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Yamareco

記録ID: 286791
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
屋久島

真夏の屋久島縦断(淀川〜黒味岳、宮之浦岳、永田岳〜楠川) (1983)

1983年08月21日(日) ~ 1983年08月25日(木)
 - 拍手
GPS
91:30
距離
36.1km
登り
2,110m
下り
3,141m

コースタイム

8/21; 14:30屋久杉ランド−16:50林道終点−17:30淀川小屋(テント泊)
8/22; 6:30淀川小屋−8:10花の江河(えご)−9:10-10:00黒味岳−13:30-14:00宮之浦岳−16:00永田岳−17:00鹿の沢小屋(泊)
8/23; 7:30鹿の沢小屋−9:00永田岳−10:20焼野分岐−11:50第一展望台−14:20(旧)高塚小屋(泊)
8/24; 6:20(旧)高塚小屋(縄文杉)−7:10大王杉−8:20ウイルソン株−9:00軌道入口−12:00辻峠−12:40白谷山荘(泊)
8/25;6:30白谷山荘−9:20楠川林道終点−10:00楠川(バス停)
天候 8/21 晴れのち曇り、霧
8/22 晴れのち霧、夕方は晴れ
8/23 晴れのち霧、夕方は晴れ
8/24 曇りのち晴れ
8/25 晴れ
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
【行き】福岡ー(JR夜行急行)−鹿児島ー(フェリー)−宮之浦港ー(バス)−屋久杉ランド
【帰り】楠川ー(バス)−宮之浦港ー(フェリー)−鹿児島ー(JR夜行急行)−福岡
コース状況/
危険箇所等
この当時から、道はよく整備されていた。特に問題となる箇所はなかった。
8/21 屋久杉ランド入口より安房林道を歩き始める。屋久島中央部の高嶺は雲をまとっている
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
8/21 屋久杉ランド入口より安房林道を歩き始める。屋久島中央部の高嶺は雲をまとっている
林道脇に、屋久ザルが出てきていた
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
林道脇に、屋久ザルが出てきていた
林道を、同行のI氏とともに進む。I氏はテント泊の縦走予定で背負ったザックも大きい
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
林道を、同行のI氏とともに進む。I氏はテント泊の縦走予定で背負ったザックも大きい
夕方、淀川小屋に到着。小屋の中は混雑していたので、I氏のテントにて寝る。
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
夕方、淀川小屋に到着。小屋の中は混雑していたので、I氏のテントにて寝る。
8/22 朝の淀川、澄みきった水だ
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
8/22 朝の淀川、澄みきった水だ
朝の淀川の風景、幽玄な感じが漂う
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
朝の淀川の風景、幽玄な感じが漂う
同じく)朝の淀川の眺め、水が澄んでいて美しい
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
同じく)朝の淀川の眺め、水が澄んでいて美しい
小花江河の湿原に到着。視界が開けて、黒味岳が正面に見えてきた
2013年04月20日 17:53撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:53
小花江河の湿原に到着。視界が開けて、黒味岳が正面に見えてきた
小花江河湿原の風景、湿原には花が咲き乱れているかと思っていたが、花はほとんどなかった
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
小花江河湿原の風景、湿原には花が咲き乱れているかと思っていたが、花はほとんどなかった
小花江河湿原の風景、周りの杉と湿原の風景は、日本庭園のような感じ
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
小花江河湿原の風景、周りの杉と湿原の風景は、日本庭園のような感じ
小花江河湿原より、正面に本高望岳を望む
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
小花江河湿原より、正面に本高望岳を望む
次の湿原、花の江河に到着。こちらは結構、草原になっていた。正面に見える黒味岳が近くなってきた
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
次の湿原、花の江河に到着。こちらは結構、草原になっていた。正面に見える黒味岳が近くなってきた
黒味岳(くろみだけ)山頂に到着。天気も上々で、山頂からは今日縦走予定の、宮之浦岳(正面)、永田岳(左奥)が望めた
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳(くろみだけ)山頂に到着。天気も上々で、山頂からは今日縦走予定の、宮之浦岳(正面)、永田岳(左奥)が望めた
黒味岳山頂の、大きな岩塊の上に立つ。途中まで同行となったI氏に写してもらった
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳山頂の、大きな岩塊の上に立つ。途中まで同行となったI氏に写してもらった
