餓鬼岳 大満足 大町のトットちゃんに逢う
- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,824m
- 下り
- 1,816m
コースタイム
小屋-0:05山頂-0:30展望台-0:30山頂-0:05小屋
天候 | 1日 朝から曇り 2500m付近から降雨 2日 曇り 時々 晴れ 大凪山から上は雲の中 二日間ともほぼ無風 雨上がり、ガスで湿度が高く行動中は蒸す |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口付近(トイレ付近)はタクシーの待機や回転もあるので停めない方がいいそうです。 登山口下に両側駐車できる場所があります。 土日祝日等はいたずらされることがあるそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
*白沢〜最終水場 1日は30日夜の降雨により白沢がやや増水した状態でした。 第二橋後の渡渉点は台風により消失 適宜渡渉してくださいとのこと。(地面に注意書きの板有) 台風被害で多くの橋が失われたそうで、小屋主の息子さんが憔悴しきって現場確認から戻ったそうです。 徐々に復旧していますがまだまだ時間が掛かるそうです。 ケルンやマーキングを探しながら歩いてください。 高巻きの桟道は濡れると非常に滑りやすく落ちれば沢です。 下山時は特に注意して下さい毎年落ちてます。と小屋番さんから。 *最終水場〜大凪山 トレイルが狭いので滑落注意 薮漕ぎ有ります。 ガレ場は急斜面で浮石がほとんどなので注意していても落ちます。 最小限に。 *大凪山〜餓鬼岳小屋 尾根上を歩きます。これまで同様大きな段差の根っこを越えます。 ここが一番長く感じ高度がなかなか稼げずいらっとします。 百曲がりから小屋までは歩きやすいです。 小屋手前で残雪有 スリップ注意 *餓鬼岳小屋〜餓鬼岳山頂〜展望台 山頂までは急ですがすぐ着きます。 山頂から展望台まではザレ場&岩です。 旧近道分岐から樹林帯を抜け鎖場を越えればすぐに展望台です。 展望台手前で分岐を右に行けば唐沢岳 小屋番さん曰く 山頂から唐沢岳までの登山道は人をあまり入れたくないので、あまり手を加えておらず、最小限の整備しかしていないそうです。 気持ちのいいバリエーション豊富なトレイルです。 |
写真
感想
昨年8月末に脱水症状と夕立+豪雨&落雷で遭難しかけた餓鬼岳へリベンジに行きました。
↓↓昨年の記録↓↓
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-233771.html
↓↓非常に長い文章です。↓↓
梅雨真っ只中の7月初め雨が少ないとはいえここ数日はぐずついた天気で、天気予報をこまめにチェック。
30日の雨予報は覆らず夕方にはにわか雨でだいぶ降ったみたいです。
餓鬼岳小屋はほとんど雨に恵まれず30日の雨でようやくタンクに水が溜まったそうです。
昨年の反省も踏まえ、増水もあると想定して早めの出発。
第一橋から見た白沢は若干増水しており流れが激しく若干心配でしたがそのまま進みます。
第二橋を越えすぐ先の第三橋が・・・ありません。
先日の台風により流出してしまったようです。
安定した石を探し渡渉です。
その後、沢を高巻きしながら沢を詰めていきます。
途中、旧日電歩道の如く岸壁に足場をつけた箇所があります。
前日の雨で湿っておりなかなか滑ります。
今回のパーティーには北アルプス初挑戦の登山歴1年生の初心者も居たので慎重に歩を進めます。
その後も所々橋が流された跡が見られましたが増水はそれほどでもなく渡渉を繰り返し最終水場手前の最後の渡渉点で相棒が水没・・・
「入ったぁ〜!!!」と叫び足を水から上げようとしません。
右足が水に浸かってますがどうやら足首付近が濡れただけで済んだようです。
最終水場到着でソックスを交換していました。
楽しいアスレチックコースはここまでです。
ここから大嫌いな急登です。
ゆっくりとしたペースで進み、ガレ場です。
ここは注意して進みました。が、やっぱり落ちてきます。
足を置けばどこかの石が転がります。
ゆっくり確実に進み大凪山山頂。
みんな疲労が濃くなってきていますがまだ元気。
百曲りまでの尾根をダラダラと登ります。
相変わらず根っこが張り出して一段一段が大きくぬかるみも多いので足運びに気を使います。
大凪山から先は完全に雲の中で眺望はほとんどありませんでした。
尾根後半は小休止もほとんどせずゆっくりでもペースを維持して進みました。
やっと良いペースで歩けている感じです。
それにしても羽虫が多い!!!
