7歳児とゆく青空と花畑とクマのハマイバ&大蔵高丸
- GPS
- 09:13
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 997m
- 下り
- 985m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
かえり:タクシーでJR甲斐大和駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
やまと天目山温泉から米背負峠入口:林道としては崩落箇所があるけれど歩行者には問題なし 米背負峠入口から米背負峠:きわめて状態よし、ほとんどずっとゆるい登り 米背負峠から天下石:やや急坂 天下石からハマイバ:わずか数メートルだが壁のような超急坂あり ハマイバから大蔵高丸:くまがいたよ 大蔵高丸から湯の沢峠:よく整備されている 湯の沢峠から湯の沢登山口:昨年の台風直後はひどい荒れっぷりだったが、かなり修復されている。ただし登山口付近に何箇所か「とんち」の必要な渡渉あり 湯の沢登山口からやまと天目山温泉:真っ暗でも歩ける立派な舗装道 |
その他周辺情報 | 天目山温泉は下山したらすでに終わってました |
写真
感想
梅雨明けの遅かった今年、8月になってやっと青空が広がった。
そしてやってきた猛暑。東京にいては暑い。
涼を求めて海に何度か行ったけれど、山はどうなんだろう?
低山だと暑くてのぼせちゃうだろうけど、高いところならどう?
大蔵高丸のお花畑が今きれいだという。
残り5座になった「大月秀麗富嶽12景(20座)」、
ハマイバとあわせてゲットしちゃうのも悪くなさそう。
標高1700mオーバー、きっと涼しいよね。
この2座に向かうには、
1) 湯の沢峠駐車場から
2) やまと天目山温泉から
3) 笹子駅から滝子山を越えて
がメジャーなルートといったところ。
1は車で標高の高い峠まで行くパターン。楽なんだけど、もうちょっと登りたいかな。
2はのぼりもくだりもかなり長く林道を歩く。
3は滝子山というすでにそれ自体立派な山を越えるハードなコース。
迷ったけど、まあ、2かな。林道があまりにも直射日光の世界だったら撤退も考えねば、だけど。
山行計画でだいたいの時間をはかり、バスの時間を調べてさあ出発!
……そのどちらも間違っていたことにこのときはまだ気づいてませんでした!!
JR甲斐大和駅、9:04到着。9:10の上日川峠行きバスを待とう……
と思ったら。
お盆休みは、【平日ダイヤ】なんですってよ!
正しい時刻では、バスは9:50発だった。ここで40分をロスする。
ほかにお二方ほど、同じように9:10のバスを待っていた方がいらっしゃった。
タクシーを呼んでもいいけど、来るまで最低でも15分くらいはかかってしまうとのことで、おとなしくバスを待つことに。
栄和交通の運転手さんに、「タクシーは大型でも上日川峠まで6000円くらいだから大人6人以上いればバス(1020円)とあんまり変わらないかむしろ得」という情報を得られたのでよしとしよう。
思わぬ待機時間ができてしまったが、息子はコクワガタ(の亡骸)を発見して上機嫌。そうこうしてなんとか時間をつぶしていると、上日川峠ゆきのバスが登場。
やまと天目山温泉に10:10ごろ到着。この路線を上日川峠まで乗ったときも、昆虫館まで乗ったときも、ハードなバス酔いをしていた息子だが、ここまでなら大丈夫だったようだ。
さて、やまと天目山温泉から山登りをされる方がいたらぜひ覚えておいていただきたいのは、このあたりはdocomo以外の携帯電話キャリアだと電波が入らないということ。そしてそれはつまり、【ここでヤマレコを起動してもGPSがうまく働かない】ということである。駅で起動しておく(そしてあとでバス移動のぶんの軌跡をカットする)のがよいのかもしれない。
さて、やまと天目山温泉からハマイバ丸を目指す場合、大蔵沢大鹿林道から米背負峠に向かう。その林道の入り口は天目トンネル甲斐大和側入口の脇にあるので、温泉のバス停からやや坂道をくだることになる。7歳になったばかりの息子、ここぞとばかりに猛ダッシュする。その勢いのまま、林道ゲートに到着。わきから通過する。
