槍ヶ岳
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- GPS
- 32:52
- 距離
- 43.5km
- 登り
- 2,110m
- 下り
- 2,098m
コースタイム
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:39
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 8:13
天候 | 9月10日:雨 9月11日午前中晴れ後曇り 午後は雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
さわやか信州号5803便(グリーンカー) 9月9日(水) 22:25バスタ新宿発→9月10日(木)05:20上高地バスターミナル着 帰り さわやか信州号5804便(スタンダード) 9月11日(金) 15:00上高地バスターミナル発→20:50バスタ新宿着(中央道事故渋滞で約1時間遅延) 22:55自宅着 http://sawayaka.alpico.co.jp/route/kamikochi/shinjuku/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
流石に槍ヶ岳のスタンダード道です。非常に整備された登山道でマーキングも沢山有り、道迷い含め危険箇所はありません。ただアプローチが長く遠いだけです。 槍ヶ岳山頂への岩稜帯も足場や鎖・梯子がよく整備されているのでミスをしなければ特に問題ありません。 |
その他周辺情報 | 上高地の「小梨の湯」に入湯しようと思って寄りました。が、上高地一帯の施設はコロナウイルス対策ということで外来利用者を全て断っているとのことで、利用できませんでした。宿泊予約者のみ利用可でした。そこを何とかと頼んでも冷たく断られました。さわんどにでも行って入ってくださいと言われましたが、私は上高地からの直行バスで帰るので日帰り温泉は諦めました。さわんどやあかんだなエリアは受け入れているので、登山者だけでも利用させてくれれば良いのに、多分組合の決定でしょうが上高地エリアは一寸冷たいなぁと感じました。 http://www.nihonalpskankou.com/facility/bathhouse.php |
写真
「穂高よさらば」はレコの最後にリンクを貼りました。
予想通りしばらくすると雨が再び降り始めました。レインウェア無しで歩けたのは二時間僅か位だったなぁ。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
フリース防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
GPX(ガーミンeTrex30xJ)
薄荷スプレー
ヘルメット
トラベルカバー
マスク
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感想
○42年振りの槍ヶ岳
高校三年生(17歳)の時に学校の有志数人で一眼レフカメラを背負って槍ヶ岳に登って以来、42年振りに槍ヶ岳へ登ってきました。
当時は多分横尾に一泊して槍ヶ岳山荘へ二泊目をして登ったような記憶があります。
山頂への鎖場・梯子場が少し違っていて、山頂直前の長い梯子の右手に鎖場の残骸が残っていました。当時は梯子で直接山頂へ登ることは出来ずに、右手の鎖場をトラバースしながら山頂へ登っていましたので、そこが一番怖かった記憶があります。
久し振りに登ってみて、最初の岩をよじ登るところの方がキツく、鎖や梯子が出てくる中間点からは体力的には楽に登れるなと感じました。
何と、42年前の朝に山頂に立った時に生まれて初めてブロッケンを目にすることが出来たのですが、今回の山頂でも綺麗な三重の虹の輪、ブロッケンが現れたのです。
何かの縁を感じました。
42年前と同じで笠ヶ岳方面は眺望が良く、ブロッケンも見ることが出来ました。やはり穂高連峰方面は雲に覆われていて時折稜線の端が見えるだけで、キレット稜線の風雨が強いことが想像されました。
○撤退と予定変更
心が折れた初日の登りでした。
上高地バスターミナルから上下のレインウェアを着込まねばならない雨の山行でした。予定のコースタイムよりは早く登れましたが、天狗原分岐から上は冷たい風雨の中を一人黙々と登り続けました。
槍ヶ岳はもちろん周囲の山も全く見えず、時折下山してくる人に尋ねると、上は雨も強いし風もあって寒いですよ、といった話ばかりでした。
山頂登頂は諦めて帰っている登山者ばかりで、今日は槍ヶ岳ピークへは登らないことにしようと決めました。
