【鈴鹿マイナーマウンテン 検枋源劵口〜水舟の池
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- GPS
- 09:28
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 1,168m
- 下り
- 1,164m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口より山頂、水舟の池に至るまでテープ、標識、レスキューポイントの案内板等が十分にあり迷うことは少ないが「山と高原地図」の「迷」マークの箇所(西峰〜大峠)は尾根が登り返しを含んで別れていてルートミスしやすいので小まめに現在地を把握しながら進んでください。 またルートは往路のみGPSです。復路は下山時刻から逆算しているだけで 参考程度にしてください。 |
写真
感想
【鈴鹿マイナーマウンテン検
銚子ヶ口〜水舟の池(既ヤマレコの記録::銚子ヶ口12件、水舟の池3件)
2013年4月13日、午前4:30過ぎに起床して出発準備をする。本日予定している「銚子ヶ口〜水船の池」は最低でも4時間は必要なコース、自宅から登山口までは車で約1時間、下山完了までの全行程に休憩時間、ルートミス、ファインディングの時間を考慮すると午前7:00には登り始めたいところ。
そろそろ荷物を車にと思ったその時スマートフォンから聞き慣れないコール音が鳴り響く、一瞬「故障か?」と思ったが発している音が必死に「非常事態」を訴えていた。画面を見て緊急地震速報とわかり身構えてどうしようかと考えたがどうすることもできないまま揺れが始まった。「播磨地方で云々」とのメッセージ、自分がいる場所からの距離を考えるとそう大きくは無いだろう、揺れは長かったが幸い体験したことが無いような大きな地震ではなかった。
揺れが治まりテレビで情報を得て兵庫県方面の知合いへ安否確認のメッセージを送信したり、長男が電車で出かける予定だったのがJR西日本が運転見合わせとの情報を確認し自動車で送るかどうか等・・・
そんなこんなで山へ向かって一歩踏み出し時計を見ると午前9時だった。
【銚子ヶ口】
鈴鹿山脈の北端をを霊仙山、南端を油日岳とするとほぼ鈴鹿の縦横の中心部に位置し1,000m以上の標高を有しているのが「銚子ヶ口」である。しかし山は都市の中心と違い賑やかではなく、最深、最奥で東西南北どの方向からも容易に近付ける場所ではない。
自分の足以外の移動手段が無く鈴鹿が人々の日常と密接な関係にあった昔日には銚子ヶ口や後程ご紹介する水舟の池、大峠も日々多くの人が往来する文字通りの中心部であったそうだが、山々から人間が去った今日では非日常的な場所に変化し、ますます人間から遠ざかっている。
国道421号(八風街道)のほぼ中央にある登山口は駐車スペースも狭く小さな標識があるのみ、獣除けのフェンスを開けて奥へ進み杉の植林帯をひたすら歩く、途中に腐りかけの丸太橋や3〜4ヶ所崩落地を越えるが通常の注意を払えば昜いに通過できるところばかりだ。200m毎にレスキューポイントの案内板がありほぼそれと同じ頻度で進行方向を示した「銚子ヶ口→」の標識、その他テープ、ビニール紐、切株には石を積んだケルンと盛りだくさんの目印があり殆どが信頼できるものである、もしかすると以前は道迷いが多かったのだろうか?
