立山BCスキー (山崎カール、真砂沢、雷鳥沢)
- GPS
- 27:45
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 2,695m
- 下り
- 2,708m
コースタイム
9:25室堂-10:24一ノ越-11:40雄山山頂-(休憩・準備)-12:14山崎カール滑走開始-12:43雷鳥沢着-15:04剱御前小舎
5月26日(日)
6:30剱御前小舎-7:00別山-(休憩・準備)-7:10別山から真砂沢に向けドロップ-7:25再度ドロップ-7:57剱沢出合-(休憩・準備)-8:13シール登高開始-11:08剱御前小舎-(休憩・準備)-11:38雷鳥沢に向けドロップ-11:54雷鳥沢下部-(休憩・準備)-12:01雷鳥沢発-13:07室堂
天候 | 5月25日(土):快晴、ほぼ無風。15時頃から曇り 5月26日(日):晴れ、真砂沢と剱沢の下部は微風、それ以外はほぼ無風。 両日共に天気良く、雪面からの照り返しが強く、大変暑い。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・扇沢から室堂まではアルペンルート利用。週末なので基本的に混雑していて、臨時便も出ていた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
スキーができる程度の積雪はあるが、ここ数日の好天で一気に積雪が減ってきている。以下、各所で見られた点をまとめる。 ・室堂→一ノ越:ずっと雪の上を歩く。スキーヤーを見ていると、つぼ足とシールの割合は半々くらいだった。早朝の早い時間でなければアイゼンは不要と思う。一ノ越の手前は雪がだいぶ融けていて、そろそろスキーでの通過はできなくなりそう。 ・一ノ越→雄山:雪はなく完全に夏道。スキーブーツでの登りはしんどい。登山者が多いので、落石に注意。 ・山崎カール付近:雄山の小屋の裏手から滑り込める。上部は急斜面で狭いが、徐々に広く快適な斜面になる。正午頃の雪質は程よいザラメ。 ・雷鳥沢:剱御前小舎まで登り一辺倒。25日は快晴で日差しが強く、雪面からの照り返しも大変強くて、登りで難儀している人が多かった。雪質は気温も上がったこともあってグズグズ。26日は正午前に滑ったが、上部は滑りやすいザラメ、下部も水気を含んでいるものの、意外に?滑りやすかった。 ・剱御前小舎→別山:数カ所残雪の上を歩く他は、完全に夏道が出ている。アイゼン不要。 ・真砂沢:別山より真砂沢に向けて滑り込むのがセオリーのようだが、沢の最上部で既に途中で雪が切れていて、一度スキーを外す必要があった。それ以降は剱沢との出合まで雪は繋がっている。真砂沢上部凹凸、縦溝、クラックなく、ザラメで快適。標高2,000m付近より徐々に縦溝や凹凸が見られ始め、雪も汚くなっていた。沢の最下部で日当たりの良くないところは少し雪質が硬い。剱沢の下部も同様だが、GPSの受信が良くないため、位置精度も良くない。 ・剱沢:標高2,100m付近より下部はデブリなど多い。特に別山沢との出合付近は一面デブリに覆い尽くされていて歩くのも滑るのも困難。ただし、このデブリは最近のものではない。自分が通過していた時間帯は、長次郎谷の付近の崖が頻繁に雪崩れていて、一抱えほどもあるブロックや岩石が落ちてきた。トップスピードで抜けるのみ。2,100mより高所は雪もきれいで凹凸も少なく、滑走にも適する。 ・雷鳥沢→室堂:室堂に近い遊歩道は既に雪が途切れている箇所もあるが、全般に雪の上を歩く箇所がまだ多い。 <その他> ・室堂ターミナルを出たところにある水場(玉殿湧水)はこの時期まだ雪の下。 ・剱御前小舎:宿泊者には水を分けてもらえる。天水のため、要煮沸とのこと。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
5月25日(土)