黒味岳から望む永田岳と、岩との組み合わせ
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳から望む永田岳と、岩との組み合わせ
黒味岳から望む、主稜線に並ぶ峰々、翁岳、安房岳、投石岳と並んでいる。
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳から望む、主稜線に並ぶ峰々、翁岳、安房岳、投石岳と並んでいる。
黒味岳山頂から、眼下の花の江河湿原を見下ろす。中景の三角錐は、本高望岳、
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳山頂から、眼下の花の江河湿原を見下ろす。中景の三角錐は、本高望岳、
黒味岳から、はるか南の海上を見渡す。中景に遠く見える鋭鋒は七五岳
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳から、はるか南の海上を見渡す。中景に遠く見える鋭鋒は七五岳
黒味岳から望む、主稜線の翁岳、安房岳
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
黒味岳から望む、主稜線の翁岳、安房岳
稜線を宮之浦岳へ向かい縦走する。途中の投石平から望む、西黒味岳
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
稜線を宮之浦岳へ向かい縦走する。途中の投石平から望む、西黒味岳
宮之浦岳山頂直下より、宮之浦岳を見上げる。屋久ササに覆われた、気持ちの良さそうな山だ
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
宮之浦岳山頂直下より、宮之浦岳を見上げる。屋久ササに覆われた、気持ちの良さそうな山だ
この日は、永田岳を越えて、その西にある鹿の沢小屋に泊まる。こじんまりした小屋だが、宿泊者は3名のみで、ゆったり泊れた。
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
この日は、永田岳を越えて、その西にある鹿の沢小屋に泊まる。こじんまりした小屋だが、宿泊者は3名のみで、ゆったり泊れた。
8/23 鹿の沢小屋から、永田岳へと登りかえす。今日も朝は、気持ちの良い青空が広がっていた
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
8/23 鹿の沢小屋から、永田岳へと登りかえす。今日も朝は、気持ちの良い青空が広がっていた
永田岳への登りの途中から見渡す展望。中央奥は、国割岳
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
永田岳への登りの途中から見渡す展望。中央奥は、国割岳
永田岳への登りより、水平線を望む。眼下は標高差約2000mの永田谷が切れ込んでおり、海岸沿いの永田集落が小さく見える
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
永田岳への登りより、水平線を望む。眼下は標高差約2000mの永田谷が切れ込んでおり、海岸沿いの永田集落が小さく見える
永田岳付近の風景。鹿の沢小屋に長く泊まって気象観測をしている、という人が今朝も観測をしていた(中央に、小さく見える)
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
永田岳付近の風景。鹿の沢小屋に長く泊まって気象観測をしている、という人が今朝も観測をしていた(中央に、小さく見える)
永田岳への稜線から望む岩峰、障子岳
2013年04月20日 17:54撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 17:54
永田岳への稜線から望む岩峰、障子岳
永田岳付近から望むゴツゴツした障子尾根
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
永田岳付近から望むゴツゴツした障子尾根
永田岳を越え、焼野分岐から振り返る永田岳
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
永田岳を越え、焼野分岐から振り返る永田岳
永田岳付近から望む、朝の宮之浦岳
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
永田岳付近から望む、朝の宮之浦岳
永田岳山頂から望む、夏雲湧く宮之浦岳
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
永田岳山頂から望む、夏雲湧く宮之浦岳
焼野分岐から望む、「ネマチ」岩峰
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
焼野分岐から望む、「ネマチ」岩峰
平石付近から振り返る、翁岳(左奥)と宮之浦岳
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
平石付近から振り返る、翁岳(左奥)と宮之浦岳
高塚尾根の原生林の中を下ってゆく。屋久杉の生えた森に、ところどころヒメシャラもあった
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
高塚尾根の原生林の中を下ってゆく。屋久杉の生えた森に、ところどころヒメシャラもあった
縄文杉の少し手前にあった、(旧)高塚小屋に到着。原生林の中の小屋だ
2013年04月21日 17:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/21 17:28
縄文杉の少し手前にあった、(旧)高塚小屋に到着。原生林の中の小屋だ
