槍ヶ岳(上高地〜新穂高)
- GPS
- 35:30
- 距離
- 32.3km
- 登り
- 1,986m
- 下り
- 2,393m
コースタイム
06:28上高地バスターミナル〜06:33河童橋06:33〜07:15明神07:20〜08:05徳沢08:05〜08:20新村橋08:20〜09:03横尾09:30〜10:24一の俣10:24〜10:31二の俣10:31〜11:12槍沢ロッヂ11:34〜17:25槍ヶ岳山荘(幕営)
●4/29(月)
07:34槍ヶ岳山荘〜08:13槍ヶ岳08:19〜08:52槍ヶ岳山荘09:28〜09:33飛騨乗越09:33〜10:50宝の木10:50〜11:46槍平小屋(昼食)12:53〜13:25滝谷避難小屋13:25〜(白出沢手前で道迷い)〜16:06白出沢出合16:06〜17:09穂高平小屋17:09〜17:58新穂高バスターミナル
天候 | 4月29日(日):快晴 4月30日(月):晴れ→ガス→快晴 稜線は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
帰り:タクシー(新穂高温泉〜市営沢渡第2駐車場/10360円+安房トンネル通行料800円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 上高地バスターミナルにあり。 ※前日の大量降雪により、上高地のインフォメーションセンターでは 「涸沢、槍、蝶への登山禁止」の張り紙あり。 【コース状況】 ●上高地〜横尾 前日の大量の降雪でバスターミナルから積雪あり。 バスを降りたとたんスッころびました。 徳沢付近までは凍結してツルツルの道が続くので注意が必要。 上高地からアイゼンを付けている人も多数。 横尾では大橋の前に長野県警の指導員がいて、 雪崩リスクによる涸沢への入山規制を行っていた。 ●横尾〜槍沢ロッヂ 槍沢方面は入山規制の対象外だった。一の俣、二の俣を過ぎ、徐々に斜度を増していく。 雪の量が多く、およそ1時間40分程度で槍沢ロッヂに到着。危険箇所は特になし。 ●槍沢ロッヂ〜槍ヶ岳山荘 槍沢から少し進むとババ平に出る。テントは1張りのみ。 この頃から進行方向右手の赤沢山付近の岩壁から次々とゴーッという音とともに 雪崩が発生するのを目撃。覚えているだけでも5回は雪崩れていた。 この日下山の人とすれ違って話を聞くと27日だけで1メートルほど積もったと言う。 水俣乗越方面へはこの時期誰も向かわないのであろう大曲の正確な場所は分からず、 気づいたら通過していた。 夏道通り、この辺りから谷は左に大きくカーブし始め急斜面に入る。 天狗原分岐を過ぎ、急登を登り詰めていくと正面に ドーンと槍の姿と槍ヶ岳山荘が目に飛び込んでくる。 ここからは九十九折ではなく、深雪に足を取られながらひたすら直登して山荘に到着。 ●槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳山頂 ハシゴとクサリはほとんど出ている。 注意すべきは岩とアイスのミックス箇所、及び雪壁になっている箇所。 ●槍ヶ岳山荘〜槍平小屋(飛騨沢) 大喰山との鞍部(飛騨乗越)から飛騨沢に入り、ひたすらまっすぐ下る。 新雪がズブズブでとても下りにくい。尻セードしようにも滑らず、 かなりの体力を奪われる。 宝の木辺りからようやく斜度も緩み始め、進行方向正面に西穂の稜線が見えるようになると、 だいぶ歩きやすくなり、槍平小屋が見えてくる。 ●槍平小屋〜白出沢出合 滝谷避難小屋を過ぎた辺りからできたてホヤホヤのデブリだらけ。 大きいものもありかなりコワい。 白出沢の手前で道迷い。 正規ルートは出合方面へは沢を少し高巻くようにルートがとられているが、 そのまままっすぐ沢に突っ込んでしまい、強引に突破を図るも踏み抜き多発で引き返す。 さらに沢を遡上しようとしたけど堰堤に阻まれてしまい、 結局元来た道まで戻って1時間以上のロス。 ●白出沢出合〜新穂高バスターミナル 白出沢出合からの林道もズブズブの残雪が残り、歩きにくく微妙に体力を奪う。 雪は、穂高平小屋の手前でようやく無くなる。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
