北岳・仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳
- GPS
- 68:51
- 距離
- 63.6km
- 登り
- 5,764m
- 下り
- 6,382m
コースタイム
広河原7:20〜分岐7:40〜大樺沢二俣9:10/9:20〜八本歯のコル11:25〜吊尾根分岐12:30〜北岳13:00/13:05〜両俣分岐13:35/13:45〜中白峰沢ノ頭〜取付点16:20 (ビバーク)
●7月14日(日)
取付点4:10〜両俣小屋5:40〜野呂川越7:00〜高望池9:00〜大仙丈ヶ岳12:45〜仙丈ヶ岳13:25/13:40〜小仙丈ヶ岳14:30〜分岐15:10〜駒仙小屋16:10 (テン泊)
(設営後散策→駒仙小屋〜北沢峠〜大平山荘)
●7月15日(月)
駒仙小屋8:45〜仙水小屋9:15〜仙水峠9:50/9:55〜駒津峰11:35〜六方石12:00〜甲斐駒ヶ岳12:55/13:15〜八合目14:15〜七丈小屋テン場14:40 (テン泊)
●7月16日(火)
七丈小屋テン場2:00〜鳥居2:30〜甲斐駒ヶ岳3:20/4:50〜鳥居5:20〜七丈小屋テン場5:30/6:10〜五合目7:00〜刀利天狗7:35〜笹の平分岐8:45〜竹宇駒ヶ岳神社9:45/10:05〜道の駅はくしゅう11:00/11:35〜小淵沢駅13:50
(小淵沢駅13:55〜道の駅こぶちざわ14:25/15:05〜小淵沢駅15:45)
天候 | ●7月13日(土) 曇り時々雨 ●7月14日(日) 曇り時々雨 ●7月15日(月) 晴れ ●7月16日(火) 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り→小淵沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●大樺沢二俣方面はアイゼンが必要です。必要なしと書いている人は上級者と思われます。 ●両俣分岐から両俣小屋への道は荒廃しています。沢も通るため、経験がない場合、避けた方が良いです。 ●甲斐駒ケ岳から黒戸尾根コースは特に危険なし。刃渡りも特に危険はありませんでした。 【七丈小屋の情報】 http://www.hokuto-kanko.jp/mountain_blog/2013/07/post-73.php |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
(敬語は省略します)
【甲府〜広河原】●7月13日(土)
甲府南口バス停は凄い人だかりだった。今日から、広河原方面へのバスが拡張運転されるのだ。始発は4時20分。三連休の初日、このバスに乗るため沢山の人が集まってきた。最終的に24人乗りのバスが8台出動したようだ。
定刻通りに出発して、まずは芦安へ向う。順調に思えたが、なぜかバスは山の神ゲートの前で立ち往生した。足止めをくって随分時間がたった。もう予定の時間に広河原に着くのは難しいだろう。バスの中では、無線や運転手と乗務員のやり取りを手掛かりに色々な噂が広がる。
結果的に芦安駐車場の乗客を乗せきれないため、甲府発の車両に追加(立ち乗り)で乗せろとの事らしい。予定にない芦安駐車場へ降りて詰め込めるだけ乗客を乗せて、バスはやっと山の神を出発した。
この事について運転手、乗務員から説明も謝罪も一切なかった。
予定の時間から遅れること1時間、7時10分にバスは広河原に到着した。早くも計画に暗雲が立ち込める。
【北岳】●7月13日(土)
インフォメーションセンターは、ごった返していた。これだけの人数を一片に連れて来たのだから当然だろう。トイレは諦め、先を急ぐ。入山届は広河原山荘で出す事が出来た。この時期は特設の届出ブースが出来ているようだ。逆に冬期小屋は資材置場になっていた。
登り始めから凄い行列だ。これが、大樺沢方面へ分岐して雪渓を渡る辺りまで続いた。
何かの本で肩の小屋の混雑ぶりを書いていたが、なるほど、こう言う事か。
雪渓を登り切るまでは調子が良かったのだが、八本歯へ上がる階段の連続辺りで一気にペースが落ちた。バスの遅れで焦っていたためハイペースで歩き過ぎたようだ。
何とか八本歯のコルまでたどり着くと、コルの少し手前で多くの人が立ち往生していた。突風が凄まじいのだ。諦めて引き返す人や、荷物を置いて山頂を目指す人、それぞれが選択を迫られた。私は、ピストンではないので荷物を置いて行く訳にはいかない。そのまま山頂を目指す。八本歯のコルから、しばらくは突風が続いたが山頂では、信じられないほどピタッと風が止み、気温も一気に上がった。そして一瞬だけ雲が切れ、辺りの景色が見えた。
