笠ヶ岳 (新穂高から笠新道を登り,クリヤ谷を下る)
- GPS
- 11:40
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 2,152m
- 下り
- 2,151m
コースタイム
天候 | 晴れ,でも雲が多く,のち山の上はガスの中 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
まだこの時期はがらがらに空いていました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
笠新道は,杓子平から稜線まで雪渓の登り。登るにしたがって,かなり急になった。 アイゼンは持たなかったが,ピッケルは持っていったので,キックステップで登る。 下ってくる人が滑り落ちてきた。 最初,シリセードしてるのかと思ったが,どうやらそうではなかったようで, ハイマツ帯に突っ込む寸前で止まって事なきを得たが, とくにピッケルはあったほうがいいでしょう。 もちろん滑落停止の訓練をしてあることが必須です。 クリヤ谷ルートは,雪渓などの危険箇所はなし。 下山後はひがくの湯(700円)に寄って露天風呂に入り, 飛騨牛カレー(1000円)を食べる。 |
写真
感想
半年前から山登りに復帰して,冬から春はせいぜい1000mクラスの山を登っていましたが,
ゴールデンウィークからもう少し高い山(荒島岳や恵那山)に出かけ,
今回とうとう北アルプスへ。
このヤマレコで,前泊日帰りで行ってこられそうな北アルプスの山を探ってみると,
「新穂高温泉からの笠ヶ岳」が目にとまりました。
ボクが若かったころにはなかった「笠新道」というルートがあって,
そこを往復するか,あるいはクリヤ谷を下って,日帰りした記録を見ました。
しかし,「標高差1800mの日帰りなんて無謀だよなぁ」と躊躇もしました。
でも,笠ヶ岳には行ったことがなかったんです。
北アルプスはかなり歩きましたが,笠はちょっとはずれてるんですよね。
新穂高−ワサビ平−双六とか,裏銀座とかは何度も歩きましたが,
笠には行ったことがなかったのです。
土曜日の夕方まで「天気がどうだろうか」と迷っていましたが,
「なんとか晴れるんじゃないか」と判断して,夜8時に出かけました。
新穂高温泉の無料駐車場に着いたのは12時。
仮眠をとって,朝4時50分出発。上空は青空です。
蒲田川の左俣林道を歩いて1時間。笠新道の登り口に到着。
ここからブナやナラの森の中をぐんぐん登っていきます。
しばらくすると,背後に穂高の稜線が‥‥。
「おおー,久しぶりだね,穂高。そのうち,そちらへも行くから」,
そんな気持ちになります。
2200mぐらいから雪渓の上を歩く場面が増えてきました。
そして,登り口から3時間弱で杓子平に到着。
目の前に,笠ヶ岳から抜戸岳への稜線がどーんと現れました。
「うわっ,すごい!」,絶景に感動です。
ただ,ここから稜線までの雪渓の登りがどんな具合か,
それが心配でもあり,たのしみでもあり。
見たところ,稜線までずーっと雪の登りです。
途中まではトレッキングポールを使っていましたが,
斜度が増してきたので,ピッケルに握り替えました。
アイゼンは持ってきてないので,キックステップで登っていきます。
もっとも急なところは,40度ぐらいの斜度があったんじゃないでしょうか。
「ここは,グリセードで滑り降りたら気持ちいいだろうなぁ」と思いました。
ただ,今でも上手に滑れるかどうかは‥‥??
稜線に出て,抜戸岳を往復して,笠ヶ岳へ向かいました。
ガスってしまって,でもときどき笠が見えます。
抜戸岩を通り抜けて,まだ雪でおおわれた笠ヶ岳山荘のテン場のわきを登って,
11時すぎに笠ヶ岳山荘に到着。
ここで,トイレを貸してもらい,水を分けてもらって,お昼にしました。
「笠新道を前後して登ってきて,あの雪渓の登りで離れてしまった方々はどうしただろう。
戻ってしまわれたかな‥‥」,
昼めしを食べながら待っていても,誰も山荘に登ってこられないので,
そんなことを思いました。
ボクが「クリヤ谷はどんな状況かわかりますか」と山荘のおねえさんにたずねて,
クリヤ谷を下るか,笠新道を戻ろうか迷っていたところ,
お隣にいた方が「私もクリヤ谷を下りるつもりなんですが,いっしょに行きませんか」
とおっしゃるので,そうすることにしました。
ご自分もアイゼンを持参しておられましたが,もう一つ軽アイゼンも持っておいでで,
それをボクに貸してくださいました。
おしゃべりしながら,笠ヶ岳の山頂をめざしました。
山頂はガスの中で,眺望はまったくききませんでしたが,初めての笠ヶ岳。
そして,久々の3000m近い山頂です。テンションが上がります。
さて,山頂からはクリヤ谷の下りです。槍見温泉まで標高差1900mを下るのです。
石屑でガラガラの斜面を下りはじめました。同行の方とは間があいてしまいます。
帰りの時間も気になるので,申し訳ないけど,先に行かせてもらうことにしました。
ところどころ,稜線付近に雪渓が残りますが,
さして急ではないので,危険な感じはありません。
そのうち,稜線の西側をトラバースぎみに歩いて,雷鳥岩。少し下ってクリヤの頭。
そこからは,ササの中をぐんぐん下ります。
クリヤ谷源頭部の沢沿いで休憩しようとしましたが,
ブヨがたくさん寄ってくるので,早々に歩き始めました。
両足がもう限界に近くなってきました。
一度にヨイショと下りなきゃいけないところではもう力が入りません。
バランスを崩してよろけます。つまずいて転びそうになります。
フラフラしながら,ひたすら下りました。
槍見温泉まであと30分ほどのところで,クリヤ谷を渡渉するのですが,
岩と岩の間がけっこう開いていて,
あともう一歩のところでバランスを崩して,右足がドボン!
ただただ疲れ切って,やっとこさ4時に槍見温泉前の登山口に出ました。
お借りした軽アイゼンを,登山届ポストの下に置いて,お礼のメモを添えておきました。
さらに30分歩いて,新穂高温泉の無料駐車場へ。
ひがくの湯で露天風呂に入って,レストランで飛騨牛カレーを食べて帰りました。
数えてみれば,28年ぶりの北アルプス登山。
ただ,こんな日帰り登山はボクにはちょっと無理しすぎでした。
でも幸いに,天候にもまずまず恵まれて,
初めて笠ヶ岳に登ることができて,達成感でいっぱいです。
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