シャクナゲめざして甲武信岳、十文字小屋泊(毛木平から反時計回り)
- GPS
- 15:29
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 1,474m
- 下り
- 1,461m
コースタイム
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 11:19
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
NHKラジオ第1の「山カフェ」という番組をご存知ですか?
土曜の午前8時から約2時間。山小屋のご主人との電話コーナーや、その道の専門家のゲストコーナーで、登山に関係するありとあらゆる話題を楽しく紹介してくれます。
私はこの番組の大ファンで、NHKのラジルラジル・アプリの聞き逃し再生でほぼ欠かさず聴いてます。(リアルタイムで聴くことはないですが)
5月末の放送の「山小屋からこんにちは」のコーナーに十文字小屋のご主人の女性が電話で出演され、十文字小屋の周りのシャクナゲが満開になり斜面を埋め尽くすように咲いている、といった内容のお話をされていた。
どこか花がいっぱいの山に行きたいと行き先を探していたタイミングでこの放送を聞いて嬉しくなった。5月末には新型コロナ予防接種の1回目が終わるし、平日のすいた山小屋に泊まっても良いんじゃない? 十文字小屋に一泊してゆっくりシャクナゲを見るのも楽しみだ。
毛木平-千曲川源流-甲武信岳-十文字小屋(泊)-毛木平と回ることにして、所要時間はコースタイムに1割増しして、さらに休憩に1時間プラスと見込んだ。(大抵の場合、この計算で自分のペースに合います)。計画では1日目の15時前に小屋に到着の見込み。
が、しかし、歩き始めると調子が出ない。寝不足気味だし、なんだかお腹の調子も良くないし、我ながら元気がない。いつもより急登が辛い。
辛い気持ちで登ったあの山この山が思い出されてくる...。何が楽しくて山に登ろうと思ったの? と脳内ネガティブキャンペーンも始まった。
甲武信岳の山頂に到着! しかし計画より1時間以上の遅れ。
十文字小屋の予約の際、午後3時には小屋に着きます、と話したのに。
この調子では小屋着は4時を過ぎる。 遅れることを連絡しないと...。 でも電波がつかまらない...。
山頂で出会った男性が、ゆるやかな千曲川源流コースと違って、十文字峠への道は岩場が多くて鎖場もあり、登り向き、と教えてくださった。
私が参考にしたJTBの登山本では、鎖場のことなど記述されてない。ここで、鎖場があることを教えてもらって助かりました。
コッヘルでソーセージを焼き、スープとおにぎりで昼食を済ませた。
さて十文字峠に向かいます。
アップダウンを繰り返して2時前に尻岩に到着。
携帯の電波が1本だけだが表示されたので十文字小屋に数回電話してみたが、通じない。
思いついてSMSで遅れることを送信したが、読んでいただけたかしら? 気がかりです。
尻岩を出てまもなく、武信白岩山に取り掛かる。
いよいよ岩場の始まりだ。
途中で1輪だけシャクナゲの赤い蕾が見えた。気分アップ。
白い花崗岩の岩塊の上に高さ2m程のハシゴと鎖がかかっている。ハシゴを登り切ると、さらに岩が続き、右側は切れ落ちた崖です。 慎重に慎重に。
武信白岩山から前方に高い岩のドームが樹林から突き出ているのが見えた。頂上には標識らしい白い柱が見える。武信白岩北山か。
あれに登るの? ヘルメット持ってきてないんですけど...。と心配したが、道は左に巻いていくのでホッ。
武臣白岩山で調子が戻り、午前に感じていた不調は消えてしまった。
尻岩で食べた甘いクッキーが効いたのか、崖っぷちの岩場の緊張がアドレナリンを出してくれたのか?
シャクナゲが増えて、写真で立ち止まることが増えた。赤い蕾、濃いピンクや薄いピンクの花、どれもきれい。
最後の登りは大山。大山の山頂はシャクナゲでいっぱい。満足。
大山からは下るだけだ。...と安心したら、いきなり鎖場の連続。笑ってしまった。4段?の鎖場を慎重に下り、下りつづけ、時計を気にしながらシャクナゲの写真を撮っては進む。
5時過ぎに十文字小屋に到着。ご主人の宗村さんが表に出ていて声をかけてくださった。
ご心配をかけて、本当に申し訳のないことでした。
この日の宿泊者は男性2名と私で3名。
私は3段のベッドの12人部屋に1人で入れていただいた。超ゆったりです。
すぐに出していただいた夕食を美味しく頂いたあとは、ご主人と同宿の方とストーブを囲んで思い思いの飲み物を楽しみながら7時半頃までよもやま話。
もちろん、「山カフェ」の放送の話も出た。歴史ある山小屋のご主人の気概を感じました。山小屋を一人で切り回していらっしゃる私より10歳年上のご主人を尊敬します。シャクナゲも樹勢が弱らないよう花摘みをするなどの手入れをしていらっしゃるそうです。
十文字小屋周辺の石楠花はアズマシャクナゲだとのこと。
甲武信岳周辺では木賊山にも石楠花の木が沢山あるが、あちらは白山シャクナゲで花の時期は7月だとか。 そういったことも教えていただいた。
夜8時の消灯のあと翌朝の目覚ましが鳴るまでが一瞬に感じられたくらい。熟睡。
ご主人に教えていただいたカモシカ展望台と途中のシャクナゲ展望台を、朝食後にゆっくり散歩した。ピンクのシャクナゲが斜面を埋め尽くして咲いているのは想像を絶する光景。
最初に頭に浮かんだのは「満開のりんご畑のような」。または「満開のピンクのサザンカの群落」のような光景、というか。良い形容が思いつかないが、見事なものでした。
名残惜しいけど下山。
2時間程の下りの途中、登ってくる方たちにたびたび聞かれた。シャクナゲはどうでした? って。 山カフェの番組の話をする方もいた。
十文字小屋のご主人には大変お世話になりました。ありがとうございました。
良いところに良い時期に来れて幸せな時間でした。
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