何より槍ヶ岳山荘へ残り1500(メートル)と岩にペンキで描かれていた辺りからは、登り詰めで息がすぐに上がるようになり、足が前に出なくなってしまっている位へばってしまったことです。高山病ではと疑う位に30メートル歩いては立ち止まり、20メートル歩いては立ち止まり、残り1000、800、500と100メートル単位のペンキマーキングが減らないこと減らないこと、100メートルがこんなに長いのかと思ってしまうほどバテてしまっていました。
さらに這々の体で漸く槍ヶ岳山荘へ着き、宿泊の手続きをしながら「明日はどうされますか」と従業員に聞かれたので「明日の天候で決めようと思っています。明日の天気はどうですか」と尋ねると、「明日も明後日もずっと今日と同じですね。そこに予報が書いてあるので読んでください」と素気ない対応です。大キレット方向も風雨が強いでしょうとのことでした。槍ヶ岳だけ朝9時くらいまでは雨ではなく霧と書かれていました。
周囲の登山者情報だと、明日の朝だけ数時間少し良くなるということですが、その後はまたずっと雨のようだということです。
槍ヶ岳への登頂すら危ない天候です。大キレットから北穂高岳への道のりは槍ヶ岳を幾つか越えていくような感じだと認識しているので、疲れているとはいえ天気さえ酷くなければ一晩寝れば体力が回復するだろうから行きたいと思っていたのに、絶望的な天気予報しか入ってきません。
さらに指定された大部屋に入ってみると、ソロの登山者ばかり6人が集められていました。
表銀座を縦走してきたIさんは東鎌尾根が危なかったので明日は横尾へ降りると、年の近い槍沢ロッヂから登ってきたKさんは槍ヶ岳山頂も止めて横尾へ下ろうかと、若い二人の内一人は早朝ご来光を拝みに槍ヶ岳へ登り、そのまま南岳から大キレットへ向かうと、もう一人のS君はこんな雨なので明後日帰る予定を変更して明日上高地まで下りバスに乗る変更手続きをしたとのこと、最後の強者は、明日は槍ヶ岳登った後西鎌尾根で双六経由黒部源流から雲ノ平山荘へ行くと、といった具合に二人以外は皆今日の冷たい風雨と明日以降の天気予報で、大部屋はネガティブな雰囲気で満ち満ちていました。
今日の長丁場の登りでバテバテな私も、明日の槍ヶ岳は風雨でも登りはするが、大キレットはパスして上高地へ下ろうということに決めてしまいました。
心が折れていました。
明後日のバスをキャンセルし、明日のバスを予約しました。(実際はキャンセルだけ出来ていて明日の予約は出来ていなかったのです。危ない。)
翌朝には北穂高小屋へ電話してキャンセル連絡をしました。
結局42年前に登った時と同じ、槍ヶ岳への一般ルートピストンへの計画変更としたのです。
(まあ、ログ記録のなかった槍ヶ岳のログが作れるし、高校三年以来の還暦記念登山なので、それでもいいか)と迷ったあげくに大キレットを諦めてしまいました。
天候の悪化も理由の一つですが、いきなり槍ヶ岳山荘までバスターミナルから登って来ることが意外とタフで足に来たことも撤退・予定変更の大きな理由でした。
一言で言えば、心が折れてしまっていたのです。
少々の天候不良が何だ、良い天気だけが山の天気ではないし、自分は岩稜帯のルートは得意なので、体調さえ良ければ突っ込むのさ、を基本としている私です。
しかし、今日は突っ込む心が全く沸き起こってこないのです。
珍しく撤退・予定変更の山行としました。
自分の心に負けた、自分の体力に負けたという山行になりました。
夜行バスで余り眠れなかったことも原因かもしれません。
次回はよく考えて南岳や大キレットと北穂高岳を目指そうと思っています。
山行計画を自宅に帰ってから見てみると、緊急時の対応・ルートに「悪天候時は槍ヶ岳のみピストンで北穂高小屋と高速バスをキャンセルすること。」と書かれていました。
その通りになってしまいましたが、自分に負けた!という残念な気持ちで一杯です。
○ソロ仲間
山小屋で話をした大部屋一緒の5人とは楽しい話しがたくさんできました。
唯一大キレットに行ったマラソンランナー(3時間20分が記録だそうです)の彼は私と同じバスに乗っていたのに昼頃には槍ヶ岳山荘に着いてしまい、この悪天候の中すでに山頂に登ってきたそうです。
テント泊から天候悪化の為小屋に入ってきた6人目の彼は、相当健脚な方で、8:30消灯直前まで談話室のストーブで持ち物を乾かしながら歓談しました。(以前、西穂高から穂高連峰を縦走して南岳まで大キレットを歩き天狗原まで行ったことがあるが、気をつければそれほど危険な箇所ないので大丈夫ですよ、ミスすると命取りになりますがね)と元気づけてくれましたが、この方ともっと早く話をしていれば大キレットに突っ込んだかもしれません。でも次回挑戦する勇気を貰いました。
