編笠山〜権現岳(夕焼・朝焼・夜景の豪華3点セット!)
- GPS
- 28:47
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,636m
- 下り
- 1,584m
コースタイム
- 山行
- 3:53
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 4:04
- 山行
- 4:32
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 5:46
9:30富士見高原ゴルフコース - 10:50臼久保岩小屋 - 13:30編笠山山頂(幕営)
【2日目】
8:20編笠山山頂 - 8:40青年小屋 - 10:25ギボシ - 10:40権現小屋 - 10:50権現岳山頂 - 11:40三ッ頭 - 12:10前三ッ頭 - 13:50天女山 - 14:10天女山入口
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ(強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
当日朝4:30に自家用車で石川県の自宅を出発。 4:30自宅 - <北陸道> - <東海北陸道> - 高山 - <国道158> - 松本IC - <長野道> - <中央道> - 小淵沢IC - 9:00富士見高原ゴルフコース(駐車場無料) この日の小渕沢IC〜富士見高原までは雪もなく、コンディション次第ではノーマルタイヤでも可能だと思われる。 【帰路】 天女山入口から富士見高原ゴルフコースまでタクシーで約6000円。(思ったより高かった^^;) あとは自家用車で往路と同じ道を帰る。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■コース状況 全体的にトレースはバッチリついている。 すれ違い等でたまにコースを逸れると踏み抜くことが多い。 【富士見高原〜編笠山】 危険個所なし。 たまに凍っている場所があるのでアイゼン装着推奨。 編笠山山頂は吹きさらしなので風が強い。 近くに樹林帯があるので防風林として使える。 この日は山頂直下の樹林帯でテン泊。 テント内から富士山や南アルプス、金峰山、甲府盆地の夜景等の眺めが素晴らしい。 【編笠山〜青年小屋】 危険個所なし。 吹き溜まりが多く雪が深いがこの日はトレースがあったので特に問題なし。 【青年小屋〜権現岳】 今回のルートの核心部。 切り立った稜線は滑落注意。 この日は西からの強風が相まって更に危険度アップ。 ギボシのトラバースはクサリが出ているので利用できる。 途中風でトレースが消えかけている場所もあるため視界不良時は要注意。 【権現岳〜前三ッ頭】 ルートそのものについては危険個所はないが、とにかく風が強い。 編笠山・ギボシ方面からの風の通り道になっている模様。 普通に立っているのが困難な時もあったので恐らく20m/s〜25m/sくらいの風が吹いていたものと思われる。 【前三ッ頭〜天女山】 前三ッ頭からしばらくは急な下りだが、雪がやわらかいのでアイゼンはなくてもよさそう。 その後は樹林帯でゆったりしたトレッキングコースとなる。 天女山入口の交差点から天女山までは冬季(4月まで)通行止め。 天女山入口には連休ということもあり、車が所狭しと並んでいた。 ■ドコモ電波状況 全体的に電波はよく入る。 |
写真
感想
2週連続の八ヶ岳となった。
冬場の天気の悪い北陸に住んでいるため、どうしても週末は晴れを求めて南へ行くことが多くなる。
直前まで甲武信ヶ岳に行こうかと思っていたが、先週の赤岳、阿弥陀岳のベストコンディションが忘れられず、再び八ヶ岳に足が向いてしまった。
八ヶ岳の中で一番わかりやすいピークは?と聞かれれば、自分なら「編笠山」を挙げるだろう。
連峰の一番南に位置し、どの方角からもその名の通り笠をかぶったような形をしていて識別しやすい。
今回はせっかくの連休なので、その編笠山から前々から登頂したかった権現岳まで縦走することにした。
編笠山に登る場合、観音平か富士見高原からのアプローチがメジャーだが、当初は編笠山〜権現岳〜西岳への周回ルートを考えていたため富士見高原からスタートすることになった。
(結局権現岳〜天女山への縦走になったわけだが・・・)
出発地点の富士見高原ゴルフコースは昔よく通った富士見高原スキー場と隣り合わせにある。
スキー場の駐車場は一杯だが、さすがにゴルフコースの方は閑散としていた。
早速準備を整えて歩きだす。
数人の登山者と会ったが、連休とは思えない少なさだ。
きっと北八ヶ岳とか美濃戸方面は混んでいるに違いない・・・そんなことを考えながら黙々と登る。
森林限界を超えると多少風が強くなる。
しかし八ヶ岳の風としては大したことはない。
しばらく登るとかなり前にデポされたと思われる凍りついたザックが・・・
思わず自分の背筋も凍りそうになってしまった。
遭難者を発見した時の感覚はこんな感じなんだろうか?
結局そこに人がいなかったので安心したわけだが。
編笠山の山頂に到着すると、そこには360度の展望が待っていた。
富士山をはじめ、北岳、甲斐駒、仙丈の3兄弟に金峰山、北アルプスに御嶽山、そして南八ヶ岳の錚々たるメンバーが勢ぞろい。
そして眼下に目をやると故郷の甲府盆地を見渡すことができた。
・・・さそかしこの場所から眺める夕焼、朝焼、夜景等の景色はは素晴らしいに違いない。
そんなわけで、当初は青年小屋で幕営するつもりだったが、急遽編笠山の樹林帯でのテン泊に予定変更。
山頂直下の樹林帯に足を踏み入れると、そこにはフカフカの雪と甲府盆地と富士山が一望でき北西からの風もしのげる、まさに幕営にうってつけの場所があった。
早速スコップで整地してからテントを張った。
テントの中からは思惑通り、甲府盆地と富士山、金峰山が一望できた。
これまで幾度となく幕営してきたが、今回がベストだったかもしれない。
そのまま遅めの昼食というか、早めの夕食を取って夕焼けタイムに備えた。
夕方17時過ぎにテントを出て再び編笠山の山頂へ向かう。
オレンジ色の木漏れ日が白い雪を照らしている。
山頂に立つと今まさに木曽駒ヶ岳の肩に沈もうとしている夕陽が目に入った。
その右側には赤く燃えるような御嶽山のシルエットが見える。
御嶽山の上には最後の青空に飛行機雲が一本の線を描いている。
背後に目を向けると、今度は赤岳、横岳、阿弥陀岳が赤く染まっていく。
まさに思い描いていた通りの素晴らしい夕焼けだった。
しかし、この夕焼けはまだ序章。
うまくいけば、この後更に「夜景」と翌日の「朝焼け」を味わうことができるはずだ。
テントに戻る途中、甲府盆地に目をやると既に街の明かりが少しずつ灯り始めていた。
そう、早くも第2章の「夜景」が始まろうとしていた。
テントの中でアールグレイを飲みながら夜が深まるのを待つ。
樹林帯で風の心配がないのでテントの入口を開いたまま次第に鮮やかになっていく街の灯を楽しむ。
しかもただの夜景ではない。
バックにはうっすらと富士山のシルエットを持つ、盆地という限られた場所に凝縮された眩しくて貴重な夜景だ。
しかし、難点は寒いこと。その時の気温は-15度くらいか。
ニット帽にダウンジャケットとダウンパンツ、テントシューズという重装備でもそう長い時間眺めていられるものではない。
限界まで?夜景を楽しんだ後、明日の第3章である「朝焼け」に備えて床についた。
夜中・・・ふと目が覚めた。
時計を見るとまだ23時。
もしや!と思ってテントを開けて空を見上げると、期待通りの満天の星空が広がっていた。
想定外のエキシビジョンだ。
本来なら甲府盆地の街の灯であまり星空は期待できないはずだが、たまたまその時は雲が盆地をすっぽりと覆っていたために、小さい星達にも出番が与えてられていた。
このままずっと見ていたいのは山々だが、例によって寒いのと眠いのとで長々とは見ていられず、写真を撮るだけ撮ってすぐさま二度寝した。
2日目の朝、5:00に起床。
モルゲンロートに備えてまずは腹ごしらえ。
すっかり定番のお茶漬けを食す。
その後テント内を片付けながら6時過ぎに外を眺めてみると、既に東の空は白み始めていた。
第3章「朝焼け」の始まりである。
例によってテントを出ると山頂に向かう。
当然だが前日の夕焼けとは逆の方角が真っ赤に染まっていく。
編笠山で迎える御来光は丁度金峰山の辺りから登ってくる。
そして、次第に富士山や南アルプスの山々もオレンジ色に輝きだす。
山々に積もった白い雪はキャンバス代わりとなって朝日の色を忠実に映し出す。
夏山では味わえない、雪山と太陽が一体となって表現する壮大なモルゲンロートだ。
こうして序章から第3章までの素晴らしい時間を編笠山で過ごすことができた。
そしてこの素晴らしい山行は終章となる権現岳登頂で完結する。
当初は青年小屋のテン場から権現岳までピストンする予定だったが、せっかくなの権現岳から天女山に縦走するプランに変更した。
編笠山〜青年小屋まではどちらかというと南八ヶ岳というよりは北八ヶ岳のようなのんびりした雰囲気が漂っていたが、青年小屋から権現岳までのルートはまさしく南八ヶ岳の峻嶮な環境そのものだった。
急登、狭い尾根歩き、クサリ場のトラバース、20m/sくらいの強風・・・
しかし、正直楽しかった。
2日間でゆったりハイキングと本格的な雪山登山の両方を楽しめることに満足していた。
権現岳の山頂に立つと、先週登った赤岳〜阿弥陀岳のダイナミックな姿が迫ってくる。
風も相当強かったのであまり滞在せずにすぐ下山。
意外なことに権現岳から三ッ頭までの風が一番強かった。
(恐らく風の通り道になっているのだろう)
前三ッ頭を過ぎて再び樹林帯に入ると風は収まり、その後小一時間で天女山入口に到着すると、そこには車道に溢れんばかりの車が停まっていた。
改めて八ヶ岳の人気ぶりを目の当たりにしたのだった。
天女山入口でタクシーを呼び、車をデポしてある富士見高原に戻る。
3000円くらいかと思いきや、6000円もかかってしまった^^;
しかし最高の縦走が出来たのだから、これくらいの出費は良しとしよう。
スノーハイク、360度の眺望、夕焼け、朝焼け、夜景、星空、そして強風の雪山稜線歩き・・・
山の魅力がこの2日間にすべて凝縮された、そんな素晴らしい山行だった。
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