がしかし、勢いはここまでだった。僕の手をつかみ、体重をかけて、ひっぱられようとする手抜き息子が登場。これやめれ、というと「パパはアスファルトの道ぼくがきらいなの知ってるでしょ、なのにここ選んだんだからひっぱって」という。はい、そうですね。
なかなかの距離がある林道歩きだが、思ったよりも陰が多く、8月の灼けるような直射日光をそこまで浴びずに進むことができた。正直、ここが暑すぎたら撤退を考えていたのでラッキーだ。林道は車のための道なので、一般登山道い比べればアップダウン穏やか。ちゃんと歩いてくれない息子以外、とてもうまくいっていた。
林道の斜面に、トカゲを2回発見。1度めは高いところにいて、さらに高く逃げていった。2度めは尾がブルーに光る幼子、枯れ葉にもぐって消えた。いずれも取り逃がした息子は地団駄。クロアゲハも取り逃がし、「このやまはぜんぜんしぜんがとれない」と怒る息子であった。そんなわけで全然進まない。
さらにはたわわに実ったエビガライチゴを発見。すっぱいかと思いきや、これが甘みもしっかりあって美味。いくつか食べたあと、「これをままのおみやげにしよう」。そんなわけでいちご摘み大会が開催されてしまい全然進まない。
ヤマブドウを見たり、林道の崩落箇所をみて驚いたり、オニグルミを割ったりしながら歩いて行くと、舗装がとぎれ、やがて広場のような場所に出た。登山口だ。やっとかよ、そしてもう12時半過ぎてるじゃないか、、、
お茶をたっぷり飲んで、スタート。息子よ、望みどおりアスファルトは終わり登山道になったのだ、どんどん進んでくれ。
米背負峠への登山道は、最初に数回渡渉があるほかはとてもシンプルな沢沿いの道。傾斜もゆるやかでかなり歩きやすい。沢の水はとてもきれいで冷たく、タオルを濡らして首に巻くと一気に涼しくなった。
クチベニタケを見つけ、大きめのカエルを捕獲して、何回か休んで。おなかすいたという息子をなだめて。道が沢を離れてトラバースになって、わりとすんなり米背負峠に到着。14時を回っている、、、急いでおにぎりと焼き魚を食べる。大谷ヶ丸に寄る余裕はない。食べ終わった息子が倒木を平均台にして遊んでいる。
ツワブキが黄色い花を咲かせている坂をしばらく登り、天下石に。表示板から「山頂」という文字が消されている。
天下石から先は、この連山ならではの美しいトレック。抜けるような青空の下に広がる草原と低木の続く稜線を歩いていくのだ。そうそうこの風景を見に来たんだよね。ただ、振り返って見える景色がそれはそれはきれいで、もしかして回る方向は逆のほうがよかったんじゃないかと思った。
このあたりに、数メートルくらいながら壁のような超急坂を登るところがあった。土がカラカラに乾いていて、靴がくいこんでくれない。根っこを掴みながらなんとか、と思ったらその根っこが切れて落ちそうになる。必死の思いで登ったのだが、息子は身軽にひょいっとクリアしていた。
気持ちのいい風が通り抜ける草原。下界は真夏日でも、この高原ちょうどいいくらいに涼しい。気持ちいいね、と息子と言い合いつつ、オダマキやシモツケ、ワレモコウなどの花を愛でながら進んでいくと、本日ひとつめのゴール・ハマイバ丸。秀麗富嶽の山頂だけど、今日はちょっと富士山は見えない。
ここからはあまりアップダウンのない、気持ちよすぎるトレック。林を進み、草原を抜け、また林、、、と、あれ、木がゆれてる。もふもふの黒いぬいぐるみがあせった様子で木をかけおり、森に消えて行った。
クマだね。
って! クマってほんとにいるんだね! 初めて見ました! ヤッホーイ!
なんてハイテンションではもちろんなく、一瞬身構えてしまったものの。あちらさんがまだ少し小さい(高校生くらい?)こと、あちらさんのほうがよほどにあせっていたこと、じゅうぶんな距離があること、などでさほどの危険はないと思われた。ただただ、ごはんかあそびの邪魔しちゃってごめんよ、という思いだった。息子はなぜか見逃していた。
クマポイントのすぐあとは草原、ついでゲートのあるお花畑。柵のなかに入って、もうひと段階安心した。
そして、このハマイバ・大蔵高丸間のお花畑の素晴らしさときたら!