○槍ヶ岳山荘
槍ヶ岳山荘は何となく冷たい感じの小屋で、コロナ対策ということで宿泊客のスリッパもないことにはあきれてしまいました。山頂ピストンのザックのデポも7:30過ぎるようならば外の軒下に置いておいてくださいといった感じでした。この系列の山小屋には泊らないようにしたいと思いました。
https://www.yarigatake.co.jp/yarigatake/
途中行き会った方々、山小屋で一緒になった方々、登山道整備の方々に感謝の山行でした。頑張って雨の中登ってきたということで、翌朝数時間だけ青空をくれ槍ヶ岳を見せてくれた山の神様に、そして温かく見守ってくれた家族に感謝の山行でした。
もうじき61歳ですが17歳の自分にはまだまだ負けないぞということを証明できた山行でした。
ありがとうございました。
※穂高よさらば
https://www.bing.com/videos/search?q=%e7%a9%82%e9%ab%98%e3%82%88%e3%81%95%e3%82%89%e3%81%b0+%e8%8a%b9%e6%b4%8b%e5%ad%90&ru=%2fsearch%3fq%3d%25E7%25A9%2582%25E9%25AB%2598%25E3%2582%2588%25E3%2581%2595%25E3%2582%2589%25E3%2581%25B0%2b%25E8%258A%25B9%25E6%25B4%258B%25E5%25AD%2590%26form%3dANNTH1%26refig%3d7d995c905aca43f8b837219e51780735%26sp%3d2%26qs%3dSC%26pq%3d%25E7%25A9%2582%25E9%25AB%2598%25E3%2582%2588%25E3%2581%2595%25E3%2582%2589%25E3%2581%25B0%26sk%3dSC1%26sc%3d7-6%26cvid%3d7d995c905aca43f8b837219e51780735&view=detail&mid=77238CA2DB3CF747E2F677238CA2DB3CF747E2F6&&FORM=VDRVSR
ヤマレコ見て驚ろきました!
ニアミスですね。私の予定が1日早ければ、
ご対面できたんですね。
いつかお会い出来る気がしてきました(笑)
いつでも行けるとタカをくくっていましたが、
いざ行ってみると、厳しかったです。
お互い、安全な山登りを続けましょう。
m_freshさん。こんにちは。
コメントありがとうございます。
確かにニアミスでしたね。
10日の天気があまりにも悪いので、11日に槍ヶ岳山荘に連泊して山頂や12日に南岳までといった予定変更も考えたので、仮に連泊していたらお会いできていたかもしれません。
表銀座を常念立ち寄りで登ってきた方とも一緒になり(Iさん)状況も聞きました。
10日の日は天気が駄目で、11日以降もずっとダメと言われていたのですが、11日朝だけ少し槍ヶ岳は良かったのですが、私のレコでも雨雲が覆っていましたが、大キレットや北穂高の方は他の方のレコを見ると駄目だったようです。大雨と雷で厳しかった模様で、私は予定変更して結果的によかったと思っています。
剱岳のような天気の良い日にどこかでお会いしたいですね。
m_freshさんのいう通りです。お互い安全登山に気を付けましょう。
上高地からのルートはいい景色ですね!
私が以前、槍ヶ岳に登った時は、新穂高温泉(最短ルート)からでしたので、景色はイマイチでした。
そのとき、槍の穂先は、槍ヶ岳山荘に着いてからと早朝の御来光の時と2度登りました。
次回は無理せず、体調や天候の様子を見ながら、大キレットと北穂高岳を目指してください。
amsy10tさん、こんばんは。コメントありがとうございました。
今回の私の槍ヶ岳山行は完全に失敗です。
悪天候もありますが、大キレットばかり意識して槍ヶ岳山荘までを軽いアプローチとして軽視した結果です。登山道は整備され急登もないし、高校三年の時は辛い記憶がまったくなかったことも軽視した理由の一つです。でも雷と風には勝てません。黒部五郎岳の雷から少し臆病になりました。次回は確実に踏破したいです。初日は上高地から涸沢に入り泊まり、北穂高に翌日登って泊まり、午前中天候を見て、予備日を作って大キレットという計画にします。さらにはできたら西鎌尾根から新穂高に降りたいと思っています。
amsy10tさんのジャンダルムの山行はやはり凄いなぁと改めて思いました。
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