シャリバテの恐ろしさを思い知った(富士見台高原-恵那山)
- GPS
- 11:03
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 1,222m
- 下り
- 1,641m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 11:02
天候 | 霧-晴-曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今回、よしみさんから「富士見台高原が絶景だそうなので行きませんか」と声をかけて頂き、昔の職場で知り合いだったHさん、ゆきさんのお知り合いのMさんとの5人で行ってきました。ただ、富士見台高原だけだとボリュームが物足りないので、すぐ南にある恵那山にも行きたいと伝えたところ、よしみさんは広河原の登山口まで車を回しますと言って頂きました。
そういうわけで、京都を3時半に出発し、神坂峠の駐車場に着いたのが6時半。ただ、京都を出る時からそうだったのですが、霧。名神や中央道を走っている時も霧。中津川ICを降りてからは、霧ではないにせよ空は曇。予報では6時くらいから雲が急に減ってくると言うものだったので、最初は日の出を見ることも計画していたくらいでしたが、日の出どころか空も白いし遠くも見えない状態でした。なお、神坂峠の駐車場は10台ほどしか停められませんが、よしみさんの強運故か、スペースを見つけることができました。
富士見台高原山頂までの道は、ごく緩やかな登りで、一部道が狭い箇所もありますが、楽に歩くことができます。時間にして1時間ほど歩くと、山頂が近づいてきましたが、見事に霧の中で、「絶景って何? それ食べられるの?」状態でした。頂上に着いて写真とか撮っていても、白い写真しか撮れず、しかも風はびゅーびゅー寒いし、もう諦めてつきに行こうかと頂上を去りかけた矢先、微かに上空に青空が透けて見えました。もともと、ここは雲を被っているだけで、その雲がよけてくれればそれなりに晴れていると予想していましたので、もう少し粘ってみようと決断。次第に霧が薄くなり、その向こうに、恵那山の勇姿、そして中津川市を覆う雲海。さらには南アルプスの山々や御嶽山も姿を現しました。東の空には太陽も輝き、気温も徐々に上がってきます。急遽撮影会場と化しました。最初から絶景が見られるよりも、じらしてじらして、一気にベールを脱ぐような展開で、より興奮度合いが高かったと思います。
次は神坂山。笹の間を縫うようにしてご機嫌なハイキングです。そして萬岳荘でお手洗い(チップ100円)をお借りし、駐車場に戻りました。さて、ここから2班に分かれて、よしみさんは苗木城を見学してから自動車を回して頂き、私はゆきさんとMさんを連れて恵那山に登り、広河原登山口で再会する予定でした。Mさんとは以前もご一緒したことがあり、充分な速度で歩ける方だと思っていました。ただ、千両山は問題なく通過し、その後適宜休憩は入れていたのですが、Mさんのペースが落ちてきました。途中でバックパックを引き受けて空身で歩いて貰うようにし、糖質・アミノ酸入りのドリンクを頻回に飲んでもらうようにしました。大判山で大休止を取り、食事を勧めたのですが、あまり食べて頂けませんでした。ここで気付くべきでしたが、私は見落としてしまいました。
ここからがこの日の行程で最もしんどいところで、2.7kmで500m登ります。結構な激坂を覚悟していましたが、実際歩いてみるとさほどの急坂はありませんでした。しかし、それなりの斜度で登りが続いていて、Mさんのペースはさらに落ちていきます。そして、稜線に出るまで500mの所まで来て、ついに脚が止まってしまいました。シャリバテではないかという危惧は確信になりました。稜線まではドリンクと励ましで頑張り、それでも食事を嫌がられたので、少々強めに食べるように指示し、私とゆきさんが持っていたゼリー食やエナジーバー、チョコレートなどを摂って貰いました。これでようやくペースは改善しましたが、最高点近くのお手洗いを使うように勧めても「いらない」とおっしゃるなど、判断能力が落ちておられたような気がします。
ここからは下りで、大体コースタイムを守れるようになってきましたが、日没までに駐車場に辿り着くのは無理だと判断しました。なんとかペースが戻っていることに勇気を得て降り続けましたが、4合目休憩所を過ぎてから残り登山口まで1.7km。コースタイムは妙に長めの1時間10分で、多分そんなにかかることはあるまいと先を急いでいたら、残り700mからぱったりとペースが落ち、日没時刻までに登山口に到達するのは無理になりました。御本人は「大丈夫」とおっしゃるも、かなり膝や足首の力は落ちていたのだと思います。結局、ここから登山口まで50分を要することになります。一方で、途中からMさんをおぶることを考えていたのですが、この急坂をおぶって下りるのはさすがに危険。なんとか登山口まで到達できれば、そこから30分の林道は背負おうと計画し、よしみさんにヘルプを頼みました。舗装林道を登山口まで来て貰い、そこで荷物を運んだりを助けて貰おうと。二次遭難の危険は頭をよぎりましたが、私の読みでは日没時刻までに登山口まで降り、うまくすれば林道の途中で合流できないかと踏んでいたのです。しかしそれは画餅と終わり、ヘッデンを灯しての遅々とした下山中、下に車のものらしい明かりが見えた時には希望が湧きましたが、ここからさらに20分くらい。微かに足元が見える程度の明るさで登山口に辿り着いた私たちを待っていてくれたのは、よしみさんと、驚くべきことに萬岳荘の代表の方でした。実はヘルプを頼んだよしみさんがここに向かう途中、萬岳荘の自動車と遭遇し、一緒に待っていてくださったのです。しかも、駐車場までMさんを乗せて頂けるという有難いお申し出を頂き、本当に地獄に仏でした。私たちを待っている間、スタートが遅いなどの暖かい教育的指導を受けて頂いていたよしみさんと3人、コースタイム30分を17分で駐車場まで急ぎました。
まあ、今回の山行きには学ばされる点がたくさんありました。何といっても体調管理です。Mさんは私たちとは別の登山グループで低山は定期的に歩いておられましたが、2000m級の山は初めてで、普段は行動中のカロリー摂取は控えめにしてゴール後にたくさん召し上がることが多かったようです。多分、前日のカーボローディングもあまりなさっていなかったのでしょう。もう少し早い段階で炭水化物摂取を指示するべきだったと反省しています。それからタイムマネジメント。富士見台高原での絶景にかまけて、神坂峠通過が予定より30分遅れていました。私とゆきさんだけならそれでも16時までには駐車場に降りてこれる予定でいましたし、Mさんのペースも決して遅くないことを知っていたので、日没までに降りるのは大丈夫と思っていたのが間違いで、ここで遅れた以上はMさんは苗木城観光に行って貰うべきでした。それからよしみさんへの救援依頼。下山ペースが回復していることに期待しすぎ、まだ明るいうちに合流できると思っていたら、そうにあらず。本当に真っ暗になっていました。二次遭難になっていてもおかしくはなかったでしょう(ただ、彼女が動いてくれたおかげで、結果的には萬岳荘の方に援助して頂けたわけですが)。富士見台の絶景に目を奪われて、足元が疎かになっていたことを、反省し、恥ずかしい限りのレポートとします。最後になってしまいましたが、私ができていない気遣いをしてくださったゆきさんは、率先して荷物を担いだり、Mさんに水分摂取を勧めたりしてくれました。何度も噛んで含めるように、足の運び方の指導もしてくださり、私にとっては本当に心強かったです。
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