ここからまずは肩ノ小屋方面へ行く。途中で少しだけ甲斐駒が見えた。両俣小屋への分岐で甲斐駒の勇姿を撮影しようとしばらく待ったが、雲が再び切れる事はなかった。代わりに下の肩ノ小屋が見えた。予想通り凄い数のテントだ。
私は両俣小屋を目指す。
両俣小屋方面は思った以上に荒廃していた。道を探しながら下る。
沢に降りるまで随分時間が掛かってしまった。
さらに取付点手前で天候が怪しくなって来た。この後、大雨になるかも知れない。
ここで決断を迫られた。
●この後、天候が崩れそうだ。
●沢が増水する可能性がある。増水すると沢を渡れない。鉄砲水の恐れもある。
●時間が押して来ているため焦る。焦ると危険。
●沢の途中では、ビバーク出来ない。
以上の理由で両俣小屋はあきらめて、沢の手前でビバークをする事にした。
テントを張れそうなスペースを見つけて設営する。枝が突き刺さりテントが破れた。それでも何とかテントを張り、潜り込む。しばらくすると予想通り大雨になった。
反省するべき点は、
●出発が遅れたのに無理に計画を遂行した事
●混雑している肩の小屋を避けた事
折角、変更の効くプランにしたのにこれでは意味がない。
【仙丈ヶ岳】●7月14日(日)
目覚めると雨は止んでいた。
パッキングを済ませ、まずは両俣小屋を目指す。沢を右へ左へと渡りながら下って行く。やはり昨日、この道を行くのは難しかっただろうと思う。沢を下る難しさとルートを探す難しさでだいぶ体力を消耗した。時間も予想以上に掛かる。
両俣小屋の少し手前で人に会った時には正直、ホッとした。
その方はヤマメ釣りに来たらしい。この辺りは有名なスポットだとか。
両俣小屋から今度は仙丈ヶ岳を目指す。最初の目的地は横川岳だ。つらい急登を登りきると、次は仙丈ヶ岳に続く長い稜線。
男性とすれ違った。ここは一本道の稜線。一番近い仙丈小屋からコースタイムで4時間といったところ。何時に出るとこの時間に、ここですれ違うのだ?疑問に思っていると、また男性とすれ違った。
トレランの様な服装だが、荷物はそれなりに持っている。そうか、分かったぞ!!ここはトランスジャパンアルプスレースのコースなのだ。きっと試走の方に違いない。そう思い、勝手に納得して歩いていると、今度は女性の単独行の方が……それも続けて3人。もう私には全く訳が分からないのです。
最後にすれ違った方と話す機会があった。ずいぶん早いですね、と言うと、いやいやコースタイム通りですと言う。これから間ノ岳を越えて北岳山荘まで行くのだとか。そして明日は北岳越え。ちょっと厳しいかな、と笑っていた。楽しんでるな〜
横川岳から仙丈ヶ岳までの稜線はとにかく長い。次の目的地まで4時間とか言われるとがっかりする。せめて、もう少し小刻みにして欲しいものだ。
やっと大仙丈ヶ岳に着いたと思ったが、ピークへの登り道がない。大仙丈ヶ岳は登れないピークなのか?かすかな踏み跡を頼りに登ってみると、隣のピークに道標が見えた。あっちですか(ーー;)
ただの偽ピークに騙されただけだった。このピークに偽仙丈ヶ岳と名付けよう。
仙丈ヶ岳は、賑わっていた。道標の前で記念撮影する人、ライチョウを撮影する人、食事をする人。
私は、適当にシャッターを切りまくり、先を急ぐ。
今日中に本沢峠まで降りたいのだ。
昨日の反省は、どこへ行った (ーー;)?
とは言え今回は勝算があった。まず15時までに森林限界下に下る、16時までテント場に到着する。
完璧!!
しかし、そんな私の勝算など、あっさり打ち砕いてくれるのが山だ。
15時前に雨が降り出したのだ。そして、お約束のカミナリ!!
急いで森林限界下まで降りる。
と言うか、まだ上には沢山人がいるけど、みんな怖くないんですか (ーー;)?
駒仙小屋に着いた頃には雨が止み、甲斐駒ヶ岳が見えた。テント場は、凄い数のテントで埋め尽くされている。私は2泊を申し込み、丁度良いスペースを見つけテントを張った。
あまりに天気がいいので、大平山荘まで散歩に出掛けてみる。途中、双児山の眺望が素晴らしかった。
【甲斐駒ヶ岳】●7月15日(月)
3日目はノープラン。で、寝坊した。
トレランで白鳳峠、もしくは鳳凰まで行こうと思っていた。上手く行けば薬師小屋まで行き、荷上げルートから下山して、スーパー林道を北沢峠まで戻る。楽しそうでしょ!!
