【表日光縦走】道は失うは、熊には遭うは、車の施錠は忘れるは…
- GPS
- --:--
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,937m
- 下り
- 2,493m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
〔下山〕二荒山神社前から蓮華石まで路線バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
裏見滝・寂光滝分岐から女峰山の唐沢小屋までルートがはっきりせず苦労しました。笹が深いので朝は露でびしょ濡れになります。ルートも無いに等しいので準登山道と思った方が良いでしょう。 私は荒沢出合いの手前で完全に迷ってしまったので、獣道を使って枝沢を何本か横切り、唐沢小屋下の大ガレを詰め、水場手前で登山道に合流しました。大ガレの登攀は危険ではないので、分からなくなったら大ガレに入ることを目指せば良いと思います。 |
写真
感想
9/8(火) 晴れ
週末がいろいろ忙しいため、しばらく山に行けておらずストレスがたまる… という事で週半ばに休暇を取得した。どこへ行くか迷っていたが、結局天気が比較的よさそうな日光へ。登ったことのない女峰山に登り、男体山まで縦走でつなげてみようと思い立った。日帰りとしては少し長いが、まだ秋分の前で陽も長いため、何とかなるであろう。
寂光滝は朝でも薄暗くおどろおどろしい雰囲気だ。いきなりの急坂で一汗かかされるが、その後は広い尾根が嫌というほどダラダラ続く。カラマツの疎林で見通しは良いのは幸いだが、ルートは完全に深い笹で覆われており、朝露でズボンや靴の中がびしょぬれになってしまう。
裏見滝との分岐を過ぎるとルートはますます判然としなくなり、荒沢の手前で完全に迷ってしまった。時間は早いので地図と地形を見極め、行けそうなところを適当にトラヴァースしながら歩いてゆく。カラマツと笹薮の見通しがよい地形なのでどこでも歩けると楽観視していたが、やがて針葉樹の密林となり、地形も枝沢を横切るようになりスムーズに進まなくなった。
定石からすれば道のわかるところまで戻るべきであるが、幸か不幸かここで私はヤブ漕ぎの本能が働いてしまい、獣道をかぎ分けながら枝沢を渡り、ずんずん進んでしまった。このまま進めば登山道にいつか当たるはずなので、それほど深刻には考えていなかった。しかし、やがて大きなガレにぶち当たった。五万図にもこのガレは載っており、ガレを渡った先に登山道があるはずだった。しかしガレの縁は急峻で崩れており、向こう岸に渡るのは危険そうだった。地図をよく読むと、ガレをこのままつめれば女峰山の冷水の直下で登山道に合流しそうだ。詰めれるところまで詰めて、滝が出てきてダメだったら戻ろうと、先へ進んだ。
結局このガレに難所は全く無く、目論見通り冷水の下で登山道に合流した。女峰山の冷水は川がいきなり始まっていると言って良いほどの豊富な湧水である。ここで水筒を満タンにした。一時はどうなるかと思ったが、なんとか無事に唐沢小屋に着いた。女峰山の山頂までは小屋から30分もかからなかった。
女峰山で絶景を堪能し、富士見峠まで降りた。気になっていた野門への廃道への看板がある。廃道と言いつつ結構登っている人もいるのでそこそこ道はあるのだろう。ひょっとすると今回登った寂光滝からのほうがよっぽど道が不明瞭かもしれない。時間が足りなそうなら富士見峠から寂光滝に戻ろうと考えていた。路迷いがあって時間がかかったものの、標準コースタイムより2時間は早く歩いている。なんとか行けそうだと先へ進む。
小真名子山、大真名子山と二つのモッコリしたピークを越える。双方非常に急峻であるが、標高差はそれほどでもないので順調に進んだ。日光らしい火山地形が味わえる山でとても気に入った。山頂からの眺めもなかなか良かった。