ハクサンフウロ(?)、ツリガネニンジン(紫・白)、ルリトラノオ、コオニユリ、コウリンカ、ワレモコウ、などなど、まさに百花繚乱。ふつうのより2.5倍くらい長い花のワレモコウを見つけた息子、大喜び。
じっくり見ていたいけど、今日はものすごく時間が押している。というかけっこう絶望感がある。それでも前に進まないと。
お花畑から出て、青空と大草原をくぐり抜けて行くと、本日ふたつめのゴール・大蔵高丸に到着。こちらはさすが、270度くらいの大パノラマが広がる絶景山頂である。こんなにいい天気なのに出てこない富士山は本当にどうかしてる。
東京では手に入らない絶景を楽しむ父、砂と石で地面になにかを作ろうとしている息子。ひとしきり楽しんだら出発しないと! 時刻はもう17時近い!
大蔵高丸のお花畑は、さほど花が咲いていなかった。しかしこのあたりの、遠くの山をながめながら草原の中を歩いて行くという光景、これはやはり素晴らしい。
湯の沢峠までの道は傾斜もゆるやか、整備も行き届いていて、とても楽に降りて来ることができた。問題はこの先、湯の沢登山口までの沢つたいの道……!!
去年の晩秋に訪れたときは、台風が道をめちゃくちゃにしていて、かなり手間どった。そのままだといやだな、でもいちど歩いているのでなんとかなるかなと思っていた。
実際のところは、もうかなり修復がなされていて、昨秋あんなに苦労したところがほとんど全部直っていた。これならサクサク降りていける。
ただ、高度がさがり、沢が太くなるにつれて、ハードめの渡渉がいくつか出てくる。成長した7歳児はうまく渡れそうな石を見つけたり、ないなら置いたりしている。そうだぞ、英語数学まるでダメだけどサバイバルのほうはインテリです、みたいな大人になれ。
昨秋はだっこしてジャンプした無理めの渡渉箇所も息子は自力でクリアし、わだちのある旧林道?に出た。草が生え放題だけど、ここまでくれば安心だ。
エビガライチゴはこちらのほうにも満載である。ただ、なぜかこっちのはかなり酸っぱかった。陽当たりのせいなのか。
このあしあとはきょねんのぼくのだ(いや無理やろ)、なんて話をしながら、湯の沢登山口に到着。ここからは少し長いアスファルト、がんばろう。息子の靴をふつうの運動靴に換装する。
前回もそうだったが、夕焼け空に富士山がシルエットを見せてくれた。おつかれさん、と言われてるようだけど、どうせならちゃんと山頂ででてきてほしかったよね。
昨秋は途中で真っ暗になり、心細さマックスの息子を肩車で連れて帰った。でも今回は、「こころのほそさはにめーとるぐらいあるからだいじょうぶ」という。これがマッチのように細くなり、ついに折れると歩けなくなるのだという。
長い長い林道歩き、さすがに神社のあたりでしんどいと訴える息子だったけれど、懐中電灯を与えると、おばけだぞーをやったり影で巨人を作ったりと楽しく歩いてくれた。
かなりかなりがんばった山歩き、やまと天目山温泉に到着して終了! そして温泉やってない!(18:30まで)。タクシーを呼びましょう。
タクシーの運転手さんが温泉を別のところと勘違いして迎車に行くなどしてさらに遅延、結局JR甲斐大和駅に到着したのはなんと20:20。さらにさらに、1時間前くらいにおとなり笹子駅付近でクマが電車とぶつかったせいで電車がまったく来ない。
帰宅時刻、23:20。もちろん妻にひどい目にあわされた。
なんでこんなことになったのか調べてみると、山行計画で歩行タイムの計算を間違えていたせいだった。そもそもバスの時間を間違えていたし、、、なにかもっと間違えていたら大変なことになったのかもしれない。もう少し、いやもうだいぶ慎重にいかないと。
とはいえ、全体的にはよい大冒険だった。よい高原によい花畑、よい景色。16キロを超える行進、ママへのおみやげイチゴ。次回はもっと安全に大冒険しよう。
※大月秀麗富嶽十二景、17/20クリア! 残るは大菩薩峠とほぼセットの小金沢山、雁ヶ腹摺のときに取り残した姥子山、低山すぎてむしろ取りにくいお伊勢山。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する