しかし朝方に雨が降った。(夜中だったかも)
これではランは厳しいな、と思い寝坊に至る。
起きると晴れていた。
明日も何があるか分からないので、目的地までの距離を縮めておこう。
予定を早め、甲斐駒ヶ岳を越えて七丈小屋まで行く事にした。
8時45分。遅い出発になったが、七丈小屋までなら15時前に着けるだろう。
今回の山行で天気が良いのは、今日が初めてだ。
やはり晴れた方が気持ちが良い。そんな当たり前な事を実感しながら登っていく。
仙水峠で男性にあった。甲斐駒から下山する所のようだ。
昨日までに夜叉神峠、鳳凰、アサヨ峰と縦走して一度北沢峠に降りたらしい。栗沢山で雨に降られて泣きそうだったと言っていた。今日は晴れて良かった、今後も安全に、と交わして別れた。
私は甲斐駒ヶ岳を目指す。
高度を上げて行くと、栗沢山に隠れていた北岳が見えてきた。昨日までに歩いて来た稜線が全て見渡せる。気分がいい。
そしてこれから登る甲斐駒ヶ岳も、その姿を現した。
デカイ!!
これから、あの頂に立つのだ。
正直、ちょっと、しんどいぞ (ーー;)
山頂の手前でガスが上がって来た。
これは、山頂に着く頃には全てが雲の中ってパターンのヤツか!?
もし山頂からの景色を拝めなかったら、明日もう一度登り返そう。
そう考えながら山頂を目指す。
山頂は若干ガスっていたものの、雲が流れて北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山などが見えた。八ヶ岳が見えないのが残念だ。
山頂から鋸岳方面へは、とても危険らしい。行ってみたい気持ちに駆られるが、その気持ちを抑え七丈小屋方面へ向う。
七丈小屋のテント場は、小屋より大分手前にある。小屋で受付をしてまた登るのかと思うとがっかりする。荷物を置いて行けば良かったと思う。そして、水を汲みに再度小屋へ下りる。
テント場には最終的に私を含め5張。明日は平日なので、ほとんどの人が今日中に下るのだろう。
静かなテント場で、ゆっくり過ごす。明日、晴れたら甲斐駒ヶ岳に戻り、ご来光を見よう。
【七丈小屋〜小淵沢駅】●7月16日(火)
最終日、2時に起きて、甲斐駒ヶ岳山頂を目指す。天気は微妙だが、何かが見えるだろう。八合目までコースタイムの半分の時間で上がってしまった。荷物がないからだ。持って来たのは雨具、防寒着、ツェルト、水、食料だけ、それ以外はテントに置いてきた。荷物がないとこんなに差が出るのか……。このままでは、日の出よりだいぶ前に着いてしまうので、ペースを落とす。
それでも日の出、1時間前に山頂に着いてしまった。まぁ、間に合わないよりはいいか。すぐに防寒着と雨具も着込み日の出を待つ。
日の出を目前にして、ガスが上がって来た。やめてくれ〜と思ったが意外にも神秘的だ。赤い空が美しい。
さあ、帰ろう。
途中、鳳凰三山の向こうに富士山のお鉢が見えた。結局、八ヶ岳は見る事が出来なかった。
テント場に戻りパッキングを済ませ下山に掛かる。
荷物が重い。
途中で七丈小屋の方が発泡スチロールの箱を3つ背負い走って下山して行った。七丈小屋はヘリでの荷上げが天候に左右され易く物資不足になるらしい。あの箱に荷物を詰めて登るのか……(ーー;)
刃渡りはクサリなどで整備されていて危険な感じはしない。
その後は、クッションの効いた歩き易い道が続く。下山にはもってこいだ。ただ、長い。
やっと吊橋まで下山した所で、男性2人組にあった。来月、甲斐駒ヶ岳に登る予行練習だとか。甲斐駒ヶ岳に登った感想を聞かれ、南アルプス談議で盛り上がった。
ここに160台収容の大きな駐車場がある。今日はさすがに車は少なかったが、連休中は凄い車の数だったのだろう。
ここから更に小淵沢駅まで歩く。
途中に道の駅があるので、寄ってみる。
道の駅はくしゅうは、比較的新しい道の駅なようだ。名水百選の白州の水が汲めるため、その水を求めて沢山の人が集まっていた。
小淵沢駅までは、ここから国道20号を行き、荒田の信号から八ヶ岳の方へ。川を渡り峠越えのような長い登りだ。実際は下らないので峠ではないのだが、かなり時間をくった。早めに下山して来ていて良かったと思う。
小淵沢駅に着いたのは午後2時。
折角なので、道の駅こぶちざわの延命の湯まで行き、温泉に浸かってから帰る事にした。
南アルプスから八ヶ岳の麓への旅は、こうして終わった。
コメント
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お邪魔します。
両俣、北岳間は、相当通行が難しいようで、うまくビバーグでクリアされましたね。素晴らしいです。
ところで、野呂川越あたりで行き違った男性の一人
トランスジャパンアルプスの練習に行っていた友人です。
前日に駒ケ根から走っていたようです。
情報をありがとうございます。
本当にトランスジャパンアルプスの練習だったのですね。
駒ヶ根からですか……確か中沢峠〜地蔵尾根〜仙丈ケ岳と行くんですよね。凄まじいなぁ〜
練習って事は来年、参加させるんですかね??
私は応援にでも行こうかな。
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