志津乗越へはこれでもかというほど下る。体調不良や時間不足なら男体山を登らずに志津林道から戦場ヶ原へ下ってしまうオプションもあったが、男体山越えもなんとか行けそうだ。躊躇なく先へ進んだ。とは言いつつも体力はかなりヘロヘロ… 五合目でへばって休んでいるとトレランの方が登ってきて挨拶する。人の少ないエリアでいきなり声をかけて驚かせてしまった、、申し訳ないですm(__)m。
山頂には4時に着けば御の字と思っていたが、30分弱早く着いた。もう20年近く前に登った時、突き立てられた大剣は鉄製で、真っ黒に錆びていたが、新調されていて銀色に塗装されてまばゆいばかりに光っていて驚いた。終バスより1本早いバスに間に合いそうなので、休憩もそこそこに急いで下ることにする。
林道まで順調に下り、やれやれあと少しだと思っていたら林道の脇からガサゴソ音がする。どうせいつもの鹿か猿だろうと思ってスマホをいじりながら無視して歩いていたが、不思議となかなか逃げていかない。おかしいな?何だろうと思って立ち止まった瞬間、10メートルくらい先を熊が猛スピードで横切って行った! 口あんぐりでしばらく呆然と立ち尽くした。危ないところだった。熊に会うのはこれで5回目くらいだが、今までで一番の至近距離での遭遇。子熊と成獣の間くらいの小さい個体。母熊が近くにいたら私の身も危ないと思い、急に怖くなった。周囲をしばらく注意深く確認したが、横切った個体以外の気配はなさそうだ。ストックをたたいて音を出しながら林道を降りた。
二荒山神社まで無事下山。バスにも余裕で間に合った。バスでいろは坂を下り蓮華石のバス停に着いたらもう真っ暗。寂光滝までは街灯がないため途中からヘッ電歩きになったが、なんとか無事に車にたどり着いた。着いてびっくり、、車のキーロックがかかっていない! 何とロックを忘れて登山に行ってしまっていたのだった。幸い荒らされた形跡はなかったが、不注意に反省しきりであった。
ハプニングも多かったが、天気もほぼよく、満足度の高い山行でとても楽しめた。有名な山も平日中日に行くと人が少なくていいものである。この日あった人は5人だけで、男体山以外で会った方は2人だけであった。
おしまい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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junjapaです。またまた冒険的な楽しいレコでした。クマの遭遇から径迷い、そしてクルマのアンロックと無責任な言い方ですが、飽きない記録でした。道迷いのところは、改めてログのルートを見ましたが、ちょっと沢状をそのまま登るというあたり地図ではわかりませんでした。ログは沢を登っていないように見えました。いずれにせよ、あまり人の入りが少ないルート、往時はメインで今は廃れたということなんでしょうか。これで200名山ゲットですね! お疲れ様でした。あ、写真の方も天然色 でとてもきれいです。
ハプニングは多かったですが、幸い大きなトラブルもなく充実した山行でした。
ログは実際に記録されたものではなく、ヤマレコ付属のものを引っ張ってきたものなので正しい登山道です。荒沢の分岐のかなり手前から右の方にそれて真北に進み、地図上にある3つの砂防ダムの少し上で大ガレに入りました。
地図では荒沢分岐から冷水までの登山道は部分的に大ガレの中についているように見えます。しかし実際は右岸の高い所にあり、ガレ縁を登って登山道まで到達するのはちょっと危険そうでした。幸いガレの傾斜が緩かったのでそのままガレを登りました。
今回はGPSを持っていかなかったので、少し難易度が高かったですが、読図の練習にはなり、地図読みも目論見どおりだったので良かったです。
それにしても私は栃木の山でよく迷います。栃木に行く時は気をつけようと思います。
地元の山です。懐かしいぃ。
kananaskisさん、コメントありがとうございます。
私は日光はほとんど行ったことがないので、土地勘もなく大いに迷ってしましました。日光は首都圏に近いのに手があまり入っていない地域もありとても好感がもてました。
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