GW第一弾は雪の槍ヶ岳へ。
飛騨沢からか槍沢からか迷ったけど、まだ登ったことがない
ということで槍沢から目指すことに。
●4月28日(日)
朝6時過ぎに上高地に到着すると前日の大量降雪のために
「横尾から先、登山禁止」の張り紙が。
敢えて一日ずらしたのに、いきなり出鼻をくじかれる。
が、とにかく横尾まで向かうことにする。明神に着く頃には完全な青空に。
9:00過ぎに横尾に到着。横尾大橋にはロープが張ってあり入山規制中。
槍沢方面は特に問題ないようなので進むことに。
一の俣、二の俣を過ぎ傾斜が増してくると久しぶりのテン泊装備とスコップ、
ワカン(前日の降雪で必要になるかもしれないと思って…)など雪山装備が堪えてくる。
槍沢ロッヂで休憩し、荷物を少しでも軽くするためにアイゼンを装着し出発。
するとゴォーという音が辺りに響き渡る。この時は「どこかで雪崩が起きてるんだな」
程度にしか思っていなかった。
しかし、ババ平付近までくると、進行方向右手の赤沢山の山肌から
次々と雪崩が発生するのを目の当たりにする。
幸い登山道まで迫ってくるものは無かったのでよかったけど、
キツかったらババ平でテントを張って早朝に槍にアタック、
という選択肢はここで完全に消え去った。
あとは槍ヶ岳山荘まで登るしかありません。
予想よりも雪が多く、大曲を過ぎてからの登りは
「こんなにシンドイのはいのはいつ以来だろう?」というくらいキツかった。
グリーンバンド付近で穂先と槍ヶ岳山荘が見え、
「あと少し!」と思うもののここからが遠い。
景色に変化があまりなく、なかなか近づいて来てくれない。
最後はもう虫の息で何とか到着。
稜線は強風で、テント張るのにもひと苦労。
定番のキムチ鍋を食べて眠りにつくも、一晩中強風に苛まれる。
●4月29日(月)
4:00起床。山頂で日の出を迎えようと思ってたけど、昨夜よりも風が強まり、
テントを空けると飛ばされてしまうのが心配で、テン場で日の出を迎えることに。
朝ゴハンを食べ、撤収してから山頂に向かおうとテントから外を見ると、
さっきまであんなに晴れていた空が雲に覆われ始め、
穂先も見えないくらいガスってきた。風もさらに強さを増している。
撤収後、山荘で冬山完全装備となり山頂に向かう。
もちろん眺望はなく写真だけ撮ってすぐに下山。
帰りは飛騨沢から新穂高に降りることにする。
降りている途中、再び天気は回復しいっきに快晴に。
そのせいで尻セードしようにも大量に降った新雪がズブズブで滑らない。
しかたなく歩いて下ると、足元が不安定でジワリジワリと疲れが溜まっていく。
槍平小屋でお昼ゴハンを兼ねた1時間を越える大休止。
普段は30分以上休むことはあまり少ないのだけど、
GWということで青空の下、時間を気にせずに開放感に浸る。
最後に白出沢の手前で道迷い。復帰するのに1時間以上かかってしまい、
疲れたカラダに追い打ちをかけるアクシデントもあったけど無事新穂高温泉に下山完了。
季節外れの大雪に、ヘロヘロ、強風、そして道迷いといろいろとあったけど
終わってみると充実感MAXで素晴らしいGW前半の山行となった。
遠くから眺めても、尖った穂先やその存在感で、
私でも「槍」だってことが分かるくらい、北アルプスのシンボルのような山。
他の山からいつも見ては、いつかは行きたいなぁと思っていた。
GW前半、そんな憧れの槍ヶ岳へ!
もちろんテンションがあがる〜!
出発地の上高地はGWの賑わいで、これまた心が踊る〜。
が...