最後尾の私の後には蚊柱のように黒い影が永遠付いて来て止まれば顔や口、目、鼻にまで入ってきます。終始虫にイライラ。
百曲り入り口で小休止をはさみ小屋を目指します。
これまで同様ゆっくり同じペースで着実に小屋を目指します。
2500m付近でガスが雨粒に変化し始めたちょうどその時に前方で異変。
二番手を歩く北アルプス初挑戦のメンバーがふらついて動けません。
序盤から疲労が一番濃く出ていたので注視していましたが、最後の力を使い切ってしまったようです。
先頭のメンバーに小屋まで先に行ってもらい、小屋へ事情を説明してもらい、本人には空身で下って来てもらうように頼みます。
とりあえずザックを下ろし、マットをひいて座ってもらいます。
容態の聞き取りをしつつ行動食やドリンク、防寒具を水没した相方様と用意し着せます。
パワー系のゲルを胃に流し込んでもらい、ハイドレーションを与えますがバイトバルブを噛んで吸い込むことが出来ない様子。
腹に力が入らず、虚脱感があり、寒気、手足に痺れがあるとの事。
意識はハッキリしていました。
少しの間休んで居てもらう間に荷物を自分のザックに移し変えます。
ダウンしたメンバーのザックを2kg位まで減らしました。
到着時間の見通しが立たないのでとりあえず小屋主の伊東さんに連絡を入れます。
この段階で15時をまわっていました。
伊東さんに事情を説明すると、「本当によく来た!!!何時になっても構わないから、その人を絶対に小屋まで連れて行ってあげて!!!」とそれ以外にももの凄い力をいただける言葉を掛けていただき、もの凄い元気を頂きました。
小屋の常連さんならまだしも他人との関係が希薄な今にこれだけ親身になってくれるのかと感動しました。業務的な匂いの一切しない純粋な人間好きな人の声でした。
雨も強くなってきているのでこのままここで待機するのも体を冷やすだけになってしまいます。
荷物をデポしてスリングを使い本人を背負って小屋まで向かおうかと思いましたが。
本人の動けそうの一言でとりあえず立ってみてもらう事に。
痺れも落ち着いてきており、意識もハッキリしているので様子を見ながらスリングで作った簡易ハーネスで自分と連結して引っ張り上げながら歩きます。
歩き出して程なく雪渓手前で先行していたメンバーと合流。
荷物を持ってもらい進みます。
ゆっくりゆっくり状態を聞きながら歩を進め、ようやく小屋に到着。
16:30でした。
ぐったりしていたメンバーも夕飯にはちゃんと参加。
その後まったりして消灯。
翌日は4時起床
昨日ピークを踏んでいないのでご来光がてら山頂へ向かいます。
小屋の脇から上り始めて5分で到着。
残念ながら朝日は全く見れませんでしたが、立山に朝日が当たって輝いている姿に感動しました。
裏銀座は唯一烏帽子だけが見えていました。
お隣の燕も雲の中。
雲を赤く染める朝焼けと、雲間から差し込む光が綺麗でした。
小屋へ戻り朝食。
メンバーの体調を一応聞き、本来は唐沢岳へ行くつもりでしたが体力的にも怖いので手前の展望台まで行きます。
山頂を踏まないルートもあったようですが現在は通行止めでした。
山頂からは花崗岩の岩場歩きと樹林帯、薮漕ぎです。
アップダウンもそれほど無く楽しい稜線歩きでした。
30分ほどで展望台へ到着。
展望は山頂とあまり変わりませんが、唐沢岳が近く、眺望は最高です。
小屋へ戻り下山開始です。
下山もゆっくりのペースで。
荷継小屋跡で休憩して下ります。
ガレ場に神経を使いながら最終水場で休憩。
ここから最後の沢くだり。
前日と違い水も澄み、水量も減っています。
途中、前方を見ていると、昨日ダウンしたメンバーがポールに頼りきって腰の引けた歩きをしてフラフラし始めています。
すぐに開けた河原に出る手前だったので河原で休憩する様に促します。
ここで昼食。途中行動食は口にしていますが朝食以来のご飯です。
パスタを茹で食べてもらいます。
食事をして高巻きの所でまだ本調子ではないメンバーに簡易ハーネスを着け、鎖と自分の繋ぎ方を説明して歩いてもらいます。
念のために持ってきたスリングでしたがまさかここまで活躍すると思わずでした。
危険箇所は全部こなしたので後は地道に下るのみ。
16:30登山口着でした。
その後、登山口近くのコンビニに行き下界を満喫。
昨年、コンビニのおじちゃんに教えてもらった情報を元に伊東さん宅を探します。
思いっきり目の前でした・・・
突然の訪問にも嫌な顔をせず拍手で向かい入れてくれました。
先代が命を削って作った登山道の話し、現在の登山道維持の苦労、現在の小屋の状況等を聞かせて頂きました。
先代宗右衛門さんの後を継ぎ、登山者を愛している奥様の話しに感動しきりでした。
それにしても80歳とは思えない程元気で優しく厳しい方でした。
次に行く時はまず、伊東さんを尋ね山に登り、下山したら伊東さんを尋ねる様に!!!と・・・笑
短い時間でしたが非常に楽しい餓鬼岳での苦しさを吹き飛ばしてくれる時間でした。
お土産まで頂いてしまい恐縮しきりでお別れをし、大町温泉薬師の湯へ向かい二日分の汚れを落とし、安曇野インター付近で夕飯を食べ帰宅となりました。
今回は、自分の判断の遅さや状況判断の遅さがメンバーのダウンに繋がってしまったかなと反省です。
リベンジも果たし、反省点もあり楽しさも辛さもあり、素敵な出会いもある充実した2日間となりました。
一緒に行ってくれたメンバー、小屋主の伊東さん、小屋番のお二人、道を切り開いてくれた先代、整備をしてくれている息子さんと関係の方、感謝です。
辛くて長い山だけど、また絶対に行きたいと思える山でした。
餓鬼岳がもっと好きになりました。
本当にありがとうございました。
辛いと思わないよう、思わせないように準備して
山を楽しんで下さい。
追
楽しむ山と鍛える山はなかなか一緒にできませんね
特にパーティーになると
>Shigeさん
コメントありがとうございます。
なんとも説明のしにくいところですが、やはり楽しく歩ける事にこした事は無いですよね。
追記
確かにそうなんです。
自分もまだまだ途上なので行く度に得る事があり、毎度いい経験をさせていただいています。
山の程度やどこまで熟知しているかにもよると思いますが、今は同行者含め自分もですが、いかにリスクを減らして楽しく歩くための準備期間だと思って歩いています。その中でも楽しむ事は忘れないようにしています。
厳しいだけが山ではないし、楽しいだけが山でもないので。
生意気ですね(笑)
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