(旧)高塚小屋に到着。午後の原生林を小屋の窓から眺める
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
(旧)高塚小屋に到着。午後の原生林を小屋の窓から眺める
8/24 縄文杉、たしかに大きいな..
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
8/24 縄文杉、たしかに大きいな..
大王杉。これもかなり大きい
2013年04月20日 18:17撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:17
大王杉。これもかなり大きい
ウイルソン株。鳥居があった
2013年04月20日 18:18撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:18
ウイルソン株。鳥居があった
森林軌道跡に出た。下ってきた森を振り返る。下半分は照葉樹林で、上半分は屋久杉の森となっている
2013年04月20日 18:18撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:18
森林軌道跡に出た。下ってきた森を振り返る。下半分は照葉樹林で、上半分は屋久杉の森となっている
森林軌道跡から眺める大杉谷の流れ
2013年04月20日 18:18撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:18
森林軌道跡から眺める大杉谷の流れ
森林軌道跡をたどってゆく
2013年04月20日 18:18撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:18
森林軌道跡をたどってゆく
三代杉、あまり太くはなく、すっくと立っている
2013年04月20日 18:18撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:18
三代杉、あまり太くはなく、すっくと立っている
小杉谷にかかっていた吊り橋、傾いていて、「通行禁止」の表示があった
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
小杉谷にかかっていた吊り橋、傾いていて、「通行禁止」の表示があった
白谷山荘に到着。(この当時は、屋久島の山小屋の中では唯一、管理人がいる山小屋で、清潔だった)
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
白谷山荘に到着。(この当時は、屋久島の山小屋の中では唯一、管理人がいる山小屋で、清潔だった)
8/25 白谷雲水峡沿いに下る。
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
8/25 白谷雲水峡沿いに下る。
宮之浦港に到着。船の出船まで時間があるので港付近を散歩する。青い海を前景に、屋久島の山の一角が望めた
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
宮之浦港に到着。船の出船まで時間があるので港付近を散歩する。青い海を前景に、屋久島の山の一角が望めた
(同じく)宮之浦港から望む屋久島の山々、これらは前山で、宮之浦岳などの中核部は海沿いからは見ることはできない。
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
(同じく)宮之浦港から望む屋久島の山々、これらは前山で、宮之浦岳などの中核部は海沿いからは見ることはできない。
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、夏の蒼い海がどこまでも広がっている
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、夏の蒼い海がどこまでも広がっている
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、打ち寄せる波
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、打ち寄せる波
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、エメラルドグリーンの美しい海
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
(おまけ)宮之浦付近の海岸にて、エメラルドグリーンの美しい海
鹿児島へ向かうフェリーから、屋久島を振り返る。一番奥に見えるのはたぶん永田岳
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
鹿児島へ向かうフェリーから、屋久島を振り返る。一番奥に見えるのはたぶん永田岳
フェリーから眺める太平洋、夏だなぁ..
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
フェリーから眺める太平洋、夏だなぁ..
フェリーは九州に近づいてきた。高隅山地が見えてきた
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
フェリーは九州に近づいてきた。高隅山地が見えてきた
フェリーから望む、開聞岳
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
フェリーから望む、開聞岳
フェリーから望む、桜島
2013年04月20日 18:32撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/20 18:32
フェリーから望む、桜島

