丹沢・ユーシン沢からユーシン尾根へ 秋のような日に
- GPS
- 08:48
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,972m
- 下り
- 1,711m
コースタイム
天候 | 晴れ、まるで秋のような暖かな日でした |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
小田急線 新松田からバスで寄行き、終点 520円 西丹沢自然教室 から JR谷峨駅 740円…だったかな? |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 寄〜雨山峠〜ユーシンロッジ: 一般登山道ですが、沢沿いであること、徒渉があることから、雨天時は回避した方が良いでしょう。増水に注意です。 東丹沢のメインルートからはルートファインディング、道の幅など数段難しくなりますのでご注意ください。鎖場もあり、時に両足をそろえた幅程度しか道がない場所があります(長くはありませんが) ユーシンロッジ〜檜洞出合: 崩壊激しい廃道です。全くお勧めできません。一般登山道しか歩いたことのない登山者は入ってはいけないレベルです。ルートは踏み跡程度、道を外せば厳しい状況になります。落ちればただ事では済みません。 ピンクテープをたどります。檜洞沢出合手前は尾根を乗越しますが、急登の上、虎ロープでの下降となります。これを信じるかは個人の判断に任せます。 今回は、固定部、結び目、ロープの状況を確認した上で持ち込んだロープは使用せずにトラロープを使いました。 檜洞沢出合〜金山谷乗越: 序盤はとにかく急登、尾根上は踏み跡があります。しかし、鹿の物も多し…。極端な危険箇所はありません。 金山谷乗越〜檜洞丸〜西丹沢自然教室: 一般登山道です。整備は良好。 ※GPSデータは谷筋のため、ずれています 【登山ポスト】寄バス停、寄水源林管理事務所、西丹沢自然教室 【温泉】中川温泉は17時までなので利用できず |
写真
感想
いつだっただろうか、もう数年前のことになる。ユーシン沢の沢登り記録を目にした時から、ここを一度訪れてみたいものだと思っていた。
もちろん、私は一般登山者であって、沢登りの素養もなにもない。いきなり行かれる訳もなかった。昔にはここにも登山道があって、今は崩壊激しく地図からは黒破線すら消されてしまっている。
棚上げされた計画の奥の方にしまっておいた。いつか実現できれば、というつもりで。
ユーシンも来年には賑やかになるのだろう。秘境のようなユーシンはみんなの憩いの場となるのだろう。それは素晴らしいことだが、一方で少しだけ寂しさもあったりする。今のうちに実現できないだろうか・・・?
これまでいくつかの一般登山道以外を歩いてみている。下見のつもりで行ってみよう。そう考えていた。
とりあえず、朝一番のバスに乗り込んだ。冬と言うこともあって乗り込んだのは私を含めてたったの二人。それでも寄大橋には数台の自家用車があった。
とりあえず、ユーシンロッジまでは『通勤』の心づもりで歩くことにとにかく集中。道は以前とは大きく変わらず、それでも部分部分で狭い。東の中では特異な道だ。それでも何度も通ってきたユーシンへの道である。困ることもなくすんなりと雨山峠に立つ。富士山は今日もきれいだ。今日は穏やかそうな表情を見せている。
ここからは一度下る。気温が高いせいで、道は凍っていない。これには助けられた。
ロッジの裏手の薬科大の小屋の間から金山谷乗越への道に入る。
意外にしっかりと道が付けられているように思った。それも給水施設の裏まで。
間違えてポンプ施設の先の堤防を乗り越えて行ってしまう。
おかしい、道がみえないなと思いつつ、あこがれの滝まで行ってみる。
美しい沢。ここがどこだったかも分からなくなりそうな白い岩に青い水。
とにかくこの先を見たい。そのためにはまずは戻る。
給水施設の横の土管のあたりから無理矢理坂を登る。数分登ると登山道が見えた。
給水施設を右から巻いたときに見えた上に登る道につながっているのだろうか。
ピンクのテープをたどって道を進む。
いくつもの道の崩落に出くわす。
いくつかは容易に通過、時にかなりの精神的な圧力を感じながらの通過…
ここで落ちれば、命があぶない、という場所もある
慎重に体を運んでいく
ピンクテープを見失うと、すぐさま厳しい状況に立たされる
おかしい、と思って目線を広げ、体を引くと、大概はみのがしたテープがあった
河原に下りて、少しだけ進むと、檜洞出合へと進む尾根の乗越にぶつかる
急登を進んで上に立つ。トラロープが設置されている。これは事前情報通り。
固定状況、ロープ状況、ロープの結び目、いずれも確認。さらに引いて確認。
これが使えないと判断した場合の自前のロープは今回は使わないことにした。
崖を下り、あこがれの場所に着いた。見たかった景色がそこにあった。
やはり美しい。それを自分ひとりで見るのだから、贅沢なこと。
…さて…
下見のつもりだったのだが、ここからあの道を戻るか?