しばらく行くとミヤマカタバミが白い花をちょこんと咲かせている。この花は杉の樹林帯でよく見かけ薄暗い杉林の湿った場所に申し訳なさそうに咲いている。そのアンバランスさがこの花の魅力でもある。杉の植林帯といえば いつもは山ヒルを注意するが この季節だけは白い花を楽しみながら歩くことが出来る。
九十九折れを繰返し ある程度高度を稼ぐと杉からブナ、楢の二次林へと変わるここではショウジョウバカマが薄紫の特徴ある花をうなだれるように咲かせていた。山の花に下向きに咲く花が多いのはどうしてだろう?日当たりの良くない所に咲く花ほど下を向いている、逆に日当たりのよい斜面にはリンドウや福寿草のような空に向かって開花している花が多いような気がする。ショウジョウバカマにカメラを向けていると 先ほどから葉だけが目立っていたイワウチワに花が着いているものを発見し その数メートル先には蕾であるものの群生していた。この花も下向きで何かを憂いながら咲いているようなその姿が美しさに拍車をかけている。後ほどハルリンドウにも出会えて山で4種類もの花に出会うことが出来るということはようやく山にも本格的な春が来たのだろう、咲いている花も訪れを告げる花から真っ盛りを体現する花に変わっていた。
山頂まで残り1/3となると、水の流れ落ちる音が聞こえてきて渓谷沿いの気持ちのよいルートになる。最初は登山道の遥か下にあった沢がしばらく歩くとほぼ同じ高さを流れていた。思わず沢に近寄り勢いを加速させる沢の水に手を差し入れると長かった山の冬を思い起こさせる冷たさが懐かしく思えるほど季節は暖かくなっていた。登山道は途中から支谷を遡上し支谷の流れも伏流となる頃から周囲の景色は一変していた。
谷の中心から放射状に伸びる斜面にはまだ葉をつけていない雑木林が広がり、その先には抜けるような青空を背に真っ直ぐに稜線が左右に伸びていた。その稜線から見える展望を想像すると自然と表情が緩み、その緩みを悟られまいと下を向くのだが、すぐに稜線が気になり顔を上げまた下を向いて表情を隠す。
私はこういう時が山と良好に対話をしている時間だと思い密かに楽しんでいる。このような対話が多ければ多いほどその山行は忘れ難いものとなっている。
稜線上に立つと素晴らしい眺望が待っていた。
しかし、その稜線より高い頂がすぐそばに鎮座していた、急峻であり疲労も溜まっており登ることをためらってはみたが山登りの性分ですぐに登り出し這い上がった。
そこには「ここは東峰です」と標識で案内されていた。立上がり眺望を確認するとそこが鈴鹿の中心であることが証明できた。
北の奥に霊仙、その手前に御池岳、から西側にはサンヤリ、天狗堂。御池から東には藤原、銚子岳、静ヶ岳、竜ヶ岳、三池、釈迦と続き御在所、クラシ、イブネを隔てて雨乞岳、西へ行きタイジョウ、カクレグラ、日本コバ。これほどに多くの山座同定が可能なのはここが鈴鹿の中心であることの証だ。ヤマレコに10数件の記録しかない【マイナーマウンテン】が鈴鹿の中心であることは「マイナー≠劣」を証明しており私のマイナー理論が正論であることを裏付けてくれた。
【水舟の池】
東峰から南峰、西峰と進みP1067を目指す。テープや踏跡をたどれば行ける筈がルートミス、現在地を確認して修正、ログを見ると全くの反対方向へ進んでいた、複数の尾根が伸びて一つ選択を誤ったり尾根芯をはずれて下って行くといつの間にかテープやリボンが無くなって迷うことになる。GPSなどで 現在地のチェックを小まめに行いながら歩くことをお勧めします。
西峰から更に南へ進むと大峠に着きそこから更に登り返すと西方へ導くテープや標識があり忠実に下っていくと突如広く開けたところが見える。もう少し近付くとそれが「池」だと判る。鈴鹿最大の「水舟の池」が静かに出現する。
この日は風が無く水面は鏡のように澄んで青空や周囲の木々を映して神秘さを際立てていた。御池岳で池を見ることは何度もあったがそれらの池とは全く違う様子であった。下山時刻のリミットを大幅に過ぎていたがついつい長居をしてしまった。しかしそれだけの時間をかける価値は充分にあった。この池を言葉で表すにはどうすればよいのか全く思いつけなかったので写真を見ていただくことで許していただくが やはり自らの足でそこまで行って見てもらいたい。
私は鈴鹿の最深、最奥の中心にこのような池が静かに存在していることに何か特別な意味はないと思う。自然とは意義や感情を持って循環しているのではない、雨が降れば川の水が増す、晴れが続けば干ばつになる。いくつもの事象が積み重なった結果が自然現象だ。しかし「水舟の池」はそれ以上のことを感じた。自然を超越した何かだ。古くからこの池が雨乞いなどの信仰の対象となっている事も理解できる。
もしかすると人間が信仰をする事で「自然」は意味を持つのだろうか、言うなれば信仰とは「自然」に意義や感情を持たせることなのだろうか?
