【白山】大笠山(1822m)アカモノの頭(1552m)天ノ又(1522m)
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 12:34
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 2,046m
- 下り
- 2,046m
コースタイム
- 山行
- 10:43
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 12:29
帰路は、山スキーヤーなら放っておかない斜面に飛び込んで遊ぶ。緩んだざらめ雪に足を取られて滑り出すシーンもあり、あわてて滑落停止で止めた。必要に応じてピッケル必携だと思う。
チャリに乗ってすぐに雨。この時期の雨はヘタすると氷点下近い。迷わずレインウェアを着るべきだった。
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
<冬季ゲート〜天ノ又>
今回の計画はフカバラノ尾をたどり、開津谷右岸の黒池尾根を下山ルートにしていた。以前、黒池尾根を利用して奈良岳に登り、帰路はダイレクトで開津谷を下降した。なので、周辺の地理にそれほど不安はなかった。
まずは、境川ダムまでチャリ上げして雪の具合を探る。時すでに遅く、とっぷりヤブヤブだった。これじゃ、どう見ても予定ルートは見込みが薄い。
やむなく、今回の山行計画をフカバラノ尾往復とする。大畠谷橋へとチャリをこぎつける。アナグマがひょこっと顔を出した。私とかくれんぼをしたいらしい。しばらく遊んであげる(遊んでもらう!?)。しばらくは、カタクリの紫花に和むが、時間に押さてチャカチャカ準備を進める。
冬の間、跳ね上げられていた吊り橋の踏板は戻っていた。春山の始まりを告げているようだ。ハシゴとクサリの登山道を登ると、そこは花祭りだ。シャクナゲ・コブシ・イワウチワ・マンサク・イワナシの花街道。しかし、それが意味するのは積雪量の減少だから気持ち的にはビミョー。
高度を上げると、桂湖を取り巻くオゾウゾやタカンボウが頭をもたげる。代わりに、大滝山・カラモン・人形・三ヶ辻・籾糠・猿ヶ馬場が柔らかな表情で姿をあらわした。
前後して、仙人窟と笈ヶ岳が挑戦的な面構えで立ち現れる。やがて奈良・見越・赤摩木古・大門・大獅子・猿ヶ山がパノラミックに広がった。
<天ノ又〜アカモノの頭>
天の又(前笈)に到着。雪が安定してくるのを半ば期待しつつ、足回りをアイゼンからスノーシューに変える。しかし、すぐさまヤブが現れた。若輩者のごまかし技を一切許さない非情さだね。
実は、今回はフルスペック担いできた。ザックの重さもそれなりだ。冬用の足回り一式、ビバーク装備、食料までも。理由は、GWに向けての「歩荷」山行だったからだ。
それが足元の緩さも相まって、じわじわ体力を奪っていく。荷物をデポりたい弱音を封印して、トレーニング山行を貫く私。何て、けなげなんだ(意味不明)。
アカモノの頭はナイフリッジどころか、完全にロープが露出していた。重い気持ちを持て余し気味だったが、大笠山が顔を出した瞬間、ふっと気持ちが軽くなるから不思議だ。
三方岩・野谷荘司・三方崩・奥三方・間名古の頭。そして盟主白山が視界をにぎわし始める。御前峰・大汝峰・七倉・四塚・・・背中の重荷にヘタり、捨てゲームのつもりだった私だが、ここにきてようやく、闘志にボッと火がついた。
<アカモノの頭〜大笠山>
ここからの大笠山は、何とも言い表せない美しさ。今いちど、彼女を口説き落とす戦略を復唱する。右のピーク(1560m)から左のピーク(1660m)へと、小ピークを次々と討ち落としながら、正面の雪庇を狙おう。
1660mピークをトラバースして最後の登りへ。御嶽や乗鞍、北アルプスの峰々が、何とも素敵だ!息を飲みながら、その一歩を味わいながら雪を踏みしめる。
割れた雪面をルーファイしながら雪庇を避けて登ると、避難小屋が現れた。ここから、大笠山山頂はすぐそこだ。そして、標柱の立つ山頂。思わず大きな声で吠える。
ガスが湧いて展望は望めない。だが、何ものにも替えがたい昂揚感にただただ包まれながら、ひとりベンチに腰を下ろした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する