登山届け窓口に「横尾から先、入山規制中・雪崩の危険」と張り紙が。
ビビリな私は一気にテンションが下がる。。
「コワイ…」
でも実際のところは分からないので、まずはスタート。
★1日目
林道は写真を撮っているひと、散歩している人もいて
早朝にもかかわらずけっこうな人出。
凍ってつるつるの道をスニーカーで歩いている人、すごい。
私自身はいつコケるか気が気でなくて、アイゼンを付けたいくらいだった。
実際に、写真を撮りながら歩いてたら見事にすっ転んだ。。
(教訓:“ながら歩き”はしてはいけない)
この日は天気もぐんぐんよくなっていき、あっつい。
日差しもつよく、雪の反射で目がおかしくなってしまうほど。
残雪期って、夏よりも日焼け対策を万全にしないとたいへんなことになりそう。
延々と林道歩きがようやく終わり横尾に到着。
ここもまたすごい人。みなさんのウェアや装備が色とりどりで、きれい。
と、そのなかにパトロールのお兄さん方が。
「今日は涸沢方面は雪崩の危険がMAXです」
「行くなとは言いませんけど、危険なので入山しないでください」
と言っている。
前日にたくさん雪が降って、さらに今日はぽかぽか陽気。
当たり前だけど、こういう日に雪崩が起きるのか、と再認識。
パトロールのお兄さんに、私たちが行く槍方面はどうかと聞くと、
「そちらは、着く頃にはぜんぶ雪崩れてますよ。大丈夫でしょう」と。
え、、?着く頃には?でも雪崩れるんでしょ?ほんとに大丈夫なの…??
心配な気持ちが残るも、ここからは自己責任で十分気をつけてGoすることに。
まず向かうポイントは、槍沢ロッジ。
同じタイミングで歩いていたのは、私たちの他、
単独のテント装備の方、BCの2人組、槍沢ロッジまで向かうという年配の方の3組。
途中下山されてきた方に、雪崩情報やコース状況を確認しながら進む。
2時間弱歩いたところで、槍沢ロッジに到着。
この時点で、ばてばて。。。
暑さと久しぶりの荷物の重さで、この先の地図を見て気が遠くなってしまう。
あと5,6時間、しかもここから先は登り中心になるという。
とはいえ、行かないわけにもいかない。
その場にいた人たちと「頑張りましょう!」と声を掛け合い、いざ出発。
あるきはじめ谷に入ると、ぐるりと山に囲まれた景色に息をのむ。
青い空と白くつるんとカーブした谷がくっきり二層に分かれていて、まるで写真のよう。
谷の一番下のところにいる私は、この景色に呑み込まれそうな感覚になる。
と、感動しながら歩いていると、後ろの方から
「ゴォォォォ〜!!!」といやな感じの音が。
はじめて聞く雪崩の音だった。
ちょうどお昼過ぎ、気温もぐんぐん上昇し、雪崩のピークなのだろうなぁ、、、
そう思っていると、上の方で雪崩が。
ここまで到達するものではないけれど、音とそのすごい勢いに、
一瞬固まる。もちろん雪崩をナマで見たのははじめて。
「こんな所、はやく通過しなくちゃ!!!」
荷物の重さと疲れがすごかったけど、その思いが私を前に進ませた。
その後も何度か雪崩を目撃し、いつもなら「数歩進んでは止まる」を繰り返す私が、
ほぼ止まることなく進みつづけた。
そんなふうに歩いていたので、当然からだはへとへと。
素晴らしい景色はつづくものの、目的地が見えない。
どこまで行っても同じ景色がつづくばかり。
と、そのとき見えてきたのが尖った岩と、建物のかたち。
「あれ、槍?ただの岩?…」
あんなにあこがれていた槍ヶ岳が、ただの大きな岩にしか見えないなんて…笑
とはいえ、ゴールが見えたことで、あとはひたすら無心になって登るのみ。
ようやく山荘に着いたときは、疲れで倒れ込んでしまうと思ったら、
むしろ達成感で、ハイ状態。私にしてはめずらしいこと。
夜は、一生懸命かついだ塩こうじ漬けの豚肉とたっぷり野菜の熱々キムチ鍋を食べて就寝。
★2日目
4時起床。
夜中、びゅーびゅー吹く風の音であまり眠れず。
朝焼けがとてもきれいだった。真冬なら、外に出て朝焼けを見るなんてことできないけど(私の場合)、
やはりもうGW。防寒さえしっかりすれば、外に出てもそんなに寒くない。
しばらく陽が昇るのをみんなで見とれる。
しかし、朝ご飯を食べてふたたび外に出てみると、
天気が一変。ガスと風であたりはまっしろ!!!
