の沢も少しの苦労で抜けることができた。
しかし…お助けロープですでに腕が重い。筋力不足を痛感させられ、一抹の不安がよぎる。極力、手の力を温存するように心がけないといけない。急登では腕に任せる場面もあるのだから。

鍋割山の北尾根は少し気楽に下りる。
しかし、気楽すぎて少しばかりコースアウト。
すぐに気づいたが、気を抜きすぎだ。
しっかりとした踏み跡と印に気をつけながら沢に降りていく。

林道に降り立ち、熊木沢に向かう。
この林道も久しぶりだ。
大分人が入っているためか、崩落部もよく道が付けられている。
それでもかなり山にかえりつつある印象だ。
熊木沢出合には一台の自転車。どなたかが玄倉からきたのだろう。
ここまでなら未舗装の林道をたどってこられるからかなりのアドバンテージになりそうだ。
熊木沢出合の崩落橋を渡り、しばらく歩いてから今日の朝食の続きをする。
シャリバテをしていられるルートではないので、真面目に食料をとらなければならない。今のうちに一番食べにくいブリオッシュをいただく。
山に入るとあまり味にこだわらなくなるが、たまたまおいしいパンを買っておくことができた。緊張のせいか、少し味が分かりにくい。

旧林道を使い、尾根の取り付き付近までやってきた。
ここで変な記憶が邪魔をする。
とりつきの部分の記憶と、有名な廃車の記憶が整合性がとれなくなったのだ。
訳がわからないまま、堤防の部分で徒渉してしまう。(これが間違いで、さらに奥に進んで廃車をみつけてから下りなくてはならないのだということに後で気づいた)
不確かな記憶のまま、周囲に手がかりを探すがみつからない。
尾根に近づきすぎて、尾根の走る方向が見定めにくい。
林道歩きにかまけて、ちゃんとそれまでの地形を見なかったつけなのだが…。
いい加減な記憶のまま、とりあえず記憶の尾根に登ってみる。
おかしい。踏み跡がなく、足下がフカフカである。
そして厳しい岩場。
さすがにこれを登るのは「道」としてはおかしいだろう。
しかし、尾根の判別をつけるためにある程度登る。
そして、再度地図、コンパスで尾根の方向と合わせる。
…手前の尾根だ。
そして登るべきは沢向こうの尾根。
仕方なく、急な尾根を下って、登り直し。
結局30分くらいロスしただろうか。ちゃんと記憶に頼ることなく沢の形状を見るべきで、そこから判断すべきだったと振り返れば思うのだが、現場で不安と持ちながらだとなかなかそこまで吹っ切れる程の実力がないのが現実だった。
とにかくなんとか正しい尾根に乗ることができた。

尾根を登り始めると確かに急ではあるが、間違った尾根より遙かに登りやすい。
しばらくすると、うっすらと踏み跡が見える場所が出てきた。
そしてテープ。
それまでの不安のままの登りが、一転して気楽になった。
とにかく後は体力勝負。登ればよいのだから。

とはいうものの、さすが蛭が岳の直登ルートである。
足が悲鳴を上げてくる。
足を止めて休もうにも平地で休める場所はない。
尾根を左右に部分的にトラバースしては復帰するを繰り返しながら、一瞬の休憩を入れてなんとか上がっていく。

しかし、あまりのだるさに1度本格的に休憩。
足を投げ出して、登って来た尾根を振り返る。
急登…というか、登山道にはならないのがよく分かる。
下から見上げた時の威圧感はさすが蛭が岳、であったのだから当然なのだが。

自分に喝を入れ直し、再び登り始める。
少し足が軽くなった。
そしてだんだんと自分の立ち位置が高くなっていくのを感じる。
周囲も開け、目的地が近いことを感じさせてくれた。
そうなるとますます体と心は軽くなる。
不思議な昂揚感に包まれながら、ロープを過ぎ、茨の道を過ぎると、突如として山頂が現れた。

沢山の人がそこにはいた。
朝からは林道で一人、尾根の取り付き手前で一人としか会っていなかったから衝撃的だ。
山荘で温かいコーヒーを頂戴する。
砂糖を沢山。生き返るようだ。
周囲は残念ながらガス。そのかわり霧氷ができていた。

なつかしい姫次への道を急ぐ。
とても歩きやすい、比較的なだらかなはずの稜線だが、ちいさいアップダウンも足にくる。
よく考えれば朝から8時間が経過しているのだった。
八丁坂のモノレールに沿って一気に下る。
ここも急登の尾根のはずだが、あまりに急な尾根を登りすぎてなだらかなとても歩きやすい尾根に感じる。
林道に降りて集落を縫ってさらに降りていく。
大通りにたどり着くと小さいバスがまさにそこにいた。
バスに飛び乗って駅へと向かった。

帰りの車の回収と渋滞もあってその後も大変であったが、やり遂げたという達成感で包まれながら帰宅できた。いい一日であった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2386人

コメント

南尾根
わたしも以前ここ登ったんですが
この時期だと荒れたルートに落ち葉が乗っかって
滑るわ見えないわの直登だった記憶があります。。。

もうすこし整備すればドMルートとしてもてはやされそうなのに
2012/11/26 9:39
Mt_thetaさんへ
道を見るのは完全に諦めて、とにかく登ればいいんでしょモードでした
道にはほとんどなってなかったので、バリエーションそのもののつもり位がいいですね

刺激的で楽しかったです

ユーシンが開いたらもてはやされるかもしれないですね
2012/11/26 18:19
komadoriさん、こんばんは。
行きたいと、昨シーズン仰っていたのはこれだったのでしょうか。

やりましたね。

このルート、私は初めて見ました。

蛭からと塔の方に回る人が、普通ですよねぇ。

「南尾根」→「南稜」の方がイメージ湧くような気が。
2012/11/27 20:28
通称「旧鍋割峠」
komadoriさん頑張りましたね
南尾根を行くのに一番のネック
鍋割峠からのトラバースだと思っています。
鍋割山への階段ルートで尾根下降はね〜

車の回収も大変でしたが、達成感が上回ったことでしょう。
おめでとう・お疲れ様でした
2012/11/27 22:07
ricalojpさんへ
南尾根→南陵

そうですね

尾根って言うより南陵の方がかっこいい

訂正させていただきます

塔に戻る方が終バスの心配しなくていいし、なにせ戻りやすいんですよね

計算してみれば、寄へ始発のバスで入れば青根の終バスに間に合うんですよね

なにしろ直線ルートが大好きなので、突っ切っちゃいました

行きたいルートの正体はこれと、実はもう一つあります
近々行かれるかは不明ですけれど
2012/11/28 20:25
kazikaさんへ
ありがとうございます
私なりの努力と根性でした

このルートの難点はとにかくどうやって熊木沢出合にたどり着くのか、ですね…

鍋割峠から旧鍋割峠に一端登ってから下るというのはちょっとなかなか勇気が要ります
トラバースルートは悪路ですし
雨山峠からだと遠回り
玄倉からはさらにさらに遠回り
2012/11/28 20:30
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 丹沢 [2日]
【VR】寄大橋〜蛭ヶ岳南陵 周回ルート
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら