【関東百名山・日帰りツアー】鳩待峠〜笠ヶ岳〜湯ノ小屋(至仏ピストンから予定変更:車の回収に一苦労…)
- GPS
- 08:34
- 距離
- 22.1km
- 登り
- 1,120m
- 下り
- 1,898m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 8:19
天候 | 朝方ガス・小雨、のち晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
(復路)湯ノ小屋へ下山、マイカー回収のため湯ノ小屋[関越交通バス:1,550円]→ 水上[JR上越線:330円]→ 沼田[関越交通バス:2,100円]→ 尾瀬戸倉へ大移動(所要3時間半…)。全てSUICA利用可 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・小山沢田代→小笠の間、泥濘多し。スパッツ推奨 ・笠ヶ岳山頂直下の直登区間、岩ゴロゴロの急斜面が続きスリップ・落石注意[※ロープ・鎖等ナシ、薄いマーキングあり] ・笠ヶ岳→林道十字路出合までの間、倒木が多く迂回路通行時にルートを外さぬよう注意 <総歩行距離の表示が22km強となっていますが、実際の歩行距離は18-19km前後と思われます…> |
その他周辺情報 | 湯ノ小屋温泉の旅館等で日帰り入浴可(小生は登山口近くの「照葉荘」旅館で入浴:大人600円、露天風呂あり) |
写真
装備
備考 | [消費水分量]PETボトル(500ml)×2<氷結:ソルティライチ、午後ティー>、ガッツギア×1、現地調達の沢水約200ml、ポリタン水約200ml |
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感想
今夏は日本アルプスの泊まりがけ山行がコロナ禍で自粛モード。下界の酷暑に耐えかね、去りゆく夏を惜しんで、8月最後の晴天の週末、このところのマイブーム・上信方面の標高2,000m超の日帰り関東百名山ツアーに、金曜夜から出撃します。今回のターゲットは尾瀬エリアの入口、鳩待峠から至仏山と併せてピストンするハイカーの散見される鋭峰・笠ヶ岳。「笠ヶ岳」と名の付く名山は他にも北アルプスや志賀高原にあり、いずれも山頂直下に切り立った岩場を纏い、遠くからでもピラミダルな山容が目に付くのが共通の特徴です。
今回は単独行、金曜午後少し早めに帰宅し、夕食も済ませて夜7時半過ぎには出発します。関越道・赤城高原SAまでは極めて順調、ここで「深夜割引」当て込んで車中仮泊。翌朝は午前3時半過ぎに始動、マイカー規制のかかる尾瀬戸倉に向かうと、人気の夏の尾瀬エリアのゲートウェイながら、第1駐車場にスムーズに入れました。車中で軽く朝食も済ませ、4:40の始発バスに乗り込むと、尾瀬ヶ原を目指すハイカーが未明からかなりの数乗ってきます。乗車時に検温された他、マスク着用も求められているものの、狭いマイクロバスの車中は結構な「プチ3密」状態…。帰路もこの混雑に巻き込まれるかと思うと、少々気詰まりです。
ともあれ、朝靄けむる鳩待峠に午前5時過ぎ到着。大半のハイカーは、登り一方通行の至仏山東面登山道を反時計回りで周回すべく、山の鼻方面へと下っていきます。当方は、笠ヶ岳・至仏山のダブルピストンの計画にて、ハイカーも疎らな至仏山方面の登路へと足を踏み入れます。出だしは緩やかで広く歩きやすい樹林帯の道ながら、予報とは異なり、ガスに小雨もパラつく生憎の天気。本来なら尾瀬ヶ原の広闊な展望が開けるはずの原見岩を過ぎ、ようやくガスが上がって青空も覗きますが、笠ヶ岳方面への分岐点となる小山沢田代を過ぎても、至仏山方面のガスはなかなか晴れません。
復路の展望を期待しながら、まずは笠ヶ岳を目指して歩を進めると、前方のガスが上がり、小笠から笠ヶ岳本峰へと連なる伸びやかな稜線と左前方の視界が開け、一気にテンションアップ。一旦下って樹林帯に入ると、一転して足下はグチャグチャの泥濘と倒木パラダイス。帰りもこの難行を強いられるのか、と再び気が滅入った頃、ふと地図を見ると、笠ヶ岳から奥利根湖畔の湯ノ小屋へと下る長い縦走路が目に入ります。至仏山は過去2回の登頂がいずれもガスガス、展望ナシで「3連敗」は避けたい上、泥濘と倒木だらけの登り返しと、小山沢田代からの下降路(午後は山ノ鼻方面からの至仏山下山者も重なり大賑わい…)や鳩待峠からの帰りのシャトルバスの混雑を想像すると、湯ノ小屋ルートの下山がにわかに魅力的なプランとして浮上します。このルートを辿ると、越後三山から上州武尊付近まで尾瀬〜上越の足跡が繋がる上、辛い登り返しや帰路のバス等の混雑も回避できる一方、問題点として‥鬟両屋から水上へのバス便がやや少なく(1日4〜5往復)、戸倉の車回収にかなりの手間と時間・コストがかかる、湯ノ小屋でバス待ちの間に日帰り入浴する際、着替えを車に置いてきてしまったため、臭い衣類を再度着る必要あり…といった懸念もあります。2番目は如何ともし難いものの、一点目がこの計画見直しのキモで、何とかスマホの電波が繋がってバス時刻を調べられるタイミングを計りつつ、笠ヶ岳山腹を巻くルートを早足で進みます。
巻き道をクリア、笠ヶ岳への直登ルートとの分岐点まで来ると、相変わらず至仏山方面のガスは晴れず、遠くにはモクモクと灰色の雲も湧くのが見て取れます。他方、湯ノ小屋方面の下山路は予想よりしっかりした道で、途中通過する雰囲気の良い片藤沼の湿原も見下ろせて、この時点では湯ノ小屋ルートへの下山に気分が大きく傾きます。ところが、見通しの利く下界方面に大きな市街地がないせいか、スマホは相変わらず圏外。短い休憩の後、まずは本日のメイン、笠ヶ岳を攻略。四肢を駆使し、岩ゴロゴロの間を縫って約10分、急登をクリアすると展望絶佳の無人の山頂に到達。本来なら尾瀬や谷川、日光他の山々も間近に仰げるはずが、この日は生憎雲が多く、湯ノ小屋方面へと続く気持ち良さそうな稜線が望めるのみ。関東百名山踏破記念の自撮りを終え、ちょうど下から登ってこられた男性ソロの方(結局この日コース中でスライドしたのはこのお一人のみ…)と慎重にすれ違いつつ、急斜面を下って分岐に戻ると、何とほんの一瞬だけスマホの電波が繋がります。早速湯ノ小屋からのバス便を調べると、午後2時半発のちょうど良い時刻に水上駅行きがあることが判明。湯ノ小屋までは約10km、四時間半の長丁場ですが、頑張ってコースタイムを縮めれば、お風呂に入るチャンスもありそうです。
ということで、急遽当初計画を変更、勇躍湯ノ小屋方面の縦走路へ足を踏み入れます。間もなくして片藤沼の雰囲気の良い湿原から、この日一番の「逆さ燧」の景色など眺められ、大いに満足。コースもマーキングは少なめながら全体的に分かりやすいものの、尾根道は先年の台風の影響か「倒木祭り」状態。所々で迂回路からヤブに突っ込みかけますが、どうにか修正しコースタイムより少し早めに咲倉沢頭の避難小屋着。ここからは足ガクガクの急斜面の下りを経て、細かいアップダウンの多い尾根道を延々と進んでいきます。標高が下がった分、気温も上がり、途中の水場で仕込んだペット水や飴・ゼリーで水分・栄養補給に努めるものの、カロリー・塩分不足も重なって熱中症寸前、半ばゾンビ状態にて慣性力で下っていきます。コースタイムを短縮できないまま、チェックポイントの林道十字路を通過、ここからも延々と続く里山の尾根道や灼熱の林道歩きに、思わず栂海新道最終区間のヘロヘロ状態の記憶が蘇りますが、緑蔭のショートカット山道で涼しく歩けたことも幸いして、何とか目標の午後2時少し前、無事ゴールの湯ノ小屋へ下山完了。
早速、登山口近くの老舗風旅館「照葉荘」の門を叩くと、本来午後3時からの日帰り入浴を少し早めてくれ、一番風呂に入れることに。熱々の内風呂・露天風呂は結構なお湯でしたが、糖分不足と体温上昇でダウンせぬよう、余った黒飴を舐めながら入浴。クサい下着を仕舞い、脱いで持ち歩いていたカッターシャツを袖まくりで着込んで、風呂上がりのコーラ500ml一気飲み。至福の瞬間ですが、宿の主人にお話を伺うと、今年はやはりコロナ禍でお客さんが半分以下に減り、頼みのGoToキャンペーンも手続きが煩雑でほとんど利用していない由。この地は上州武尊の登山口でもあり、次に訪問する機会があれば、是非泊まりがけで訪れたいと感じたひとときでした。
さて、時刻はまだ14:30過ぎながら、ここからのマイカー回収が一苦労。まずはガラガラの路線バスで50分かけて水上駅へ出た後、駅の待合室でSocial Distance確保に気をつけながら弁当昼食を済ませ、上越線鈍行で沼田へ移動。ここでまた約30分強の待ち時間、思わず湧き上がる食欲につられ、駅前のそば店で冷たい十割ソバを賞味。土産屋で手土産も調達し、最早一般観光客の風体です。ここから戸倉行きのバスは本数こそ多く便利ながら、途中老神温泉に寄ったりターミナルの鎌田で時間調整したりとまったりしたダイヤで、タップリ1時間半の行程…。結局、湯ノ小屋から直線距離だと10〜15km前後の道のりながら、公共交通機関を乗り継いで計3時間半、運賃4,000円をかけ、ようやく午後6時過ぎ、辺りが薄暗くなる時分に、スタート地点の尾瀬戸倉駐車場に帰着。ここからはさすがに土曜夜とあって関越道も渋滞フリー、途中SAでの夕食も済ませて(相変わらず摂取カロリー多し…〈溜息〉)過去最速の3時間フラットで自宅まで帰り着けたのは、せめてもの幸いでした。
今回は現地での思いつきで急遽ピストン予定を縦走に変更、ダウンロードした地図もないまま、入山地点から遠く離れたポイントに下山するというプチアドベンチャーを体験しましたが、これはこれで新鮮でスリル満点でした。とはいえ、携帯も通じないマイナーなコースでは、万が一のアクシデントや道迷いがあっても助けが呼べない可能性も高いので、次からは出発前に複数のコースオプションを検討し、地図もダウンロードしておくよう心掛けることと致します!
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