【白川郷】猿ヶ馬場山(ラッセルで時間切れ,1400m付近まで)
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 950m
- 下り
- 941m
コースタイム
天候 | 終日,雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【積雪状況(2020.12.19現在)】 ・登り口の林道付近で既に1m近い積雪があり,標高1400m付近で積雪210cm(プローブで測定)。ほぼ全層が重い新雪で,おそらくこの5日間ほどで一気に降ったと思われる。まだ少しだけ藪が出ているものの,登下降には全く問題ない。 ・今回は深いラッセルを予想してスキーを使ったが,それでも緩斜面で膝ラッセル,急斜面で腿〜腰ラッセルとなった。ワカンやスノーシューだと腰〜胸ラッセルくらい行ってしまうかもしれない。また,雪質が非常に湿っていて重いため,ラッセル時の抵抗が大きく,スキーの送り出しに非常に苦労した。 【ルート取りについて】 ・今回は大雪の直後のため,雪崩を警戒して谷筋のルートは避けた。通常,猿ヶ馬場山に登る際は,最初の林道を辿ってから谷筋を通って宮谷林道との合流点まで行くが,代わりにその谷の西隣にある尾根にルートを取った。この尾根は藪も少なく登りやすい。 |
写真
感想
待ちに待った本格的な降雪。しかし,いきなりちょっと降り過ぎなんではないか,というくらい降ってしまっている。
行きたい山はたくさんあるのだが,これだけ降っているとなると,雪崩やホワイトアウトなどのリスクが大きく,行先は慎重に選ばないといけない。いろいろ悩んだ末,穏やかな緩斜面が続き,山頂まで深い樹林に覆われている白川郷の猿ヶ馬場山であれば,こうしたリスクを低減しながら十分な積雪量の雪山が楽しめるのでは,と考えた。(ちなみに,猿ヶ馬場山は過去に1度,残雪期に登っている。オオシラビソの点在する穏やかな山頂台地から眺める白山の展望が素晴らしい山で,良い思い出として記憶に残っていた。)
かなりの大雪の後なので,猿ヶ馬場山の山頂までは無理かもしれない,それでも帰雲山くらいなら届くのではないか,とぼんやり考えていたのだが,蓋を開けてみると,あまりのラッセルの深さに,なんと帰雲山にも到達できなかった。山行としては情けない結果となったが,久々にばっちり決まった西高東低の気圧配置と、そこから繰り出されたシベリア高気圧のひと吹きで急に無効化されてしまう人間の力の小ささが興味深く,よい修行になった。雪をたっぷりまとったブナの深い森も美しく,時間が許すなら,このままいつまでもラッセルしていたい,と思ってしまった。
しかし,毎回思うのだが,深いラッセルをしていると驚くほど時間が早く過ぎる(これは藪山で藪漕ぎしている時と似ている)。ラッセルしながら,足の踏みだし方とかルート取りとか,それなりに一生懸命いろいろ考えているはずなのだが,後で思い出そうとしても,ラッセルという果てしない単純動作の末に意識が飛んでしまうからか、その時間帯は大きな空白としてしか浮かび上がってこない(いくつかの美しい雪景色の断片と,乗り越しに苦労した難場のシーンがわずかに散らばっている)。これは何だか山行の大事な部分を取り逃がしているようで,残念なような気もするのだが,もしかしたら,これはこれで,雪山らしい現象なのかもしれない,と思い直すことにした。雪山のことを思い出そうとするときにぶつかる記憶の中の不思議な空白は,その中で自分がもがき続けていた新雪の斜面の延々と続く白さと,何だか区別がつかないような,記憶の深く曖昧なところで互いに溶け合っているような,そんな気がしてくる。
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