正直、気が乗らない。明らかにユーシン尾根に進んだ方が安全だと判断して、地図、コンパスで方向を定める。間違いなく、目の前の急な尾根だ。
ほぼまっすぐに登っていく尾根。沢を徒渉し、足を進めた。
とにかく、登る。
尾根状になったところで踏み跡がはっきりとしてきた。
尾根は時には狭くなるが、しっかりとしている。やはりここには大きな困難はない。
冬枯れの晴れた尾根はとにかく気持ちが良い。
小鳥のさえずりも、聞きやすい。
美しい沢の景色を反芻しながら、心地よく登る。
対比する同角山稜があるから、どのくらいの位置かがよくわかる。
地図は………、落とした!
ズボンのポケットのベルクロが外れている
急登で落としたらしい…
申し訳ないと思いつつ、回収に戻る時間がないのであきらめる。予備の地図で行こう。
登り口こそ急登だが、この間の蛭が岳南陵のような延々と続く急登ではないので足は何とか保ってくれた。しかし、距離が実は長い。
ツツジ新道のゴーラ沢出合を日没前1時間で通過しなくては、という思いがチラチラとしてくる
あの場所を薄暗い中に通過はしたくない。
時間としては、微妙なライン。焦っても逆にダメなのだからと抑えつつ、止まらないようにと心がける。
時に鹿の足跡を使い、時に古くからの踏み跡を使い尾根をたどると、はっきりとした道に合流した。
覚えのある道。主稜の道だ。
ここからは泥濘の道を何とか重くなった足を持ち上げて進んでいく。
青ヶ岳山荘はひっそりとしており、そして檜洞丸山頂はたった3人の登山者のみしかいない。
休みもほとんどなく、そのままツツジ新道へ。
久しぶりだが、自分がどのあたりに進んだかがすぐに分かる。知った道とはここまでの安心感をもたらすものなのか…。
だんだんと低くなる日の明かりの中、15時半少し前にゴーラ沢出合に到着
少し多めの川の水。難なく通過して一安心。
軽やかになって、ゴールを目指した。
komadoriさん
よくぞあの荒れ果てた経路を檜洞出合へ
そして急登の中間尾根を金山谷乗越へ(拍手デス)
峠からの富士山、この季節はクッキリ綺麗でしたね
komadoriさん、こんばんは。
このルートへ私も憧れを抱いているのですが、komadoriさんと同様に「私は沢登りのスキルがないし」という理由で足を踏み入れていません。
知人は「そんなに難しい沢じゃないから登山靴でも大丈夫だよ」というのですが、人の言う「簡単」は私の考える「簡単」とは違うことがままあるので、慎重に自重しています。
レポを拝見してわかりました。簡単じゃないじゃん!もう少しスキルアップしてから行きます。
ありがとうございます
ユーシン沢はとても美しく,さらに天気はいいし富士山まで綺麗でご褒美をもらいっぱなしでした
夏だったら靴をぬいでわざと素足で渡渉したくなりそうなくらいでした
堤防すぐの滝の脇を写真を撮ろうと入口の岩を登山靴で登りましたが,なかなか滑って気を使いました.
多分,沢登りの道具とその季節であれば崩壊林道を行くよりも沢を詰めたほうがいいのかもしれないという意味なのかもしれません….
崩壊登山道自体は沢登りの技術というよりも崩壊した斜面を安全に通れるかどうかにかかっていると思います.
私ではそろそろ限界に近いかなと思いました.
実は地下足袋が欲しいと思った次第です
komadoriさん、こんばんは。
このレコ、気づきませんで、melonpanさんから教えてもらいました。ユーシン沢からユーシン尾根を去年の12月に歩いていたのですね。最も一年で一番日が短い時期にこのルートだと大変だったでしょう。雨山峠経由というのは流石です。ご苦労様でした。
自分が歩いた時は去年の6月だったので日が長くて楽でした komadoriさんは途中で尾根に巻いてトラロープで下りていますが、自分はそれが分からずに沢沿いで登りましたが、あそこは沢の方が景色は綺麗です。次回に行く事が有れば沢沿いも歩いてみて下さい。
しかしユーシン尾根への登り口、良く分かりましたね。先々週に行った時は去年の6月に確かめておいたのにも関わらず、直ぐに見つける事ができませんでした
水温もあがって緑も気持ちいいこの季節にユーシン沢を遡行できたらすてきですね
私の脚力ではひとつひとつ行くのが精いっぱいですが、今度は沢を行かれるところはいってみたいなとおもっています
あ、ユーシン尾根へのよじ登りは
まともに上り口探さずに直登しました
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