感想

【山行No 46】

※この年は学生時代最後の年、翌年は就職でどこの事業所に配属になるやら解らないので、
 九州にいるうちに行ってみようと思い、屋久島に行くことにした。
 暑い季節ではあるが、長い休みが取れる夏休み期間中に行くことにする。

8月20日(土)
 ・宿泊費を浮かすことと、行程を短縮するため、福岡から鹿児島へは、夜行急行で行く。

8月21日(日)
 ・朝、西鹿児島駅に到着。たまたま駅で、同じ屋久島に行くというI氏と出合い、途中まで一緒に行くことにした。
  駅から市電(路面電車)で港へと向かうが、途中でどうも向かっている方向が違うような気がして、
  人に聞くと、乗った電車が方向違いであることが発覚。
  途中で降りて再び駅へと戻り、そこから結局、歩いて港へと行く。
  駅から近いはずの港まで、結局、1時間以上を費やした。

7:30-8:05 鹿児島港
 ・ようやく、屋久島行きのフェリーに乗れた。
  フェリーの中では、夜行電車での寝不足を解消しようと、横になり、うたた寝をする。
12:30-40 屋久島 宮之浦港
 ・I氏の当初の計画では、ここから白谷白雲峡へタクシーで行く予定とのことだったが、
  なぜか、タクシーが行ってくれない、とのことで、
  結局、自分と同じく、ヤクスギランドから登ることになった。
 ・ヤクスギランドまでは、観光バスのようなバスに乗ってゆく。
  途中の景色は大したことはなかったが、安房から山の中に入ってゆくと、
  深い原生林が広がり、ようやく森の島、屋久島らしい風景に出会えた。
  安房からヤクスギランドまで、約1時間を要した。

14:30 ヤクスギランド入口
 ・バスはヤクスギランドの中まで行くが、我々はここの入り口で下車する。
  時刻も遅めなので、さっそく、淀川小屋へと、林道歩きを開始。
 ・I氏と一緒に進むが、I氏はなかなか快調なペースで進んでゆき、13kg程度の 荷物を背負った自分は遅れがちだ。
16:50 林道終点
 ・このころから夕霧が湧いてきて、夕立が来そうに思い、少し焦る。山道をどんどんと進む。

17:30 淀川小屋着
 ・ようやく夕暮れが迫るころに、目的の山小屋に到着できた。
 ・小屋はそれほど混んではいなかったが、中は薄暗くて気味が悪いので、
  テントで泊るというI氏に誘われ、自分もI氏のテントに泊まることにした。
  I氏は東京から来ており、同学年のM2で、自分と同じく来年は就職とのこと。
  テント内では山の話やら、大学の話やらで話が弾んで楽しい夜を過ごせた。

8月22日(月)
 ・寝る頃はテント内も暑くて、シュラフにも入らなかったが、さすがに明け方は冷え込んで、シュラフに潜り込んだ。

6:30 淀川小屋発
 ・さて、I氏と一緒に出発する。が、I氏は足取り軽やかで着いてゆくのが精いっぱい。
 ・山道を登ってゆくと、だんだんと屋久杉が増えてきた。
  尾根筋に登ると展望が開け、右には1694峰、左には本高盤岳と、巨岩が山頂にある山々が見えてきた。屋久島らしい風景だ。

7:40-8:00 小花の江河(こはなのえご)
 ・名前のとおり小さな湿原だが、感じの良い場所。ついついのんびりとした。
8:10-20 花の江河(はなのえご)
 ・話では、この湿原は荒れているということだったが、ゴミもなくここもきれいな湿原だ。
  正面には目指す黒味岳がどっしりとそびえているのが見える。

9:10-10:00 黒味岳(くろみだけ;標高=1836m)
 ・I氏は空身で山頂へと軽々と登ってゆく。一方自分は、山頂で朝食を取りたいので、
  重荷を全部背負って汗をかきながら登った。
 ・山頂には花崗岩の巨岩があり、岩の上に登ると、いかにも山を制覇したような充実感があった。
  夏にしては上空は気持ちの良い青空が広がっており、周辺の展望は、
  宮之浦岳、永田岳などこれから目指す山々がすぐ近くに良く見えており、
  あまりに気持ちの良い山頂なので、ずいぶんと長居した。
 ・I氏とは足のペースがだいぶ違うし、彼は山中3泊、自分は山中4泊の予定なので、
  I氏には先に行ってもらうことにし、ここからは単独で進む。
 ・投石平手前の沢で水を補給。投石平付近から、周辺はだいぶ雲が増えてきた。
  それにしても夏のハイシーズンと思っていたが、縦走する人は予想外に少ない。
  稜線で出会ったのは10人に満たなかった。

