十勝岳 〜今年最後の2000m登山〜
- GPS
- 06:40
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,139m
- 下り
- 1,120m
コースタイム
天候 | ほぼ快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪は1800m付近から見られる。雪は所々固いが先人達が道をつけてくれている。例年、積雪期は十勝岳の肩の手前の急斜面で恐怖を感じるが、道を辿っていくうちに知らない間に通過していた。念のため、軽アイゼンを付けたが不要だったかも。 |
写真
感想
今年、最後の2000m登山ということで十勝岳に行きました。朝6時に前日の酒が残った気持ち悪い目ざめと共に準備をして出発。江別あたりでスパッツと手袋を忘れたのに気付き取りに戻り、結局10時前に望岳台到着。
山頂は雪も少なく例年よりもぬるいラストになりそうだと出発したが、前半のハイキングコースから脚が鉛のように重く胸がムカムカと気持ち悪い。日本酒がいけなかったかと後悔しつつも、気力で少しずつ標高を上げていく。十勝岳避難小屋を過ぎると気持ち悪さがピークに達して何回か広大な大地にリバースしてしまうが、おかげて胸のほうは幾分すっきりしてきたので少なくとも1720m標識までは行こうと気持ちをきり変えて進む。1720m手前のジグでスノーシューを担いだ若い男性と出会う。山頂は晴れて風も穏やかですごく気持ちよかったと言っていたが、こちらは気持ち悪くてどうにかなりそうだ。体のいい挨拶をかわして1720mの高台に登る。
うっすらと雪化粧をした溶岩ドーム、所々岩肌が見えて白黒のコントラストにモクモクと噴煙が立ち上る62-2火口、スリバチ火口の向こうに白くなった美瑛岳、ああ冬が来たなぁと思って景色に見入って腰を降ろしたら動けなくなった。どうやら体調的に今日はここが限界らしい。以前に修復した標識のケルンにお店を広げ昼食。気温は7℃。時折吹く冷たい風のせいか寒くなってきたので、マフラー含め持ってきたもの全部着込み暖かいスープをすする。
その後、帰り支度をしていると気持ち悪いのがおさまっているのに気付く。雪の少ない山頂のコンディションからすると、もしかして山頂アタックできるかもと思い、溶岩ドームの手前まで行ってみることにする。しかし脚はまだ鉛のようで息も荒い。手前から見上げると岩肌がポツポツと見えていて例年よりも楽勝ムードが漂っている。時間は13時前と少し遅く、管理人が本日のラストアタッカーらしいが、この機を逃す手はないとアイゼンを付ける。雪は所々固いが先人達が道をつけてくれているので楽に登っていく。例年、積雪期は十勝岳の肩の手前の急斜面で恐怖を感じるが、道を辿っていくうちに知らない間に通過していた。
肩まで来ればあとは比較的楽な登りだ。息は上がるが順調に高度は上がっていく。標識に残されたロープには、氷が張りついて芸術作品のようになっている。俗に言う樹氷、海老のしっぽだ。空気中の水蒸気が吹きつけられ凍結してできた氷で、通常は風上に向かって成長していく。ふと山頂を見上げると人影が見える。てっきり最後だと思っていたが山頂に到達すると3人パーティが、話を聞くと富良野岳から縦走してきたらしい。しばらく話した後、下りると言うので、てっきり望岳台に下りるのかと思っていたら上ホロ方面に向かって行った。この積雪期に縦走するだけでも大変なのに凌雲閣まで戻るんかとあきれて見送る。写真は彼らが戻っていった稜線だ。
この時期は空気が澄んで遠くまでハッキリと見わたせる。望岳台方面からは一人が登って来ている。管理人がラストではなかったようだ。山頂の巨岩の影はほぼ無風で暖かく、お茶でも沸かして彼の到着をのんびり待つ。トムラウシ山を眺めつつ思えば今年は登らなかったなとか、ニペソツ山来年行くぞなどと、思いをめぐらせている内に時間が過ぎていく。時計を見たら14時を回っている。もうそろそろ下りないと思って荷物をまとめて下山すると、山頂手前の吹きさらしの雪の上で休憩している彼を発見。なんでこんな寒いところで休憩してるんだろうと思って声をかけたら、この時期に来るのは初めてで山頂のほうが風が強くて寒いと思ったらしい。ここより全然暖かいからと言うとじゃあ上でゆっくりして来ますと登って行った。
帰り道は身体を気づかいながらゆっくりと下りていく。望岳台に近づくに連れ日が傾いていく。何とか一日無事に終わって良かったと夕日を写真におさめつつ、薄暗い中、登山口に帰り着いた。
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