こんなことなら、朝ご飯前に頂上を目指すべきだったか、と思いながらも、
槍ヶ岳頂上に向けて出発。
頂上への道は、岩、氷、雪が混ざっていて、それに強風で
かなり慎重さと緊張感を強いられた。
山頂まで「0.2km」という看板が出ていたけど、なんと長く感じる道だったか。
つい、いつもの「私はここまででいい」という台詞を吐いてしまいそうになった。
憧れの槍ヶ岳、昨日は「ただの大きな岩」と思ってしまったけど、
やっぱりすごい立派な山なのでした。
その後、山荘までおりた後、支度をして下山開始。
急に天気も回復し、たっぷりの雪の中をおりていく。
長過ぎる帰りにみち、1日目の登りのときのような緊張感がなかったせいか、
前日の疲れも出てきているのだと思うが、すぐにヘタれてしまう。
ようやく新穂高温泉のバス乗り場に着いたときは、
大の字でひっくり返ってしまった。
憧れの槍に残雪期に登れて、良く歩き、いろんな経験もできた充実の2日間でした。
はぁ、満足、満足〜♪
danyamaさん、komemameさんこんにちわ。
2月に甲斐駒ですれ違ったものです〜
写真がどれも素晴らしいです。
28日は私は蝶−常念の稜線を歩いてました
GW後半は私も槍に行く予定だったんですが、遣り残した山があるので行かないことにしたんですが、danyamaさんのレコ見たら行きたくなってきました
maedatomoさん
ご無沙汰してます。
コメントありがとうございます!
上高地からしっかりと雪が付いていて、
11時間近く20kgの荷物を背負い続けたので、
自分的には黒戸よりもキツかったです〜。
GWの第2弾山行としてちょうど今日夜から、
表銀座に向かう予定でしたので、記録参考にさせていただきます。
「やり残した山」というのは気になりますね。
こちらも記録アップされるのを楽しみにしてますね!
danyamaさん、 komemameさん、こんにちは。
いやー、素晴らしい景色ですね。圧倒されます。
私は28、29日で涸沢から北穂あたりを考えていたのですが、前日に入山規制の情報を得て、急遽常念に変更しました。またまた、お会い出来る機会だったのに残念です。それにしても雪崩れの頻発する中の山行、ご無事で何よりです。そして本当にお疲れ様でした^^
usatakoさん
こんばんは。コメントありがとうございます!
うわぁ、そうなんですね…お会いできず残念でした。
でも、usatakoさんとは浅間、杣添そして落とし物(笑)と
深いご縁があり、次の機会も絶対あると思ってますので楽しみにしています!
入山規制のことは知らず、28日朝は沢渡の駐車場で、
「昨日は雪が降ったようだからワカンは一応持って行っておいた方がいいね」
なんてkomemameと呑気に話している程度だったので、
上高地での入山規制の貼り紙に豆鉄砲を食った鳩のようでした。
それにしても槍ヶ岳山荘まで一日で雪山テン泊装備一式を担ぎ上げるのはシンドくて、
途中で何度も心折れそうになりましたが、
翌日、朝焼けを写真に収めることができた瞬間、報われた気がしました。
すっばらしく写真がきれいでした。鳥肌が立ちました
いつかおいらも見てみたいなぁ、、、そう思わせる写真ありがとうございました^^
minapapaさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
写真お褒めいただき光栄です!
minapapaさんたちが横尾でのテン泊山行の帰りに
ニアミスしているみたいですね。
自分たちが中房温泉から常念山脈を縦走し終え、
徳沢から上高地に向かっているときにもしかしたら
追い抜いているかも知れません。
お子さんに登山の英才教育を施して(笑)、
一緒に槍からのモルゲンロートが見られる日が早く来るといいですね。
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