扇沢の砂利の無料駐車場には6時頃到着。好天の週末なので既に準備をしている人もちらほら。こちらもブーツを履き、ザックを担ぎ、板を持ってロボット歩きでチケット売り場へ。無事始発便に乗り、順調に室堂着。室堂は雪が豊富で天気も良い。2日分の食料と初日の行動中の水を持つとザックは結構重い。それに板を取り付けて歩き始めるが、すぐにしんどくなったのでシール歩行に切り替える。シールは一ノ越までしか使えないのは室堂からも分かっていたのだが、、、。1時間ほどで一ノ越着。一ノ越の直下は雪が少なく、そろそろスキーで登り上げるのは難しくなりそう。天気は相変わらず良い。
ここで板をザックに括り付けて歩き始める。雄山の山頂までは完全に夏道で、岩場をスキーブーツでこなさなくてはならない。・・・重い。重さで言えば夏季の縦走時の方が目方があるはずだが、板が長くバランスが悪いのと、足元がスキーブーツなのとでペースはさっぱり上がらない。が、岩場なので下からの照り返しが無い分暑さは凌げる。風はほとんどない。
雄山山頂はこれで4回目、5月に来たのはこれが初めて。雪はこちらもほとんど融けていた。天気は相変わらず良いので周囲が見渡せる。残雪をまとった北アルプスの山並みが見えた。山頂付近で休憩しつつ、山崎カールを滑る準備をする。どこからドロップするのかよく分からずウロウロしたが、社務所の裏あたりがスタートのようだった。先行者が飛び込むのを見てこちらも滑走開始。上部は傾斜が急で幅も広くないので安全第一で標高を下げ、幅が広がるのを見てターンしながら落ちていく。雪質は上質なザラメで板も良く滑る。快適な斜面。ある程度下って見上げると、結構な斜面に見える。さらに滑っていくとシールやスノーシューでカールに直接登り上げるスキーヤーも見られた。雷鳥沢のキャンプ場付近を目指して滑り、板が滑らなくなったあたりで休憩、シールを付けて雷鳥沢を登る準備を始める。
登り始めが13時頃で、日差しも照り返しも強い時間帯。幸か不幸か風はほとんどなく、とにかく暑く感じる。雪質は水気の多いザラメで、登る時に時折シールがズルっと滑ることもあり、足に疲労もたまる。左手に大日岳、右手に立山三山が見え、景色は抜群に良いがとにかく暑い。ここまでの行動時間は4時間程度と決して長い時間ではないのだが、暑さでかなりばてながら登り、あと少しで雪が途切れるところまできたが、しまっていない雪に足を取られて数メートル滑落。シール歩行もしんどくなってきたので、最後の最後にまた板をザックに付けて担いだ。15時過ぎに剱御前小舎着。雷鳥坂に2時間もかかってしまった。雷鳥沢の上部も雪は途切れていて、小屋まではスキーを外して歩く必要がある。もう少し早い時間に着いていたら、剱沢上部の滑走もする予定だったが、15時過ぎから雲が出てきたのと、暑さにまいって疲労していたので小屋で沈殿に決定。小屋の部屋からは剱岳の山頂付近が眺められた。小屋の宿泊者は10名程度で少なく、6人部屋に1人で宿泊できた。山小屋はやはり空いている時に泊まるに限ると改めて思った。
5月26日(日)
日曜日は午後から曇るような予報が出ていたので早出したかったが、斜面の雪が緩むのを小屋で待ってから6時30分ころ出発。他の登山者は剱岳本峰往復などを目指しているようで、朝まだ暗いうちから準備して出発していたようだった。スキーで宿泊していたのは自分のみ。
ほぼ夏道が出た道を別山に向け、スキーを背負って歩く。左手には剱岳が堂々と聳えていて、所々止まり撮影しながらなのでなかなか先に進まない。途中、半分冬毛の雷鳥を見かける。30分ほどして別山山頂に到着。