13:30-14:00 宮之浦岳山頂(標高=1935m)
 ・ようやく、「九州最高峰」に到着!
  しかし時間も午後となり、周辺は雲に覆われて視界はない。ちょっと残念。
  ここで先行していたはずのI氏に再び出会う。

 ・ここから自分は、永田岳方面へと向かう。
  宮之浦岳から永田岳への稜線は、笹が深いし、足元の道はえぐれていて、なかなか歩きにくかった。
15:00 永田岳東のコル
 ・ここで再びI氏に出会った。I氏はここでテントを張るという。
  泊ってゆくことを誘われたが、予定通り、鹿の沢小屋へと向かうこととする。

16:00 永田岳(標高=1890m)
 ・夕方近くなり、ようやく今日の最後のピークに到着。
  しかし、宮之浦岳と同じくガスが濃くて周辺の展望なし。
  時刻も遅いので、すぐ山小屋へと下る。ここから山小屋までも登山道は笹に覆われて、結構苦労した。

17:00 鹿の沢小屋着
 ・一日、目いっぱい歩いて、ようやく今日の山小屋に到着。
  小屋に入ると、人は少なく、T大生で、屋久島で気象観測をやっているという人たち3名がいるだけだった。
  人が少ない代わりに、ネズミが住み着いているようで、夜になると、ネズミの運動会が始まり、
  ゴソゴソといつまでも音がしていた。

8月23日(火)
・5:30に起きる。本当は永田岳でご来光を見る予定で早起きするつもりだったが、
 朝寝坊してしまい、すでに外は明るい。

7:30 鹿の沢小屋 発(気温=11℃)
 ・気温は夏にしては低めだが、ここから永田岳への登り返しは結構な急登で、
  朝から汗をダラダラ流しながら登ってゆく。
  今朝は、昨日の午後と違い、スッキリと晴れており、目の前の永田岳もはっきり見えるし、
  峰続きの「障子尾根」岩峰群や「ロウソク岩」も良く見える。
9:00-20 永田岳山頂
 ・今回2回目の山頂。天気は良いがすでに日差しは熱い。
  東のコルにテントを張っていたはずのI氏のテントは、すでに見えない。

10:20-30 焼野分岐(三叉路)(気温=22℃)
 ・ここから、縄文杉のある方向へと下る。
11:00 平岩の岩屋
11:50-12:10 第一展望台
 ・昼近くなって、だいぶ雲が上がってきた。周辺の展望もなくなってきた。
 ・ここからは樹林帯となり、展望はなくなった。
  さすがに、暑さもあって疲れが出てきて、この後は惰性でダラダラと下る。

14:20 (旧)高塚小屋着
 ・まだかまだか、と思っていたら、不意に小屋が目の前に現れた。
  小屋の周辺はゴミが多くて、蝿も飛んでいて、あまり清潔ではない。
  小屋の中には登山者5名と少なかった。周辺にテント泊3名。
 ・ここは縄文杉のすぐ上にあり、水場に下るついでに縄文杉を見ることができた。
  水場まで片道10分。