山を登ると言うことは我々登山者が登る山に対して意義や感情を持たせ対話をすることなのかもしれない。
私の乏しい知識や経験ではこれが限界だが 私が山に登り問い続けていたことがほんの少しだけ前に進んだ山行であった。
コメント
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yuconさん、こんばんは。
いつも”通な”コース、さすがですね。
こちらは”ハード系”、今回は疲れました。
GWに御池岳を是非、案内してください。山頂部周辺でゆっくりしたいです。楽しみにしています。
ホントにハードですね
軟派な私はお花や景色を追いかけてあっちへふらふら、こっちへふらふら
山の夜は明かりがなければ身動き取れませんよ
ヘッデンや懐中電灯の電池は確認しておきましょうね!
万が一のビバーク用にエマージェンシーシートやビニールシート(量販店のもので良い)をザックに入れておきましょうね
御池岳の件はもしかするとそろそろゲートが解放されるかもしれません。されなければ先日のような裏(南側)からのアプローチになります。土倉岳、丁字尾根、ミノガ峠から茶野といったコースか藤原方面からのコースですね
テント泊の練習を兼ねられるなら「真の谷」という水場付きの最適なテン場がありますの木和田尾、大貝戸方面から入り白瀬峠から真の谷へ降りテン泊翌朝早朝からテーブルランドをこってりと周遊して大貝戸へ戻るコースもあります。
セブンマウンテンにこだわるなら千種街道を杉峠から「雨乞岳」へ下山してイブネでテン泊、翌朝イブネからクラシ、舟窪、水船の池、銚子ヶ口とのコースや、同じくイブネ・クラシから大峠イハイガ岳、綿向山へ下山のコースも取れます。セブンマウンテンの中では「雨乞岳」が最難と聞きますので気候のいいうちにクリアしておくのもいいですね、何にしても考えるだけでワクワクです。こんな奴がテント持ったら家に帰らんようになるでしょうね
そんなこんなでもしお時間ありましたら連休前に一度打ち合せしましょう!
ここは私的には全然マイナーではないですね
って言うても2回しか登ったことがないんですが、登りゃ、解りますよね〜
ここぞ、鈴鹿の展望台。お気に入りの場所です。
GW辺りはこの辺を絡めてふらつこうかと思ってます。
銚子ヶ口、鈴鹿最大の池「水舟の池」。この辺りはやはり静かでいい場所でしょうね。
でも、指標やテープの類が多いとは以外でした。
鈴鹿でも杠葉尾辺りは少し奥になるのでマイナーな感じがするのでしょうが、是非行ってみたいと思っていましたので、参考にさせていただきます。
鈴鹿のピークを展望するには絶好の様ですね。
長距離になりますが、イブネ辺りまで脚を伸ばせれば等と考えていますが。
追伸:神崎川林道はやはり「車両通行止め」でしょうか?、トロッコ道を登ろうかと考えていますが・・・。
ホントにねぇ〜 いいとこ見つけました
ryujiさんの銚子ヶ口のレコもチェックしてから出発しましたよ〜
知合いになる前から この人 もの凄いスピードで鈴鹿のディープエリアを歩きまくってるなぁ〜と感心してました
昨年のGWのレコでryujiさんと特保のコーラのツーショット写真があってそれを見た私は急にコーラが飲みたくなってコンビニへ走りました。以来山へは必ずコーラ持って行きます(冬でもね!)ってどうでもいい話をだらだらと
え〜っと 日曜日はいよいよ 金属探知機じゃなくて
土曜日は竜王のアウトレットかな・・・。
「レコを見て是非とも訪れたくなった」とのコメントが一番うれしくてヤマレコユーザー冥利に尽きます
今回私が取ったコースは往路約4時間かかりますが最短の「レール尾根コース」ではかなりの急登だそうですが1時間以上の短縮が出来るそうです
私も大峠付近で戻るのが面倒になりクラシ・イブネに向おうかと思いましたがそれもまた距離があり宿泊装備が無いことを悔やみました
林道の様子はわからないので申し訳ないですがいつも私が参考にさせていただいているHPをご存知かもしれませんが紹介しておきます・・・。
http://cont4.mech.usp.ac.jp/~minagawa/amagoi/chosigakuchi.html
「ヤマノボラーみながわのフォトギャラリー」かなり参考になります。
では お気をつけて!
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