真砂沢には別山山頂付近から飛び込むのがセオリーのようなので、それに倣い準備を始める。小屋の情報では、雪が途切れていて一部スキーを外さなければならないとのことだったがどうか。ザラメの急斜面をこなしていくと、真砂沢が近づいてくる。が、やはり雪は途切れていて、ダイレクトには行けない。標高を下げるのを諦め、トラバース気味に移動して別のドロップポイントを探す。いつのものか分からないがスキーのシュプールが見えたので、そちらの方に向かい再度ドロップ。初めは急斜面だが、雪質は非常に上質なザラメで氷でもないので恐怖感もなく標高を下げていく。真砂沢上部は凹凸、縦溝、デブリなくとても快適。スケールも大きく、距離感もくるってくる。時折振り返り写真など撮りながらドンドン落ちていく。天気も良いので快適な滑りとなった。標高2,000m付近まで下がるとさすがに縦溝が現れ始め、雪も汚れてきて、滑りが重たくなってきた。さらに標高を落とすと沢も狭まり剱沢との出合に到着。標高差約1,000mの滑りだった。ここで大休止とシール登高の準備。真砂沢滑走中は、人っ子一人出会わなかった。
標高差で約1,000m滑ったので今度は同じだけ登り返さなければならない。剱沢は何度か歩いたり滑ったことがあるが、景色の変化に富んでいるので退屈しないはずだと事前に思っていた。歩き始めてすぐ、別山沢との出合付近で大量のデブリ(最近のものではないが)見られた。この付近の沢はまだ狭いので、デブリ以外の場所を歩くのは諦めざるを得なかった。さらに標高を上げると、長次郎谷の手前あたりの崖(上る時右側)から雪崩が起きているのが見られた。デブリも岩、砂、ブロックと色々見られる。なるべくこの崖から離れて歩きたいが、反対側の崖も朝の日差しを受けているし、まだ落ち切っていないブロックも見られる。こちらの崖のブロックも落ちない保証は全くないので、とにかく全速力でこの危険地帯を乗り切るのに集中した。2,100m付近まで登るとデブリや雪崩地帯も通り過ぎたようで、雪面がきれいになってきた。こことて安全である保証はなかったが、既に400mほど登りくたびれてきたので小休止。
このあたりからは沢も広がり解放感が出てくる。振り返ると剱岳や八峰の岩峰群が見られる。剱沢らしい景色で、時々立ち止まり、息を整えつつ写真を撮り先へ進む。天気は良く晴れているので風がないと暑くてばてそうになる。ペースを調整しつつ先へ進み、夏季はキャンプ場になるあたりで再度休憩をし最後の登りに取り掛かる。朝一のバス利用で雷鳥坂を上ってきたと思われるスキーヤーが剱沢を滑っている。自分も滑りたい衝動に駆られたが、再度登り返すのは如何にもしんどそうだったので、登り切ることに集中する。出合から約3時間で剱御前小舎に到着。思ったよりも早い時間に到着できたのは、雪崩危険地帯をスピードアップして登り切ったためだろう。
小屋にデポしてあった荷物をピックアップし、再度パッキングをし、11時35分頃に雷鳥沢を滑走開始。既に重くなった雪質を想像したが、案外に雪質は良く、ザラメで快適であった。あっと言う間にキャンプ場付近まで降り、ここで休憩しつつ歩きの準備。スキーは背負って歩いたが、やはり重い。天気も良いので照り返しが強くて暑い。風はほとんどない。スキーヤーや登山者の姿が少なくなるのと引き換えに、観光客の姿が目立ち始め、約1時間後に室堂のターミナルに到着。
トロリーバス出発まで10分なかったが、なんとか準備してバスに乗り込み移動開始。中国人の団体客と終始行動が一緒だったが、扇沢には約1.5時間後に到着。移動中は日本人の観光客よりも外国人の方が多かった。途中の標識に外国語(中・韓)が多いのに妙に納得してしまった。
立山や剱岳周辺は山スキーのフィールドとしては大変魅力的だが(大変危険でもあるが)、アルペンルートの利用が前提となり、乗り物の乗り継ぎも多いので、移動がやはり苦になってしまう。特に扇沢からの場合、室堂まで4つの乗り物に乗らなければならず、その乗り継ぎがやはり楽ではない。来年以降同所を狙うなら富山側からのアルペンルートを狙う方が楽かもしれないが、今度は片道400km以上のドライブがあり、結局どっちもどっちなのか、とも思う。
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