8月24日(水) 
6:20 高塚小屋発
 ・今日の天気予報は曇り時々晴れ、となっており空を見上げると、朝から
  雲が足早に流れている。ちょっと嫌な感じの空模様だ。
 ・下ってすぐ、縄文杉。ここは昨日に一度見物しているので、さっさと通り過ぎる。
7:10-20 大王杉
 ・大きいことは大きいが、縄文杉よりは若干小さい感じ。
8:20-40 ウイルソン株
 ・大きな切株だ。だが、期待が大きすぎたのか、思っていたほどは感動しなかった。
9:00-10 大杉歩道入口(気温=21℃)
 ・ここから森林軌道跡を緩やかに歩く道となった。
  事前情報では道は荒れているとも聞いていたが、思ったほど荒れておらず、まずまず良好な道だ。
  しかし、堅い枕木を踏みながら歩いていると、しだいに足裏が痛くなってきた。
 ・この小杉谷の周辺は、自然林がほとんどだが、小杉谷荘が近くになると、二次林の樹相となった。
  この付近、昭和中期に屋久杉はほとんど伐採されてしまったようだ。もう元の姿には戻らない、残念なことだ。
10-30-50 小杉歩道分岐
 ・ここから、森林軌道沿いの道を外れ、辻峠への登りとなる。
  分岐は予想よりわかりにくく、ぼんやりしていると見逃しそうな感じ。
12:00-20 辻峠
 ・辻峠への登りも、そこからの下りも、自然林の中の気持ちの良い道が続く。

12:40 白谷山荘着
 ・時刻はだいぶ早く、そのまま麓まで行けなくはないが、いずれにしてもフェリーは、
  明日午前中の便となるので、今日はここで泊まることにする。
  この白谷山荘は、屋久島の山小屋の中で唯一、管理人が駐在しているまともな山小屋。
  (1983年当時のことです。最近は無人で荒れていると聞きます)
  有料の小屋だけあって、中は電気もつくし、さっぱりした感じの良い小屋だった。
  午後は時間もあるので、持ってきた文庫本を読んだり、昼寝をしたりで、のんびりと過ごした。
  この日の宿泊は、10名ほどの団体を含め、15人ほど。

8月25日(木)
6:30 白谷山荘発
 ・今日は下山してフェリーに乗るだけの日。遅めに出発する。

7:40-8:00 白谷峡入口
 ・しばらく行くと、観光名所にもなっている「白谷白雲峡」に着いた。
  朝の原生林はなかなか気持ちいい。谷は深いかと思っていたが、そうでもなかった。
 ・高度を下げるにつれ、夏の暑さが戻ってきた。
9:20-30 楠川林道入り口
 ・ここからは山道が終わり、林道歩きとなる。
  ここまで着ていた汗臭い長袖シャツを脱ぎ、Tシャツも着替えて気分一新。
  林道を下ってゆくと、前方に青い海が見えだした。島にいることを思い出させてくれた。

10:00-10 楠川
 ・集落に到着。バスは1〜2時間に1本の運行だが、運よく、ちょうどのバスに乗ることができた。

10:40-13:30 宮之浦港
 ・これで登山も終了。雨が多いと評判の屋久島だったが、5日間の山行の中で、
  1回も雨に降られなかったのはラッキーだった。
  5日もかかったが、屋久島の主要なピークにも登頂できたし、縄文杉など有名なものも見れたしで、満足感の大きい山行だった。
 ・フェリーの出航まで時間があるので、港近くの海を見に行ったりして時間をつぶしていたが、
  待合室で、今回の山行の前半に同行してもらったI氏と、思いがけなくも再開した。
  聞いてみると、下山途中で足首を捻挫したため、1日早く麓に下山し、
  前日は海で少し泳いできたとのことだった。

 ・フェリーは港を離れてゆく。なんだか感傷的な気分となり、船からはずっと蒼い海の姿を眺めた。
  鹿児島に近くなってくると、九州の山(高縄山地、開聞岳、桜島)が見えてきて、旅の終わりを飾っていた。

18:00 鹿児島港着
 ・I氏は、さらに、開聞岳に登るということで、同行を誘われたが、明日からの予定もあるので、
  残念ながら行くことはかなわず、ここでお別れとなった。
 ・西鹿児島駅周辺で夕食、また近くの銭湯に入って、5日間の汗を流してすっきりした。

 ・20時過ぎの夜行急行で、福岡へと戻る。
  福岡(博多駅)には、翌朝5時半に到着した。長い旅が終わった。

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